基金で大規模修繕の補助を受けられるのは、主に定員30人以上の広域型施設です
地域医療介護総合確保基金(以下、基金)の介護の分には、介護施設の大規模修繕に使えるメニューがあります。ただし、どの施設でも使えるわけではありません。対象は主に、定員30人以上の広域型施設です。名古屋市の要綱では、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院、養護老人ホーム、軽費老人ホームが挙がっています。
要綱の例を見ると、ここに2つの条件が加わります。1つは、建ててからおおむね10年以上たっていること。もう1つは、介護施設等の創設を条件にすることです。令和7年度の広島県の案内でも、長崎県の資料でも、大規模修繕・耐震化は「介護施設等の創設を条件に」行う事業とされています。
基金の大規模修繕・耐震化の条件(要綱の例)| 項目 | 要綱の例 | 確かめるところ |
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| 対象の施設 | 特養・老健・介護医療院・養護・軽費(広域型) | 有料老人ホームやサ高住は、このメニューに入っていない |
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| 定員 | 30人以上 | 29人以下の施設は、市区町村の補助などを確かめる |
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| 建ててからの年数 | おおむね10年以上(名古屋市) | 何年目からかを、県の要綱の数字で確かめる |
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| 創設の条件 | 介護施設等を1施設創設することを条件に、広域型施設1施設(長崎県) | 同じ法人か、年度のずれをどこまで認めるか |
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| 対象の経費 | 工事費・工事請負費。工事事務費は工事費の2.6%まで(長崎県) | 設計や監理の費用がどこまで入るか |
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| 着工の期限 | その年度中に着工すること(名古屋市) | 年度をまたぐときの扱い |
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図1 定員と創設の予定で、最初の見当がつく。最後は県の要綱と担当で確かめる。
名古屋市の要綱の対象の施設には、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、グループホーム、デイサービスは入っていません。こうした施設の修繕は、防災・減災の交付金や、県・市区町村が独自に設ける補助を確かめます。どの施設でも、最後に決めるのは県の要綱と担当の答えです。
基金は、国が3分の2、都道府県が3分の1を出し、県の計画で使い道が決まります
基金は、消費税の増収分を財源に、都道府県ごとに置かれた財布のようなものです。国が3分の2、都道府県が3分の1を出します。根拠は、地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律です。都道府県が計画を作り、その計画に載せた事業に基金のお金を使います。
基金には、医療の分と介護の分があります。介護の分は、介護施設等の整備と、介護の仕事をする人の確保の2つに分かれます。大規模修繕は、介護施設等の整備の中の1つのメニューです。見守り機器などの導入の支援は、施設の整備とは窓口や募集の時期が別になることがあります。
基金にかかわる4者の役割| 担い手 | すること | 施設から見たとき |
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| 国 | 予算を組み、都道府県に基金の財源を配る | 施設と直接のやり取りはない |
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| 都道府県 | 計画と要綱を作り、要望を集めて、補助を決める | 大規模修繕の主な窓口 |
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| 政令市・中核市など | 県から財源を受け、市の要綱で施設に補助することがある | 市が窓口になる施設もある |
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| 施設(法人) | 要望を出し、交付の決定のあとに工事をして報告する | 工事の中身と金額、日程を決める |
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国から都道府県への配分は、国の予算が決まったあとに行われます。そのため、県が施設に内示を出す時期は年度の途中になることがあります。広島県の令和7年度分の案内では、県の内示は「秋頃」の見込みとされていました。工事は交付の決定を待ってからなので、着工は年度の後半になりやすいのです。
政令市や中核市では、市が窓口になることがあります。名古屋市は、市の要綱で基金の補助をしています。どこに聞けばよいかの見分け方は大阪で修繕をまとめて頼む前に、改修の相談先が府か市かを確かめますにまとめています。
基金の介護施設等の整備には、大規模修繕・耐震化のほかにも、建物の改修に使えるメニューがあります。創設の予定がない施設は、まず、こちらに当たる工事がないかを見ます。令和7年度の広島県の調査に並んでいたメニューを、修繕との関係で整理すると次のとおりです。
令和7年度の広島県の調査に並んでいたメニュー(修繕に近いもの)| メニュー | 中身 | 修繕との関係 |
