熱の出入りは、窓がいちばん多い通り道です
建物の熱は、窓・壁・屋根・床・換気から出入りします。このうち、いちばん多いのが窓です。住宅の試算では、冬に暖房の熱が逃げる58%、夏に外の熱が入る73%が、窓などの開口部からとされています(日本建材・住宅設備産業協会)。
窓から出入りする熱の割合(住宅の試算)| 季節 | 窓などの開口部 | それ以外(壁・屋根・床・換気) |
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| 冬(暖房の熱が逃げる) | 58% | 42% |
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| 夏(外の熱が入る) | 73% | 27% |
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図1 住宅の試算。介護施設でも、窓は熱の大きな通り道になる。
この数字は住宅のもので、介護施設の建物とは作りが違います。それでも、介護施設は居室ごとに窓があり、窓の面積が大きくなりがちです。築年の古い施設では、1枚のガラスのアルミサッシが多く、断熱をした壁よりずっと熱を通します。
窓は、屋根や外壁と違って、居室ごとに小さく工事を分けられます。足場も要らず、入居者の方が暮らしたまま進めやすいのも、窓から始める理由です。電気代を下げる方向の中で、断熱がどこに当たるかは電気代を下げる6つの方向は、請求書を読んでから選びますにまとめています。
介護施設は、窓の断熱が効きやすい建物です
介護施設は、24時間・1年中、空調を使う建物です。入居者の方は暑さ寒さを感じにくかったり、体温の調節が苦手だったりします。窓際のベッドで過ごす時間も長く、窓の冷えや熱が、そのまま体に伝わります。
介護施設で、窓の断熱が効く場面| 場面 | 今起きていること | 断熱で変わること |
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| 窓際のベッド | 冬の朝、窓際が冷え、冷気が床に降りる | 窓際と部屋の中央の温度の差が小さくなる |
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| 結露 | 毎朝の拭き取り。カーテンや壁のカビ | 結露が減り、拭く手間とカビが減る |
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| 西日の居室 | 夏の午後に室温が上がる | 日射を減らすガラスで、上がり方がゆるやかになる |
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| 廊下・トイレ・脱衣所 | 居室との温度の差が大きい | 移るときの寒暖の差が小さくなる |
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| 空調 | 設定を変えても窓際まで効かない | 同じ設定でも、窓際まで効きやすくなる |
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結露は、職員の手間にもなっています。朝の拭き取りに、1フロアで数十分かかることもあります。拭き残しは、カーテンや壁紙のカビにつながります。窓の断熱で結露が減ると、この手間が減ります。
空調の方式によっては、居室ごとに温度を細かく合わせにくい建物もあります。そうした建物ほど、窓際の冷えを窓の側で減らす意味が大きくなります。空調の中央方式と個別方式の、温度の合わせ方の違いは空調の中央方式と個別方式は、止まる範囲と温度の合わせ方が違いますにあります。
窓の断熱は、内窓・ガラスの交換・サッシの交換の3つです
窓の断熱の改修には、3つの方法があります。今の窓の室内側にもう1つ窓を付ける内窓、今のサッシのままガラスを替える方法、サッシごと替える方法です。
図2 工事の時間が短く、居室ごとに進めやすいのは内窓。
窓の断熱の3つの方法の違い| 方法 | 中身 | 工事の時間 | 向いている場面 | 気をつけること |
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| 内窓 | 今の窓の室内側に、もう1つ窓を付ける | 最短で1か所約1時間 | 居室ごとに短い時間で進めたい | 開け閉めが2回になる。家具や手すりとの当たり |
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| ガラスの交換 | 今のサッシのまま、ガラスを複層やLow-Eに替える | サッシの状態で変わる | 開け閉めを今のままにしたい | サッシが重さに耐えるか。網入りは熱で割れないか |
