営繕の仕事は、毎日・毎週・毎月・毎年の4つの周期で回ります
老人ホームの営繕業務は、毎日・毎週・毎月・毎年の4つの周期で回る仕事です。毎日は見回りと不具合の受付、小さな修理です。毎週は修理の取りまとめと業者への依頼、毎月は点検の立ち会いと記録の整理です。毎年は法定の点検の予定と、修繕の計画と予算です。
図1 短い周期の仕事ほど件数が多く、長い周期の仕事ほど金額が大きい。
営繕の仕事の4つの周期| 周期 | 主な仕事 | ねらい |
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| 毎日 | 見回り、不具合の受付、小さな修理 | 不具合を小さいうちに見つけて、手当てする |
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| 毎週 | 修理の取りまとめ、業者への依頼、立ち会い | 施設で直せないものを、止めずに動かす |
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| 毎月 | 保守と点検の立ち会い、記録の整理、施設長への報告 | 修理の出方を、数字と記録でつかむ |
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| 毎年 | 法定の点検の予定、修繕の計画、予算、契約の見直し | 来年度のお金と時間を、前もって用意する |
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4つの周期は、たがいにつながっています。毎日の見回りで見つけた不具合を毎週まとめて頼み、毎月その記録を整理し、毎年その記録をもとに計画と予算を立てます。どこかの周期が止まると、その先の周期も止まります。
呼ばれた所へ行くだけの働き方になると、毎日の仕事だけで1日が埋まります。毎月と毎年の仕事は、急がないので後回しになります。気づいたときには点検の指摘が残ったままで、来年度の予算は去年の写しになっています。周期で仕事を分けるのは、この後回しを防ぐためです。
この記事は、営繕の仕事を「いつ行うか」で分けて説明します。営繕業務に「何が含まれるか」を、7つの領域と4種類の仕事の地図で示した一覧は営繕業務は、7つの領域と4種類の仕事。地図にすると、抜けが見えますにあります。
施設管理で必要な修繕は、安全・暮らし・快適・見た目の順に決めます
介護施設の施設管理で必要な修繕とは、入居者の方と職員の安全と暮らしを守るために直す修繕のことです。直したい所が重なったときは、安全、暮らし、快適、見た目の順に優先します。この順番を職員と共有しておくと、営繕担当が「どれから直すか」を毎回説明しなくて済みます。
図2 上の段ほど先に直す。下の段は、まとめて計画的に直す。
修繕の優先順位と、動き出しの目安| 順位 | 守るもの | 介護施設の例 | 動き出しの目安 |
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| 1 安全 | けが、火事、感電、漏水、閉じ込め、外へ出てしまうこと | 手すりのぐらつき、床の段差、焦げたにおい、水漏れ、防火戸や非常口の不具合、ナースコールの不通、出入口のセンサーの故障 | その日のうちに手当てをして、業者を呼ぶ |
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| 2 暮らし | 入浴、排泄、食事、睡眠 | 特殊浴槽や給湯器の故障、トイレの詰まり、厨房の機器の故障、居室の照明 | 代わりの手段を決めて、数日のうちに直す |
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| 3 快適 | 暑さ寒さ、音、におい、明るさ | 共用部の空調の効きの弱さ、換気扇の音、照明のちらつき | まとめて頼む日に直す |
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| 4 見た目 | 汚れ、色あせ、小さな傷 | 壁紙の汚れ、外壁の色あせ、床の小さな傷 | 年間の計画に入れて、まとめて直す |
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同じ不具合でも、季節と場所で順位が上がります。共用部の空調の効きが弱いのは快適の段ですが、真夏に居室の冷房が止まれば、熱中症につながる安全の段です。廊下の照明の切れは快適の段でも、階段や夜間のトイレの通り道なら、転倒につながる安全の段です。
法定の点検で指摘された不良も、安全の段に入れます。次の点検までに直す計画を立て、直した日を記録します。設備が急に止まったときの手順は、設備が止まった方へにまとめています。
毎日の仕事は、見回りと受付と、小さな修理です
毎日の仕事の中心は、見回りです。決まった道順で施設を回り、職員が気づきにくい所を見ます。見回りは朝の早い時間に行うと、入浴や食事が始まる前に不具合を見つけられます。