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| 広域型施設の大規模修繕・耐震化 | 創設を条件に、広域型施設の修繕や耐震の補強 | 外壁・屋上・設備の大規模修繕そのもの |
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| ユニット化改修 | 従来型の居室をユニット型に改める | 居室の大きな改修とあわせて行う |
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| プライバシー保護改修 | 多床室に間仕切りや壁を設ける | 内装の改修と同じ時期にしやすい |
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| 多床室の個室化改修 | 多床室を個室に改める | 設備の更新と組み合わせることがある |
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| 看取り環境整備 | 看取りとご家族の宿泊のための個室の改修 | 居室1〜2室ほどの改修 |
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| 介護ロボット・ICT導入 | 見守り機器や通信の環境を入れる | 大規模修繕とあわせて行う形で示されてきた |
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| 簡易陰圧装置・ゾーニング | 感染症の広がりを防ぐ設備や区分けの改修 | 換気や間仕切りの工事 |
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| 災害レッドゾーンなどの移転改築 | 危ない区域にある施設を移す・建て替える | 修繕ではなく建て替え |
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ユニット化改修やプライバシー保護の改修は、工事を段階に分けて、工事中の居室をどう回すかが要になります。その進め方は多床室の改修は、空ける居室の数で工事の区切りが決まりますにあります。介護ロボット・ICTのメニューは、国の資料で「大規模修繕の際にあわせて行う」導入として示されてきました。壁や天井を開ける工事と同じ時期に考える理由はWi-Fiの工事は機器と一緒に申請し、天井を開ける時期に合わせますにまとめています。
メニューの名前は県で少しずつ違い、毎年見直されます。県のページに載る今年度の要綱と、調査の案内に添えられたメニューの一覧で確かめます。
対象になる工事は、外壁・屋上の防水から設備の改造までです
大規模修繕で対象になるのは、建物の一部の改修と、付帯設備の改造です。名古屋市の要綱の別表には、次の工事が挙がっています。外回りの防水だけでなく、浴室や食堂の改修、給排水や空調の設備も入るのが特徴です。
対象になる工事・ならない工事(名古屋市の要綱の例)| 工事 | 要綱での扱い | 気をつけること |
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| 外壁・屋上の防水、浴室や食堂の改修 | 対象になる | 劣化の写真と調査で、必要な理由を示す |
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| 給排水・電気・ガスなどの付帯設備の改造 | 対象になる | 工事を伴う更新かどうかを見積で分ける |
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| 冷暖房の設備の新設と改造 | 対象になる | 室内機・室外機・配管のどこまでかを書く |
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| 消防用の設備の整備 | 対象になる(スプリンクラー設備などは除く) | スプリンクラーは交付金の別のメニューを確かめる |
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| 防災に配慮した内部の改修、バリアフリーの工事 | 対象になる | 何のための改修かを要望に書く |
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| 耐震の補強 | 対象になる(倒れるおそれのある建物) | 耐震診断の結果を添える |
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| 土地の買収・整地、職員宿舎・車庫・倉庫の建設 | 対象にならない | 職員の宿舎は別のメニューがある |
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| ほかの補助で対象になる費用 | 対象にならない | 同じ工事に二重には使えない |
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図2 建物と設備の改修は対象に、備品や日常の修理は対象外になりやすい。
同じ「修繕」でも、壊れた所を元に戻す小さな修理は、大規模修繕の補助にはなじみません。補助が想定しているのは、おおむね10年以上たった建物の一部の改修や、付帯設備の改造です。外壁と屋上、給排水と空調など、いくつかの工事をまとめた計画のほうが、要望に書きやすくなります。
見積は、補助の対象になりそうな工事と、ならない工事を分けた内訳にしてもらいます。仮設や養生、設計と監理の費用をどこまで含められるかは県で違うので、行を分けておくと、あとで県に聞くときに話が早く進みます。大規模修繕の費用の相場と、修繕費を抑える方法は大規模修繕の費用は㎡単価で桁をつかみ、量・単価・時期の3つで抑えますにあります。
「創設を条件に」は、新しい施設づくりと1対1で組む、という意味です
基金の大規模修繕で、いちばん読み違えやすいのが「創設を条件に」です。長崎県の資料には「介護施設等を1施設創設することを条件に、広域型施設1施設の大規模修繕又は耐震化を行う事業」とあります。新しい施設を1つつくる計画と組み合わせて、今ある広域型施設を1つ直す、という形です。
