食堂のレイアウトは、配膳・車椅子・見守りの3つの動線から描きます
食堂の改修というと、床や壁の張り替え、テーブルの買い替えから考えがちです。けれども、食事の時間の使いやすさを決めるのは、人と物の動き方です。介護施設の食堂には、配膳と下膳、車椅子、見守りの3つの動線が重なっています。
図1 3つの動線が、同じ時間に同じ通路で重なると混み合う。
3つの動線で確かめること| 動線 | だれが動くか | 混み合う時間 | 図面に描くこと |
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| 配膳と下膳 | 配膳の職員、配膳車 | 食事の直前と直後 | 厨房やエレベーターからの道と、配膳車の置き場 |
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| 車椅子 | 入居者の方、車椅子を押す職員 | 食事の前の10〜15分 | 入口から席までの道と、車椅子を置く場所 |
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| 見守り | 介護の職員、看護職員 | 食事のあいだずっと | 職員の立ち位置と、そこから見える範囲 |
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3つの動線は、同じ時間に同じ通路を使うと、ぶつかり合います。配膳車が通路をふさぐと、車椅子の方は席に着けません。車椅子が並ぶ入口に職員が立つと、奥の席が見えなくなります。レイアウトを描くときは、3つの動線を色を分けて図面に描き、重なる場所を見つけます。
重なる場所が分かれば、直し方も見えてきます。通路を広げる、入口を分ける、配る順番を変える、職員の立ち位置を動かす、のどれで解けるかを考えます。工事をしなくても、並べ方と順番だけで解けることも少なくありません。
通路とテーブルの寸法は、車椅子の幅から決めます
通路とテーブルの寸法は、車椅子の大きさから決めます。車椅子の幅は、機種によっておよそ60〜70cmです。そこに、手で車輪を回す余裕や、横を通る人の幅を足していくと、通路の幅の目安が出ます。表の数字は、車椅子の大きさから考えた目安です。
食堂の寸法の目安| 場所 | 目安 | 考え方 |
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| 車椅子1台が通る通路 | 80〜90cm以上 | 車椅子の幅に、手で車輪を回す余裕を足す |
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| 車椅子の横を職員が通る通路 | 120〜150cm | 120cmほどなら職員が体を横にして、150cmほどなら正面を向いたまますれ違える |
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| 車椅子どうしがすれ違う通路 | 180cmほど | 車椅子2台の幅に、余裕を足す |
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| 車椅子が向きを変える場所 | 直径150cmほど | 入口・配膳車の前・行き止まりの近くに設ける |
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| 車椅子の方の席の後ろ | テーブルの端から80cmほど+通る幅 | 車椅子が席の後ろに出る長さを先に取る |
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| 椅子に座る方の席の後ろ | テーブルの端から60cmほど+通る幅 | 椅子を引いて立ち座りする幅を取る |
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| テーブルの高さ | 座面から天板まで27〜30cmほど | 車椅子の方は、肘掛けが天板の下に当たらない高さかも確かめる |
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図2 通路の幅は、そこで何をするかで決める。
食事の時間に通路を通るのは、車椅子だけではありません。配膳車、歩行器、職員が同じ通路を使います。配膳車の長さと幅も測り、曲がり角や扉の前で向きを変えられるかを確かめます。テーブルの高さは、高さを変えられるテーブルを一部に入れておくと、体格の違う方に合わせやすくなります。
食堂の広さには、施設の種類ごとに基準があります。たとえば従来型の特養では、食堂と機能訓練室を合わせて、入所定員×3㎡以上とされています。食事や機能訓練に支障がなければ、同じ場所でもよいとされています。ユニット型では、ユニットの共同生活室が食堂を兼ね、ユニットの入居定員×2㎡以上が標準です。ほかの施設の種類の基準や細かな扱いは、指定権者の基準で確かめます。
改修の前に、食事の時間に立って数えます
今の食堂の困りごとは、食事の時間に立って見ると、数で分かります。職員に聞くと「狭い」「混む」という声が集まりますが、どこが、何分、何台混むのかまで分かると、直す場所がはっきりします。昼食の時間に、2〜3日続けて見ます。