毎日の見回りで見る所と、見つけたときの手当て| 場所 | 見るもの | 見つけたら |
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| 玄関・出入口 | 自動ドアと出入口のセンサーの動き、段差 | センサーの不具合は、その日のうちに業者へ |
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| 廊下・階段 | 手すりのぐらつき、床の濡れや段差、照明の切れ | 濡れは拭いて目印、ぐらつきは目印を付けて職員に伝える |
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| 浴室・脱衣所 | 水栓とシャワーの漏れ、床の滑り、換気扇 | 漏れは止水栓を閉め、浴槽の不具合は入浴の前に伝える |
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| トイレ | 流れ、詰まり、床の水、手すり | 詰まりは手当てし、続くなら業者へ |
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| 機械室・屋外 | ポンプや給湯器の音とエラー表示、室外機のまわり | エラーの番号を控えて、頼み先に伝える |
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| 事務所 | 職員からの報告、警報の表示の記録 | 急ぐ順に並べ、その日の予定を決める |
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受付は、職員からの不具合の報告を受ける仕事です。報告は、場所・いつから・どんな状態か・写真の4つでもらうと、現地に行く前に道具と部品の見当がつきます。報告を受ける時間を決めておくと、見回りや修理の途中で何度も手を止めずに済みます。急ぐもの(安全の段)だけは、いつでも呼んでもらいます。
小さな修理は、資格の要らない範囲で、その場で直せるものです。ドアクローザーの調整、手すりのねじ締め、ランプの交換、簡単な水栓のパッキンの交換などです。直したら、場所と中身を1行で記録します。職員から報告を受ける窓口と、報告の様式の作り方は修繕の窓口は、外と中の両方を一本にして効果が出ますで書いています。
毎週の仕事は、修理の取りまとめと業者への依頼です
毎週の仕事は、1週間に集まった不具合を、施設で直すもの、業者に頼むもの、計画に回すものに分けて動かすことです。業者への依頼は、1件ずつ頼むより、分野ごとにまとめて頼むほうが、業者が来る回数と立ち会いの時間が減ります。
毎週の仕事| 仕事 | 中身 | 気をつけること |
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| 報告の取りまとめ | 1週間の報告を、急ぐ・まとめて直す・計画に回すの3つに分ける | 同じ場所の報告が続いたら、原因が別にあると疑う |
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| 業者への依頼 | 施設で直せないものを、分野ごとにまとめて頼む | 見積の要るものは、写真と寸法をそろえて頼む |
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| 立ち会い | 修理の日に場所を案内し、仕上がりを確かめる | 入居者の方への声かけと、工事の時間帯 |
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| 止まっている修理の確認 | 部品待ち・見積待ちの修理を1件ずつ確かめる | 1週間動いていないものは、催促するか頼み先を替える |
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| 職員への返事 | 直った・部品待ち・来週、と報告した職員に返す | 返事がないと、次から報告が減る |
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業者が来る曜日を決めておくと、立ち会いの予定が立てやすくなります。たとえば火曜を業者の日、木曜を点検の立ち会いの日と決めれば、ほかの曜日は見回りと小さな修理に使えます。業者の側も、施設の都合に合わせて職人の予定を組みやすくなります。
毎週の仕事の中で、時間が読みにくいのが、業者を探す電話です。初めての分野の不具合では、頼める業者を探すだけで半日かかることもあります。特殊浴槽の不具合で当窓口に相談された、事務長の声です。
何より助かったのは、私自身が一から業者を探して何社にも電話をする必要がなかったことです。
ご利用者の声 東京都内・介護施設/事務長
取材にもとづき掲載しています(施設名は非公開)。内容はご本人の申告によるもので、個人の感想です。
小さな修理をためて、まとめて片付ける進め方は小さな修繕は、月1回の巡回で1日7〜10件を直せますにまとめています。
