比較は、12列の表に書き込んでから決めます
営繕業者の候補から届く資料は、会社ごとに形が違います。ある会社は人工の単価表、ある会社は工事ごとの見積、ある会社は月額の案内です。このまま見比べても、違いがどこにあるのかは見えてきません。
比べる前に、すべての会社を同じ物差しの表に書き直します。会社を縦に、列を横に並べた12列の表です。左の4列は、満たさなければ外す「足切り」の列、右の8列は、残った会社の差を見る「比べる」列です。
比較表の12列| 列の名前 | 種類 | 書くこと |
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| ① 許可・登録 | 足切り | 頼む工事の業種の許可、分野ごとの登録(番号と期限) |
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| ② 保険 | 足切り | 工事中と引き渡しのあとの保険の有無、期間、限度額 |
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| ③ 居ながらの作業の段取り | 足切り | 作業の時間帯・通り道・職員への連絡についての答え |
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| ④ 緊急の連絡 | 足切り | 夜間・休日の連絡先と、折り返しの目安 |
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| ⑤ 対応する分野 | 比べる | 建物・給排水・空調・電気・介護の専用機器のうち、受けるもの |
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| ⑥ 自社で施工する範囲 | 比べる | 自社の職人で直す分野と、協力会社に回す分野 |
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| ⑦ 到着の時間 | 比べる | 平日の日中と、夜間・休日の、連絡から到着までの目安 |
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| ⑧ 見積の明細 | 比べる | 「一式」の行の数と、見積が出るまでの日数 |
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| ⑨ 料金の形 | 比べる | 人工・出来高・定額・手数料のどれか。出張費と最低料金 |
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| ⑩ 1年あたりの費用 | 比べる | 年間の想定の件数で割り戻した額 |
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| ⑪ 記録と報告 | 比べる | 写真・部品の型番・次の目安が残るか。届くまでの日数 |
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| ⑫ 担当の体制 | 比べる | 担当者の名前と、不在のとき・替わるときの引き継ぎ |
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図1 左の4列で外し、右の8列で比べる。
表は紙でも表計算でもかまいません。比べる会社が3〜4社なら、A3の紙1枚に収まります。表にすると、資料の見た目のよさに引っぱられず、同じ列どうしを横に見比べられます。もう1つの効き目は、聞いていないことが空欄として目に見えることです。
左の4列は足切りの列です。○・×・未の3つで書きます
足切りの4列は、満たすか満たさないかだけを書く列です。書き方は3つに決めておきます。書面や記録で確かめたら「○」、確かめた結果満たしていなければ「×」、まだ確かめていなければ「未」です。○を付けるときは、何で確かめたかと日付も書き添えます。
足切りの4列の書き方| 列 | ○と書く条件 | 書き方の例 |
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| ① 許可・登録 | 頼む工事の業種の許可や登録を、番号と期限で確かめた | ○ 管工事の許可あり・期限内(10/2 検索) |
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| ② 保険 | 保険証券の写しで、期間と限度額を確かめた | ○ 工事中・引き渡し後とも写しあり(10/3) |
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| ③ 居ながらの作業の段取り | 時間帯・通り道・職員への連絡に、具体的な答えがあった | ○ 食事と入浴の時間を避け、通路を半分残す |
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| ④ 緊急の連絡 | 夜間・休日の番号と折り返しの目安を、書面でもらった | × 夜間は代表番号の留守番電話だけ |
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日付や中身は、書き方を示すための例です。
