契約書は、追加・工期・責任・損害・支払いの5つから読みます
介護施設の工事の契約書は、本文と約款を合わせると何ページにもなります。すべてを同じ重さで読む時間は、なかなか取れません。署名の前には、もめごとが起きやすい5つの項目から先に読みます。
図1 工事が始まってからもめやすい順に並べている。
署名の前に確かめる5つのこと| 項目 | 契約書で見る所 | 介護施設で気をつけること |
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| 追加・変更 | 変更の手続きの条文、追加の単価の決め方 | 居ながらの工事では、開けてみて分かる追加が出やすい |
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| 工期と遅れ | 着手と完成の日、作業しない日・時間帯、遅れたときの損害金 | 食事・入浴・行事の時間、止まる設備の日 |
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| 不具合の責任 | 契約不適合の責任の期間と、求められること | 引渡しの検査で見ること、設備機器の扱い |
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| 損害 | 第三者の損害の負担、保険の条文 | 入居者の方やご家族、居室の物への損害 |
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| 支払い | 前払い・中間払い・完成払いの割合と時期 | 完成の検査と手直しのあとに、残りを払うか |
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5つのうち、介護施設でとくに差が出るのは、工期の「作業しない時間」と「損害」です。入居者の方が暮らしている中の工事では、時間帯の決まりと、けがや物の損害の扱いが、ふつうの建物より細かく要ります。
契約書は、契約の前の見積や打ち合わせの結果を、最後に書面に固めるものです。問い合わせや現地調査、見積の場面で見える注意点は着工後のトラブルは、契約の前の3つの場面に表れますにまとめています。この記事では、その先の契約書の読み方を扱います。
工事の契約は、小さな修理でも書面で交わします
工事の請負契約は、金額の大小にかかわらず、書面で交わすことが建設業法で決まっています(第19条)。工事の内容や代金、工期など、契約書に書く事項も決められています。数万円の修理では、注文書と請書に約款を付けて交わす形もあります。
建設業法第19条で、契約書に書く事項(要点)| まとまり | 書く事項 | 介護施設で見ること |
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| 工事と代金 | 工事の内容、請負代金の額 | 見積と条件書の範囲と同じか |
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| 時期 | 着手と完成の時期。工事をしない日や時間帯を決めるときは、その内容 | 食事・入浴・行事の時間が入っているか |
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| 支払い | 前払いや出来た分の支払いの定め、完成後の支払いの時期と方法 | 検査と引渡しのあとに残りを払うか |
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| 変更と中止 | 設計の変更や中止のときの工期・代金・損害の負担。天災のときの負担 | 施設の都合で止めたときの扱い |
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| 物価の変動 | 価格の変動などによる代金や工事内容の変更の定め | 資材が値上がりしたときの決め方 |
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| 損害 | 第三者が損害を受けたときの賠償金の負担 | 入居者の方やご家族、来訪者への損害 |
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| 検査と引渡し | 完成を確かめる検査の時期と方法、引渡しの時期 | 施設が立ち会って確かめるか |
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| 不具合と遅れ | 契約不適合の責任の定め(定めるとき)、遅れたときの遅延利息・違約金 | 責任の期間と、遅れたときの扱い |
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| もめたとき | 契約に関する紛争の解決の方法 | 相談先と、話し合いの順 |
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契約の中身を変えるときも、変える内容を書面にして交わします(第19条第2項)。相手の承諾があれば、紙の代わりに電子の方法で交わすこともできます(第3項)。口頭やメモだけで工事を始めると、あとで言った・言わないになりやすくなります。
業者が出してくる約款は、業者の側で用意したひな形のことがあります。国の中央建設業審議会が示す民間工事の標準の約款と見比べると、どこが違うかが分かりやすくなります。違う所が施設に不利なら、署名の前に直してもらうか、特約を足します。
工事の範囲は、見積と条件書と図面で突き合わせます
契約書の「工事内容」は、短く書かれていることが多い項目です。「〇〇改修工事一式」とだけあるなら、見積書や条件書を契約書に添えて、範囲を書面で固めます。添える書類は次のとおりです。
契約書に添えておく書類| 書類 | 何のために添えるか |
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| 見積書(内訳つき) | 工事の範囲と、追加のときの単価の元にする |
