外注へは、12週間を4つの段に分けて移ります
介護施設の修繕を外注する方法は、契約を一度に切り替えることではありません。12週間(3か月)を4つの段に分け、棚卸し、今の業者への説明、1件の試し、範囲の広げ方の順に進めます。段ごとに「ここまでできたら終わり」という形を決めておくと、途中で止まっても、どこまで進んだかが分かります。
外注へ移る12週間の表| 週 | 段 | すること | 終わったと言える形 |
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| 1〜2週目 | 棚卸し | 1年分の修理・業者・保守の契約・承認の流れ・止まっている修理を書き出す | 5つの一覧が、1つのファイルにそろう |
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| 3〜4週目 | 伝える・入口を作る | 今の業者に変わることを伝える。職員からの報告の受け手と様式を決める | すべての業者に書面が届き、切り替えの日が掲示される |
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| 5〜6週目 | 1件だけ試す | 急がない修理を1件、外に頼む。受付から請求までを記録する | 1件が直り、つなぎ目ごとの記録が残る |
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| 7〜8週目 | 2〜3件に増やす | 分野の違う修理を2〜3件頼み、8週目に見直す | 続けるか止めるかが決まる |
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| 9〜10週目 | 範囲を広げる | 分野・金額・時間帯の順に、任せる範囲を広げる | 広げた範囲が、契約か覚え書きに書かれる |
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| 11〜12週目 | 引き継ぐ・見直す | 引き継ぐ情報を渡し、12週目に棚卸しの4つの数と比べる | 翌月からの形が決まる |
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図1 4つの段を順に進め、8週目と12週目に続けるかを決める。
12週間にするのには、理由が3つあります。1つ目は、今の業者との年間の契約や、やめるときの予告の期間を確かめて整えるのに、1〜3か月かかることがあるからです。2つ目は、外の相手と月ごとの報告を2回やり取りすると、受付から請求までの流れが一通り見えるからです。3つ目は、半年もかけると、決めたことを職員が忘れてしまうからです。
「一括して外注する」とは、修理の受付・手配・記録を、1つの外の窓口にまとめることです。どこまで任せて、何を施設に残すかの考え方は営繕を丸ごと外注しても、施設に残る仕事がありますにまとめています。外注と内製のどちらが合うかを5つの条件で見る方法は営繕の外注と内製は、5つの条件で分かれますにあります。ここでは、外注すると決めたあとの進め方を書きます。
1〜2週目は、棚卸しで5つの一覧を作ります
最初の2週間は、外の相手に渡す材料をそろえる期間です。外注先が施設の事情を早くつかめるかどうかは、ここで出すものの中身で決まります。完ぺきでなくてかまいません。分かる範囲で書き出し、分からないところは「不明」と書いておきます。
棚卸しで出す5つの一覧| 一覧 | 書くこと | どこから集めるか |
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| 1年分の修理 | 日付・場所・症状・業者・費用・急ぎだったか | 請求書、業者の作業報告、申し送りのノート |
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| 業者 | 分野・会社名・担当者・連絡先・1年に頼んだ回数と金額 | 請求書と支払いの記録、事務室の電話の控え |
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| 保守・点検の契約 | 設備・会社・点検の周期・契約の期間・更新日・解約の予告 | 契約書の綴り、自動更新の通知 |
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| 承認と支払いの流れ | 誰がいくらまで決めるか。請求書がどう回るか | 法人の経理規程、決裁の規程 |
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| 止まっている修理 | 気づいた日・場所・止まっている理由 | 詰所や事務室のメモ、職員への聞き取り |
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1年分の修理は、件数を数えるだけでなく、分野ごとに分けます。建具、水回り、電気、空調、そのほか、の5つほどで足ります。分けると、どの分野を外に任せると手間が減るかが見えます。急ぎだった回数も数えておくと、夜間や休日の扱いを決めるときに使えます。