食事の時間に、立って見ること| 見ること | 数え方 |
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| 配膳にかかる時間 | 配膳を始めてから、全員に配り終えるまでの分数 |
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| 入口の混み方 | 食事の前に、入口で待つ車椅子の台数と、待つ分数 |
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| ぶつかる場所 | 配膳車・車椅子・職員がすれ違えない場所の数 |
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| 見えない席 | 職員の立ち位置から、顔が見えない席の数 |
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| 音 | 隣の席の声が聞き取りにくい、という職員や入居者の方の声 |
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| 下膳の時間 | 食べ終わってから、テーブルが片付くまでの分数 |
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図3 工事の範囲は、家具で試したあとに決める。
数えた結果は、改修のあとにもう一度数えて比べます。配膳にかかる分数や見えない席の数が、改修でどれだけ変わったかが分かると、ほかのフロアの食堂を直すときの説明にも使えます。
テーブルや床材を選ぶときは、使う人を選ぶ場に入れます。入居者の方の体格や、介助する職員の動きを考えずに決めると、改修のあとで使いにくさが出ます。仕様の決め方の失敗と、その防ぎ方はリフォームの失敗で多いのは、使う人を入れない仕様の決め方ですにまとめています。
テーブルの並べ方は、食堂の形で選びます
テーブルの並べ方には、いくつかの型があります。どれがよいかは、食堂の形と、介助が要る方の数で変わります。1つの食堂の中で、型を組み合わせることもできます。
テーブルの並べ方の比べ方| 並べ方 | 向いている食堂 | よいところ | 気をつけること |
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| 島形(4人掛けを散らす) | 正方形に近い広い食堂 | 通路を四方から取れ、介助に入りやすい | テーブルの数が増え、配る距離が延びる |
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| 列形(長いテーブルを並べる) | 細長い食堂 | 配膳車を通路に沿って動かしやすい | 列の奥の席に、車椅子で入りにくい |
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| コの字・L字 | 介助が要る方が多い一角 | 職員が内側から、全員を見渡せる | 席の数が少なくなる |
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| 壁付けのカウンター席 | 静かに1人で食べたい方の席 | 周りの音や動きを減らせる | 職員から顔が見えにくい |
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図4 食堂の形で、並べ方の基本が決まる。
車椅子の方の席は、通路に近い側に寄せます。列形で奥の席に車椅子の方が座ると、その方が出入りするたびに、手前の方に席を立ってもらうことになります。介助が要る方の席は、職員の立ち位置の近くにまとめると、見守りと介助を1人で受け持ちやすくなります。
配膳と下膳は、ぶつからない道を決めます
配膳と下膳の動線は、厨房やエレベーターから食堂に入る入口で決まります。入口が1つしかない食堂では、配膳車と車椅子が同じ入口を使うので、食事の前にぶつかります。入口を分けられないときは、時間で分けます。
配膳と下膳で決めること| 決めること | 決め方の例 |
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| 配膳車の入口 | 厨房やエレベーターからの入口を決め、配膳車が食堂の奥まで入らずに済む位置にする |
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| 配膳車の置き場 | 配膳を始める前に置く場所を決め、車椅子の通路にはみ出さない広さを取る |
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| 配る順番 | 介助が要る方の席から配るか、入口に近い席から配るかを決める |
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| 下膳の流れ | 配膳と逆の入口から出すか、時間をずらして同じ通路を使う |