×が1つでもある会社は、右の8列を埋めなくてかまいません。埋めても、比べる対象にはならないからです。「未」が残っている会社は、比べる前に聞いて、○か×のどちらかにします。
足切りの列をわざわざ分けるのは、比べる列の良さで、足切りの欠けが見えなくなるのを防ぐためです。外す条件と比べる条件を分ける考え方と、それぞれの確かめ方は営繕業者は、外す条件と比べる条件を分けて選びますでくわしく書いています。
右の8列は比べる列です。言葉ではなく、数と事実で書きます
右の8列は、残った会社の差を見る列です。ここで気をつけたいのは、「早い」「丁寧」「実績多数」といった言葉を書かないことです。言葉のままでは、3社とも同じに見えてしまいます。時間、行の数、日数、金額、名前など、数と事実で書きます。
比べる8列の書き方| 列 | 書くこと | 書き方の例 |
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| ⑤ 対応する分野 | 受ける分野を、建物・給排水・空調・電気・専用機器で書く | 建物・給排水・電気。空調は受けない |
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| ⑥ 自社で施工する範囲 | 自社の職人で直す分野と、協力会社に回す分野 | 給排水は自社、電気は協力会社 |
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| ⑦ 到着の時間 | 連絡から到着までを、時間帯ごとに | 平日の日中2時間、夜間・休日は翌朝 |
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| ⑧ 見積の明細 | 同じ条件で頼んだ見積の行の数と、出るまでの日数 | 18行、現地調査から5日 |
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| ⑨ 料金の形 | 人工・出来高・定額・手数料のどれか。出張費と最低料金 | 出来高。出張費は見積に含む |
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| ⑩ 1年あたりの費用 | 年間の想定の件数で割り戻した額 | 約62万円(年24件の想定) |
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| ⑪ 記録と報告 | 写真・型番・次の目安の有無と、届くまでの日数 | 写真付き、翌営業日にメール |
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| ⑫ 担当の体制 | 担当者の名前と、不在のとき・替わるときの引き継ぎ | 担当1名と、代わりの1名を指名 |
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⑥の自社で施工する範囲は、⑤の対応する分野と分けて書きます。「対応できます」と言う分野でも、実際には協力会社の職人が来ることがあるからです。どこから先がほかの会社かという境目の聞き方は対応範囲の広さより、境界が明確な会社を選びますにまとめています。
⑧の見積の明細は、3社に同じ条件で見積を頼んでいないと比べられません。範囲・工法・時間帯・養生・処分をそろえた条件書の作り方は見積の比較表は、条件書で6つをそろえてから作りますにあります。
記入例:3社を同じ表に書くと、違いが見えます
ここで、仮の3社を12列に書き込んだ例を見てみます。A社は地元の工務店、B社は設備の会社、C社は分野ごとにほかの会社を手配する、一括対応の会社です。スマートフォンでも読みやすいよう、縦と横を入れ替えて、列を縦に並べています。
記入例:3社を12列に書いた表(縦と横を入れ替えて表示)| 列 | A社(地元の工務店) | B社(設備の会社) | C社(分野ごとに手配する会社) |
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| ① 許可・登録 | ○ 建築一式・内装 | ○ 管工事・電気工事 | ○ 自社は建築一式(手配先は未) |
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| ② 保険 | ○ 写しあり | ○ 写しあり | ○ 自社分は写しあり(手配先は未) |
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| ③ 段取り | ○ | ○ | ○ |
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| ④ 緊急の連絡 | ○ 夜間は社長の携帯 | ○ 夜間の受付あり | ○ 夜間の受付あり |
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| ⑤ 対応する分野 | 建物・建具・内装 | 給排水・空調・電気 | 建物と設備の全般(手配) |