この2週間で、事務長や修理の話を受けている職員が、手配に何時間使っているかも測っておきます。1か月分が理想ですが、2週間分を2倍しても目安になります。誰が何時間使っているかの測り方は営繕担当者が足りないときは、増やす前に時間を測りますにあります。
図2 4つの数は、12週目に外注のあとと比べる物差しになる。
記録がほとんど残っていない施設もあります。その場合は、経理の担当に、修繕費として払った請求書を1年分出してもらいます。業者に頼むと、作業の履歴を出してもらえることもあります。業者ごとの連絡先や得意な分野を、続けて使える形で残す方法は修理業者を毎回探す手間は、業者台帳で消せますで書いています。
止まっている修理は、外注へ移る前に、施設の中で片付けるか、外注先の最初の仕事にするかを決めます。何か月も止まっている修理が多いと、外注先は最初の月からその対応に追われます。数が多いときは急ぐ順に並べ、上から3件ずつ渡します。
3〜4週目は、今の業者に変わることを書面で伝えます
棚卸しが終わったら、今の業者に外注へ移ることを伝えます。伝える時期は、外注先に最初の修理を頼む2週間ほど前が目安です。伝えずに始めると、今の業者は、別の業者が施設に出入りするのを見て初めて知ることになります。長く付き合ってきた業者ほど、気持ちのよい話ではありません。
伝えることは、変わることと変わらないことの2つです。業者がいちばん気にするのは、「もう頼まれないのか」ということです。外注先から続けて手配されることがあるなら、そう伝えます。
今の業者の立場ごとに伝えること| 業者の立場 | 伝えること | 気をつけること |
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| 保守の契約がある会社(エレベーター・消防設備・特殊浴槽など) | 保守の契約はこれまでどおり施設と結ぶこと。点検の日程の連絡先が変わるか | 点検の結果と見積は、施設にも届くようにしてもらう |
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| 長く頼んできた地元の工務店や設備の会社 | 連絡の入口がいつから変わるか。外注先から手配されることがあるか | 会って伝える。保証中の工事と、夜間の連絡の扱いを確かめる |
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| ときどき頼む専門の会社 | 次からの依頼は外注先から届くこと | 施設の担当の名前と、請求書の送り先が変わるかを伝える |
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| 工事や見積が進んでいる会社 | その工事は今の形のまま終えること | 途中で窓口を替えない。完了の報告は施設に出してもらう |
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| これから頼むことがない会社 | これまでのお礼と、作業の記録を出してもらえるか | 理由は短く伝え、言い訳を重ねない |
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書面はA4で1枚にします。中身はたとえば次のとおりです。「〇月〇日から、修理のご依頼は〇〇(外注先)を通してお送りします。保守の契約と、これまでの工事の保証は変わりません。お急ぎの連絡先は〇〇です。これまでの作業の記録があれば、〇月〇日までにお送りいただけると助かります」。
書面を送ったあと、付き合いの長い業者には、電話か訪問で一言添えます。夜間の水回りのように、その業者でなければ早く動けない分野は、施設から直接頼む形で残すこともできます。残すなら、その分野も書面に書いておきます。業者を断る場面ごとの伝え方と文面は断り方で、次に頼める関係が残るかが決まりますにまとめています。
同じ時期に、職員からの報告の入口を切り替えます
今の業者に伝えるのと同じ3〜4週目に、施設の中の入口も切り替えます。職員がこれまでどおり、いつもの業者に直接電話をかけると、外注先には話が届きません。同じ修理が二重に頼まれたり、承認の前に工事が進んだりします。
図3 施設の中の受け手を通して、外へ出る道を1本にする。
切り替えの日までに決める5つのこと| 決めること | 決め方の例 |
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| 受け手 | 正と副の2人。日中は事務の職員、夜間は夜勤のリーダー |
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| 報告の様式 | 場所・症状・いつから・写真の4つ。紙でも共有の表でもよい |
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| 業者に直接連絡してよい場面 | 水が止まらない、焦げたにおいがする、エレベーターの閉じ込めなど |
