ユニット化は、建物より先に暮らし方を変える改修です
ユニット化は、多床室を個室にする工事のことだけではありません。少人数のまとまり(ユニット)ごとに、決まった職員がケアをする形に変えることです。入居者の方一人ひとりの暮らしのリズムに合わせるのが、そのねらいです。建物の改修は、その暮らし方を支えるための手段です。
そのため、ユニット化の損得は、入居者の方・職員・経営の3つの目線で違って見えます。どれか1つの目線だけで決めると、あとで別の目線から無理が出てきます。最初に、3つの目線のメリットとデメリットを1枚に並べます。
ユニット化を3つの目線で見たときの、メリットとデメリット| 目線 | 主なメリット | 主なデメリット | 判断で見る数字 |
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| 入居者の方 | 個室で眠りと私物が守られる。少人数のなじみの関係で暮らせる | 居住費が上がる。個室にこもりがちになる方もいる | 居住費の差、補足給付の対象の方の数 |
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| 職員 | 一人ひとりの好みや変化に気づきやすく、ケアを工夫しやすい | 1人で受け持つ時間帯が増える。夜勤で2ユニットを受け持つ | 昼間と夜間に要る職員の数 |
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| 経営 | 基本の報酬と居住費が上がる。個室を望む方に選ばれやすい | 人件費と工事費が増える。定員が減ることがある | 1年の収支の差、工事費、補助 |
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図1 3つの目線の問いに、それぞれ数字で答えられるかを確かめる。
この記事では、ユニット化するかどうかを決めるための材料を書きます。改修を段階施工でどう進めるか、工事中の居室をどう回すかは多床室の改修は、空ける居室の数で工事の区切りが決まりますにまとめています。
入居者の方の目線では、個室となじみの関係が得られます
入居者の方にとっての一番の変化は、自分だけの部屋ができることです。同じ部屋の方の音や明かりで起きることが減り、着替えや排せつのときの視線を気にせずに済みます。なじみの家具や写真を置けるので、自分の家に近い暮らしがしやすくなります。
入居者の方の目線で見た、メリットとデメリット| 場面 | メリット | デメリット・気をつけること |
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| 眠り | 同じ部屋の方の音や明かりで起きにくい | 夜に呼んでも、職員が来るまでの距離が延びることがある |
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| 私物とプライバシー | 着替えや排せつのときの視線を気にせずに済む。なじみの家具を置ける | 個室にこもりがちになる方もいる |
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| 人との関わり | 少人数で、なじみの入居者の方と職員に囲まれる | ユニットの中で相性が合わないと、離れる場所が少ない |
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| 食事と暮らしのリズム | 起きる時間や食事の時間を、一人ひとりに合わせやすい | ユニットの職員の数で、合わせられる幅が決まる |
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| 感染症 | 個室で過ごせるので、同じ部屋の方へ広がりにくい | 共同生活室で広がることはある |
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| 費用 | 個室の暮らしを選べる | 居住費が多床室より高い。負担は所得の段階で変わる |
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デメリットとして大きいのは、居住費です。居住費は、施設と入居者の方の契約で決まります。国の基準費用額で比べると、特養のユニット型個室は1日2,066円、多床室は1日915円です(令和8年8月時点)。30日で見ると、およそ6.2万円と2.7万円の差になります。
所得の低い方には、居住費の負担の上限(負担限度額)があり、ユニット型個室でも負担は所得の段階で決まります。そのため、居住費の差がそのまま入居者の方の負担になるのは、補足給付の対象にならない方です。今の入居者の方と入所の申し込みの方が、どの段階に多いかを調べておくと、ユニット化のあとに選ばれるかどうかの見通しが立ちます。
職員の目線では、ケアはしやすく、勤務は組みにくくなります
職員にとってのメリットは、受け持つ入居者の方が決まり、一人ひとりの好みや体調の変化に気づきやすくなることです。ユニットの中で動くので、フロア全体を行き来する距離も短くなります。いっぽうで、勤務の組み方は難しくなります。
職員の目線で見た、メリットとデメリット| 場面 | メリット | デメリット・気をつけること |
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| ケアの中身 | 一人ひとりの好みや体調の変化に気づきやすい | 食事や入浴も含め、暮らし全体を受け持つ |
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| 動き方 | ユニットの中で動くので、移動の距離が短い | 昼間もユニットで1人になる時間帯が出やすい |
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| 夜勤 | 受け持つ入居者の方が決まっている | 2ユニットを1人で受け持ち、離れた居室も見に行く |
