外に任せて変わるのは、時間・判断の材料・記録の3つです
介護施設の営繕を外部の業者や専門業者に任せると、変わるのは3つです。職員の時間、判断の材料、記録です。どれも「楽になる」というあいまいな言い方ではなく、回数や人数、日数で表せます。数字にしておくと、施設長や本部に説明するときにも、あとで効果を確かめるときにも使えます。
外に任せて変わる3つと、表し方| 変わるもの | 任せる前によくある形 | 任せたあとの形 | 表す数字 |
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| 時間 | 職員が業者を探し、電話をかけ、日程を合わせる | 外の窓口に1回伝え、日程の候補に答える | 手配に使う時間(月)、電話の回数 |
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| 判断の材料 | 1社の見積と口頭の説明で決める | 専門の見立てと、修理と交換を比べた表で決める | 見積の社数、比べた案の数 |
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| 記録 | 請求書と担当者の記憶に散らばる | 月ごとの修理の一覧として届く | 一覧に載った件数、探しものの時間 |
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図1 3つとも、回数・人数・日数で表せる。
3つのうち、すぐに感じやすいのは時間です。判断の材料と記録は、半年から1年たって、予算を組むときや大きな修理を決めるときに効いてきます。最初の月だけで良し悪しを決めず、3か月、1年と区切って見ます。
外注してよいかの判断と、5つのデメリットへの手の打ち方は営繕は外注してかまいません。デメリットは契約の前に手を打てますで書いています。ここでは、任せたあとに何がどれだけ変わるかを、順に見ていきます。
1つ目の時間は、回数と人数で減っていきます
営繕を外に任せて、いちばん先に変わるのは職員の時間です。減るのは、修理そのものの時間ではなく、修理の前後にある手配の時間です。この時間は、1件の修理で何回連絡し、何人の職員が動き、何回業者が来たかで見ると、減り方がつかめます。
1件の修理で、職員が動く回数と人数(例)| 見るところ | 任せる前 | 任せたあと |
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| 業者に連絡する回数 | 3社に連絡し、折り返しを含めて6〜10回 | 外の窓口に1〜2回 |
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| 現地を見せる回数 | 業者ごとに1回で、2〜3回 | 1回(まとめて見てもらう) |
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| 関わる職員の人数 | 気づいた職員・リーダー・事務長の3〜4人 | 受け手と承認する人の1〜2人 |
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| 工事の日の立ち会い | 1〜3時間付き添う | 鍵と声かけの10〜20分 |
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| 職員が動く時間の合計 | 数時間(修理の中身で変わる) | 30分〜1時間ほど |
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数字は、修理の中身や施設の広さで変わる目安です。自分の施設の数字は、1か月だけ測ると分かります。
図2 減るのは修理の前後の手配の時間で、気づく時間と決める時間は残る。
時間が減るのは、主に事務長や施設長、リーダーの職員です。この人たちは、入居の相談、職員の面談、加算や運営の書類など、ほかの人に替えにくい仕事を持っています。営繕の手配に使っていた時間がこれらの仕事に戻ることが、時間のメリットの中身です。
いっぽう、修理が終わるまでの日数は、外に任せても縮まらないことがあります。部品の取り寄せや、メーカーの修理の順番待ちは、誰が頼んでも同じだからです。縮むのは、施設の中で業者を探して止まっていた日数の分です。
2つ目の判断の材料は、見立ての数と比べ方で増えます
2つ目に変わるのは、判断の材料です。専門の業者は、分野ごとに、原因の見当、残りの寿命、部品が手に入るかを見立てます。外の窓口が間に入ると、2〜3社の見立てと見積を並べて見られることもあります。施設の決め方が、「業者がそう言ったから」から「比べてこう決めた」に変わります。
判断の材料が増える場面| 場面 | 任せる前によくある材料 | 任せたあとにそろう材料 |
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| 空調が冷えない | いつもの業者の「替えたほうがいい」の一言 | 修理と交換の費用・工期と、止まる間の代わりの案 |
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| 給湯器のエラーがくり返す | 前回と同じ部品の交換の見積 | 使った年数と部品の残り、交換の時期の候補 |