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| 承認の線 | 1件いくらまでは報告だけで進めるか。法人の決裁の規程と合わせる |
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| 切り替えの日の知らせ方 | 詰所と事務室に掲示し、朝の申し送りで2週続けて伝える |
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受け手は、営繕に詳しい人である必要はありません。職員から話を受けて、様式どおりに外注先へ送れる人なら務まります。ただ、1人にすると、その人が休んだ日に止まります。正と副の2人を決めておきます。施設の中の窓口の作り方と報告の様式は修繕の窓口は、外と中の両方を一本にして効果が出ますにくわしく書いています。
切り替えの日から2週間は、古い入口にかかってきた電話も、受け手に回すようにします。業者の側にも、「施設の職員から直接頼まれたら、受け手に一報をお願いします」と伝えておくと、二重の依頼を防げます。
5〜6週目は、急がない修理を1件だけ外に頼みます
入口ができたら、外注先に最初の修理を頼みます。最初は1件だけにします。何件も一度に頼むと、遅れや行き違いが出たときに、どこでつまずいたのかが分からなくなるからです。1件なら、受付から請求までを1本の線でたどれます。
選ぶ修理は、急がない、分野がはっきりしている、金額が小さい、の3つがそろうものです。たとえば、居室の引き戸の戸車の交換や、網戸の張り替えです。建具の調整の費用の目安は5,000円〜3万円ほどで、行き違いが出ても、入居者の方の暮らしは止まりません。
図4 急がず、分野がはっきりした小さな修理から試す。
1件目で確かめること| つなぎ目 | 確かめること | 目安の例 |
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| 受付 | 送ってから、受け取ったという返事が来るまでの時間 | 1営業日以内 |
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| 見積 | 内訳が行に分かれているか。現地を見るかどうかの判断 | 部品・作業・出張が分かれている |
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| 日程 | 避けてほしい時間帯が伝わっていたか | 食事と入浴の時間を外して来た |
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| 当日 | 入館の手順、職員への声かけ、養生と片付け | 職員の立ち会いが、鍵と声かけで済んだ |
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| 報告 | 写真・使った部品・費用・次に直す候補が届くか | 作業から1週間以内に届いた |
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| 請求 | 誰から届くか。承認した額と合っているか | 承認の額と同じで、届く先が契約どおり |
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目安の数字は、契約の前に外注先と話して決めておきます。決めていないと、遅いのか速いのかを比べられません。1件目が終わったら、6つのつなぎ目ごとに、目安どおりだったか、どこで時間がかかったかを1行ずつ書き残します。この記録が、8週目の見直しの材料になります。
請求書が外注先から届くのか、工事をした業者から届くのかは、契約の形で変わります。どちらの名前で発注しているかによって、不具合が出たときに言う先も変わります。この違いは修繕管理の代行は、誰の名前で発注するかで責任が変わりますで書いています。
7〜8週目は、分野の違う2〜3件でつなぎ目を確かめます
1件目が目安どおりに終わったら、7〜8週目は2〜3件に増やします。今度は、分野の違う修理を混ぜます。建具の修理のあとなら、水回りと照明を1件ずつ、という具合です。分野が変わると、外注先が手配する業者も変わり、1件目では見えなかったつなぎ目が出てきます。
- 分野が変わったときの手配水回りや電気でも、1件目と同じ早さで返事が来るかを見ます。
- 資格の要る作業電気工事士や水道の指定工事店など、作業に要る資格を持つ業者が来たかを確かめます。
- 少し急ぐ修理「3日以内に」と伝えた修理を1件入れ、日程が守られたかを見ます。水が止まらないような本当の急ぎは、試しに使いません。
- 複数の修理の報告2〜3件の報告が、1枚の一覧にまとまって届いたかを見ます。
- 職員の動き職員が受け手を通さずに、業者へ直接頼んだことがなかったかを確かめます。