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| サッシの交換 | 今の枠に新しい枠をかぶせるなどして、窓ごと替える | 内窓より長い。外からの作業が要ることも | サッシも傷み、開け閉めが重い | 費用が大きい。防火の窓は認定の品を選ぶ |
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費用は、内窓、ガラスの交換、サッシの交換の順に大きくなるのが一般的です(窓の業界団体の資料)。内窓は、最短で1か所約1時間で取り付けられるとされ、入居者の方がいる居室でも1室ずつ進められます。
Low-Eガラスは、ガラスに薄い金属の膜を付けて、熱を伝えにくくしたガラスです。夏の日射を防ぐ形と、冬の熱を逃がしにくい形があります。西日の当たる居室は日射を防ぐ形、北向きの寒い居室は熱を逃がしにくい形、と窓の向きで選びます。
屋根・外壁・床は、大きな改修の時期に合わせます
窓のほかに、屋根、外壁、床も断熱できます。ただ、どれも窓より工事が大きく、足場や防水の工事と一緒に行うことが多い部位です。単独で行うより、ほかの改修の時期に合わせると、費用を抑えられます。
部位ごとの効果と、費用の目安・合わせる時期| 部位 | 主な方法 | 効果が出やすい場面 | 費用の目安と時期 |
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| 窓 | 内窓・ガラスの交換・サッシの交換 | 冬の窓際の冷え、結露、夏の西日 | 内窓は1か所数万円から20万円台(大きさ・性能・数で変わる)。いつでも |
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| 屋根・屋上 | 防水をやり直すときに断熱材を加える | 最上階の夏の暑さ | 屋上防水の改修(当窓口の目安500万〜3,000万円)に断熱の分が加わる |
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| 最上階の天井 | 天井裏に断熱材を敷く | 天井裏に入れる建物の最上階 | 天井裏に入れるなら工事は小さめ。点検口から入れるとき |
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| 外壁 | 外側か内側に断熱材を張る | 外壁の面積が大きい建物 | 外壁の塗装・補修(同800万〜3,000万円)に断熱の分が加わる |
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| 床 | 床下に断熱材を入れる | 1階の床が冷える、床下に入れる建物 | 床の張り替えの時期に |
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図3 窓だけは、ほかの工事を待たずに始められる。
屋上の防水をやり直す時期が近いなら、断熱材を加える工法を候補に入れます。防水の工法ごとの費用と、年あたりで比べる方法は屋上防水と外壁塗装は、総額より年あたりの費用で比べますにまとめています。
木造2階建ての施設で、屋根や外壁を下地から作り直す工事は、2025年4月から確認申請が要る場合があります。外壁の内側から断熱する改修は当たらないとされていますが、範囲の大きい工事は先に確かめます。見分け方は木造2階の屋根や階段を作り直すなら、2025年4月から確認申請が要りますにあります。
工事は、居室ごとに短い時間で進めます
内窓の工事は、採寸、製作、取り付けの3つに分かれます。採寸は全室を1日でまとめて行い、製作を待ってから、1室ずつ取り付けます。製作にかかる日数は、時期と数で変わるので、業者に確かめます。
図4 採寸は1日でまとめ、取り付けは1室ずつ短い時間で。
居室ごとに進めるときの1日の組み方(例)| 時間 | 施設がすること | 業者がすること |
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| 朝食のあと | 入居者の方に食堂へ移ってもらう。窓の前の家具を少し動かす | 道具を運び入れ、床を養生する |
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| 午前 | 1室ずつ順に空ける。終わった部屋から戻ってもらう | 1室ずつ取り付け、開け閉めと鍵を確かめる |
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| 昼食と休む時間 | 居室で休む方の部屋は作業しない | 片付けと、午後の部屋の準備 |
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| 午後 | 残りの部屋を順に空ける | 取り付けと確かめ |
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| 夕方 | 家具を戻し、内窓の開け方と鍵を職員に伝える | 掃除と、取り付けた窓の一覧の引き渡し |