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| 特殊浴槽の不具合 | メーカーの見積1枚 | メーカー系と独立系の見立てと、清拭に替える日数の見込み |
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| 雨漏り | 防水の全面改修の見積 | 水の入り口の調べ方と、部分の補修で済むかの見立て |
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| 小さな修理がたまっている | 件数も費用も分からない | 一覧と急ぐ順、1回でまとめて直す見積 |
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材料がそろうと、施設長や本部、理事会への説明がしやすくなります。なぜ今直すのか、なぜ交換ではなく修理なのかを、表と写真で示せるからです。エアコンが急に冷えなくなったときに、当窓口に相談した事務長のお話です。
施設側としては、修理で済むのか、交換したほうがいいのか判断しづらかったのですが、必要な対応について説明してもらえたので、施設長とも相談しながら進めることができました。
ご利用者の声 東京都内・介護施設/事務長
取材にもとづき掲載しています(施設名は非公開)。内容はご本人の申告によるもので、個人の感想です。
ただし、材料が増えても、決めるのは施設です。専門の業者の見立ては、その業者の得意な分野に寄ることがあります。比べた表を受け取ったら、費用だけでなく、工事の間に入居者の方の暮らしがどれだけ止まるかも、施設の目で見ます。稟議で通りやすい書き方は修繕の稟議書は、承認者の4つの問いに答えて書きますにまとめています。
3つ目の記録は、月ごとの修理の一覧として残ります
3つ目に変わるのは、記録です。外に任せると、どこで何が壊れ、誰がいくらで直したかが、月ごとの一覧として届くようになります。任せる前は、請求書の束と、担当者の記憶にしかなかったものです。
一覧が12か月分たまると、使い道が広がります。同じ場所で何度も直している修理が見つかり、部品の交換をくり返すより更新したほうが安い場所が分かります。翌年度の修繕の予算も、前の年の件数と金額をもとに組めます。
月ごとの修理の一覧の使い道| 使う場面 | 一覧から見るところ | 分かること |
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| 翌年度の予算を組む | 分野ごとの件数と金額の1年分 | 小さな修理に毎年いくら要るか |
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| 更新の時期を決める | 同じ場所・同じ設備の修理の回数 | 直し続けるより更新が安い設備 |
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| 本部や理事会に説明する | 止まっていた日数と、直した費用 | 修理を先送りしたときの影響 |
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| 担当者が替わる | 業者・費用・直した内容の履歴 | 前の担当者に聞かなくても続けられる |
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| 運営指導に備える | 設備の点検と修理の記録 | 建物や設備をどう保ってきたか |
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記録がメリットになるのは、施設が自由に使える形で受け取っているときだけです。外の会社の仕組みの中でしか見られない記録は、契約をやめると手元に残りません。表計算の形で毎月受け取る、と取り決めておきます。
一覧を予算に使う方法は修繕の予算は、前の年の秋から3つの区分で組みますにあります。運営指導で建物や設備について見られる記録は運営指導の建物・設備は、届け出と記録と実態を見られますで書いています。
費用は、大きく下がらないことが多いです
外に任せるメリットとして、「費用が下がる」と期待されることがあります。けれども実際には、工事費そのものは大きく下がらないことが多くあります。工事をするのは同じ地域の職人で、部品の値段も変わらないからです。そのうえ、委託費や手数料が加わります。
外に任せたときの、費用の変わり方| 費用 | 変わり方 | 理由 |
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| 工事費(作業と部品) | 大きくは変わらない | 工事をするのは同じ地域の職人で、部品の値段も同じ |
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| 出張費 | 下がることがある | 急がない修理をまとめて頼むと、来る回数が減る |
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| 相見積で比べた工事 | 下がることがある | 同じ条件で2〜3社を比べると、高すぎる見積に気づける |
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| 委託費・手数料 | 新しく加わる | 受付・手配・記録の手間に払う費用 |
