営繕業務の外注は、決まりの上でもできます
介護施設の営繕業務は、外注してかまいません。特別養護老人ホームの運営の基準は、サービスを施設の従業者が提供するよう求めています。そのうえで、「入所者の処遇に直接影響を及ぼさない業務」は、この限りでないとしています。建物や設備の修理と、その手配は、この業務にあたると考えられます。施設の種類によって基準の書き方は違うので、自分の施設の基準や自治体の条例もあわせて確かめます。
実際、多くの施設では、すでに営繕の一部を外に任せています。消防用設備の点検やエレベーターの保守は、資格を持つ技術者のいる会社に、受水槽の清掃は専門の会社に頼むのがふつうです。外注するかどうかは、0か100かの話ではなく、どこまでを外に任せるかの話です。
ただし、外に任せられるのは仕事で、建物を保つ責任までは移りません。建築基準法第8条は、建物の所有者や管理者に、敷地・構造・設備を常に適法な状態に保つよう努めることを求めています。外注しても、何を直し、いくらかけるかを最後に決めるのは施設です。
外注に向いているかを見る3つの材料| 材料 | 外注を考えてよい目安 | 施設の中で続けやすい目安 |
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| 修理の件数と分野 | 月に数件以上あり、水回り・電気・建具など分野がまたがる | 月に1〜2件で、分野がほぼ決まっている |
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| 担当者の有無 | 専任がいない。兼務の人が手配に週に数時間を使っている | 専任の担当者がいて、手配まで手が回っている |
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| 資格の要る作業 | 電気工事・消防用設備・給水装置などの作業が多い | 電球の交換や建具の調整など、資格の要らない作業が中心 |
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図1 止まっている修理があれば、外注を考える時期にきている。
3つの材料のうち、最初に見るのは「止まっている修理」です。担当者がいても、ほかの仕事に追われて、手配が1週間以上あと回しになっている修理が複数あるなら、外注を考える時期にきています。外注と内製の分かれ目を、資格・件数・金額・急ぎ・知識の5つの条件で見る方法は営繕の外注と内製は、5つの条件で分かれますにまとめています。
メリットとデメリットは、裏表の関係にあります
外注のメリットとデメリットは、別々にあるのではなく、同じことの表と裏になっています。たとえば、業者探しを任せると職員の時間が減りますが、そのぶん業者と直接話す機会も減ります。表と裏を並べておくと、どのデメリットに手を打てばよいかが見えてきます。
営繕を外注するメリットとデメリット| ことがら | メリット | デメリット |
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| 職員の時間 | 業者探し・電話・日程の調整が減る | 取り次ぎの分、待つ場面が出る |
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| 費用 | 相見積やまとめての手配で、工事費が下がることがある | 手数料や管理費がかかる |
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| 建物の知識 | 外の専門の目で、直すか替えるかの材料が増える | 建物の癖が、外の担当者に集まる |
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| 職員の気づき | 修理の手配から離れ、本来の仕事に戻れる | 「頼めば直る」と、報告が減ることがある |
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| 業者との関係 | 分野ごとの業者を、外注先がそろえる | 長く付き合った業者と話す機会が減る |
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| 記録 | 修理の一覧が月ごとに届く | 記録が相手の手元にしかないと、やめるときに困る |
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図2 得るものと手放しやすいものは、同じことの表と裏になっている。
どちらが大きいかは、施設によって違います。修理の件数が多く、担当者が手配に追われている施設ほど、メリットが大きくなります。いっぽう、件数が少なく、長く付き合う業者がすぐ来てくれる施設では、デメリットのほうが目立つこともあります。
メリットのうち、もっとも分かりやすいのは職員の時間です。費用は、手数料が増えるぶんと、工事費が下がるぶんの差し引きになるので、施設によって結果が分かれます。外注で実際に変わる時間・判断・記録の中身は外に任せて変わるのは、時間と判断の材料と記録ですにまとめています。
5つのデメリットには、始める前に打てる手があります
外注のデメリットは、手数料、動きが遅くなる場面、知識が外に出ること、職員の気づきが減ること、業者との関係が薄れることの5つです。どれも、始めてから気づくと直すのに手間がかかりますが、始める前なら、契約の一文と施設の中の決めごとで防げます。
5つのデメリットと、先に打てる手| デメリット | 契約で決めること | 施設の中で決めること |
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| 手数料がかかる | 手数料の形と、計算のもとになる金額 | 職員が修理にかけている時間を測っておく |
