中央方式と個別方式は、熱をつくる場所が違います
空調の方式は、熱をどこでつくるかで2つに分かれます。中央方式は、機械室などに置いた熱源の機器で冷たい水や温かい水をつくり、配管で建物じゅうの空調機に送ります。個別方式は、部屋や系統ごとに室外機を置き、冷媒を回して、その場で冷やしたり暖めたりします。
2つの方式の作り| 項目 | 中央方式 | 個別方式 |
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| 熱をつくる所 | 機械室の熱源(冷凍機・冷温水機・ボイラーなど) | 屋上や外に置いた室外機 |
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| 部屋へ運ぶもの | 冷水・温水(空気で送る形もある) | 冷媒 |
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| 部屋の機器 | ファンコイル、空調機 | 室内機 |
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| 外に置く機器 | 冷却塔(水で冷やす形の熱源のとき) | 室外機(台数が多い) |
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| 動かす力 | 電気、ガス、油など | 主に電気(ガスで動く形もある) |
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図1 中央方式は熱を1か所でつくり、個別方式は系統ごとにつくる。
自分の施設がどちらかは、機械室と屋上を見ると分かります。機械室に大きな熱源の機器とポンプがあり、屋上に冷却塔があれば、中央方式です。熱源が、屋上に置いた大きな機械(空気で冷やす形)のこともあります。建物のまわりに室外機が何台も並んでいれば、個別方式です。
両方を使う施設もあります。建てたときは中央方式で、あとから増やした部屋や食堂だけを個別方式にした、という形です。この場合は、どの部屋がどちらの方式かを、図面に書き分けておきます。
止まる範囲・温度・費用で比べると、違いが見えます
2つの方式の違いは、介護施設では3つの場面で表に出ます。止まったときにどこまで困るか、春や秋に部屋ごとの温度を合わせられるか、お金がいつ、どれだけかかるか、です。
中央方式と個別方式の比べ方| 比べること | 中央方式 | 個別方式 |
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| 止まったときの範囲 | 熱源が止まると、つながる部屋がまとめて止まる | 1台や1系統の部屋にとどまる |
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| 温度の合わせ方 | 2管式では、冷房か暖房かを建物でそろえる | 室外機や部屋ごとに選びやすい |
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| 更新の費用の出方 | 熱源の更新は、1回の工事が大きい | 小さな更新が、何年にも分かれて続く |
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| ふだんの管理 | 熱源の運転と、冷却塔の水の管理が要る | 室外機の台数ぶんの点検が要る |
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| フロンの点検 | 冷凍機の種類による(吸収式は対象外) | すべての台が対象 |
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| 機器の置き場 | 機械室にまとまる | 屋上や外に室外機が並ぶ |
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| 向く使い方 | 大きな建物を、季節ごとにまとめて冷やし暖める | 部屋ごとに、使う時間や温度が違う建物 |
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どちらがよいかは、施設の大きさと使い方で決まります。介護施設では、日中は食堂やホールに集まり、夜は居室で過ごすため、時間帯で空調の要る場所が移ります。部屋ごとに動かしたり止めたりしやすい個別方式は、この使い方に合わせやすい方式です。
いっぽう、中央方式にも良さがあります。機器が機械室にまとまり、居室のまわりに室外機を置かずに済みます。熱源を2台以上に分け、運転と水の管理を任せる先があれば、大きな建物を安定して空調できます。
中央方式は、熱源が止まると建物全体に響きます
中央方式の弱いところは、熱をつくる所が1か所に集まっていることです。熱源の機器や、水を送るポンプが止まると、つながっている部屋の空調がまとめて止まります。熱源を2台以上に分けている施設なら、1台が止まっても、残りの台で一部の能力を保てます。
中央方式で、止まる所と止まる範囲| 止まった所 | 止まる範囲 | ふだん確かめておくこと |