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| 条件書と質問回答表 | 作業の時間帯・養生・処分など、見積の前提をそのまま契約に入れる |
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| 図面と写真 | どこを直すかを、言葉の食い違いなく示す |
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| 工程表 | 作業しない日や時間帯、設備が止まる日を示す |
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| 保険の証券の写し | 工事中と引渡しのあとの賠償の保険の、期間と限度額を控える |
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| 作業に来る会社の名前 | 下請の会社が来るときの、会社の名前と連絡の窓口 |
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施設が材料や機器を用意する場合や、工事の電気・水・置き場を貸す場合も、その中身を書きます。施設が指定した材料や、施設の指図が原因の不具合は、業者の責任にならないのが民法の決まりです(第636条)。ただし、業者がその材料や指図が不適当だと知りながら告げなかったときは、この限りではありません。
材料や工法を施設が指定するときは、業者の意見を聞いて記録に残しておきます。見積の前提をそろえる条件書の作り方は見積の比較表は、条件書で6つをそろえてから作りますにまとめています。「一式」の見積を行に分けてもらう頼み方は「一式」を分けてもらえば、1社の見積でも判断できますにあります。
追加と変更は、着手の前に書面で決めます
居ながらの修繕では、床をはがしたら下地が傷んでいた、天井を開けたら配管が錆びていた、という追加がよく出ます。追加そのものは避けられないこともあります。けれども決め方を先に決めておけば、もめごとにはなりにくくなります。
図2 追加は、着手の前に書面で金額と日数を決める。
追加・変更で、契約書に書いておくこと| 書いておくこと | 書き方の例 |
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| 追加の手続き | 追加が要るときは、着手の前に理由と写真、金額と日数を書面で出し、施設の承認を得てから行う |
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| 承認の金額の線 | 10万円までは現場の担当者どうしで決め、超えるものは事務長が決める |
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| 追加の単価 | 契約の見積の単価を使う。見積にない作業は、別に見積を出す |
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| 急ぎのときの例外 | 水漏れなど安全に関わるときは応急の処置を先に行い、その日のうちに報告する |
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| 物価が上がったとき | 資材の値上がりで代金を変えるときの、申し出の時期と決め方 |
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| 減らすとき | 施設の都合で範囲を減らしたときの、代金の減らし方 |
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金額の線は書き方の例です。法人の決裁の線に合わせて決めます。
約款に「協議のうえ定める」としか書かれていないときは、上の項目を特約として書き足してもらいます。建設業法は、物価の変動などで代金や工事内容を変えるときの決め方も、契約書に書く事項にしています。
承認の金額の線は、法人の決裁の線と合わせます。線を決めないと、小さな追加のたびに事務長が呼ばれるか、逆に知らないうちに追加が積み上がります。追加の書面は、工事が終わるまで1つの綴りにまとめ、精算のときに契約の金額と並べます。
工期は、作業しない日と時間帯まで書きます
工期は、着手の日と完成の日だけでは足りません。建設業法は、工事をしない日や時間帯を決めるときは、その内容を契約書に書くこととしています。介護施設では、食事・入浴・行事の時間と、止まる設備の日がこれに当たります。
工期まわりで、契約書に書くこと| 書くこと | 書き方の例 | 書かないと起きること |
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| 着手と完成の日 | 11月4日着手、12月19日完成 | 完成が延びても、いつまでか分からない |
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| 作業しない日と時間帯 | 土日祝と、毎日11時半〜13時半、入浴の日の午前 | 食事の時間に音の出る作業が重なる |
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| 止まる設備と時間 | 給水を止めるのは平日の10時〜15時、1回4時間まで | 断水が延び、入浴やトイレに困る |
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| 遅れたときの扱い | 遅れが分かった日に知らせる。遅れた日数に応じた損害金を決める | 遅れの理由も、扱いも決まらない |
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| 施設の都合で止めるとき | 感染症の発生などで止めたときの、工期と費用の扱い | 待った日の職人の手間を請求される |
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| 天災のとき | 台風や地震で遅れたときの、工期の延ばし方と損害の負担 | 誰が負担するかでもめる |