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| 動きが遅くなる場面がある | 承認の金額と、急ぎのときの動き方 | 直接業者に頼んでよい場面の一覧 |
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| 知識が外に出る | 記録の持ち主は施設で、月ごとに渡すこと | 機器の一覧と図面を施設に置く |
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| 職員の気づきが減る | 巡回のときに見た不具合も報告すること | 職員が報告する先を1つに決める |
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| 業者との関係が薄れる | 施設が指定した業者も手配できること | 残す業者と分野を決めておく |
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表の真ん中の列は外の相手と話して契約に書くこと、右の列は施設の中で決めておくことです。契約だけ整えても、施設の中の決めごとがなければ、デメリットは残ります。逆に、施設の中の決めごとだけでは、相手の動き方は変えられません。両方をそろえてから始めます。
営繕を丸ごと外に任せたときに施設に残る仕事と、外注の3つの形は営繕を丸ごと外注しても、施設に残る仕事がありますで書いています。ここからは、5つのデメリットを1つずつ見ていきます。
手数料は、職員がかけている時間と並べて比べます
1つ目のデメリットは手数料です。外注すると、工事費とは別に、手配の手数料や月ごとの委託費がかかります。これだけを見ると、外注は高く見えます。けれども、外注する前も、業者を探して電話をかけ、日程を合わせ、立ち会う職員の時間はかかっていました。その時間を並べてから比べます。
手数料と並べる、施設の側の手間(書き出しの例)| 手間 | 1件あたりの時間の例 | 外注したあと |
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| 業者を探して電話する | 30分〜2時間 | 外注先に1回伝える |
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| 見積をそろえて比べる | 1〜3時間 | 比べた表を受け取って読む |
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| 日程を合わせる | 30分〜1時間 | 候補の日を返すだけ |
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| 工事の日に立ち会う | 1〜3時間 | 鍵の開け閉めと声かけだけになることが多い |
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| 請求と記録をまとめる | 30分ほど | 月ごとの一覧で確かめる |
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たとえば、1件の修理に職員が合わせて3時間かけ、月に8件あれば、月に24時間です。事務長や施設長がその時間を使っているなら、手数料と比べる相手は、その人が本来の仕事に使えたはずの時間です。測るのは1か月だけでも足ります。
それでも、小さな修理まですべて外を通すと、手数料の比率が高くなります。数千円の部品交換に定額の手数料がかかる形なら、小さな修理だけは今の業者に直接頼む、と分けることもできます。手数料の形と相場、誰が払っているかの見分け方は営繕の代行の手数料は、誰が払っているかで見え方が変わりますにまとめています。
動きが遅くなるのは、取り次ぎと承認を待つところです
2つ目は、動きが遅くなる場面があることです。外注すると、職員から業者までの間に、外注先と施設の承認が入ります。そのどちらかで話が止まると、前より遅くなります。遅くなる場所は、たいてい決まっています。
図3 外注したあとに遅れが出るのは、承認を待つところが多い。
いちばん止まりやすいのは、4の承認です。どんな小さな修理も事務長の承認を待つ形にすると、事務長が休みの日や会議の日に、話がまる1日止まります。一定の金額までは承認なしで進め、あとで月ごとの報告で確かめる、という線を引いておくと、待ち時間が減ります。
外注先を通さず、先に連絡してよい場面の例| 場面 | 先に連絡する先 | 外注先には |
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| 水が止まらない・天井から水が落ちる | 止水栓を閉めてから、水回りの業者 | その日のうちに報告する |
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| 焦げたにおいがする・漏電の疑い | 電気の保安の担当か、電気工事の業者 | その日のうちに報告する |
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| エレベーターの閉じ込め | エレベーターの保守会社 | 保守会社の報告書を共有する |
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| 火災報知器が鳴りやまない | 消防設備の点検会社(火事なら119番) | 翌日までに報告する |
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急ぎの場面まで外注先を通すと、取り次ぎの分だけ遅れます。このような場面は、施設から直接連絡してよい、と契約に書いておきます。外注先には、直したあとに報告すれば、記録はまとまります。