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| チーム | ユニットで話し合い、工夫を試しやすい | ユニットの外に応援を頼みにくく、休みの穴が埋めにくい |
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| 育成 | ユニットリーダーを中心に育てる形が作りやすい | ユニットごとに常勤のリーダーを置き続ける |
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図2 従来型は業務で分け、ユニット型は人で受け持つ。
ユニット型の基準では、介護職員か看護職員を、昼間はユニットごとに常時1人以上置きます。夜間と深夜は、2ユニットごとに1人以上です。ユニットごとには、常勤のユニットリーダーを置きます。従来型でフロア単位に組んでいた勤務表を、ユニット単位に組み直すことになります。
職員の中には、ユニットで働きたい人もいれば、従来型の動き方のほうが合う人もいます。ユニット化を決める前に、職員の希望と経験を聞いておくと、配置の案が現実的になります。
経営の目線では、収入と費用の両方が動きます
経営の目線では、収入が増える項目と、費用が増える項目、収入が減る項目が同時に動きます。どれか1つだけを見ると判断を誤りやすいので、1年の収支の差として並べます。
ユニット化で動く、経営の数字| 項目 | ユニット化で起きること | 確かめる資料 |
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| 基本の報酬 | 同じ要介護度でも、ユニット型のほうが1日の単位が高い | 介護報酬の単位数の表 |
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| 居住費 | 基準費用額は、ユニット型個室が1日2,066円、多床室が915円 | 契約で決める居住費の額と、補足給付の対象の方の数 |
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| 人件費 | ユニットごとの常時の配置と、夜勤の人数で増えやすい | 今の勤務表と、ユニット化のあとの勤務表の案 |
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| 定員 | 個室の広さの基準で、定員が減ることがある | 平面図に個室とユニットを当てはめた案 |
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| 工事費 | 水回りと設備を組み替えるので、大きくなりやすい | 概算の見積と、補助のメニュー |
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| 稼働 | 個室を望む方に選ばれやすい一方、居住費の負担で選ばれないこともある | 入所の申し込みの状況と、所得の段階の分布 |
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とくに見落としやすいのは、定員が減ることによる収入の減りです。報酬と居住費が1人あたりで上がっても、定員が減れば、施設全体の収入は増えないことがあります。工事のあいだ空ける居室の分の収入の減りも、1年目の収支に入れておきます。
介護報酬は原則として3年ごとに改定され、次の定期の改定は令和9年度です。国の審議会では改定に向けた議論が進んでいて、令和8年7月の介護給付費分科会でも特養が取り上げられています。報酬の見通しは、改定の内容が決まるたびに、比べる表の数字を入れ替えます。
ユニット化の改修には、補助が使えることがあります。都道府県の地域医療介護総合確保基金に、既存施設のユニット化改修のメニューが置かれている例です。補助の仕組みと使い方は基金で大規模修繕の補助を受けるには、まず創設の条件を確かめますにまとめています。令和9年度の補助を使うために、2026年の秋から何を準備するかは令和9年度の修繕の補助は、まず県の調査が済んだかを確かめますにあります。
ユニット型の主な基準を、今の建物に当てはめます
ユニット化するかどうかを考えるときは、ユニット型の基準を、今の建物に当てはめてみることから始めます。基準に合う個室と共同生活室が、今の建物にどれだけ入るかで、定員も工事の大きさも決まるからです。
ユニット型の特養の、主な基準| 項目 | 主な基準 | 改修で確かめること |
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| ユニットの入居定員 | 原則としておおむね10人以下とし、15人を超えない | 柱や壁の位置で、何人のユニットを作れるか |
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| 居室 | 原則として個室。1人あたり10.65㎡以上 | 今の多床室を分けたときの、1室の広さと窓 |
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| 居室の位置 | 共同生活室に近接して、一体的に設ける | 居室から共同生活室までの距離 |
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| 共同生活室 | ユニットの入居定員×2㎡以上を標準とする | 共同生活室にできる広さの場所があるか |
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| 洗面・トイレ | 居室ごとか、共同生活室ごとに適当数 | 新しく置く場所に、排水の勾配がとれるか |