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| ⑥ 自社で施工する範囲 | 建物と建具は自社 | 給排水と空調は自社、電気は協力会社 | 内装だけ自社、ほかは手配 |
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| ⑦ 到着の時間 | 平日1時間、休日は翌日 | 平日3時間、休日も当日 | 手配先しだいで2時間〜翌日 |
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| ⑧ 見積の明細 | 8行、3日 | 20行、5日 | 分野ごとに12〜20行、7日 |
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| ⑨ 料金の形 | 人工(半日単位) | 出来高(1件ごと) | 出来高+年間の管理料 |
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| ⑩ 1年あたりの費用 | 66万円 | 約62万円 | 約64万円 |
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| ⑪ 記録と報告 | 口頭のみ | 写真付きの報告書 | 写真付きの報告書と年間の一覧 |
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| ⑫ 担当の体制 | 社長1名 | 担当1名、代わり1名 | 担当1名と、分野ごとの手配先 |
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会社の名前や数字は、書き方を示すための例です。⑩の計算の仕方は、このあとの料金体系の節で示します。
表にすると、どの会社にも弱い列があることが見えます。A社は平日にすぐ来ますが、記録が口頭だけです。B社は明細と記録が細かい代わりに、建物の修理は受けません。C社は分野が広い代わりに、到着の時間が手配先しだいで、手配先の許可と保険がまだ「未」です。
C社のように「未」が残っている会社は、比べる列を埋めても、そのままでは選べません。手配先の会社の許可と保険を聞いて、○になってから比べます。
空欄は、聞いていない・確かめていないという印です
表を埋めていくと、どうしても空欄が出ます。空欄は「その会社にはない」という意味ではありません。多くは、施設がまだ聞いていないか、確かめていないという印です。空欄のまま比べると、聞いた会社だけが損をする表になってしまいます。
図2 空欄は、聞いていない印か、答えがなかった印かを分けて書く。
空欄になりやすい列と、聞き方の例| 空欄になりやすい列 | なぜ空欄になるか | 聞き方の例 |
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| ⑥ 自社で施工する範囲 | ホームページに書かれていない | 「この分野は、御社の職人の方が来ますか」 |
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| ⑨ 出張費と最低料金 | 見積に出てこない | 「1回来ていただくと、最低いくらかかりますか」 |
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| ⑪ 記録と報告 | 頼まないと出てこない | 「直したあと、何を残していただけますか」 |
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| ⑫ 担当の体制 | 担当者は1人だと思い込んでいる | 「担当の方がお休みの日は、どなたが受けますか」 |
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聞いたのに答えが返ってこなかったときは、空欄にせず「回答なし」と書きます。聞いた日付も添えます。答えがないこと自体が、その会社について分かった中身だからです。
3社とも同じ列が空欄なら、その列は施設が聞き忘れています。表の空欄は、業者を比べる前に、施設の聞き方の抜けを教えてくれます。
点数にせず、列ごとに読みます
埋まった表を、5点満点などの点数に直して合計したくなるかもしれません。けれども、この表は点数にしないで使います。理由は3つあります。
- 足切りは、点数にできない①〜④の列は○か×かの列です。点数にすると、×の会社が他の列の点で合計を上げてしまいます。
- 列ごとに単位が違う到着は時間、明細は行の数、費用は円です。点数に直すと、「平日2時間」という事実が消えてしまいます。
- 重く見る列は、施設ごとに違う急ぎの故障が多い施設と、予算が厳しい施設とでは、同じ点の重みが逆になります。
図3 点数にせず、列の順番を決めて読む。
読む順番は、施設がいちばん困っていることで決めます。夜間の故障が多い施設なら④と⑦、予算が厳しい施設なら⑨と⑩、記録が残っていない施設なら⑪から読みます。施設の状況から譲れない列を先に決める方法はすべてを満たす会社はありません。譲れない1つを先に決めますで書いています。
選ぶ会社が決まったら、その会社の弱い列を見ます。A社なら記録、C社なら到着の時間です。弱い列をどう補うかまで決めておくと、選んだあとに困ることが減ります。