毎月の仕事は、点検の立ち会いと記録の整理です
毎月の仕事は、保守と点検の立ち会いと、1か月分の修理の記録を整理して報告することです。毎日と毎週の仕事が「直す」仕事なら、毎月の仕事は「数える」仕事です。数えておくと、どの設備に修理が集まっているか、更新を考える時期が近いかが見えてきます。
毎月の仕事| 仕事 | 中身 | つながる先 |
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| 保守と点検の立ち会い | エレベーター、空調、特殊浴槽などの保守の点検に立ち会う | 報告書の指摘を、修理の一覧に移す |
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| フロンの簡易点検 | 業務用エアコンと厨房の冷凍冷蔵庫を、3か月に1回以上見る | 機器ごとの点検の記録 |
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| 修理の記録の整理 | 件数・場所・業者・費用を、1か月分の一覧にする | 来年度の予算と、更新の時期の判断 |
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| 施設長への報告 | 月の件数と費用、止まっている修理、来月の予定を1枚で出す | 承認の要る工事の相談 |
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| 消耗品と予備の部品 | ランプ、パッキン、フィルター、電池の在庫を確かめる | 止まったときの手当ての速さ |
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フロンの簡易点検は、フロン排出抑制法で、業務用エアコンや冷凍冷蔵庫を管理する施設に求められています。3か月に1回以上、室外機や室内機の異音、油のにじみ、傷みを見て、機器ごとに記録します。資格は要らないので、毎月の仕事の中に、3か月ごとの番を組み込みます。
記録の整理では、修理の一覧に、設備の型番と製造年を書いておくと、同じ機器の修理が何回目かがすぐ分かります。設備ごとの型番・製造年・保守の会社をまとめる機器台帳の作り方は機器台帳は、竣工図と現地と保守の会社の3つで作りますにあります。
毎年の仕事は、法定の点検の予定と、修繕の計画・予算です
毎年の仕事は、1年の予定を立てることと、来年度にお金と時間を用意することです。法定の点検と保守の日程を年度の初めに決め、秋には来年度の修繕と更新の候補を決めて、見積と予算の案を作ります。年度の終わりには、1年分の記録をまとめます。
毎年の仕事と、行う時期の例| 時期 | 仕事 | 使う材料 |
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| 年度の初め(4〜5月) | 法定の点検と保守の1年の日程を決め、職員に知らせる | 去年の点検の日程と報告書 |
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| 夏まで(6〜8月) | 保守の契約の中身と金額を見直す | 保守の会社ごとの契約書と、1年の修理の件数 |
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| 秋(9〜11月) | 来年度の修繕と更新の候補を決め、見積を取り、予算の案を作る | 修理の一覧、機器台帳、長期修繕計画 |
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| 冬(12〜2月) | 予算の決定に合わせて、来年度の工事の時期と頼み先を決める | 見積と、補助を使うときは要綱 |
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| 年度の終わり(3月) | 1年分の修理の記録をまとめ、長期修繕計画の数字を直す | 月ごとの修理の一覧 |
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法定の点検は、消防用設備、建物と建築設備、昇降機、受水槽、電気の保安など、種類ごとに周期と点検する人が違います。点検ごとの周期と報告の期限は、チェックリストの一覧で確かめ、年度の初めに1枚の予定表にします。
来年度の修繕の候補は、毎月の記録から拾います。たとえば、修理が年に3回以上出た設備、部品の供給が終わると言われた設備、点検で更新を勧められた設備は、候補に入れます。修繕の予算の組み方は修繕の予算は、前の年の秋から3つの区分で組みますで書いています。
季節によって、重くなる仕事が変わります
営繕の仕事の重さは、季節で大きく変わります。夏は冷房の故障、冬は給湯器の故障と配管の凍結、梅雨と台風の時期は雨水と停電が重なります。重くなる時期の1〜2か月前に、試運転と点検を済ませておくのが、季節の仕事の基本です。