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居室に知らない人が入ることや、いつもと違う窓の形に、戸惑う入居者の方もいます。工事の日は、担当の職員がそばにつき、終わった部屋から順に戻ってもらいます。認知症のある入居者の方への工事のときの配慮は認知症のある方への配慮は、工事の段取りで変化を小さくすることですにまとめています。
内窓の取り付けで出る音は、電動の工具を使う短い時間に限られることが多く、壁を壊す工事に比べると、ほこりも少なめです。それでも、作業の時間帯は、食事と入浴の時間を外して組みます。工事の音と粉じんを減らす方法は騒音と粉じんは、時間帯だけでなく工法と区画でも減らせますにあります。
窓を替える前に、防火・排煙・転落の決まりを確かめます
窓は、火事のときに火を防いだり、煙を逃がしたり、消防の隊員が入ったりする場所でもあります。ガラスやサッシを替える前に、その窓にどんな役割があるかを確かめます。
窓を替える前に確かめる決まりと安全| 確かめること | 理由 | 聞く相手 |
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| 防火の窓か | 延焼のおそれのある部分の窓は、防火設備。替えると認定から外れることがある | 設計者、サッシの業者 |
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| 排煙に使う窓か | 内窓で開けにくくなると、煙を逃がす働きが落ちる | 設計者、建築の窓口 |
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| 消防の進入に使う窓か | 外から入るための窓は、ガラスの種類や開け方に決まりがある | 消防 |
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| 網入りガラスか | 複層やフィルムで、熱で割れるおそれがある | ガラスの業者 |
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| 転落と外へ出ることへの備え | 内窓にも、開く幅を止める金具が要ることがある | 業者と介護の職員 |
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内窓は、今の窓を残したまま室内側に足すので、外の窓の防火の性能はそのまま残ります。ただ、排煙や消防の進入に使う窓では、内窓で開けにくくならないかを確かめます。どの窓がそうかは、竣工図や消防の検査の書類で分かることがあるので、設計者に見てもらいます。
網入りガラスは、日の当たり方によって、ガラスの中に温度の差ができると割れることがあります。複層にするときやフィルムを貼るときは、業者に熱で割れるおそれがないかを確かめてもらいます。窓の鍵や開け閉めの不具合、防火の窓と網入りのガラスの扱いは窓が閉まらない・ガラスが割れた。転落と外へ出る心配を先ににまとめています。
居室と、廊下・脱衣所の温度の差を小さくします
断熱の改修は、居室を暖かくするだけでなく、場所ごとの温度の差を小さくする工事でもあります。暖かい居室から寒い廊下やトイレ、脱衣所に移ると、体に負担がかかります。とくに入浴の前後は、服を脱いだ体が冷えやすい時間です。
温度の差が出やすい場所と、窓の手当て| 場所 | 差が出る場面 | 手当ての例 |
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| 脱衣所 | 入浴の前に服を脱ぐとき | 小さな窓にも内窓。入浴の前に暖める |
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| 浴室 | 洗い場の窓際 | 浴室に使える内窓か、複層ガラスに替える |
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| トイレ | 夜中に居室から移ったとき | 窓に内窓を付ける |
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| 廊下の端 | 夜に居室からトイレへ向かうとき | 端の窓に内窓を付ける |
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| 居室の窓際 | ベッドから起き上がるとき | 内窓と、床まで届く丈のカーテン |
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脱衣所や浴室の窓は、小さくても、冬の朝は冷たい空気の入り口になります。入浴の前に脱衣所を暖めることと合わせて、窓の断熱を考えます。浴室の窓は湿気が多いので、浴室に使える品を選びます。
