足りないと感じたら、まず誰が何時間使っているかを測ります
営繕の担当者が足りないと感じたとき、最初にすることは求人を出すことではありません。今、営繕の仕事に、誰が、何に、何時間使っているかを1か月測ることです。測ると、足りないのが人の数なのか、時間がどこかで漏れているのかが分かります。
営繕の時間は、営繕の担当者だけが使っているわけではありません。修理の話を受けるリーダー、業者に電話をかける事務長、見積を決裁する施設長も時間を使っています。夜中に設備の異常に気づく夜勤の職員も同じです。担当者が1人減ると、その人の時間は消えるのではなく、ほかの人に散らばります。
営繕の時間を使っている人と、見えにくい時間| 人 | よく使っている時間 | 見えにくい理由 |
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| 営繕の担当者 | 見回り、小さな修理、業者の立ち会い | 本人も「いつもの仕事」と思っていて数えていない |
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| 事務長 | 業者探しの電話、見積の取り寄せ、日程の調整 | 事務の仕事の合間に、細切れで使っている |
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| 施設長 | 見積を読む、直すか替えるかを決める、本部への説明 | 考える時間は、作業として残らない |
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| リーダーの職員 | 職員からの話を聞く、現場を見に行く、業者を案内する | 介護の仕事の中に混ざっている |
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| 夜勤の職員 | 夜間の異常を確かめる、電話で連絡する | 夜勤の記録に残らないことが多い |
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| 事務の職員 | 請求書の整理、業者からの電話の取り次ぎ | 1回が短く、数に入れていない |
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図1 足りないのが人か、漏れている時間かで、打つ手が変わる。
人が足りないなら、施設の中に手を動かす人を置く話になります。時間が漏れているなら、人を増やしても同じ漏れが続くので、先に仕組みを変えます。どちらなのかは、感覚ではなく1か月の記録で見分けます。
1か月の記録は、1行に5つの欄で足ります
営繕の時間の記録は、1行に5つの欄だけにします。日付、誰が、どの修理か、どの作業か、何分か、です。欄を増やすほど書く人の手が止まり、1週間ほどで書かれなくなります。紙でも表計算のファイルでもかまいません。
営繕の時間の記録の様式(1行の例)| 欄 | 書き方 | 書いた例 |
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| 日付 | 作業した日 | 5月13日 |
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| 誰が | 名前か役(事務長、2階リーダーなど) | 事務長 |
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| どの修理か | 場所と不具合を短く | 2階浴室のシャワー水栓の水漏れ |
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| どの作業か | 6つの作業から1つ選ぶ | 探す |
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| 何分か | 5分単位で書く | 40分(3社に電話し、1社の折り返しを待った) |
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どの作業かは、次の6つから選びます。迷ったら、近いものを1つ選べば足ります。6つに分けておくと、あとで「どの作業に時間が取られているか」が一目で分かります。
記録で選ぶ6つの作業| 作業 | 中に入るもの | 時間が延びやすい場面 |
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| 受ける | 職員から話を聞く、現場を見に行く、写真を撮る | 同じ不具合の話が、何人からも届く |
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| 探す | 業者を探す、電話をかける、折り返しを待つ | 頼める業者が決まっていない分野が壊れた |
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| 比べる | 見積を取り寄せる、読む、比べる、稟議を書く | 見積の書き方が会社ごとにばらばら |