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| 昼間の職員 | ユニットごとに、常時1人以上 | 勤務表を、ユニットの数で組めるか |
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| 夜間と深夜の職員 | 2ユニットごとに1人以上 | 夜勤の人数が、今より何人増えるか |
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| ユニットリーダー | ユニットごとに常勤で置く | リーダーを担える職員が何人いるか |
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図3 個室と共同生活室、水回り、職員の配置が、1つのユニットの単位になる。
細かな基準は、都道府県や市の条例で決められています。面積の測り方なども含めて、指定権者の基準で確かめます。また、令和3年度の改定で、壁と天井の間をあけて仕切る「ユニット型個室的多床室」は、新しく作ることが禁止されています。
定員がどれだけ減るかは、計算で見当がつきます。たとえば、床面積が42㎡の4人部屋を個室に分ける場合です。10.65㎡以上の個室は、面積の上では3室までです(4室には42.6㎡が要ります)。窓の位置や壁の厚みで、2室になることもあります。
個室化だけで止める、という選択もあります
ユニット化と今のままの間には、別の選択があります。1つは、多床室を個室に分けるだけで、運営は従来型のまま続ける「個室化だけ」です。もう1つは、4人部屋のまま仕切ってプライバシーを守る「間仕切り」です。職員の体制を組み替える余裕がないときは、この2つから始める施設もあります。
多床室を変える3つの案の比べ方| 項目 | 間仕切り(多床室のまま) | 個室化だけ(従来型個室) | ユニット化 |
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| 暮らしの変わり方 | 視線を遮り、着替えや眠りを守る | 個室で過ごせる。運営は従来型のまま | 個室と共同生活室で、少人数の暮らしになる |
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| 職員の体制 | 今のまま | 今のまま。個室の見守りの方法を見直す | ユニットごとの配置に組み替える |
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| 居住費の基準費用額(1日) | 915円 | 1,231円 | 2,066円 |
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| 報酬の区分 | 従来型 | 従来型 | ユニット型 |
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| 向いている施設 | 体制を変えずに、まずプライバシーを守りたい | 個室は作れるが、ユニットの体制はまだ組めない | 体制を組めて、共同生活室と水回りを置ける |
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図4 職員の体制を組めるかどうかで、比べる案の範囲が変わる。
個室化だけでも、眠りとプライバシー、感染症の広がりにくさは大きく変わります。ただ、ユニットケアの形で暮らしのリズムを合わせることまでは、個室化だけでは届きません。どの案を選んでも、あとからユニット化へ進めるように備えておけます。共同生活室にできる場所と、水回りの配管の経路を残しておくと、次の一歩が楽になります。
個室で過ごせるようにすることは、感染症のときに分けて過ごす備えにもなります。動線と換気から考える感染症対策の改修は感染症対策の改修は、動線・換気・個室・手洗いの順に考えますにまとめています。
一部のフロアだけユニット化する、という選択
全体を一度にユニット化せず、1つのフロアだけから始める方法もあります。改修費を何年かに分けられ、ユニットで働きたい職員から配置できるので、施設の中で試しながら進められます。いっぽうで、同じ施設の中に2つの運営の形が並ぶことになります。
一部だけユニット化するときに、決めておくこと| 決めること | 中身 | 決め方の例 |
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| どのフロアからか | 水回りの配管と、避難の経路で決める | 配管を組み替えやすいフロアから始める |
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| ユニットに入る職員 | ユニットで働く職員を、希望と経験で選ぶ | ユニットで働きたい職員を先に募る |
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| 2つの勤務表 | ユニットの部分と従来型の部分で、勤務の組み方が変わる | 夜勤の応援の決まりを、両方の部分で決めておく |
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| 居住費の違い | 同じ施設の中に、居住費の違う居室ができる | 入居者の方とご家族に、居室ごとの額を説明する |
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| 手続き | ユニットの部分と従来型の部分の、指定や報酬の扱い | 指定権者に、図面と定員の案を持って相談する |
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ユニット型と従来型が混ざると、修繕の出方も2つに分かれます。ユニット型は設備が分かれて小さな工事が多くなり、従来型は設備がまとまって止まると全体に響きます。型ごとの修繕の頼み方は特養の修繕は、ユニット型か従来型かで頼み方が変わりますにまとめています。