図3 重くなる時期の1〜2か月前に、試運転と点検を済ませる。
季節で重くなる仕事と、前もってすること| 季節 | 重くなる仕事 | 前もってすること |
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| 春(4〜5月) | 異動と年度替わりの引き継ぎ、法定の点検の日程 | 頼み先の一覧と、鍵の一覧を新しくする |
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| 梅雨と台風(6〜9月) | 雨漏り、排水のあふれ、停電 | 屋上の排水口と雨どいの掃除、発電機の燃料と試運転の確認 |
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| 夏(7〜9月) | 冷房の故障、室温の上がり、室外機の止まり | 5〜6月に冷房の試運転、フィルターの清掃、室外機のまわりを空ける |
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| 冬(12〜2月) | 給湯器の故障、配管の凍結、結露 | 10〜11月に暖房の試運転と給湯器の点検、屋外の配管の保温材を見る |
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夏の冷房の故障は、入居者の方の熱中症につながる、安全の段の修繕です。居室の冷房が止まったら、まず室温を測り、扇風機や涼しい部屋への移動などの手当てをしてから、業者を呼びます。止まったときの手順は空調が止まった。業者より先に、室温を測ってくださいにまとめています。
冬は、お湯を使う量が増える時期に、給湯器の故障が重なります。給湯器が1台しかない施設では、止まると入浴が止まります。寒い地域では、屋外に出ている配管の凍結にも気をつけます。寒波の予報が出たら、保温材の破れを見て、凍りやすい所を職員に伝えます。凍った配管に熱湯をかけると、管が破れることがあるので避けます。
役に立つ資格と、資格がないとできない作業があります
営繕担当になるために、決まった資格は要りません。ただ、施設の設備によっては、資格のある人でないと扱えない作業や機器があります。資格は、施設の受電の形と、置いている設備を確かめてから選ぶと、取ったあとに使えます。
営繕担当に役立つ資格と、役に立つ施設| 資格 | できること | 役に立つ施設 |
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| 第二種電気工事士 | 一般用電気工作物(低圧で受電する建物など)の電気工事 | 低圧で受電するグループホームやデイサービスなど |
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| 第一種電気工事士 | 一般用に加えて、自家用電気工作物(最大電力500kW未満)の電気工事 | 高圧で受電する特養・老健・有料老人ホームなど |
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| 認定電気工事従事者 | 自家用電気工作物のうち、600V以下で使う部分の電気工事 | 高圧で受電する施設。第二種電気工事士が講習を受けて目指すことが多い |
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| 危険物取扱者(乙種第4類など) | 灯油・重油などを、許可を受けた施設で取り扱う・立ち会う | 指定数量以上の灯油や重油のタンクがある施設 |
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| ボイラー技士 | 法令上のボイラーの取り扱い | 法令上のボイラーを置く施設 |
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| 防火管理者 | 消防計画を作り、訓練と設備の維持を管理する | 入居の施設の多く。施設長や事務長が担うことが多い |
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電気の資格は、受電の形で役に立つ範囲が変わります。第二種電気工事士でできるのは、一般用電気工作物の工事です。高圧で受電している施設は、自家用電気工作物にあたります。その工事には第一種電気工事士が要り、600V以下の部分なら認定電気工事従事者でもできます。受電の形と電気設備の頼み先は電気設備の修理を頼む先は、受電の形と作業の中身で決まりますで書いています。
灯油の指定数量は1,000リットル、重油は2,000リットルです。指定数量以上をためて使う施設は、消防法の許可を受けた危険物の施設になります。取り扱いには、危険物取扱者の資格を持つ人が当たるか、甲種か乙種の資格者が立ち会います。指定数量の5分の1以上で指定数量未満の量は、市町村の条例で届出が要ります。
