修繕業者を断る場面は、6つあります
介護施設が修繕業者を断る場面は、思っているより多くあります。相見積で選ばなかった会社への連絡、飛び込みや電話の営業、長く付き合ってきた業者への伝え方。工事の途中にも、交換の提案や追加の費用を断る場面があり、契約したあとに解約することもあります。場面ごとに、伝える相手と時期と方法が違います。
業者を断る6つの場面| 場面 | よくある例 | 伝える時期 | 伝え方 |
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| 1. 相見積で選ばなかった | 3社のうち1社に決めた | 決めてから3日以内 | メールか書面 |
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| 2. 飛び込み・電話の営業 | 「無料で屋根を点検します」 | その場 | 資料を預かり、決めない |
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| 3. 長い付き合いの業者 | 今回は別の会社に頼む | 相見積を始める前 | 会って伝え、書面で残す |
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| 4. 工事や交換の提案 | 「そろそろ交換を」と勧められた | 理由を聞いたあと | 口頭で伝え、書面で残す |
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| 5. 作業の途中の追加費用 | 壁を開けたら傷みが広かった | 作業を進める前 | その場で止め、書面で残す |
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| 6. 契約したあとの解約 | 工事や保守の契約をやめる | 契約書の予告の期間より前 | 書面 |
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図1 場面ごとに、伝える時期と方法が違う。
6つの場面は、2つに分けられます。1から4は、まだ契約していない相手に断る場面です。5と6は、契約している相手に、決めたことを変える場面です。前の4つは関係を保つことを考え、後の2つは契約書と決まりを先に確かめます。
断る場面の多くは、業者が施設のために手間をかけたあとに来ます。見積を作る、現地を見る、提案を考える。その手間に応えるのが、早く、短く、はっきり伝えることです。
断り方の基本は、早く・理由を1つ・次の有無です
どの場面でも、断り方の基本は3つです。早く伝えること、理由を1つに絞ること、次の機会があるかを添えることです。この3つがそろうと、断られた業者も次にどう動けばよいかが分かり、関係が残りやすくなります。
断り方の3つの基本と、言い方の例| 基本 | なぜか | 言い方の例 |
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| 早く伝える | 業者は返事を待つ間、職人や材料の予定を空けている | 本日、業者を決めましたので、ご連絡いたします |
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| 理由を1つに絞る | 理由を並べると言い訳に聞こえ、次に生かしにくい | 今回は、工期の短さで決めました |
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| 次の機会を添える | 次も相談してよいかが分かると、業者も準備ができる | 給湯の設備のご相談は、引き続きお願いします |
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図2 早く、短く、記録に残る形で伝えると、関係が残る。
理由は、金額、工期、工事の範囲、施設の決まりのどれか1つにします。ほかの会社の金額や会社名は伝えません。比べた会社どうしの公平のためで、施設の決まりとして「お伝えしていません」と言い切ってかまいません。
電話で伝えた場合も、同じ内容を短いメールで送ります。言った言わないを防ぐためと、業者の社内で、担当者から上の人へ話が伝わるようにするためです。断ったあとの業者の態度に、長く付き合える会社かが表れる点は業者が信頼できるかは、5つの場面の行動で分かりますに書いています。
相見積で選ばなかった会社には、結果と理由を短く伝えます
相見積で選ばなかった会社には、決めてから3日以内に、結果と理由を伝えます。業者にとって見積は、現地を見て、数量を拾い、材料の値段を調べる手間のかかる仕事です。返事がないまま待たせると、次に見積を頼んだとき、返事が遅くなったり、断られたりすることがあります。
- 結果を先に書く「今回は、ほかの会社にお願いすることにしました」と、最初の1文で伝えます。
- 理由を1つ書く「工期を2週間で終えられる会社に決めました」のように、1つだけ書きます。