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| 立ち会う | 業者を案内する、鍵を開ける、作業に付き添う | 業者の着く時間が読めない |
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| 直す | 自分で調整する、部品を替える、見回る | 道具や部品を取りに何度も行き来する |
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| 残す | 記録を書く、写真を整理する、請求書と照らし合わせる | あとでまとめて、思い出しながら書く |
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図2 6つの作業ごとに分数を書くと、時間の漏れている場所が見える。
1つの修理に、何人もが何回も関わることがあります。それでかまいません。どの修理かの欄に場所を書いておけば、あとで同じ修理の行をまとめて、1件の修理に施設全体で何分かかったかも出せます。
測るときは、5分単位とその日のうちの記入を決まりにします
1か月の記録を役に立つ数字にするには、書き方の決まりを最初にそろえます。決まりは4つです。
- 5分単位で書く1分単位にすると書く手間が増え、15分単位にすると短い電話が消えます。5分がちょうどよい細かさです。
- その日のうちに書く翌日以降に思い出して書くと、短い作業が抜けます。机や詰所の記録の横に様式を置きます。
- 電話1本でも書く5分に満たない電話も「5分」として書きます。何本もの電話が積み重なると、大きな時間になります。
- 夜間と休日の分も書く夜勤の記録に「営繕」の1行を足し、朝に事務の職員が様式に写します。
測る前に、関わる職員に目的を伝えます。「誰が遅いかを見るためではなく、営繕の時間がどこに散らばっているかを見るため」と伝えておくと、少なめに書く人が減ります。結果は個人の名前ではなく、役ごとにまとめて見せます。
測るときのつまずきと、防ぎ方| つまずき | 起きること | 防ぎ方 |
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| あとでまとめて書く | 分数が大まかになり、短い電話が抜ける | 机やリーダーの記録の横に様式を置き、その場で1行書く |
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| 夜間の分が抜ける | 夜勤の時間がゼロに見える | 夜勤の記録に「営繕」の1行を足し、朝に写す |
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| 評価されると思われる | 時間を少なめに書く | 役ごとにまとめ、名前は出さないと先に伝える |
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| 1つの修理が何行にも分かれる | 1件にかかった時間が分からない | どの修理かの欄に場所を書き、あとで場所でまとめる |
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| 測った月が特別な月だった | 夏の空調や冬の給湯の故障で多めに出る | 測った月を残し、できれば季節を変えてもう1か月測る |
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図3 測る前の準備から、1年の時間と費用に直すところまで、5つの段で進める。
書く人を書き出すときは、営繕の担当者と事務長だけで止めません。修理の話がどこから始まるかをたどると、夜勤の職員、委託の清掃の人、送迎の運転手まで関わっていることがあります。最初から入れておくと、あとで「この時間が抜けていた」と測り直さずに済みます。
1か月の合計を、1年の時間と人件費に直します
1か月測ったら、合計を1年に直します。暦の1か月で測ったなら12倍、4週間で測ったなら13倍です。測った月が夏や冬で修理の多い月なら、1年に直した数字は多めに出ます。その場合は、ほかの月の修理の件数を請求書や修理の記録で数え、多めに出ている分を差し引いて見ます。
次に、時間を費用に直します。役ごとの1時間あたりの人件費を、法人の経理に聞きます。給与だけで割ると低く出るので、賞与の月割りと、社会保険の会社の負担分を足した額で割った単価を使います。
1年の時間と人件費への直し方(計算のための例)| 役 | 1か月の時間 | 1年の時間(12倍) | 1時間あたりの人件費 | 1年の人件費 |
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| 事務長 | 34時間 | 408時間 | 3,000円 | 約122万円 |
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| 施設長 | 8時間 | 96時間 | 3,500円 | 約34万円 |