夜の廊下は、暖房を弱めている施設もあります。居室とトイレの間の廊下の窓に内窓を付けると、夜中に移るときの温度の差を小さくできます。廊下の窓を工事するときは、昼の時間帯に、通る人の少ない区画から進めます。
効果は、温度と結露と電気の量で確かめます
断熱の効果は、工事の前と後で、同じものを同じ方法で測って確かめます。外の気温で室温は変わるので、比べる日は、外の気温が近い日を選びます。測る項目は、温度、結露、電気の量、入居者の方の様子の4つに分けます。
断熱の効果の確かめ方| 確かめること | 測り方 | 比べ方 |
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| 窓際と部屋の中央の温度 | 温湿度計を2か所に置き、30分ごとに記録する | 外の気温が近い日の、朝の同じ時刻で |
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| ガラスの表面の温度 | 放射温度計で測る | 朝の同じ時刻に、内窓のある部屋とない部屋で |
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| 結露 | 拭き取りにかかる時間、使ったタオルの枚数 | 1週間の合計で |
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| 空調の電気の量 | 系統の計測、または請求書 | 改修していない階や、前の年の同じ月と |
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| 入居者の方の様子 | 寒さの訴え、重ね着、夜中に起きる回数 | 介護の記録で、前後の月を比べる |
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図5 比べる相手を決めてから、工事の範囲を決める。
いちばん確かなのは、同じ向き・同じ階の、改修した部屋としていない部屋を、同じ日に比べる方法です。全室を一度に工事すると、この比べ方ができません。1つの階から始め、ほかの階を比べる相手にすると、効果を数字で示しやすくなります。
空調の電気の量は、外の気温や入居者の方の数でも変わります。請求書の比べ方だけでは、断熱の効果と見分けにくいので、温度と結露の記録と合わせて判断します。
補助を使うなら、冬に間に合うかと、交付の決定の時期を比べます
窓や外壁の断熱を対象にする補助もあります。環境省の「業務用建築物の脱炭素改修加速化事業」は、外皮の高断熱化や高効率の空調の導入にかかる設計費・設備費・工事費が対象です。2026年度は、6月4日から11月30日まで公募しています(2026年6月の発表)。
介護施設が対象の建物に入るか、補助の割合や条件は、公募の要領で確かめます。住宅を対象にする窓の補助もありますが、施設で使えるかは、建物が住宅として扱われるかで変わります。
補助を使う工事は、交付の決定の前に契約しないのが原則です。冬の前に付けたい窓は、補助の結果を待つと、その冬に間に合わないことがあります。寒さと結露のひどい居室を自己資金で先に行い、残りを翌年度の補助で行う分け方もあります。省エネの補助で求められる、効果を数字で示す準備は省エネの補助は、効果を数字で示せる施設が使えますにまとめています。
内窓を足す工事や、複層ガラスへの交換は、窓の性能を上げる工事です。会計で修繕費になるか、資本的支出になるかは、金額と中身で変わります。見積の行の分け方と考え方は修繕費か資本的支出かは、見積の分け方で判断しやすくなりますにあります。
モデルケース:北向きの居室の窓際が冷えていた介護付有料老人ホーム
モデルケース:定員60名の介護付有料老人ホーム(鉄筋コンクリート造4階建て)
窓際の朝の冷えが和らぎ、結露の拭き取りがほぼ要らなくなった
変わったこと(結果)
3階と4階の北向きの居室20室の窓に、内窓を付けました。冬の朝6時の、窓際と部屋の中央の温度の差は、約5℃から約2℃になりました。各階で毎朝30分ほどかけていた結露の拭き取りは、内窓を付けた部屋では、ほぼ要らなくなりました。工事は1日に7室ずつ、3日で終わりました。
背景と、困っていたこと
冬になると、北向きの居室の窓際のベッドで、入居者の方が布団を2枚重ねていました。窓は1枚のガラスのアルミサッシで、朝はガラスに水滴がつき、カーテンの裾にカビが出ていました。空調の温度を上げても、窓際は冷たいままでした。サッシごと替える見積は金額が大きく、施設長は決めかねていました。
決めたこと
施設長は、まず2週間、窓際と部屋の中央に温湿度計を置いて測りました。窓の断熱は内窓から始め、3階と4階の北向きの20室に絞りました。同じ北向きの2階の居室は翌年に回し、比べる相手にしました。防火や排煙に使う窓でないことを設計者に確かめ、内窓にも開く幅を止める金具を付けました。
進めてみて分かったこと
内窓の鍵の位置が高く、背の低い職員が手を伸ばしにくい部屋がありました。2階と比べた温度と結露の記録を本部に出したところ、翌年度の2階の予算が1回で通りました。