- 見積へのお礼を書く現地まで見ていただいたことへのお礼を添えます。
- 次の相談の有無を書く次も見積を頼みたい場合は、そう書きます。頼むつもりがないときは書きません。
社会福祉法人では、工事の金額によって、見積を取る社数が決まっています。令和8年4月からは、400万円以下の工事は2社の見積合わせで足り、それを超えると3社以上です。社数の決まりのために見積を頼んだ会社にも、結果は同じように伝えます。相見積を何社から取るか、金額ごとの考え方は社会福祉法人の相見積は、400万円を境に2社と3社に分かれますにまとめています。
業者から、選ばれなかった理由をくわしく聞かれることもあります。そのときは、見積のどこで差がついたかを、金額の数字を出さずに伝えます。「仮設と養生の行が、ほかの会社より粗かった」と聞けば、次の見積で直してくる会社もあります。
飛び込みと電話の営業は、その場で決めない決まりにします
介護施設にも、修繕の飛び込みや電話の営業が来ます。「近くで工事をしていたら、屋根の板金が浮いているのが見えた」「今なら無料で点検します」といった声かけです。本当に親切な申し出もありますが、施設の側では見分けがつきません。そこで、その場では何も決めない、という決まりにしておきます。
営業の声かけと、受け答えの例| 声かけの例 | 受け答えの例 | 避けたいこと |
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| 屋根の板金が浮いているのが見えました | ありがとうございます。いつもの業者に見てもらいます | 屋根に上がってもらう |
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| 今なら無料で点検します | 点検は決まった業者に頼んでいます。資料だけお預かりします | その場で点検の日を決める |
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| 今日契約すれば、値引きします | その場では決めない決まりです | 署名や押印に応じる |
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| 担当の方に代わってください | 担当から、必要があればご連絡します | 施設長の携帯の番号を伝える |
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| 消防の点検の関係で伺いました | どちらの会社の、どなたですか。こちらから確かめてご連絡します | 名乗らないまま機械室に入れる |
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施設として結んだ契約は、事業のための契約とみなされることが多くあります。その場合、訪問販売のクーリング・オフ(特定商取引法)は使えません。家庭の契約のように、あとから取り消せるとは限りません。だからこそ、その場では署名も約束もしないことが、施設を守ります。
「消防の関係で」と名乗る営業には、とくに気をつけます。消防設備の点検は、施設が頼んでいる点検の業者が、日を決めて行うものです。予告なく来た会社からは名刺と資料だけを預かり、施設の側から、いつもの点検の業者に確かめます。
長い付き合いの業者には、決める前に会って伝えます
いちばん言いにくいのは、長く頼んできた業者に、今回は別の会社にすると伝える場面です。言いにくいからと結果だけを伝えると、相手は「何年も頼まれてきたのに」と感じます。長い付き合いの業者には、決めたあとではなく、相見積を始める前に伝えます。
図3 決めたあとではなく、比べる前に伝えるのが、関係を保つ要になる。
相見積の前に伝えるときは、比べる理由と物差しを話します。「法人の決まりで、この金額の工事は3社の見積を取ります」「今回は工期を重く見ます」といった言い方です。物差しが分かれば、付き合いの長い業者も、そこに合わせた見積を出せます。結果を伝えるときは、選ばなかった理由を1つと、これからも頼みたい仕事をはっきり伝えます。
長い付き合いの業者は、施設の建物の癖をいちばんよく知っている相手でもあります。大きな工事は比べて選び、日ごろの小さな修理は続けて頼む、という分け方もできます。地元の工務店との年間の付き合い方は日常は工務店と年間で付き合い、大きな工事は入札などで比べて選びますにまとめています。候補が1社しかない地域での関係の保ち方は相見積が3社取れない地域でも、判断の材料はそろえられますで書いています。長く頼んだ工務店が廃業や代替わりをしたときの備えは工務店がいなくなる日は、記録と2社目で備えますにあります。
工事や交換の提案は、理由を聞いてから見送ります
点検や修理のついでに、「そろそろ交換したほうがよい」「まとめて改修しませんか」と提案されることがあります。提案は、断る前に理由を聞きます。直さなかったらどうなるか、あと何年持つかを聞いたうえで、今年は見送るか、計画に入れるかを決めます。