夜間や休日の電話が誰に鳴るかも、外注の前に決めておきます。夜間の受付の組み立て方は夜間の設備トラブル、電話は誰の携帯に鳴っていますかで書いています。
建物の知識は、記録の持ち主を施設にして残します
3つ目は、施設の中の知識が外に出ることです。外注すると、どの設備がいつ壊れ、どの業者がどう直したかを、外の担当者がいちばんよく知るようになります。その担当者が替わったり、契約をやめたりすると、知識もいっしょに出ていきます。
もともと、営繕の知識が1人の担当者の頭の中にしかない、という施設は少なくありません。外注は、その偏りを施設の外に移すだけになりかねません。偏りがどこで生まれるかは営繕の属人化は、4つの経路を決まった順にほどきますに書いています。手を打つ先は、記録の形と、記録の持ち主です。
外の担当者に集まりやすい知識と、施設に残す形| 知識 | 施設に残す形 | 更新するとき |
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| 設備の型番と年式 | 機器の一覧(台帳) | 交換や修理のたび |
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| 業者ごとの得意な分野と連絡先 | 業者の一覧 | 新しい業者を使ったとき |
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| 修理の履歴と費用 | 月ごとの修理の一覧(表計算の形) | 毎月の報告のとき |
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| 雨漏りしやすい所などの建物の癖 | 写真つきの申し送りの記録 | 同じ所の修理が2回目になったとき |
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| 止水栓や分電盤の場所 | 図面への書き込み | 工事で場所が変わったとき |
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契約には、修理の記録は施設のものであり、月ごとに施設が編集できる形で渡す、と書いておきます。外の会社の仕組みの中でしか見られない記録は、やめたときに手元に残りません。機器の一覧の作り方は機器台帳は、竣工図と現地と保守の会社の3つで作りますにあります。
職員の気づきは、報告の流れを残すことで保ちます
4つ目は、職員の気づきが減ることです。外の会社が巡回に来るようになると、「見てもらっているから」と、職員が小さな不具合を報告しなくなることがあります。けれども、巡回は月に1回や週に1回です。入居者の方のそばで毎日過ごす職員の目の代わりにはなりません。
図4 4つの項目がそろえば、外注先がそのまま業者に伝えられる。
報告の先は、施設の中で1つに決めます。職員がそれぞれ外の会社に直接連絡すると、同じ修理が2回頼まれたり、承認の線を越えた工事が進んだりします。施設の中の窓口の作り方は修繕の窓口は、外と中の両方を一本にして効果が出ますにまとめています。
報告した職員に、結果を返すことも欠かせません。「直りました」「部品待ちで来週です」と一言返すだけで、次も報告しようという気持ちが続きます。月ごとの修理の一覧を、申し送りの場で読み上げている施設もあります。
業者との関係は、3つの残し方から選びます
5つ目は、業者との直接の関係が薄れることです。長く付き合ってきた地元の業者は、建物の癖を知り、夜中でも駆けつけてくれることがあります。外注で連絡の先が外注先に移ると、その業者と直接話す機会が減り、急ぎのときに頼みにくくなります。
手の打ち方は、すべてを外注先に移さないことです。関係の残し方は、次の3つから選べます。
- 施設から直接頼む分野として残す夜間の水回りのように、その業者でなければ早く動けない分野は、施設から直接頼みます。修理のあとは、外注先に記録を送ります。
- 外注先に指定して手配してもらう建物の癖を知っている業者を、外注先から手配してもらいます。指定できるか、手数料がかかるかを先に聞きます。
- 年に1〜2回、直接話す場を持つこれから大きな工事を頼むかもしれない業者とは、修理がなくても顔を合わせます。見積の依頼と誤解されないように伝えます。
いつもの業者が忙しいときだけ、外注先や当窓口のような相談先を使う、という使い方もできます。居室のドアの不具合で、いつもの業者の手が空かなかったときに、初めて当窓口に相談した方の声です。
こういうサービスは初めてだったので正直どうかなと思っていたのですが、修繕したい場所と状況を伝えるだけで相談できたので、思っていたより簡単でした。
ご利用者の声 東京都内・介護施設/施設管理・営繕担当
取材にもとづき掲載しています(施設名は非公開)。内容はご本人の申告によるもので、個人の感想です。
まとめて頼むことで手放すものと、外注先を通しても残せるものはワンストップで楽になる分、3つを手放します。一部は残せますで書いています。
委託する前に、契約書の5か所を読みます
外注を決めたら、契約書の案を受け取り、5か所を読みます。範囲、承認の金額、報告、個人情報と鍵、解約と引き継ぎです。どれも、書いていないと、始めてから「そこまでは含まれていない」「聞いていない」という行き違いになります。
委託の契約書で読む5か所| 読む所 | 書いてあってほしいこと | 書いていないと起きやすいこと |
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| 範囲 | 受付・手配・立ち会い・記録のどれを任せるか。対象の建物と設備 | 巡回で見つけた不具合が、範囲の外として放っておかれる |
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| 承認の金額 | 1件いくらまでは報告だけで進めてよいか。超えたら誰が承認するか | 小さな修理まで承認待ちで止まる。思わぬ請求が来る |