名古屋市の要綱では、組み合わせる創設の施設について、定員の大きさや、その創設に補助を受けているかは問わないとしています。創設の相手は、地域密着型の特養やグループホームなどになることがあります。地域密着型の施設の創設には、市区町村の計画の枠と公募があることもあり、修繕の都合だけで時期は決められません。
図3 1つの創設と、1つの大規模修繕を組み合わせる形。
組むときに、県に確かめたいことは3つあります。創設する法人が同じでなければならないか。創設と修繕の年度がずれてもよいか。どの種類の施設の創設が条件に当たるか。公募の結果や工事の遅れで創設がずれたときに、修繕の補助がどうなるかも、先に聞いておきます。
創設の予定がない法人が、修繕のために創設を組み立てる必要はありません。創設そのものに人と資金がかかるからです。その場合は、前の節のほかのメニュー、防災・減災の交付金、県や市区町村の補助、自己資金と借入れの組み合わせを比べます。防災・減災の交付金は、非常用の発電機や水害の対策と一体で行う修繕などが対象です。使い方は停電への備えは、何を何時間動かすかから決めますが参考になります。
メニュー・単価・時期・窓口は、都道府県ごとに違います
基金は都道府県ごとに置かれ、要綱も県ごとに作られます。同じ「大規模修繕・耐震化」でも、県によって違うところがあります。隣の県の施設の話や、数年前の自分の施設の経験が、そのまま当てはまるとは限りません。
都道府県で違うところと、確かめ方| 違うところ | 例 | 確かめ方 |
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| メニューの有無 | その年度に大規模修繕のメニューを設けているか | 調査の案内に添えられたメニューの一覧 |
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| 単価と上限 | 名古屋市の要綱では、特養は1定員あたり151万円(令和6年度に着工する事業) | 要綱の別表。年度ごとに見直される |
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| 調査の時期と締切 | 広島県の令和7年度分は、令和6年9月24日が締切 | 県や市のページ、届いた案内 |
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| 窓口 | 県が直接か、政令市・中核市を通すか | 市区町村の介護保険の担当に聞く |
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| 着工の期限 | その年度中に着工すること(名古屋市) | 要綱の本文と交付の条件 |
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| 業者の選び方 | 入札を原則にするなど、契約の決まり | 県の契約の手続の要領や交付の条件 |
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| 工事事務費の扱い | 工事費の2.6%までを限度に対象(長崎県) | 要綱の対象経費の欄 |
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単価は、定員を掛けて上限の目安を出すのに使います。名古屋市の例の単価なら、定員80名の特養で1億2,080万円です。ただ、実際の補助の額は、対象の経費との比べ方など、県の決まりで決まります。単価は年度ごとに見直されるので、古い年度の単価で見込みを立てないようにします。
業者の選び方の決まりは、補助を使う工事ならではの条件です。相見積で足りるのか、入札が要るのかは補助を使う工事では、相見積か入札かを交付の条件で確かめますにまとめています。
着工から逆算すると、1年半前に動き始めます
基金の大規模修繕は、工事をする年度の前の年に、県が行う調査(活用希望調査など)に名乗り出るところから始まります。そこから協議、内示、交付の決定を経て、ようやく着工です。県の内示が秋になる年もあるので、着工の1年半前には法人の中で準備を始めます。下の表は、法人の中ですることを、着工を0か月として並べたものです。
着工から逆算した、法人の中の準備(例)| 着工までの目安 | 法人の中ですること | 県・市の動き |
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| 18〜15か月前 | 劣化の調査と修繕の計画。創設の計画と時期を合わせる | 翌年度分の調査の案内(夏ごろ) |
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| 15〜13か月前 | 概算見積と写真をそろえ、要望(調査票)を出す | 調査の締切(広島県は9月下旬の年があった) |
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| 12〜8か月前 | 理事会で計画と自己負担分の予算を決める | 国の予算づくり、協議の受付 |
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| 8〜3か月前 | 協議の書類(図面・写真・見積)を出し、質問に答える | 協議と審査、内示(秋になる県もある) |
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| 3か月前〜着工 | 交付の申請。決定のあとに業者を選び、契約する | 交付の決定 |
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図4 県の調査に出すまでの準備が、全体の日程を決める。