8週目の終わりに、1件目からの記録を並べて見直します。見直しは、外注先の担当者、施設の受け手、承認をする事務長か施設長の3者で、30分ほどで足ります。目安から外れたところがあれば、その場で原因が施設の中にあるのか、外注先にあるのかを分けます。
この時期の修理は、件数が少ないぶん、1件ごとの手間が前より増えたように感じることがあります。外注先との書き方の決めごとがそろうまでの、慣れの期間です。受け手が様式に慣れると、1件あたりの手間は下がっていきます。
9〜12週目は、分野・金額・時間帯の順に広げます
8週目の見直しで続けると決めたら、任せる範囲を広げます。広げる順番は、分野、金額、時間帯の3つです。いっぺんに広げると、どこで行き違いが起きたのかが、また分からなくなります。1つ広げたら1週間ほどようすを見て、次に進みます。
範囲を広げる順番の例| 週 | 広げる範囲 | 広げる前に確かめること |
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| 9週目 | 分野:建具・水回り・照明に加えて、空調や内装も任せる | 空調の保守の会社と、修理の受け持ちが重ならないか |
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| 10週目 | 金額:承認の線を超える修理も、見積の取りまとめまで任せる | 相見積の社数と、比べた表の形 |
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| 11週目 | 時間帯:夜間や休日の急ぎの受付を任せるかを決める | 連絡がつく時間、来られるまでの目安、割増の額 |
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| 12週目 | 記録:月ごとの一覧と、来年度に直す候補を受け取る | 一覧が、施設で手を入れられる表計算の形か |
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保守の契約がある設備は、範囲を広げても対象の外にしておくのが基本です。エレベーターや消防用設備、特殊浴槽などは、保守の会社が点検し、修理も受け持つことが多いからです。外注先には、保守の会社の連絡先と点検の日を知っておいてもらうだけにします。
夜間や休日の急ぎまで任せるかは、施設によって答えが分かれます。外注先が夜も受け付けられるか、近くに駆けつけられる業者がいるかで決まります。任せない場合は、急ぎの連絡先を今のまま残し、翌朝に外注先へ報告する形にします。夜間の電話がどこに鳴るかの組み立て方は夜間の設備トラブル、電話は誰の携帯に鳴っていますかにあります。
引き継ぐ情報は、8つの一覧にして渡します
11〜12週目には、外注先に引き継ぐ情報をそろえて渡します。棚卸しで作った一覧に、建物と入館の決まりを足したものです。外注先の担当者が替わっても、この一覧があれば、同じ形で続けられます。
外注先に引き継ぐ情報の一覧| 情報 | 中身 | 渡し方 |
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| 建物の基本 | 建った年・構造・階数・延べ面積・図面の置き場所 | 写しを渡す。図面の原本は施設に置く |
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| 設備の一覧 | 型番・年式・保守の会社・保証の期限 | 表計算の形で渡し、更新したら施設にも返してもらう |
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| 業者の一覧 | 分野・担当者・連絡先・夜間に来られるか | 施設が続けて直接頼む業者には印を付ける |
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| 修理の履歴 | 1年分以上。同じ場所でくり返している修理 | 棚卸しの一覧をそのまま渡す |
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| 保守と点検の予定 | 会社・周期・次の点検日・契約の更新日 | 1年分の予定表にして渡す |
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| 入館の決まり | 受付の場所・駐車・作業してよい時間・避ける時間 | 1枚の紙にして、来る業者にも渡してもらう |
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| 入居者の方への配慮 | 音やにおいに敏感な場所、居室に入るときの声かけ | 名前や病名は書かず、居室の番号と配慮だけ |
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| 進んでいる工事と見積 | 見積中・発注済み・保証中の工事 | 今の業者が終えるものと、外注先に渡すものを分ける |