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| リーダーの職員(3人の合計) | 14時間 | 168時間 | 2,200円 | 約37万円 |
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| 介護・夜勤の職員 | 6時間 | 72時間 | 2,000円 | 約14万円 |
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| 事務の職員 | 10時間 | 120時間 | 1,800円 | 約22万円 |
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| 合計 | 72時間 | 864時間 | − | 約229万円 |
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この例は、営繕の担当者が辞めて、ほかの職員で営繕を受け持っている施設です。営繕に使っている時間は、施設全体で1年に864時間、費用に直すと約229万円です。週40時間で働く常勤の職員1人が1年に働く時間は、休日の数によって1,900〜2,080時間ほどです。864時間は、その半分に届きません。
つまり、この施設が常勤を1人雇っても、手の空く時間が多く出る計算です。いっぽうで、事務長1人が1年に408時間を使っているので、事務長の困りごとは本物です。この場合は、常勤を雇うより先に、事務長の時間を減らす打ち手が来ます。
費用の数字は、外に任せたときの費用と比べる物差しにもなります。外に任せたい作業にかかっている1年の人件費と、外に任せる費用を並べると、どちらが法人として安く済むかが見えます。
時間が誰に集まっているかを、役ごとに見ます
合計の次に見るのは、時間が誰に集まっているかです。合計が同じでも、営繕の担当者に集まっているのか、事務長や施設長に散らばっているのかで、困りごとの中身が違います。
営繕の担当者にほとんどが集まっている施設は、担当者が休んだ日や辞めた日に、修理が一度に止まります。担当者しか知らない業者や機器の情報がどれだけあるかを、先に確かめます。事務長に多く集まっている施設は、請求や採用の事務が後ろにずれていないかを見ます。施設長の時間が多い施設は、金額ごとの承認の線が決まっておらず、小さな修理まで施設長の判断を待っていることがよくあります。
リーダーや夜勤の職員に少しずつ散らばっている施設では、同じ修理の話が何人もの間を行き来しています。記録の「どの修理か」の欄を場所で並べると、同じ不具合を3人がそれぞれ調べていた、といったことが見つかります。
特定の人に営繕が集まる仕組みと、そのほどき方は営繕の属人化は、4つの経路を決まった順にほどきますで、情報・関係・判断・窓口の4つに分けて書いています。
時間の数字だけでは見えない負担もあります。夜中の電話で眠りが途切れる、直すか替えるかを1人で決める重さ、といった負担は分数には出ません。兼務の限界が判断に表れるサインと、何から手放すかは兼務の限界は判断に表れます。手配と記録から手放しますにまとめています。
人を増やすか時間を減らすかは、時間の中身で決めます
人を増やすか、時間を減らすかは、合計の多さだけでなく、時間の中身で決めます。6つの作業のうち「直す」と「立ち会う」は、施設の中に人がいないとできない作業です。「探す」「比べる」「残す」は、仕組みを変えたり外に任せたりすると減らせる作業です。
図4 手を動かす時間が多いなら人を、調べる・待つ時間が多いなら仕組みを変える。
半分は、目安の線です。「直す」と「立ち会う」が半分を超えていても、その多くが同じ業者を何度も待つ時間なら、まとめることで減らせます。反対に、半分に届かなくても、毎日のように手を動かす修理がたまっているなら、人を置く意味があります。
時間の中身と、合う打ち手| 時間の中身 | 合う打ち手 | 確かめること |
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| 直す・立ち会うが多い | 非常勤や再雇用で人を置く。決まった日の巡回を頼む | 週に何日・何時間あれば足りるか |
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| 探すが多い | 業者の一覧を作る。受付と業者探しを外に任せる | 同じ分野の業者を何度も探していないか |
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| 比べるが多い | 見積を頼むときの条件をそろえる。取りまとめを外に任せる | 見積の書き方が会社ごとに違っていないか |
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| 受けるが多い | 話を受ける人と、伝える形を決める | 同じ不具合の話が何人から届いているか |
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| 残すが多い | 記録の様式を1つにし、請求書と結びつける | 同じことを何か所にも書いていないか |