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| 電源 | 保温や保冷の配膳車を使うなら、置き場の近くにコンセントを設ける |
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| 手洗い | 食堂の入口に手洗いを置き、配膳の前と食事の前に使えるようにする |
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配膳車の置き場は、食堂の端に寄せると、職員の視線をふさぎにくくなります。置き場の近くにコンセントが要るかどうかは、使う配膳車で変わるので、厨房と一緒に確かめます。コンセントを足す工事は、床や壁を張り替える工事と同じ日にまとめると、手間が1回で済みます。
手洗いは、食堂の入口の近くにあると、食事の前に入居者の方が使いやすくなります。配膳の前の職員の手洗いとも重なるので、手洗いの前に車椅子がたまらない位置を選びます。感染症のときの席の分け方など、感染症対策の改修は感染症対策の改修は、動線・換気・個室・手洗いの順に考えますにまとめています。
車椅子の動線は、入口から席までを短くします
車椅子の方にとって、食堂の使いやすさは、入口から席までの道の短さで決まります。曲がり角が多い、途中に配膳車が止まっている、奥の席まで入っていく、という道は、ご本人にも押す職員にも負担になります。
車椅子の動線で決めること| 場所 | 決めること |
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| 入口 | 扉の幅と開き方。引き戸にすると、開けたまま車椅子が出入りできる |
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| 車椅子の置き場 | 椅子に移って食べる方の車椅子を、食事のあいだどこに置くか |
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| 車椅子の方の席 | 通路に近い席に寄せ、奥の席に入らなくて済むようにする |
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| 歩行器と杖 | 席の近くに置く場所を決め、通路に倒れないようにする |
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| 入る順番 | 入口が混む食事の前に、どの順番で入るかを決める |
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椅子に移って食べる方の車椅子は、食事のあいだ置いておく場所が要ります。置き場がないと、空いた車椅子が通路をふさぎます。食堂の壁際や入口の近くに、車椅子を何台置けるかを、図面で先に数えておきます。
入口の段差や扉、廊下の幅は、食堂の外とつながっています。食堂の外も含めた、バリアフリーの改修の基準はバリアフリー改修は、介護保険・バリアフリー法・建築基準法で決まりますにまとめています。
見守りの動線は、職員の立ち位置から描きます
食事のあいだ、職員はむせ込みや食べ残し、体調の変化を見守っています。見守りの動線は、職員がどこに立てば、全部の席の顔が見えるかから描きます。柱や配膳車、観葉植物の陰になる席は、図面の上で塗って見つけます。
図5 職員の立ち位置から、全部の席の顔が見えるかで比べる。
見守りの立ち位置と、席の決め方| 決めること | 決め方の例 |
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| 職員の立ち位置 | 全部の席の顔が見える位置を、食堂に1〜2か所決める |
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| 死角 | 柱・配膳車・観葉植物の陰になる席を、図面で塗って見つける |
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| 介助が要る方の席 | 立ち位置の近くにまとめ、職員が座って介助できる幅を取る |
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| むせ込みへの備え | 吸引器などを置く場所を、食堂の中か入口の近くに決める |
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| ご本人の好み | なじみの席や、隣に座る方との相性も、席を決める材料にする |
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見守りは、席の並べ方だけでなく、職員の数と時間帯でも変わります。食事の介助が重なる時間に、職員が食堂を離れなくて済むように、配膳と下膳の段取りを見守りの職員と分けておきます。
照明・音・床で、食べやすさが変わります
食堂の照明・音・床は、食べやすさと、職員の動きやすさの両方に関わります。高齢の方は、若い人より多くの明るさが要り、まぶしさにも弱くなります。声や食器の音が響く食堂では、耳の遠い方は会話がしにくく、食事に集中しにくくなります。