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| 熱源(冷凍機・冷温水機・ボイラー) | つながる部屋の全部。熱源が1台なら全館 | 熱源の台数と、予備の有無 |
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| 冷水・温水のポンプ | そのポンプの系統の部屋 | 予備のポンプに切り替えられるか |
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| 冷却塔 | 冷房が、つながる部屋の全部で止まる | 季節の前の点検と清掃 |
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| 大きな部屋の空調機 | 食堂やホールなど、その部屋 | ベルトやモーターの傷み |
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| 部屋ごとのファンコイル | その部屋だけ | フィルターと排水の詰まり |
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熱源の機器は大きく、更新には機器の手配と工事に月単位の時間がかかります。止まってから替えるのでは、夏や冬をまたいでしまいます。熱源は、止まる前に更新の時期を決めておく機器です。更新の年数の見方は設備の年数は、3種類を並べてから更新の時期を決めますにあります。
空調が止まった日の動き方は、どちらの方式でも、室温の記録と部屋の移動から始まります。くわしくは空調が止まった。業者より先に、室温を測ってくださいにまとめています。中央方式で熱源が1台しかない施設は、全館が止まったときの移り先と、借りる機器の手配先を、季節の前に決めておきます。
個別方式は、止まる範囲が1台や1系統にとどまります
個別方式は、室外機ごとに独立しています。1台の室外機が止まっても、ほかの室外機につながる部屋は動き続けます。止まる範囲が小さいので、入居者の方の移り先を、同じ建物の中で見つけやすくなります。
個別方式の主な形と、止まる範囲| 形 | つなぎ方 | 止まる範囲 |
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| パッケージエアコン | 室外機1台に、室内機1台(数台のこともある) | その部屋 |
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| ビル用マルチ | 室外機1台に、室内機を何台もつなぐ | その系統の部屋がまとめて止まる |
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| ガスで動く空調(GHP) | 室外機のエンジンをガスで動かす | その系統の部屋 |
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| ルームエアコン | 室外機1台に、室内機1台 | その部屋 |
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ただ、ビル用マルチの系統が大きいと、1台の室外機で何室もの空調が止まります。どの部屋がどの室外機につながっているかを図にしておくと、止まったときに、すぐ範囲が分かります。
止まったときの影響を、季節で比べておきます。夏の午後と冬の明け方は、どちらの方式でも急ぎです。違うのは、困る部屋の数と、移り先があるかどうかです。中央方式で全館が止まると、移り先が建物の中になくなります。個別方式なら、止まっていない系統の部屋へ移ってしのげます。
個別方式でも、古い機器はR22という冷媒を使っていることがあります。R22の機器が壊れたときに、修理するか更新するかの決め方はR22のエアコンは、冷媒に関わる故障なら更新を考えますにまとめています。
温度の合わせ方は、配管の数と系統の分け方で変わります
介護施設で起きやすい悩みの一つが、春や秋に、暑い部屋と寒い部屋が同じ日に出ることです。日の当たる南向きの居室は暑く、北向きの居室は寒い、という形です。この悩みへの強さが、方式と形によって違います。
中央方式で、冷水と温水を同じ配管で送る形(2管式)では、冷房か暖房かを建物でそろえて切り替えます。暖房に切り替えたあとの暖かい日には、南向きの部屋を冷やせません。冷水と温水の配管を別に持つ形(4管式)なら、部屋ごとに冷暖を選べますが、配管と機器が増えます。
個別方式は、室外機ごとに冷暖を選べます。ただ、ビル用マルチには、同じ室外機につながる部屋で、冷房と暖房を同時に選べない形があります。同時に選べる形もあるので、更新のときに確かめます。
方式と形ごとの、温度の合わせ方| 方式・形 | 部屋ごとの冷暖 | 春と秋に起きやすいこと |
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| 中央方式(2管式) | 選べない。建物でそろえる | 切り替えの前後に、暑い部屋と寒い部屋が出る |
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| 中央方式(4管式) | 選べる | 温度の悩みは少ない。配管と機器が多い |
