エリアでまとめる意味はあります。得るものと失うものは対になります
1都3県のように広い範囲に施設を持つ法人でも、営繕をエリアでまとめる意味はあります。近い施設どうしを1つのまとまりにして、日常の修理を同じ業者に頼むと、法人は単価と記録をそろえやすくなるからです。
ただ、得るものがあれば、現場が手放すものもあります。法人が得るのは、全体が見えることです。現場が手放すのは、近くの業者に自分で頼める身軽さです。この2つは、同じことの両面です。
図1 法人の得と現場の手放すものは対になる。対ごとに手当てを決める。
まとめるかどうかは、施設の散らばり方で決まります。目安として、近い施設が3つ以上集まっている所は、まとめる効き目が出やすくなります。1つだけ離れた施設は、無理にまとめず、地元の業者に法人の様式で頼むほうが早く直ります。
この記事では、まとめるか・まとめないかの二択ではなく、何をエリアでまとめ、何を施設に残すかを決める考え方を整理します。
法人が得られる4つのことは、記録が集まるところから効いてきます
エリアでまとめると、法人は4つのことを得られます。どれも、施設ごとにばらばらに頼んでいたときには、本部から見えにくかったことです。
- 単価がそろう同じエリアの施設は、同じ業者に同じ単価で頼めます。施設ごとの費用の差を、本部が説明しやすくなります。
- 記録が集まるエリアの業者が同じ形で報告を出すので、全施設の件数と費用を毎月1枚で見られます。
- 計画と発注がまとまる同じ時期に入れた空調や給湯器の更新を、エリアで1回の見積に出せます。
- 事務が減る契約と請求の相手が減り、支払いの手続きと業者の名簿の管理が軽くなります。
4つのうち、本部がいちばん効き目を感じやすいのは、記録が集まることです。どの施設でどの分野の修理が多いかが、月ごとに並びます。施設ごとの費用の差も、単価の違いなのか、修理の数の違いなのかを分けて見られます。
計画と発注がまとまるのは、エリアならではの得です。同じ時期に建てた施設が同じエリアにあれば、設備の更新の時期も近くなります。比べる手間が1回で済み、工事の時期を施設どうしでずらせば、立ち会いや入居者の方の移動も重なりません。設備の更新の周期の目安は設備の年数は、3種類を並べてから更新の時期を決めますにまとめています。
現場が失うのは、近さと、自分で頼める身軽さです
得るものの裏で、現場が失うものもあります。エリアの業者は、施設から見ると、前より少し遠い相手になります。法人が得るものと失うものを対にして、手当てまで並べておくと、現場への説明もしやすくなります。
法人が得るものと、現場が失うもの| 法人が得るもの | その裏で現場が失うもの | 失わないための手当て |
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| 単価がそろう | 近所の業者に、顔なじみの値段で気軽に頼めること | 小さな修理は、エリアの巡回の日にまとめて頼めるようにする |
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| 記録が集まる | 電話1本で頼める身軽さ(様式を書く手間が増える) | 様式の欄を絞り、写真と場所だけでも送れる形にする |
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| 計画と発注がまとまる | 施設長が、自分の判断で頼める範囲 | 急ぎの修理で施設長が頼める上限額を、本部と書面で決める |
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| 事務が減る | 建物の癖を知る地元の業者との付き合い | 急ぎの修理と相談の枠を、地元の業者に残す |
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いちばん気をつけたいのは、建物の癖を知る地元の業者との付き合いです。建てたときの工務店や、何年も同じ施設に来ている設備の業者がいます。こうした業者は、図面にない配管の位置や、大雨のたびに水がたまる場所を知っています。エリアの業者に切り替えても、この付き合いは、急ぎの修理や相談の枠として残します。
もう1つは、小さな修理がたまりやすくなることです。エリアの業者を呼ぶほどではないと職員が遠慮すると、扉のきしみや水栓のゆるみが、巡回の日まで放っておかれます。小さな修理の一覧を施設で持ち、巡回の日にまとめて渡す形にしておきます。地元の工務店との年間の付き合い方は日常は工務店と年間で付き合い、大きな工事は入札などで比べて選びますにまとめています。
エリアで受け持つものと、法人・施設に残すものを分けます
エリアでまとめるときは、何もかもをエリアに寄せるわけではありません。法人全体でそろえるもの、エリアでまとめるもの、施設に残すものの3つに分けます。
3つの単位で受け持つもの| 単位 | 受け持つもの | 例 |
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| 法人全体 | 頼み方と記録の形、単価の考え方、承認の線、修繕の計画 | 全施設で、同じ依頼の様式と記録の表を使う |
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| エリア | 日常の修理を頼む業者、定期の巡回、法定の点検の日程 | エリアの業者が、月に1回、エリアの施設を順に回る |