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人を置くと決めた場合も、常勤1人とは限りません。1年に直した「直す」「立ち会う」の時間が1,000時間ほどなら、1日7時間・週3日の非常勤でおおむね足りる計算です。採用の求人の書き方と、採用以外の選択肢は営繕の担当者が採れないときは、求人の設計から見直しますにまとめています。
外に任せるか施設の中でするかの分かれ目は、時間のほかに、資格・件数・金額・急ぎ・知識の条件でも決まります。この5つの条件は営繕の外注と内製は、5つの条件で分かれますで書いています。
時間を減らす方法は、まとめる・外に出す・記録で消すの3つです
時間を減らすと決めたら、方法は3つです。急がない修理をまとめて1回で片付ける、受付や業者探しを外に任せる、探している情報を記録に残す、の3つです。記録に残すと、探す時間そのものが消えます。どれから始めるかは、測った6つの作業のどこが多いかで選びます。
減らすのは、探す・比べる・待つといった時間です。見回りや点検の立ち会いのように、建物を保つための時間まで削ると、あとで大きな修理になって返ってきます。建物の持ち主や管理者には、建物と設備を適法な状態に保つよう努める決まりもあります(建築基準法第8条)。
時間を減らす3つの方法| 方法 | 減る作業 | 向いている施設 | 最初の一歩 |
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| まとめる | 探す・立ち会う | 急がない小さな修理が、月に何件も出る | 急ぐ修理と、まとめてよい修理の線を決める |
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| 外に出す | 探す・比べる | 業者を探す電話が多い。壊れる分野がばらばら | 受付と業者探しから任せる |
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| 記録で消す | 探す・受ける | 同じ業者や型番を、何度も調べている | 業者の一覧と機器の一覧を作る |
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図5 測った作業のうち、多いものに合う方法から始める。
3つは組み合わせて使えます。たとえば、業者の一覧を作ってから急がない修理をまとめると、まとめた日に呼ぶ業者を探す時間もかかりません。外に任せる場合も、業者の一覧があれば、これまでの付き合いを生かしたまま任せられます。
どの方法も、始めて3か月たったら、同じ様式でもう1か月測ります。前の1か月と並べると、どの作業がどれだけ減ったかが数字で分かり、法人の本部への説明にもそのまま使えます。
まとめる:急がない修理は、決まった日にまとめて頼みます
「まとめる」は、急がない小さな修理を、その都度ではなく決まった日にまとめて片付ける方法です。修理1件ごとに業者を探して呼ぶと、探す時間も立ち会う時間も件数の分だけかかります。月に1回や2回の日にまとめると、探すのは1回、立ち会うのも半日で済みます。
急ぐ修理と、まとめてよい修理の分け方| 分け方 | 修理の例 | 頼み方 |
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| その日のうちに頼む | 水漏れが止まらない、特殊浴槽が使えない、ナースコールが鳴らない | その都度、すぐに頼む |
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| 1週間以内に頼む | 居室のドアが閉まりにくい、廊下の照明の一部が切れた | 次のまとめの日が遠ければ、その都度頼む |
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| まとめてよい | 網戸の破れ、壁紙のはがれ、棚のぐらつき、表示の貼り替え | 一覧にためて、まとめの日に頼む |
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まとめるときは、ためている修理の一覧を1枚にしておきます。場所・中身・写真の3つがあれば、業者は当日に要る部品と道具を持って来られます。小さな修理をためて、まとめて片付ける管理の仕方は小さな修繕は、月1回の巡回で1日7〜10件を直せますにまとめています。
まとめる日を決めると、職員にも「急がない修理は〇日にまとめて直る」と伝えられます。いつ直るかが分かると、同じ修理の催促が何度も届くことが減り、「受ける」の時間も減ります。
外に出す:受付と業者探しから、外に任せます
「外に出す」は、営繕の仕事のうち、施設の中にいなくてもできる作業を外に任せる方法です。測った時間のうち「探す」「比べる」が多い施設ほど、減る時間が大きくなります。最初に任せやすいのは、修理の話の受付と、業者探し・日程の調整です。
何より助かったのは、私自身が一から業者を探して何社にも電話をする必要がなかったことです。
ご利用者の声 東京都内・介護施設/事務長