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| 報告 | 月ごとに、件数・場所・業者・費用・止まっている修理を一覧で出すこと | 何にいくら使ったかが、年度末まで分からない |
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| 個人情報と鍵 | 扱う情報の範囲、再委託の可否、鍵の受け渡しと返し方 | 入居者の方の情報や鍵が、知らない会社に渡る |
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| 解約と引き継ぎ | 予告の期間、渡す記録の形、進行中の工事の扱い | やめたいときにやめられず、記録も戻らない |
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承認の金額は、法人の決裁の決まりと合わせて決めます。たとえば「1件3万円までは報告だけ、3万円を超えたら事務長、50万円を超えたら本部」のように段を分けます。こうしておくと、小さな修理は止まらず、大きな工事は施設の目を通ります。金額は例なので、法人の決まりに合わせて置きかえます。
外の会社が工事の契約の相手になるのか、施設が工事の会社と直接契約するのかによって、責任の持ち方も変わります。この違いは修繕管理の代行は、誰の名前で発注するかで責任が変わりますで書いています。1件ごとの工事の契約書で確かめる点は工事の契約書は、追加と事故の扱いから読みますにあります。
個人情報と鍵は、渡す範囲を決めてから渡します
介護施設の営繕では、外の人が居室に入ります。修理の依頼には、居室の番号や入居者の方の名前が書かれることがあり、鍵も行き来します。ここは、ほかの業種の外注より気をつかうところです。
個人情報の保護に関する法律では、個人データの取り扱いを外に任せるとき、任せた側が任せた先を監督することを求めています(第25条)。営繕の依頼で渡す情報は、修理に要る範囲に絞り、扱い方を契約で決めておきます。
外の担当者に渡すもの・渡さないもの| もの | 渡し方 | 気をつけること |
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| 居室の番号と場所 | 修理の依頼に書く | 名前は書かず、番号で伝える |
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| 入居者の方への配慮 | 「音に敏感な方がいる」など、作業に要ることだけ | 病名や介護の記録は渡さない |
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| 居室や機械室の鍵 | その日の作業の分だけ、貸し出し簿で渡す | マスターキーを預けたままにしない |
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| 電子錠や門扉の暗証番号 | できるだけ職員が開ける | 伝えたら、契約が終わるときに番号を変える |
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| 作業する人の名前 | 前日までに名簿で受け取る | 名簿にない人は入れない |
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再委託にも気をつけます。外の会社が、さらに別の会社に仕事を出すことがあります。誰が施設に来るのか分からなくならないよう、再委託するときは前もって施設の了解を得る、と契約に書いておきます。
鍵の受け渡しは、夜勤の職員まかせにしないことです。事務所に貸し出し簿を置き、渡した時刻と返った時刻、渡した職員の名前を書きます。月に1回、簿と鍵の数を照らし合わせると、返し忘れに早く気づけます。
モデルケース:外注して半年で行き詰まり、立て直した特別養護老人ホーム
モデルケース:定員80名の特別養護老人ホーム(従来型)
修理が終わるまでの日数が、平均11日から4日に
変わったこと(結果)
外注の決めごとを見直してから3か月で、職員が不具合を報告してから修理が終わるまでの日数が、平均11日ほどから4日ほどになりました。事務長に職員から届く修理の問い合わせは、週に15件ほどから3件ほどに減りました。月ごとの報告で、どの業者に何件、いくら払ったかが1枚で分かるようになり、外注をやめるかどうかの話も出なくなりました。
背景と、困っていたこと
このホームを運営する法人は、本部の方針で、3つの施設の営繕の受付と手配を、まとめて外の会社に任せました。ところが半年たつと、このホームでは困りごとが重なりました。1,000円の部品の交換まで事務長の承認を待つ決まりにしたため、事務長が不在の日は話が止まりました。職員は待ちきれず、以前の業者に直接電話をかけ、同じ修理が二重に頼まれたこともありました。報告は紙の束で届き、どこに何件の修理が残っているのか、誰にも分かりませんでした。
決めたこと
ホームは、外注をやめて元に戻すことを本部に相談しかけました。けれども、戻せば事務長が再びすべてを抱えます。決め手は、困りごとの原因が「外注したこと」ではなく「決めていなかったこと」だと分かったことでした。そこで3つを決め直しました。1件3万円までは報告だけで進めること。水が止まらない、焦げたにおいがする、の2つの場面は職員が直接業者に連絡してよいこと。報告は月ごとに表計算の形で受け取り、止まっている修理を一番上に書いてもらうことです。夜間の水回りだけは、以前の業者に直接頼む形で残しました。
進めてみて分かったこと
いちばん効いたのは、承認の金額の線でした。このホームでは修理の多くが3万円以下だったため、ほとんどの修理が承認を待たずに進むようになりました。鍵の受け渡しも、夜勤の職員まかせから、事務所の貸し出し簿に変えました。