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| ビル用マルチ(冷暖をそろえる形) | 系統の中ではそろえる | 同じ系統に南向きと北向きがあると出る |
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| ビル用マルチ(冷暖を同時に選べる形) | 選べる | 温度の悩みは少ない |
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| パッケージ・ルームエアコン | 部屋ごとに選べる | 温度の悩みは少ない |
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図2 同じ系統に性格の違う部屋があると、冷暖をそろえにくい。
冷暖を系統でそろえる形では、同じ系統に南向きと北向きの部屋が混ざると、温度の差が出やすくなります。更新や切り替えのときは、日当たりの近い部屋どうしを同じ系統にまとめると、冷暖をそろえやすくなります。
費用は、更新の出方と毎年の手間で比べます
2つの方式の費用は、どちらが安いかより、いつ、どれだけかかるかで比べます。中央方式は、熱源の更新のときに大きな費用が一度に出ます。個別方式は、室外機ごとの更新が何年にも分かれて続きます。
費用の出方の違い| 費用 | 中央方式 | 個別方式 |
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| 機器の更新 | 熱源・ポンプ・冷却塔の更新が、大きな工事になる | 室外機ごとに替えられる |
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| 点検と保守 | 熱源の保守と、冷却塔の水の管理 | 台数ぶんの簡易点検と、大きな台の定期点検 |
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| 電気・ガス代 | 全館をまとめて動かす。一部の部屋だけ使う時間は無駄が出やすい | 使う部屋だけ動かせる |
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| 運転の手間 | 季節ごとの切り替えと、運転の管理が要る | 部屋ごとのリモコンで動かす |
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| 予算の組み方 | 熱源の更新に向けて、何年かかけて備える | 毎年、決まった台数ずつ替えられる |
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個別方式は、毎年いくらかずつ替えていけるので、予算の山が小さくなります。ただ、同じ年に付けた台が多いと、一度に何台も古くなる年が来ます。どちらの方式でも、更新の山がいつ来るかを長期の計画に書いておくと、予算が組みやすくなります。計画の作り方は長期修繕計画は、30年・5年・単年の3つで持ちますにあります。
個別方式の業務用エアコンを1台替える費用は、当窓口の目安で20万〜60万円です。見積の確かめ方とあわせて業務用エアコンの交換費用は、見積の4つの行で確かめますにまとめています。
点検と記録は、方式ごとに中身が違います
空調の点検は、方式によって中身が違います。中央方式では、熱源の保守と、冷却塔の水の管理が中心です。個別方式では、すべての室外機について、フロン排出抑制法の点検と記録をします。
方式ごとの、点検と記録の中身| 点検・記録 | 中央方式 | 個別方式 |
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| 冷却塔の水の管理 | 汚れの点検は、使い始めと使う間は1か月以内ごとに1回。清掃は1年以内ごとに1回が目安 | 冷却塔がなければ要らない |
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| フロンの簡易点検 | フロン類を使う冷凍機は、3か月に1回以上 | すべての台で、3か月に1回以上 |
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| フロンの定期点検 | 個別方式と同じく、圧縮機の定格出力で回数が決まる | 7.5kW以上の台は3年に1回以上(50kW以上は1年に1回以上) |
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| 吸収式の熱源 | フロン類を使わないので、フロンの点検の対象ではない | ― |
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| 熱源の保守 | メーカーや保守の会社と契約することが多い | 修理のつど頼む施設もある |
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| 記録の置き場 | 運転日誌と点検の記録 | 台ごとの点検の記録簿 |