給湯や暖房に使われることの多い真空式や無圧式の温水機は、圧力のかからない仕組みです。そのため法令上のボイラーにあたらず、取り扱いに免許は要りません。蒸気ボイラーや温水ボイラーなど、法令上のボイラーを置く施設では、ボイラー技士などの資格が要ります。どちらにあたるかは、機器の銘板と、設置したときの届出の書類で確かめます。
図4 右の列の作業は、資格のある業者に頼む。
右の列の作業を、資格のない職員が続けてしまっている施設もあります。たとえば、蛍光灯をLEDに替えるときに器具の中の安定器を外す工事は、電気工事にあたります。資格がないまま行うと、法令に反するだけでなく、火災の原因になることがあります。
1人で見られる範囲は、1週間の時間で見ます
営繕担当1人で見られる範囲は、定員や延べ床面積だけでは決まりません。同じ定員でも、建物の年数、設備の数、修理の出方で、仕事の量が変わるからです。目安になるのは、毎月と毎年の仕事に手が回っているかどうかです。
1週間の時間の書き出し例(数字は例。自分の施設で測って置きかえる)| 周期 | 主な仕事 | 1週間あたりの時間の例 |
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| 毎日 | 見回り、受付、小さな修理 | 15〜20時間 |
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| 毎週 | 取りまとめ、業者への依頼、立ち会い | 8〜12時間 |
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| 毎月 | 点検の立ち会い、記録、報告(月の時間を4で割る) | 3〜5時間 |
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| 毎年 | 計画、予算、見積の比較(年の時間を52で割る) | 2〜4時間 |
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| 合計 | 4つの周期の合計 | 28〜41時間 |
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表は、書き出し方の例です。1週間、営繕担当がした仕事とかかった時間を書き、4つの周期に分けて合計します。合計が勤務の時間に近いと、急な故障が重なった週に、毎月と毎年の仕事が押し出されます。時間の測り方は営繕担当者が足りないときは、増やす前に時間を測りますで書いています。
図5 毎日の仕事で手いっぱいなら、1人で見られる範囲を超えている。
- 小さな修理が1週間以上たまる毎日の仕事が、その日のうちに終わっていないしるしです。
- 点検の指摘が、次の点検まで直らない毎月の仕事が、毎日の仕事に押し出されているしるしです。
- 秋になっても、来年度の修繕の候補が決まらない毎年の仕事に、手がついていないしるしです。
- 休みの日にも、設備の電話が鳴る急ぐものと急がないものの線が、職員と共有されていないしるしです。
範囲を超えているときは、毎日の仕事のうち、見回りの一部や受付を職員の当番に分けるか、毎週の手配を外に任せます。どちらにしても、毎月と毎年の仕事は営繕担当の手元に残すほうが、計画と記録がつながります。
モデルケース:営繕担当1人が呼び出しに追われていた介護老人保健施設
モデルケース:定員90名の介護老人保健施設(営繕担当1名)
点検の指摘の直し残しが、3か月で12件から2件に
変わったこと(結果)
4つの周期の予定表を作ってから3か月で、法定の点検で指摘されたまま直していなかった不良が、12件から2件に減りました。営繕担当が急な呼び出しで手を止める回数も、1日に8回ほどから3回ほどになりました。秋には、来年度の修繕の候補を初めて10月のうちに施設長に出せました。
背景と、困っていたこと
この施設の営繕担当は、介護職から移って2年目の職員が1人で務めていました。前の担当者は退職していて、仕事の引き継ぎは業者の電話番号の一覧だけでした。担当者は、職員に呼ばれるたびにその場へ行き、1日がそれで終わっていました。点検の報告書の指摘は机の上にたまり、夏の前の冷房の試運転もできず、7月に居室のエアコンが3台続けて止まりました。
決めたこと
担当者が迷ったのは、呼ばれてすぐに行かないと、職員から不満が出るのではないかという点でした。決め手は、施設長が、呼ばれたときの線の引き方を職員の会議で自分から説明すると約束したことです。線は「安全に関わるものはすぐ、それ以外は決めた時間にまとめて」です。毎日の見回りと受付を午前中に、小さな修理を午後にまとめ、火曜を業者の日、毎月の第1週を記録と報告の週と決めました。毎年の仕事は、月ごとの予定表に書き出しました。
進めてみて分かったこと
担当者は、第二種電気工事士の資格を取ろうと考えていました。けれども、この施設は高圧で受電していて、それだけでは施設の電気工事ができないと分かりました。資格は、取ったあとに講習を受けて、600V以下の部分の工事ができる認定を受ける段取りまで確かめてから取ることにしました。