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| 施設 | 不具合に気づくこと、急ぎの修理の第一報、立ち会い、入居者の方への声かけ | 夜中の水漏れは、施設が近くの業者に直接頼む |
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図2 エリアは法人と施設のあいだの単位で、業者のまとまりを受け持つ。
エリアでまとめるのは、おもに日常の修理を頼む業者です。業者の移動の時間は、費用と待ち時間にそのまま乗ります。近い施設どうしを同じ業者に寄せると、1回の訪問で2つの施設を回るような組み方もできます。
法人全体でそろえる様式や単価の考え方は、エリアをまたいでも同じにします。エリアごとに業者が違っても、本部は全施設を同じ物差しで見られます。全国どこでも1社で受けると言う会社の形と見分け方は「全国対応」の営繕業者は、誰が来るかで3つに分かれますにまとめています。
施設の散らばり方で、エリアの決め方が変わります
エリアの決め方は、施設の散らばり方で変わります。同じ1都3県でも、ある沿線に施設が並ぶ法人と、県のあちこちに点在する法人とでは、線の引き方が違います。まず全施設を地図に置いて、どの形に近いかを見ます。
図3 地図に施設を置くと、4つのどれに近いかが分かる。
施設の散らばり方と、エリアの決め方| 散らばり方 | 例 | エリアの決め方 | 業者の持ち方 |
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| 集まっている | 1つの市と隣の市に、施設が5つある | 全体を1つのエリアにする | 分野ごとに1社。急ぎは施設ごとに近くの業者 |
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| 線に並んでいる | 1つの鉄道の沿線や幹線道路に沿って、施設が並ぶ | 線の上で、車で1時間ほどの区間ごとに区切る | 区間ごとに業者を決め、端の施設は隣の区間の業者も候補にする |
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| 点在している | 県の中に、施設が数十キロずつ離れて散らばる | 施設の多い所を拠点にして、まわりの施設を寄せる | 拠点のまわりは共通の業者、拠点から遠い施設は地元の業者 |
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| 1つだけ遠い | ほかの施設から車で2時間ほど離れた施設が1つある | エリアに入れず、その施設だけで扱う | 地元の業者に、法人の様式と単価表で頼む |
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線を引くときの物差しは、県や市の境ではなく、業者が着くまでの時間です。日常の修理を受け持つ業者が、エリアのどの施設にも車で1時間ほどで着けるかを見ます。急ぎの修理は、それより狭い範囲で、施設ごとに近くの頼み先を持ちます。
1つのエリアに入れる施設の数は、目安として3つ以上です。2つでは業者が回る日を組む効き目が小さく、多すぎると1社の手が回らなくなります。近くの業者を、着くまでの時間で探す考え方は近くの業者は、市区町村の名前より着くまでの時間で選びますにまとめています。
1都3県は、県の境より移動の時間で区切ります
1都3県は、地図の上では1つのまとまりに見えます。けれども、業者が車で動くときの近さは、県の境と一致しません。県の名前でエリアを分けると、近い施設が別のエリアに分かれ、遠い施設が同じエリアに入ることがあります。
1都3県で、エリアを区切るときに見ること| 見ること | 起きやすいこと | 区切り方の例 |
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| 東京湾をはさんだ移動 | 神奈川と千葉の施設は、地図では近く見えても、湾を回ると時間がかかる | 湾をはさむ施設は、別のエリアにする |
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| 都心を通る移動 | 埼玉から神奈川へ、千葉から多摩へなど、都心を通る移動は時間が読みにくい | 都心をまたがないように区切る |
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| 都心の駐車 | 作業の車を止める場所が少なく、駐車の費用や時間がかかる | 都心の施設は、近くに拠点のある業者を選ぶ |
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| 水道と下水の指定 | 給水や排水の工事は、水道事業者や市町村ごとの指定が要る | エリアの業者が、施設ごとの指定を持つかを確かめる |
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| 届け出の相手 | 介護保険の届け出の相手が、県・政令市・中核市などで違う | 届け出の要る工事に備え、施設ごとに相手を控えておく |
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県の境をまたいでエリアを作ってもかまいません。埼玉の南部と東京の北部の施設が、同じ業者から車で30分ほどの範囲にあるなら、1つのエリアにするほうが自然です。反対に、同じ東京でも、23区の東の端と多摩の西の端は、別のエリアにするほうが早く来てもらえます。