照明・音・床の工夫| 項目 | 起きやすい困りごと | 改修の工夫 |
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| 照明 | 奥のテーブルが暗く、料理の色が分かりにくい | テーブルの上を明るくし、光が直接目に入らない器具にする |
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| 窓の光 | 窓際の席がまぶしく、逆光で職員から顔が見えにくい | カーテンやブラインドで光を和らげる |
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| 音 | 声や食器の音が響き、会話が聞き取りにくい | 天井に吸音の板を足し、椅子の脚にキャップを付ける |
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| 床のすべりにくさ | 水や食べこぼしで、足元がすべる | ぬれてもすべりにくい床材にする |
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| 床の掃除 | 継ぎ目に汚れがたまる | 継ぎ目の少ない長いシートにし、壁の際まで立ち上げる |
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| 床の色 | 床と食器の色が近く、こぼれた物に気づきにくい | 料理や食器と見分けやすい色にする |
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照明は、照度計でテーブルの上の明るさを、窓側と奥で測って比べると、暗い場所がはっきりします。照明を替えるなら、LEDにすると電気代と球を替える手間が減ります。LED化の費用と回収年数の計算は同じLEDでも、点灯時間で回収の年数は4倍以上違いますにまとめています。
カーテンを替えるときは、防炎の表示がある物を選びます。介護施設のような建物では、カーテンやじゅうたんなどに、防炎の性能を持つ物を使う決まりがあります(消防法第8条の3)。床材の選び方と、入居者の方がいる中での張り替えの段取りは床が剥がれた・段差ができた。まず、つまずかない手当てをに書いています。
食堂は広く、人が集まる時間が決まっているので、空調の効き方にもむらが出ます。窓際は暑く、奥は寒い、という声があるときは、空調の方式と吹き出しの位置も見直します。空調の中央方式と個別方式の違いは空調の中央方式と個別方式は、止まる範囲と温度の合わせ方が違いますにまとめています。
食事の時間を分けると、狭い食堂でも回せます
食堂を広げる工事ができないときは、食事の時間を分ける方法があります。介助が要る方を先に、自分で食べられる方をあとに、というように2回に分けます。1回に食堂にいる人数が減り、通路と見守りに余裕が出ます。
- よいところ1回の人数が減り、通路が空く。介助が要る方に、職員の手を集められます。
- 気をつけること厨房の提供の時間が延び、温かい料理を保つ工夫が要ります。職員の休憩の時間とも重なりやすくなります。
- 向いている食堂席の数が入居者の方の数より少ない食堂や、介助が要る方が多いフロアの食堂です。
- 試し方昼食だけ2回に分けて2週間続け、配膳の分数と見えない席の数を前と比べます。
食事の時間を分けるか、工事で広げるかは、数えた結果で比べます。時間を分けるだけで困りごとが解けるなら、工事は照明や床など、ほかの所に絞れます。
モデルケース:配膳と車椅子がぶつかっていた、老健の2階の食堂
モデルケース:定員80名の介護老人保健施設(2階の食堂40席)
配り終えるまで25分ほどから15分ほどに。見えない席は4席から0席に
変わったこと(結果)
食堂のテーブルの並べ方と配膳の動線を組み直しました。昼食の配膳を始めてから全員に配り終えるまでが、25分ほどから15分ほどに縮みました。車椅子の方が食堂に入ってから席に着くまでの待ちも、混む時間で10分ほどから5分ほどになりました。職員の立ち位置から顔が見えない席は、4席から0席になりました。
背景と、困っていたこと
この施設の2階の食堂は40席で、入所者の方の半分ほどが車椅子で食事をしていました。配膳車は食堂の奥の1か所からしか入れず、配る職員と、車椅子を押す職員が通路でぶつかっていました。柱の陰の席は職員の立ち位置から見えにくく、むせ込みに気づくのが遅れることがありました。
決めたこと
施設は、昼食の時間に3日間、職員が立って動きを数えました。そのうえで、配膳車の入口を廊下側にも設け、配膳と下膳の道を分けました。テーブルは、車椅子の方の席を通路側に寄せ、柱の陰に席を置かない並べ方に変えました。迷ったのは、席の数を減らすかどうかでした。昼食を2回に分ける案と比べたうえで、車椅子のまま食べる方の席から椅子を外し、その分で通路を広げて、席の数は40席のまま保ちました。
進めてみて分かったこと
並べ替えは、工事の前に家具だけで2週間試しました。そのあいだに、通路の幅が足りない場所が1か所見つかり、図面を直してから床と天井の工事に入りました。入口を足す工事と、床の張り替え、天井の吸音の板の工事は、別の部屋を仮の食堂にして5日で終えました。