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| 職員の時間(人件費) | 手配の分が減る | 手配の時間が、ほかの仕事に戻る |
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図3 費用の差し引きは、修理の件数と、これまでの頼み方で分かれる。
修理の件数が多く、相見積をしてこなかった施設では、総額が下がることもあります。件数が少なく、いつもの業者が安く早く来てくれる施設では、委託費の分だけ上がることもあります。手数料の形と相場、誰が払っているかの見分け方は営繕の代行の手数料は、誰が払っているかで見え方が変わりますにまとめています。
費用だけで比べると、外に任せる意味が見えにくくなります。減った職員の時間を金額に置きかえて並べると、何に払っているのかがはっきりします。
減った時間は、金額に置きかえて並べます
職員の時間は目に見えないぶん、費用と比べにくいものです。そこで、手配に使っていた時間を金額に置きかえます。計算は4つの段で、電卓があれば足ります。
図4 測った時間に1時間あたりの人件費を掛け、委託費と並べる。
時間を金額に置きかえる計算の例| 項目 | 計算のしかた | 例 |
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| 手配に使った時間 | 1か月、日ごとに書き留めて足す | 事務長 月15時間、リーダー 月5時間 |
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| 1時間あたりの給与 | 月の給与と手当に賞与の月割りを足し、月の所定の労働時間で割る | 事務長 (36万円+6万円)÷160時間=約2,600円 |
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| 施設が負担する分を足す | 社会保険料など。率は保険の種類と年度で違う | 計算のため15%として、約3,000円 |
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| 事務長の分 | 時間 × 1時間あたり | 15時間×3,000円=4万5,000円 |
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| リーダーの分 | 同じように計算する | 1時間2,200円ほどなら、5時間で1万1,000円 |
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| 月の合計 | 人ごとの金額を足す | 約5万6,000円 |
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表の金額は、計算のしかたを示すための例です。実際の給与と負担の率で計算し直してください。
手配を残業の時間でしているなら、時間外の割増(2割5分以上)も加わります(労働基準法第37条)。夜間や休日の呼び出しに応じている時間も、同じように数えます。
置きかえた金額と、外に任せる委託費や手数料を並べます。金額が近ければ、時間の分だけで釣り合っていることになります。委託費のほうが大きくても、戻った時間でできる仕事に値打ちがあれば、任せる理由になります。入居の相談への返事が早くなる、職員の採用の面接に出られる、といったことです。誰が何時間使っているかを測る様式は営繕担当者が足りないときは、増やす前に時間を測りますにあります。
外に任せても、変わらないことがあります
外に任せても、変わらないことがあります。先に知っておくと、「任せたのに思ったほど楽にならない」という行き違いを防げます。
外に任せても変わらないこと| 変わらないこと | 理由 | 施設がしておくこと |
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| 不具合に気づくこと | 毎日そばにいる職員にしか気づけない | 報告の様式と受け手を決める |
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| 費用を承認して決めること | 施設のお金の使い方は施設が決める | 承認の金額の線を決める |
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| 建物を保つ責任 | 持ち主や管理者の務めは、外に移らない | 法定の点検の予定を、施設でも持つ |
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| 入居者の方とご家族への説明 | 暮らしの場の決まりは、施設が知っている | 工事のお知らせは施設の名前で出す |
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| 部品やメーカーの待ち時間 | 誰が頼んでも、取り寄せの日数は同じ | 止まる間の代わりの手当てを決める |
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建物を保つ責任は、建築基準法第8条に書かれています。建物の所有者や管理者などは、敷地・構造・設備を常に適法な状態に保つよう努める、というものです。外に任せられるのは手間で、この務めまでは移りません。