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日付と時間は、書き方を示すための例です。
感染症の発生で工事を止めることは、介護施設ではめずらしくありません。止めたときに工期を延ばせるか、待った日の費用を誰が持つかを、先に書いておきます。建設業法も、工事の中止のときの工期や代金、損害の負担の決め方を、契約書に書く事項にしています。
居ながらの大きな工事では、工程表を契約書に添え、入居者の方の移動の日まで書きます。工程表の組み方は居ながら工事の工程表は、工事と暮らしの予定を重ねて作りますにまとめています。夜間や早朝に作業するときの施設の負担は夜間工事はできますが、夜にしかできない工程だけに絞りますにあります。
不具合の責任は、民法と約款の2つの期間で見ます
引き渡された物が契約の内容と合わない不具合を、契約不適合と呼びます。工事のあとに見つかったとき、施設は業者に、直すこと(追完)、代金を減らすこと、損害の賠償、契約の解除を求められます。
求められる期間には決まりがあります。民法では、施設が不具合を知ってから1年以内に、その旨を業者に知らせないと、これらを求められなくなります(第637条)。引渡しのときに業者が不具合を知っていたか、重い過失で知らなかったときは、この制限はかかりません。
図3 契約書の約款が、どちらの形になっているかを確かめる。
不具合の責任の期間(民法と国の標準の約款)| 決まり | 民法 | 民間工事の標準の約款 |
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| 期間 | 不具合を知ってから1年以内に、業者に知らせる | 引渡しを受けた日から2年以内に求める |
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| 設備機器の本体など | 分けた決まりはない | 引渡しのときに検査して直ちに求める。一般の注意で気づけなかったものは、引渡しから1年まで |
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| 業者が知っていたとき | 引渡しのときに業者が知っていたか、重い過失で知らなかったときは、1年の制限はかからない | 故意や重い過失によるときは、期間の制限はかからない |
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| 施設の材料や指図によるもの | 業者の責任にならない(業者が不適当と知りながら告げなかったときは別) | 約款の条文で確かめる |
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契約書の約款で期間を決めていれば、まずその期間で考えます。国の中央建設業審議会が示す民間工事の標準の約款では、引渡しを受けた日から2年以内に求めることとしています。設備機器の本体などは、引渡しのときに検査して直ちに求めるのが原則です。一般の注意で気づけなかったものは、引渡しから1年まで求められます。
引渡しの検査の日は、設備を動かして確かめます。水まわりは水を流し、扉は開け閉めし、気づいた点はその場で書面に残します。契約の責任とは別に、業者の施工の保証や、機器のメーカーの保証が付くこともあります。保証の種類と、部位ごとの年数の管理は工事の保証は、3つに分けて部位ごとに控えますにまとめています。
入居者の方と建物への損害は、誰が払うかを先に決めます
入居者の方が暮らしている中の工事では、工事と関係のない人や物に損害が出ることがあります。建設業法は、工事で第三者が損害を受けたときの賠償金の負担を、契約書に書く事項にしています。介護施設では、次のような損害を想定しておきます。
工事のときに起きやすい損害と、契約書で決めておくこと| 損害 | 例 | 契約書で決めておくこと |
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| 入居者の方のけが | 資材につまずく。閉め忘れた扉から外に出る | 通路・資材の置き場・扉の管理の決まりと、賠償の負担 |
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| 居室の物への損害 | 家具や家電、車いすに傷を付ける | 動かす物の工事前の写真と、立ち会う人 |
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| 建物の別の場所への損害 | 水を漏らして下の階の天井が汚れる。搬入で床や壁を傷つける | 養生の範囲と、直す人と費用 |
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| 設備が止まったことによる影響 | 工事の延びで給湯が止まり、入浴を清拭に替える | 止める時間の約束と、延びたときの扱い |
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| 引渡しのあとの事故 | 取り付けた手すりが外れて、けがをする | 引渡し後の賠償の保険と、不具合の責任 |
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損害の多くは、防ぐ手立てを契約の前に決めておくと減らせます。資材の置き場、通路の幅、扉の開け閉め、作業の場所の仕切りです。認知症のある入居者の方への配慮と、ご家族への知らせ方は認知症のある方への配慮は、工事の段取りで変化を小さくすることですで書いています。
居室に入る工事では、動かす物の写真を工事の前に撮り、入居者の方やご家族、職員の立ち会いを決めておきます。工事のあとに傷が見つかったとき、前からあったのか工事で付いたのかが写真で分かります。
業者の保険と施設の保険は、役割が違います
工事の損害を実際に払うのは、多くの場合、保険です。業者が入る保険と、施設が入る保険では、補う損害が違います。契約書では、業者がどの保険に入っているかを確かめ、証券の写しをもらいます。
業者の保険と施設の保険の役割| 保険 | 入る人 | 主に補うもの | 補わないことが多いもの |