取材にもとづき掲載しています(施設名は非公開)。内容はご本人の申告によるもので、個人の感想です。
外に任せる先には、決まった日に回る巡回、相談と手配をまとめる窓口、営繕の代行などがあります。どれに任せても、不具合に気づくことと、費用を承認して決めることは施設に残ります。外に任せたあと施設に残る仕事は営繕を丸ごと外注しても、施設に残る仕事がありますで書いています。
外に任せる段取りは、今の業者の一覧づくりから始めて、受付、手配、記録と順に広げると、行き違いが少なくなります。12週間の進め方は修繕の外注は、12週間を4つの段に分けて移しますにまとめています。
当窓口も、フォームとLINEで24時間ご相談を受け、1回のご依頼で最大3社の見積をそろえています。いっぽう、毎日のように小さな修理が出て、その場で手を動かす人が要る施設もあります。そうした施設には、窓口より、巡回や施設の中の人のほうが合います。
記録で消す:探す時間は、業者と機器の一覧で消せます
「記録で消す」は、何度も探している情報を一覧に残し、探す時間そのものをなくす方法です。測った記録の「探す」の行を読むと、同じ分野の業者を何度も探していることがよくあります。同じ機器の型番を、毎回見に行っていることもあります。
何度も探している情報と、残しておく場所| 探している情報 | 探す場面 | 残しておく場所 |
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| 分野ごとの業者の連絡先 | 水まわり・電気・空調などが壊れるたび | 業者の一覧(分野・連絡先・前回の修理・単価) |
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| 機器の型番と年式 | 業者に「型番は何ですか」と聞かれるたび | 機器の一覧(場所・型番・年式・保守の会社) |
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| 前回いつ・いくらで直したか | 見積が高いか安いかを考えるとき | 修理の記録(日付・中身・費用・業者) |
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| 止水栓や分電盤の場所 | 水漏れや停電のとき | 建物の図に印をつけた1枚 |
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| 保守の契約の中身 | 修理が契約に含まれるかを確かめるとき | 契約書の写しと、含まれる範囲の要約 |
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業者の一覧の作り方は修理業者を毎回探す手間は、業者台帳で消せます、機器の一覧の作り方は機器台帳は、竣工図と現地と保守の会社の3つで作りますにまとめています。一覧は、担当者が1人で作り込むより、測った1か月の記録から「よく探したもの」を順に書き足していくほうが続きます。
記録が残ると、担当者が替わっても、探す時間が戻ってきにくくなります。人を増やした場合も、新しく入った人が一覧を見て動けるので、慣れるまでの期間が短くなります。営繕の時間を減らすことは、人を増やすときの下ごしらえにもなります。
モデルケース:営繕の担当者が週3日になった特別養護老人ホーム
モデルケース:定員90名の特別養護老人ホーム(従来型・短期入所を併設)
事務長が営繕に使う時間が、月38時間から12時間ほどに
変わったこと(結果)
1か月測ったところ、営繕に使っていた時間は施設全体で月145時間、1年に直すと約1,740時間でした。そのうち、業者を探す・見積を比べる・折り返しを待つ時間が月50時間あり、事務長の38時間の大半がこれでした。3か月かけて仕組みを変えてから測り直すと、施設全体で月105時間、事務長は月12時間ほどになりました。本部に頼むつもりだった常勤の増員は見送り、営繕の担当者は週3日のままで回っています。
背景と、困っていたこと
この施設では、長く常勤で営繕を受け持ってきた担当者が、定年のあと週3日の再雇用になりました。担当者が休みの日の修理の話は、事務長に集まりました。事務長は業者を探す電話と見積の取り寄せに追われ、請求や採用の仕事が後ろにずれていました。本部に常勤の増員を頼むと、「何時間足りないのか」と聞かれ、答えられませんでした。
決めたこと
事務長は、6つの作業と分数を書く記録を、5月の1か月続けることにしました。書く人は、営繕の担当者、事務長、施設長、各フロアのリーダー、夜勤のリーダーです。結果を見て、急がない修理は月2回の「まとめの日」に寄せ、分野ごとの業者の一覧と機器の型番の一覧を作りました。空調と給排水は、受付と業者探しを外に任せることにしました。
進めてみて分かったこと
最初の週は、夜間の電話と、5分ほどの短い電話がほとんど書かれていませんでした。2週目から夜勤の記録に1行足し、事務長の机の電話の横に様式を置くと、書き漏れが減りました。迷ったのは、常勤を雇わずに本当に回るのかという点です。決め手は、1年に直した「直す」「立ち会う」の時間が約700時間で、週3日の担当者の時間に収まっていたことでした。