気づくことと決めることが施設に残るので、外に任せたあとも、施設の中に受け手と承認の線が要ります。任せたあとに施設に残る仕事の全体は営繕を丸ごと外注しても、施設に残る仕事がありますにまとめています。
職員の側では、伝える先と結果の返り方が変わります
外に任せると、事務長や施設長だけでなく、現場の職員の動きも少し変わります。いちばん大きいのは、修理の話を伝える先が1つに決まることです。いつもの業者に直接電話する、事務長の携帯にかける、といった道が1本にまとまります。
- 介護職員気づいたら知っている人に口頭で伝えていた形から、場所・症状・写真を受け手に1件1行で伝える形に変わります。
- リーダーの職員業者に電話して日程を伝えていた形から、受け手として外へ送り、結果を職員に返す形に変わります。
- 夜勤の職員事務長の携帯に電話して判断を仰いでいた形から、決められた急ぎの連絡先に連絡し、朝に報告する形に変わります。
- 事務の職員請求書を1枚ずつ確かめていた形から、月ごとの一覧と請求をまとめて照らし合わせる形に変わります。
- 事務長・施設長業者探しから立ち会いまで抱えていた形から、承認と、月ごとの一覧を読むことに絞られます。
職員にとっての良い変化は、伝えたあとに結果が返ってくることです。「直りました」「部品待ちで来週です」が受け手から届くと、次も伝えようという気持ちが続きます。反対に、写真を撮り、場所を書く手間は少し増えます。様式を4つの欄までにして、書く負担を小さくします。
職種ごと・時間帯ごとに、誰が何を受け持つかを表にする方法は設備の管理は6つの役割に分け、職種と時間帯で受け持ちますで書いています。
効果は、任せる前と3か月後の4つの数で測ります
外に任せたメリットが本当に出ているかは、任せる前の数と比べないと分かりません。任せる前の1か月に、次の4つを測っておきます。3か月後と1年後に、同じやり方で測り直します。
効果を測る4つの数と、測り方| 数 | 測り方 | 見るときの注意 |
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| 手配に使った時間(月) | 関わる人ごとに、日ごとの時間を書き留めて足す | 任せた最初の月は、慣れの時間で増えることがある |
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| 直るまでの日数 | 気づいた日から直った日までを、1件ずつ数える | 部品待ちの修理は分けて数える |
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| 止まっている修理の件数 | 月末の時点で、手のついていない修理を数える | 急ぎのものが入っていないかも見る |
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| 1年の修繕の費用 | 工事費と、委託費・手数料を分けて足す | 件数の増減と並べて見る |
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図5 1か月後は慣れの時間で増えることがあるので、3か月後の数で判断する。
件数は季節で増えたり減ったりします。夏は空調、冬は給湯の相談が増えやすいので、3か月の比べ方だけでなく、前の年の同じ月とも比べます。1年後には、記録を使って予算を組めたか、説明に使える資料が増えたかも、数字の横に書き足します。
数が思ったほど下がらないときは、外の相手を替える前に、施設の中で話が止まっていないかを見ます。受け手の不在や、承認の待ちで止まっていることがよくあります。外に移るまでの12週間の進め方と、途中の見直しの仕方は修繕の外注は、12週間を4つの段に分けて移しますにまとめています。
モデルケース:非常勤の担当者がいない日の手配を、外に任せた老健
モデルケース:定員90名の介護老人保健施設
事務長の手配の時間が、月18時間から4時間ほどに
変わったこと(結果)
手配を外に任せて3か月で、事務長が営繕の手配に使う時間は、月におよそ18時間から4時間ほどに減りました。業者への電話は、月に40回ほどから8回ほどになりました。給湯器の更新では、修理と交換を比べた表を、そのまま理事会の資料に使えました。1年分の一覧からは、同じ浴室の排水の詰まりが年に5回あったことが分かり、配管の洗浄を翌年度の予算に入れました。修繕の費用の総額は前の年とほぼ同じで、委託の費用の分だけ増えました。
背景と、困っていたこと
この施設の営繕の担当者は、週3日の非常勤でした。担当者のいない日の修理の電話と立ち会いは、すべて事務長に回っていました。日中がその対応で埋まり、入所の相談への返事が遅れることが出てきました。外に任せる話は前から出ていましたが、費用が増えるだけではないかという声が本部にあり、決めきれずにいました。
決めたこと
事務長は、任せる前の1か月、手配に使った時間を日ごとに書き留めました。合計は18時間で、1時間あたりの人件費を掛けると、月に5万円ほどでした。委託の費用はそれより少し高めでしたが、戻った時間を入所の相談と職員の面談に充てると本部に説明し、了承を得ました。決め手になったのは、時間を金額で示せたことでした。非常勤の担当者は、出勤日の小さな修理と見回りに専念する形にしました。記録は表計算の形で毎月受け取る、と契約に書きました。
進めてみて分かったこと
最初の1か月は、職員が報告の書き方に慣れず、事務長の時間はかえって増えました。2か月目に様式を4つの欄に減らしてから、時間が下がり始めました。