判断の材料は、定員・人・収支・工事の4つにそろえます
ユニット化するかどうかの判断は、印象ではなく、4つの材料をそろえて行います。定員、人の配置、収支、工事です。それぞれを、間仕切り・個室化だけ・ユニット化の3案で並べると、理事会でも比べやすくなります。
判断の材料と、出し方| 材料 | 出し方 | 出す人 |
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| 定員 | 平面図に個室と共同生活室を当てはめ、何人のユニットがいくつ作れるかを出す | 設計者と事務長 |
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| 人の配置 | ユニットの数から、昼間と夜間に要る職員の数を出し、今の勤務表と比べる | 介護の主任と事務長 |
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| 収支 | 報酬・居住費・人件費の1年の差を、3案で並べる | 事務長と法人本部 |
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| 工事 | 工事費・工期・工事中の空床・補助を、3案で並べる | 設計者と事務長 |
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| 入居者の方と職員の声 | ご家族からの相談の記録や、職員の希望を集める | 生活相談員と介護の主任 |
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図5 定員が決まると、配置と収支が出せる。順番を守ると手戻りが少ない。
順番で大事なのは、定員を先に決めることです。定員が決まらないと、職員の数も収支も出せません。平面図への当てはめは、設計者に頼むと早く、精度も上がります。
ユニット化のように間取りから組み直す改修は、設計と施工を分けて頼む方式も選べます。2つの方式の違いと、どちらが向くかは設計監理か責任施工かは、工事の大きさと施設の人手で選びますにまとめています。
建物が古い場合は、ユニット化の改修か、建て替えかの比較も材料に入ります。建て替えの時期を、耐震・今の設備の基準・配管の3つで考える方法は建て替えの時期は、築年数より耐震・設備の基準・配管で決まりますにまとめています。
ユニットの人数で、要る職員の数が変わります
ユニットを何人で組むかで、要る職員の数が変わります。人数を少なくするほど、なじみの関係は作りやすくなりますが、ユニットの数が増えるので、昼間と夜間の職員も増えます。定員60名の場合で、組み方の例を並べます。
ユニットの人数と、職員の配置の例(定員60名の場合)| 組み方 | 昼間に常時いる職員 | 夜間と深夜の職員 | 向き・不向き |
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| 10人×6ユニット | 6人以上 | 3人以上 | なじみの関係を作りやすい。勤務表は細かくなる |
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| 12人×5ユニット | 5人以上 | 3人以上 | 職員の数は10人より抑えられる。原則の10人は超える |
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| 15人×4ユニット | 4人以上 | 2人以上 | 職員の数は少ないが、少人数の良さが薄れやすい |
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表の人数は、基準から計算した下限です。実際には、休みや入浴の介助、食事の時間の重なりを見込んで、もっと多くの職員を置きます。10人を超えるユニットを作るときは、当面の決まりがあります。夜間も含めた職員の配置の実態を考えて、職員を置くよう努めることです。
ユニットの人数は、建物の形でも決まります。階段や避難の経路、水回りの位置で、1つのユニットにまとめられる居室の数が限られるからです。人数の案は、平面図への当てはめと一緒に出します。
モデルケース:全面ユニット化の提案が差し戻された、定員100名の特養
モデルケース:定員100名の従来型特別養護老人ホーム
3案の比較表で、2回差し戻された提案が次の理事会で決まった
変わったこと(結果)
全面ユニット化の提案は、理事会で2回差し戻されていました。3つの案を同じ表に並べ直したところ、次の理事会で、3階の1フロアだけをユニット化する案が承認されました。材料をそろえ直すのにかかったのは、事務長と介護の主任の2人で、およそ3か月でした。ユニットで働きたいと手を挙げた職員は14名で、3階の勤務表の案は、この14名を中心に組めました。
背景と、困っていたこと
この施設は、3階建て・築27年の従来型の特養です。2階と3階に4人部屋が並び、ご家族からは個室を望む相談が増えていました。最初の提案は、全フロアをユニット化する案でした。理事会では、職員が何人増えるのか、定員がいくつ減るのか、工事のあいだの収入はどうなるのかを問われました。その場で、答えをそろえられませんでした。
決めたこと
施設は、間仕切り・個室化だけ・ユニット化の3案を、フロアごとに比べる表を作りました。平面図に個室を当てはめると、3階の50名分は、9人のユニットを5つ作る形で45名になりました。夜勤は、5つのユニットに3人を置く形になり、これまでの2人から1人増えます。迷ったのは、定員が5名減る分の収入でした。報酬と居住費の増え方と並べて差を示し、2階は間仕切りの改修にとどめると決めました。
進めてみて分かったこと
指定権者に図面を持って行くと、ユニットの部分と従来型の部分の扱いと、届け出の順番を確かめられました。最初に相談しておいたことで、工事の時期を逆算して決められました。