いちばん動かせないのは、2の調査の締切です。締切に間に合わないと、その年度の補助は使えないことが多く、1年先に延びます。令和9年度の補助に向けて今秋から何をそろえるかは令和9年度の修繕の補助は、まず県の調査が済んだかを確かめますにあります。交付の決定のあとの入札から完了の報告までの流れと月数は補助を使う工事は、交付決定の通知が届くまで契約しませんにまとめています。
交付の決定の前には、工事の契約も着工もしません。広島県の令和7年度分の案内にも「交付決定前の工事請負業者との契約、着工等は認められません」とあります。大規模修繕全体の進め方を、調査から記録まで時系列で見るなら大規模修繕は着工の2年前に動き出し、石綿の調査は設計の段階で済ませますが役に立ちます。
要望(調査票)には、6つのことを書きます
県の調査に出す要望は、様式が県ごとに違いますが、聞かれることはよく似ています。施設の基本、工事の中身、金額、必要な理由、創設との関係、日程と資金の6つです。広島県の調査では、調査票に加えて、補助の対象の面積を確かめるシートを求めることもありました。
要望に書くことと、そろえる材料| 書くこと | 中身の例 | そろえる材料 |
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| 施設の基本 | 種類・定員・築年・延床面積・構造 | 確認済証、登記、指定の書類 |
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| 工事の中身 | 外壁と屋上の防水、浴室の改修、給水管の更新 | 劣化の調査の結果、点検の報告書 |
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| 金額 | 総事業費、補助の対象の経費、希望する補助の額 | 同じ条件の概算見積(対象と対象外を分けたもの) |
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| 必要な理由 | 雨漏りの回数、設備の故障の記録、入居者の方への影響 | 日付入りの写真、修理の記録 |
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| 創設との関係 | 組み合わせる創設の施設と、その時期 | 創設の計画、市区町村の公募の予定 |
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| 日程と資金 | 着工と完了の予定、自己資金と借入れ | 修繕の計画、資金の計画 |
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図5 6つがそろうと、県の担当が工事の大きさと急ぎぐあいをつかめる。
必要な理由は、言葉より数字と写真で書きます。「老朽化が進んでいる」ではなく、「最上階の居室で、この2年に雨漏りが5回」「給水管の漏れの修理が年に3回」のように書きます。浴室が使えずに清拭に替えた日数など、入居者の方の暮らしへの影響も、記録があれば添えます。
金額は、調査の段階では概算でかまわないことがあります。ただ、ここで出した額が、県が国に求める額のもとになります。あとで大きく増えると、補助の枠に収まりません。概算でも、今の単価で、同じ条件で取った見積をもとにします。
県の担当には、要望の前に5つのことを聞きます
要綱を読んでも分からないことは、要望を出す前に県(または市)の担当に聞きます。聞くことを先に5つにまとめておくと、1回の電話かメールで済みます。聞いた日付と相手の名前、答えは、記録に残しておきます。
- 今年度のメニューと単価大規模修繕・耐震化のメニューがあるか。単価と、補助の額の決め方
- 創設の条件の運用同じ法人でなければならないか。年度のずれをどこまで認めるか。創設が遅れたらどうなるか
- 対象の経費の範囲設計と監理、仮設と養生、工事事務費をどこまで含めるか
- 調査と協議の日程調査の締切、協議の書類の締切、内示の見込みの時期
- 契約と着工の決まり入札の要否、着工の期限、交付の決定の前にしてよいこと
聞くときは、施設の種類と定員、築年、考えている工事の中身と概算の金額を、先に伝えます。「うちの施設は使えますか」とだけ聞くより、答えが具体的になります。答えが「要綱のとおりです」で終わったときは、要綱のどの欄を見ればよいかを聞き返します。
担当が替わると、前の年の話が引き継がれていないこともあります。去年聞いた答えも、今年あらためて確かめます。
モデルケース:地域密着型特養の創設と組んで、本体の特養を直した法人
モデルケース:定員100名の特別養護老人ホーム(築32年)
3回に分ける予定の改修を、1回の工事にまとめられた
変わったこと(結果)
法人が計画していた地域密着型の特養(定員29名)の創設と、本体の特養の大規模修繕を、同じ年度の要望にそろえました。屋上の防水、浴室の改修、給水管の更新が基金の対象になり、自己資金だけで5年かけて3回に分ける予定だった工事を、1回にまとめられました。足場や仮設を組む回数は3回から1回に減り、入居者の方の居室の移動も1回で済む見通しになりました。
背景と、困っていたこと
事務長は、基金で大規模修繕に補助が出ると聞いて、県の案内を読みました。けれども「創設を条件に」の意味が分からず、自分の施設は対象外だと思い込んでいました。同じころ、法人の本部では、隣の市の公募に応じて地域密着型の特養をつくる準備が進んでいました。ただ、本部も施設も、2つの計画を結びつけて考えてはいませんでした。
決めたこと
事務長は県の担当に、同じ法人が創設する場合の扱いと、創設と修繕の年度がずれたときの扱いを聞きました。答えを受けて、本部と施設で2つの計画の日程を1枚の表にまとめ、要望を同じ年度に出すと決めました。決め手は、3回に分けた場合と1回にまとめた場合で、仮設と養生の費用に約1,400万円の差が出ると分かったことでした。
進めてみて分かったこと
創設の公募の結果が出るまでの2か月は、修繕の要望の中身を固めきれませんでした。結果を待つ間に、劣化の写真と概算見積を先にそろえていたので、調査の締切には3週間の余裕を残して出せました。