一括対応できる会社は、3つの列を足して比べます
一括対応をうたう会社には、2つの形があります。自社の職人で多くの分野を直す会社と、分野ごとにほかの会社を手配してまとめる会社です。どちらの形かで、確かめることが変わります。そこで、一括対応の会社を比べるときは、12列に3つの列を足します。
一括対応できる会社を比べるときに足す3列| 足す列 | 書くこと | 聞き方の例 |
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| ⑬ 施工か手配か | 自社の職人で施工するのか、ほかの会社に手配するのか | 「この工事は、どちらの会社の職人の方が来ますか」 |
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| ⑭ 実際に施工する会社 | 分野ごとの施工会社と、その会社の足切りの4列 | 「手配先の許可と保険も、見せていただけますか」 |
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| ⑮ 手数料 | 手数料の有無、誰が払うか、見積のどこに含まれるか | 「手数料は、見積のどの行に入っていますか」 |
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図4 一括対応の会社は、施工する会社と手数料まで同じ表に書く。
手配の形の会社では、足切りの4列を、手配先の会社についても確かめます。手配をまとめる会社の保険があっても、作業をするのは手配先の職人だからです。また、一括で頼めても、メーカーの専用機器の本体や、構造に関わる設計など、できないことがあります。ワンストップでもできないことはワンストップの営繕でも、できないことが4つありますにまとめています。
一括対応の良さは、業者を探す手間と、電話をかける数が減ることです。
何より助かったのは、私自身が一から業者を探して何社にも電話をする必要がなかったことです。
ご利用者の声 東京都内・介護施設/事務長
取材にもとづき掲載しています(施設名は非公開)。内容はご本人の申告によるもので、個人の感想です。
比較表では、この良さが手数料に見合うかを、⑩の1年あたりの費用と⑮の手数料を並べて見ます。手数料は、施設が払う形のほかに、業者の側が払う形や見積に含まれる形もあります。誰が払っているかで見え方が変わる点は営繕の代行の手数料は、誰が払っているかで見え方が変わりますでくわしく書いています。
料金体系は、1年あたりの額にそろえて比べます
営繕の料金体系は、大きく4つの形に分かれます。1つ目は、職人1人の半日や1日を単位にする人工です。2つ目は、1件ごとや工事ごとに見積を出す出来高です。3つ目は受付や巡回を月額で受ける定額、4つ目は窓口や代行の費用が乗る手数料です。形ごとの中身と相場の目安は営繕の外注費は、4つの料金の形で見え方が変わりますにまとめています。
形が違うと、1件あたりの金額だけを並べても比べられません。人工の会社は「半日2万円」、出来高の会社は「この修理で2万6,000円」と、物差しが違うからです。そこで、施設の年間の想定の件数を使って、1年あたりの額にそろえます。
図5 形の違う料金は、年間の想定の件数で割り戻して比べる。
料金の形が違う3社を、1年あたりの額にそろえた例(年24件の想定)| 会社と料金の形 | 1年あたりの計算 | 1年あたりの額 |
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| A社:人工(半日2万円、材料は別) | 半日で済む20件と1日かかる4件で、半日28回×2万円=56万円。材料は年10万円 | 66万円 |
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| B社:出来高(1件ごとの見積、出張費込み) | 1件平均2万6,000円×24件 | 約62万円 |
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| C社:出来高+年間の管理料 | 1件平均2万4,000円×24件+管理料6万円 | 約64万円 |
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金額は計算の仕方を示すための例で、相場ではありません。
この例では、1件あたりや半日あたりの金額の見た目は違っても、1年あたりにそろえると差は4万円ほどに縮まります。そうなると、決め手は⑦到着の時間や⑪記録と報告の列に移ります。金額の差が小さいと分かること自体が、比べる表の大きな役目です。
月額の定額を示す会社があるときは、月額の12か月分に、定額に含まれない修理の費用を足します。定額に含まれるのは受付や巡回、点検までで、修理そのものは別にかかる形が多いからです。修理まで定額にしにくい理由は営繕の定額契約は、読める仕事だけを定額にしますで説明しています。
設備の修理は、分野ごとに行を分けて比べます
設備の修理を頼む会社を比べるときは、会社ごとに1行ではなく、分野ごとに行を分けます。同じ会社でも、給排水は自社の職人が来て、電気は協力会社が来る、ということがあるからです。分野を1行にまとめると、得意な分野の印象で、苦手な分野まで良く見えてしまいます。