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冷却塔の水には、レジオネラ属菌が増えることがあります。高齢の方は、感染したときに重くなりやすいので、冷却塔のある施設では、水の管理を点検の業者と決めておきます。表の頻度は、一定の大きさ以上の建物(特定建築物)の基準です。自治体は、それ以外の建物にも参考にするよう呼びかけています。
個別方式で台数が多い施設は、簡易点検の手間が増えます。点検を職員がするか、業者に頼むかを決め、台ごとの記録簿を作っておきます。点検の記録は、機器を廃棄して冷媒を引き渡してから3年たつまで保存します。
切り替えを考えるサインは、5つあります
中央方式から個別方式への切り替えは、大きな工事です。熱源が古くなったからといって、切り替えが正解とは限りません。次の5つのサインがいくつ重なるかで、熱源だけを替えるか、方式ごと切り替えるかを考えます。
図3 サインが重なるほど、方式ごと切り替える理由が強くなる。
- 熱源の更新の時期熱源の年数がたち、部品の保有期間が終わりかけている。修理の回数が増えている。
- 全館が止まった経験熱源が1台だけで、止まったときに全館の空調が止まった。予備がない。
- 温度の訴え春と秋に、暑い部屋と寒い部屋の訴えが毎年続いている。
- 管理の担い手冷却塔の水の管理や熱源の運転を、任せる人や委託先を続けにくい。
- 大きな改修の予定ユニット化や大規模修繕など、天井や配管に手を入れる工事が予定されている。
反対に、切り替えないほうがよい場合もあります。熱源を替えたばかりのとき、電気の容量を増やす工事が大きくなりすぎるとき、屋上に室外機を置く場所や強さがないとき、建て替えが近いときです。建て替えの時期の考え方は建て替えの時期は、築年数より耐震・設備の基準・配管で決まりますにあります。
熱源だけ替えるか、方式ごと切り替えるかを比べます
中央方式の熱源が古くなったときの選び方は、大きく3つです。熱源だけを新しくする、個別方式に切り替える、共用部は中央方式のまま居室だけを個別方式にする、の3つです。
熱源が古くなったときの3つの案| 案 | 良いところ | 気をつけること |
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| 熱源だけを更新 | 配管や部屋の機器をそのまま使え、工事の範囲が小さい | 止まる範囲と、春と秋の温度の悩みは残る |
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| 個別方式に切り替え | 止まる範囲が小さくなり、部屋ごとに冷暖を選びやすい | 電気の容量、室外機の置き場、天井の工事が要る |
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| 居室だけ個別にする | 居室の温度の悩みを先に解ける | 2つの方式の点検と管理が続く |
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図4 解きたい悩みがあるかで、3つの案のどれを選ぶかが変わる。
3つの案は、費用だけでなく、工事中の入居者の方の負担でも比べます。熱源だけの更新は機械室の工事が中心で、居室に入る工事は少なく済みます。個別方式への切り替えは、居室の天井に入る工事が要るので、部屋ごとに入居者の方の移動を組みます。
それぞれの案で、次の更新がいつ、どの単位で来るかも並べます。熱源だけを替えた場合、次も大きな熱源の更新が来ます。個別方式にした場合、次からは室外機ごとの更新になります。この違いを書いておくと、法人に説明しやすくなります。
モデルケース:熱源の更新を機に、個別方式へ切り替えた特別養護老人ホーム
モデルケース:定員80名の従来型の特別養護老人ホーム
春と秋の「暑い・寒い」の訴えが、月20件ほどから数件に
変わったこと(結果)
個別方式に切り替えたあと、春と秋に職員が記録する「暑い」「寒い」の訴えは、月に20件ほどから数件に減りました。室外機が1台止まっても、困るのは居室6室までになり、熱源1台の故障で全館の空調が止まる心配はなくなりました。冷却塔の水の管理を頼んでいた委託も、要らなくなりました。
背景と、困っていたこと
この特養は築26年で、機械室の吸収式冷温水機1台で、全館の冷暖房をまかなっていました。冷水と温水を同じ配管で送る2管式で、10月に暖房へ切り替えると、日の当たる南側の居室が暑くなりました。前の夏には熱源の故障で、丸1日、全館の冷房が止まりました。保守の会社からは、部品の保有期間があと数年で終わると言われていました。
決めたこと
施設は、熱源だけを替える案と、個別方式に切り替える案を、費用と止まる範囲、温度の悩みで比べました。熱源だけの更新は工事が小さい反面、温度の悩みと、全館が止まる心配は残ります。電気の容量を調べると受変電設備の増強が要ると分かり、費用は増えましたが、切り替えを選びました。
進めてみて分かったこと
工事は、フロアごとに、春・秋・翌年の春の3回に分けました。居室の天井の作業は1室あたり1日ほどで、入居者の方は日中だけ食堂で過ごしました。最後の区画が終わるまで古い熱源を動かし続けたので、工事の間に空調の使えない夜は出ませんでした。