県ごとに、業者の探し方の迷いどころも違います。東京や神奈川の都市部は業者が多い分、選び方に迷いやすくなります。埼玉や千葉では、都心の業者を呼ぶか、地元の業者にするかで迷いやすくなります。東京・神奈川での探し方は東京・神奈川は業者が多いぶん、3つの基準で絞ると決まりますにまとめています。埼玉・千葉での探し方は埼玉・千葉の営繕は、頻度と移動の時間で頼み先を分けますにあります。
BCPの面では、業者を1つのエリアに寄せすぎないようにします
介護施設では、令和6年(2024年)4月から、感染症と災害の業務継続計画(BCP)を作ることが義務になっています。営繕をエリアでまとめるときは、この計画との関係も見ておきます。エリアでまとめるほど、業者とのつながりが1か所に寄るからです。
首都直下地震のような大きな地震では、1都3県の施設と業者が、同時に被害を受けることがあります。エリアの業者が自社の復旧で手一杯になると、そのエリアの施設は、まとめて頼み先を失います。施設ごとにばらばらに頼んでいたときは、どこかの業者が動けるという分散が、知らないうちに効いていました。
図4 業者の拠点と施設が近いほど、ふだんは早く来て、災害のときは一緒に止まる。
災害に備えて、エリアの体制で決めておくこと| 決めておくこと | 中身 | BCPの計画への書き方の例 |
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| 2番目の頼み先 | エリアの業者が動けないときに頼む、別の範囲の業者 | 設備ごとに、1番目と2番目の頼み先を並べて書く |
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| 地元の業者との付き合い | 施設の近くにいて、道が混んでも来やすい業者 | 連絡先と、頼めることを書く |
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| 先に直す設備の順番 | 業者の手が足りないときに、どの設備から直すか | 給水・電気・トイレ・空調など、暮らしに直結する順に並べる |
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| 法人の中での応援 | 被害の小さいエリアから、職員や資材を回す | 応援を出す施設と、運ぶものの一覧を書く |
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| 連絡の手段 | 電話がつながりにくいときの、業者との連絡の方法 | 業者と使う連絡の手段を、2つ書いておく |
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BCPの訓練のときには、業者への連絡も一緒に試しておきます。計画に書いた番号がつながるか、担当者が替わっていないかは、試してみないと分かりません。停電への備えと、非常用の電源や受水槽に使える補助は停電への備えは、何を何時間動かすかから決めますにまとめています。
エリアの修理を束ねる役は、3つの形から選びます
エリアでまとめると、エリアの施設の修理を取りまとめる役が要ります。施設から上がった話を受け、業者に回し、エリアの記録を本部に届ける役です。取りまとめ役の形は、大きく3つです。
エリアの取りまとめ役の3つの形| 形 | 中身 | 向いている法人 | 気をつけること |
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| 法人の職員 | エリアの営繕担当を置き、施設を回って修理を取りまとめる | エリアに施設が多く、修理の件数も多い法人 | 1人に集まり、休みや退職のときに止まる |
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| エリアの業者 | 日常の修理を受ける業者が、受付と記録も受け持つ | エリアの修理の多くを、1社で受けられる法人 | 業者が受け持たない分野の話が、宙に浮きやすい |
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| 外の窓口 | 相談を受けて分野ごとに業者を手配し、記録をまとめる | 分野がばらばらで、エリアに1社で受けられる業者がいない法人 | 急ぎの修理は、施設の近くの頼み先と分けておく |
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どの形でも、エリアの記録は、法人の様式で本部に届くようにします。取りまとめ役が替わっても、記録の形が同じなら、引き継ぎで困りません。
法人の職員を置く場合は、1人で見られる施設の数に限りがあります。エリアの施設を月に何回回るか、急ぎのときに誰が代わるかを、先に決めておきます。定期の巡回を業者に頼むときの、頻度と範囲の決め方は定期の営繕契約は、頻度・範囲・費用の順に決めますにまとめています。
年に1回、エリアごとに並べて見ます
エリアでまとめたあとは、年に1回、エリアごとの修理を並べて見ます。エリアの線が合っているか、業者の手が回っているかは、1年分の記録を並べると分かります。
年に1回、エリアごとに並べて見ること| 見ること | 見方 | 次の年に生かすこと |
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| 直るまでの日数 | エリアごと、施設ごとに、頼んでから直るまでの日数を並べる | 遅い施設があれば、線を引き直すか、近くの頼み先を足す |