分野ごとに行を分けた比べ方の例| 分野 | 頼める会社 | 到着の時間 | 気をつけること |
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| 給排水 | B社(自社)、C社(手配) | B社は平日3時間 | 水道の指定の有無を、実際に来る会社で確かめる |
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| 空調 | B社(自社)、C社(手配) | C社は手配先しだい | 冷媒を扱う登録の有無 |
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| 電気 | B社(協力会社)、C社(手配) | どちらも翌日 | 実際に来る会社の登録と、作業する人の資格 |
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| 特殊浴槽・ナースコール | メーカー・代理店 | 保守契約の中身しだい | 保守契約がある機器は、まず契約先に連絡する |
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| 建物・建具 | A社(自社)、C社(手配) | A社は平日1時間 | 小さな修理をまとめて頼めるか |
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特殊浴槽やナースコールなど介護の専用機器は、メーカーや代理店が中心になることが多く、営繕業者の比較表とは別の行で管理します。設備の分野ごとの強い業者と、確かめる資格は設備修理に強い業者は、分野ごとに別の会社ですにまとめています。
小さな修理だけなら、6列の簡易な表で足ります
数千円から数万円の小さな修理だけを頼む会社なら、12列すべてを埋めるのは手間がかかりすぎます。小さな修理では、次の6列に絞った簡易な表で足ります。
小さな修理用の6列の簡易な表| 列 | 小さな修理で書くこと |
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| 分野の登録 | 電気・水道など、登録が要る作業かどうかと、その登録 |
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| 保険 | 作業中の事故に備える保険の有無 |
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| 緊急の連絡 | 夜間・休日に連絡がつくか |
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| 到着の時間 | 平日の日中に、何時間で来られるか |
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| 出張費と最低料金 | 1回来てもらうと、最低いくらかかるか |
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| 記録 | 直した所の写真と、部品の型番が残るか |
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反対に、1件500万円以上(建築一式工事は1,500万円以上)の工事を頼む会社は、その業種の建設業の許可が要ります。この大きさの工事では、12列すべてを埋め、見積の条件もそろえてから比べます。金額の大きさで、使う表を変えると、手間をかける所とかけない所の線が引けます。
モデルケース:料金の形が違う4社を比べた介護老人保健施設
モデルケース:定員100名の介護老人保健施設
料金の形が違う4社を1年あたりの額にそろえ、1回の会議で決めた
変わったこと(結果)
料金の形が違う4社の資料を、12列の表に書き直して比べました。表にすると空欄が14か所あり、2週間で聞き直して埋めました。1年あたりの額にそろえると、いちばん高い会社と安い会社の差は約9万円でした。前回、業者を見直したときは会議を3回重ねても決まりませんでしたが、今回は表をもとに1回の会議で決まりました。
背景と、困っていたこと
この老健では、事務の担当者が、小さな修理と設備の故障の頼み先を見直すことになりました。候補は、地元の工務店、設備の会社、分野ごとに手配する一括対応の会社、月額の定額を示す会社の4社です。資料には人工の単価、1件ごとの見積、手数料込みの金額、月額が並び、何を比べればよいのか分かりませんでした。
決めたこと
担当者は12列の表を作り、一括対応の会社には3列を足しました。去年の修理の記録を数えると、小さな修理が年に30件ほど、設備の故障が年に6件ほどでした。この件数で1年あたりの額を出し、手数料と、定額に含まれる範囲も同じ表に書きました。施設が重く見る列は、④緊急の連絡と⑪記録と報告の2つに決めました。
進めてみて分かったこと
1件あたりの金額では差が大きく見えた4社も、1年あたりにそろえると差は小さくなりました。決め手になったのは、⑪記録と報告の列でした。定額の会社は、月額に含まれるのが受付と月1回の巡回だけで、修理は別にかかることが、表に書いて初めて分かりました。