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| 建設工事保険 | 業者 | 工事中の工事の目的物の損害(火災・盗難・作業の誤りによる事故など) | 施工の欠陥そのものを直す費用、地震による損害 |
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| 請負業者賠償責任保険 | 業者 | 工事中に、入居者の方など第三者にけがをさせたり、物を壊したりしたときの賠償 | 業者の職人のけが、自動車による事故 |
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| 生産物賠償責任保険 | 業者 | 引渡しのあと、工事の結果が原因で起きた事故の賠償 | 工事した物そのものの損壊 |
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| 労災保険と上乗せの保険 | 業者 | 職人の仕事中のけが | 第三者への賠償 |
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| 火災保険 | 施設 | 施設の建物や設備の火災・水濡れなどの損害(契約による) | 契約に入れていない事故の種類 |
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| 施設の賠償の保険 | 施設 | 建物の管理や介護の場面での事故の賠償(契約による) | 業者の作業が原因の事故 |
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保険の名前や補う範囲は、保険の契約で違います。証券の写しで、期間・限度額・対象外を確かめます。
図4 原因で、使う保険が分かれる。分からないときは両方に連絡する。
原因がはっきりしないときは、業者と施設の両方の保険の窓口に、早めに連絡します。どちらの保険で払うかは、保険会社どうしで話し合って決まることもあります。施設の側は、写真と日時、誰が見つけたかを残します。
業者の保険の証券は、期間が工事の期間を覆っているか、限度額が工事の大きさに見合うかを見ます。水漏れで下の階の天井や物が濡れたときに、施設の火災保険の水濡れの補償で戻るものと戻らないものは老人ホームで水漏れ。修理より先にすることがありますにまとめています。
支払いは、検査と引渡しのあとに残りを払う形にします
支払いの条件は、前払い・中間払い・完成払いの割合と時期で決まります。民間の工事では、割合は契約で決めます。施設が気をつけたいのは、完成の検査と手直しが終わってから、残りを払う形にしておくことです。
図5 残りの支払いは、検査と手直しが済んでから。
支払いの形と、確かめること| 支払い | 時期 | 確かめること |
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| 前払い | 契約のあと、着手の前 | 何に使うお金か(機器の発注など)と、割合 |
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| 中間払い(出来た分) | 工事の途中 | 出来た分をどう確かめるか(写真・立ち会い) |
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| 完成払い | 完成の検査と引渡しのあと | 検査の日と、手直しが終わってから払うか |
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| 年度をまたぐ工事 | 年度末の出来た分と、翌年度の残り | 予算の年度と、請求書の日付 |
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| 補助金を使う工事 | 補助の決まりによる | 交付の決定と、契約・支払いの順 |
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前払いが多いときは、何に使うお金かを聞きます。機器を発注するために前払いが要ることもあります。そのときは、機器が届いたことを確かめてから払う形にもできます。
補助金を使う工事は、交付が決まる前に契約や着工をしないことが基本です。契約と支払いの順を、補助の決まりに合わせます。補助金を使う工事の流れと月数は補助を使う工事は、交付決定の通知が届くまで契約しませんにまとめています。
モデルケース:給水管の更新で、追加の決め方を契約書に書き足したサ高住
モデルケース:52戸のサービス付き高齢者向け住宅(5階建て)
追加が3回出ても、着手の前に金額が決まり、精算でもめなかった
変わったこと(結果)
給水管の更新工事で、追加の工事が3回出ましたが、どれも着手の前に書面で金額と日数を決められました。精算では、契約の金額に追加の3件分(合計38万円)を足しただけで、もめることはありませんでした。前回の改修では、工事が終わってから追加の請求が5件まとめて届き、話し合いに2か月かかっていました。
背景と、困っていたこと
この住宅では、築22年で赤い水が出るようになり、共用部と各住戸の給水管を更新することになりました。契約の金額は約2,400万円、工期は3か月です。業者から届いた契約書の約款には、追加の扱いが「協議のうえ定める」としか書かれていませんでした。前回の改修で追加の請求に苦労した事務長は、同じことにならないかを心配していました。
決めたこと
事務長は、署名の前に3つのことを契約書に書き足してもらいました。追加は着手の前に見積と日数を書面で出し、施設が承認してから行う。10万円までの追加は現場の担当者どうしで決め、超えるものは事務長が決める。住戸に入るのは平日の10時から16時で、入居者の方には前の週に知らせる。あわせて、業者の賠償の保険の証券の写しをもらいました。
進めてみて分かったこと
初めは、細かく書き足すと業者に嫌がられるのではないかと迷いました。実際には、業者はすぐに書き足しに応じました。工事中、住戸の床に工具を落として傷を付けたことがありましたが、業者の保険で直すと決まっていたので、1週間で片付きました。