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鍵や暗証番号、入居者の方の情報は、渡す範囲を決めてから渡します。個人の情報の扱いを外に任せるときは、任せた側が任せた先を監督する決まりがあります(個人情報の保護に関する法律第25条)。鍵の貸し出しの仕方と、渡すもの・渡さないものの分け方は営繕は外注してかまいません。デメリットは契約の前に手を打てますで書いています。
設備の一覧が手元にない施設は、この機会に作っておくと、外注先が替わっても使えます。竣工図と現地から一覧を作る方法は機器台帳は、竣工図と現地と保守の会社の3つで作りますにまとめています。一覧の原本を施設が持っていれば、外注先との関係がどう変わっても、建物の知識は手元に残ります。
8週目と12週目に、続けるか・止めるか・やめるかを決めます
外注へ移る途中で、「思っていたのと違う」と感じることがあります。そのときに気分で決めないよう、見直しの日と目安を先に決めておきます。見直すのは、8週目と12週目の2回です。
図5 目安から外れたら、すぐにやめず、原因が施設の中か外注先かを分けて見る。
見直しの目安と、選ぶこと| 見るところ | 続ける | 止めて直す | やめる |
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| 受付の返事 | 目安の時間で返ってくる | ときどき遅れる。連絡の手段を変える | 何度伝えても返事が来ない |
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| 見積と請求 | 内訳があり、承認の額と合う | 内訳が粗い。書き方を決め直す | 承認していない費用が請求される |
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| 当日の作業 | 入館の決まりが守られている | 声かけや片付けが抜ける。入館の紙を渡し直す | 入居者の方の安全に関わる行き違いが続く |
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| 施設の中 | 職員が受け手を通している | 直接の依頼が残る。掲示と申し送りをやり直す | 施設の中の原因は、やめる理由にしない |
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目安から外れたとき、原因の多くは施設の中にあります。受け手が休みで話が止まっていた、職員がいつもの業者に直接頼んでいた、承認が何日も止まっていた、などです。この場合は、外注先を替えても直りません。施設の中の決めごとを直してから、もう2週間ようすを見ます。
外注先の側に原因があり、話し合っても直らないときは、やめる判断もあります。業務の委託は、民法の上ではどちらからでも解除できるのが原則です。ただ、実際には契約書で予告の期間を決めていることが多いので、始める前に3つを決めておきます。始めの3か月を試しの期間にすること、予告の期間を短くしておくこと、記録は施設のものとして月ごとに受け取ることです。今の業者との関係を12週目まで切らずにおくのも、戻れる道を残すためです。
モデルケース:業者6社に分かれていた修理を、12週で外の窓口1本にした特養
モデルケース:定員100名のユニット型特別養護老人ホーム(ショートステイを含む)
事務長が修理の手配に使う時間が、月20時間ほどから5時間ほどに
変わったこと(結果)
12週目の終わりには、職員からの修理の話は受け手の2人に集まり、外の窓口に送る形に変わりました。事務長が修理の手配に使う時間は、月におよそ20時間から5時間ほどに減りました。業者への電話は月に30回ほどから、急ぎの連絡の数回だけになりました。月ごとの一覧で、どの分野に何件、いくらかかったかが1枚で分かるようになりました。
背景と、困っていたこと
このホームには営繕の担当者がおらず、事務長と介護主任が修理の手配を分け合っていました。頼む先は、地元の工務店、設備の会社、電気工事の会社、保守の会社3社の、合わせて6社です。誰がどの業者に何を頼んだかは、2人の記憶と請求書にしかありませんでした。法人の本部から外注の準備を求められましたが、長く付き合ってきた工務店にどう伝えるかで迷い、半年ほど話が進みませんでした。
決めたこと
事務長は12週間の表を作り、本部に見せてから始めました。1〜2週目に1年分の請求書から修理を書き出すと、142件ありました。3週目に6社へ書面を送り、工務店には事務長が出向いて説明しました。保守の会社3社とは、これまでどおり施設が契約を結び続けることにしました。5週目に、2階の居室の引き戸の戸車の交換を1件目として頼みました。返事は翌日に届き、見積は部品・作業・出張に分かれていました。7〜8週目に水栓と照明の2件を足し、8週目の見直しで続けると決めました。
進めてみて分かったこと
工務店とは、夜間の水回りだけを施設から直接頼む形にして、関係が続いています。いっぽう6週目に、職員が工務店に直接修理を頼み、同じ修理が二重に手配されかけました。詰所の掲示と朝の申し送りでの声かけを2週続けてからは、二重の依頼はなくなりました。