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| 分野ごとの件数と費用 | どのエリアで、どの分野の修理が多いか | 件数の多い分野は、定期の巡回に入れるかを考える |
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| 急ぎの枠の使われ方 | 施設長が自分で頼んだ修理の件数と中身 | 急ぎの枠が多すぎるなら、エリアの業者の着く時間を見直す |
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| 更新が近い機器 | エリアの中で、年式の近い機器 | 翌年度からの更新を、エリアの中で時期をずらして組む |
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並べるときは、エリアどうしを比べるだけでなく、同じエリアの中の施設どうしも比べます。エリアの端の施設だけが遅れているなら、線の引き方の問題です。エリア全体が遅れているなら、業者の手が足りていません。
年に1回の見直しは、修繕の計画を見直す時期と合わせると、手間が1回で済みます。長期修繕計画の作り方は長期修繕計画は、30年・5年・単年の3つで持ちますにまとめています。
エリアに分けたあとに起きやすいことと、防ぎ方
エリアでまとめ始めると、起きやすいことがいくつかあります。どれも、先に決まりを作っておくと防げます。
エリアに分けた法人で起きやすいことと、防ぎ方| 起きやすいこと | 理由 | 防ぎ方 |
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| エリアの端の施設が後回しになる | 業者が、拠点に近い施設から回る | 施設ごとに、頼んでから来るまでの日数の目安を決めておく |
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| 小さな修理がたまる | エリアの業者を呼ぶほどではない、と遠慮する | 小さな修理の一覧を施設で持ち、巡回の日にまとめて渡す |
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| 施設長が、修理を本部任せにする | 自分で決められる範囲が見えない | 施設長に任せる修理の範囲を、例を挙げて示す |
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| 取りまとめ役に話が集まりすぎる | エリアの話が、1人に集まる | 副の担当を決め、記録を共有の場所に置く |
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| 地元の業者との付き合いが切れる | エリアの業者に、仕事がすべて移る | 急ぎや相談の枠を、地元の業者に残す |
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とくに起きやすいのが、エリアの端の施設の後回しです。業者にとっては、拠点に近い施設から回るほうが自然だからです。どの施設も同じ日数の目安で来てもらえるように、エリアの業者と先に話しておきます。
取りまとめ役に話が集まりすぎると、営繕が特定の人に集まる形に戻ってしまいます。属人化が起きる4つの経路は営繕の属人化は、4つの経路を決まった順にほどきますにまとめています。
モデルケース:1都3県に16施設を持つ法人が、4つのエリアに分けた
モデルケース:1都3県で16施設(有料老人ホーム・グループホームなど)を運営する法人
頼み先が約40社から14社に。本部が毎月、全施設の修理を見られるように
変わったこと(結果)
施設ごとにばらばらだった日常の修理の頼み先を、4つのエリアで14社にまとめました。本部は、16施設の修理の件数と費用を、毎月1枚の表で見られるようになりました。はじめの半年は、エリアの端の2施設で、小さな修理が巡回の日までたまる困りごとが出ました。施設ごとの急ぎの枠を足してからは、どの施設も、頼んでから直るまでが平均1週間以内に収まっています。
背景と、困っていたこと
この法人は、東京・神奈川・埼玉・千葉に、有料老人ホームとグループホームを合わせて16施設運営しています。施設を開くたびに、その地域の業者に修理を頼んできたため、頼み先は全体で約40社になっていました。どの施設が何にいくら使っているかは、決算の時期まで本部から見えませんでした。本部の営繕の担当者は1人だけで、施設からの電話を受けるだけで手一杯でした。
決めたこと
本部は全施設を地図に置き、業者が車で1時間ほどで着ける範囲で、4つのエリアに分けました。神奈川の施設と千葉の施設は、東京湾をはさむので別のエリアにしました。埼玉の南部の施設は、東京の北部の施設と同じエリアにしました。エリアごとに日常の修理の業者を決め、月に1回の巡回と、同じ様式の報告を頼みました。施設長は、急ぎの修理なら10万円まで、近くの業者に自分で頼んでよいことにしました。BCPの計画には、エリアの業者のほかに、施設ごとの2番目の頼み先を書き加えました。決め手は、県の境で分けた案と比べて、どの施設にも1時間ほどで着けることでした。
進めてみて分かったこと
エリアに分けてみて、建てたときの工務店が近くにいる施設ほど、修理が早く直っていたことが分かりました。その工務店には、急ぎと相談の枠を残しています。