提案を見送るときの伝え方| 提案の例 | 先に聞くこと | 見送るときの言い方の例 |
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| 給湯器を、今年のうちに交換したほうがよい | 直さなかったら、どうなりますか。あと何年持ちますか | 今年度は見送り、来年度の予算で考えます。見積だけ残してください |
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| 床の張り替えを、全部の居室でまとめて | いちばん傷んでいる居室はどこですか | 今回は2部屋だけお願いし、残りは計画に入れます |
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| 省エネの機器に替えると、電気代が下がる | 何年で元が取れますか。その根拠は | 数字を書面でいただき、法人で検討してからお返事します |
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| 点検の回数を増やしたほうがよい | 増やさないと、何が起きますか | 今の回数で続け、不具合の件数を見て決め直します |
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見送るときも、提案の中身は書面で残してもらいます。その場では見送った交換が、翌年の修繕の計画の材料になるからです。提案をくれた業者にとっても、計画に入ったことが分かれば、次の機会につながります。
修理で済むか、交換したほうがよいかは、機器の年数、部品の有無、修理の回数で見当がつきます。特殊浴槽を例にした、修理と買い替えを分ける7つのサインは特殊浴槽の修理費は、残りの年数で割って比べますにまとめています。
作業の途中の追加費用は、手を止めてもらってから決めます
作業の途中で、「壁を開けたら、配管の傷みが思ったより広かった」と言われることがあります。追加の費用を断るかどうかは、作業を進めてもらう前に決めます。先に進められてしまうと、断る機会そのものがなくなるからです。
図4 まず手を止めてもらい、安全に関わるかで分ける。
安全に関わる追加とは、水漏れが続く、電気の配線が傷んでいる、床が抜けそう、といったものです。こうした追加は、範囲を絞って認めます。見た目の傷みや、今すぐでなくてよい交換は、今回は見送ります。写真と見積を残してもらい、次の計画に回します。
断るときも認めるときも、写真と理由と金額を受け取り、書面かメールで残します。工事の内容や金額を変えるときは、変更の内容を書面に残すことが、建設業法で決められています。追加の費用でもめないために、契約の前に見積と契約書で確かめる注意点は着工後のトラブルは、契約の前の3つの場面に表れますにまとめています。
契約したあとの解約は、契約書と民法の決まりを先に確かめます
工事や保守の契約を、途中でやめたいこともあります。業者の対応に不安がある、法人の方針が変わった、予算が付かなくなった、といった場合です。契約したあとの解約は、気持ちの問題ではなく、契約と決まりの問題です。伝える前に、契約書の解約の条項と、民法の決まりを確かめます。
契約の種類と、解約の前に確かめること| 契約の種類 | 民法の決まり | 確かめること |
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| 工事の請負(改修・修理) | 仕事が終わる前なら、注文者は損害を賠償して解除できる(第641条) | 進んだ工事の分、発注済みの材料、業者の損害の範囲 |
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| 保守・点検の契約(準委任) | いつでも解除できる。相手に不利な時期の解除などは、損害の賠償が要ることがある(第651条) | 契約書の予告の期間と、申し入れの方法 |
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| 営繕の委託(受付・巡回など) | 多くは準委任で、保守の契約と同じ考え方 | 鍵、記録、機器の一覧の返し方と、引き継ぎの期間 |
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工事の請負は、工事が終わる前であれば、施設の側からいつでも解除できます。ただし、業者が受けた損害を賠償します。すでに終わった工事の分、発注してしまった材料、職人の手配の費用などです。解除の前に、何がどこまで進んでいるかを業者と一緒に確かめ、精算の範囲を話し合います。
保守や点検の契約には、「3か月前までに書面で申し入れる」といった予告の期間が書かれていることがあります。予告の期間を過ぎると、次の期間の費用がかかることがあります。契約書で確かめる点は工事の契約書は、追加と事故の扱いから読みますにまとめています。
断りの文面は、場面ごとに型を作っておきます
断りの文面は、その場で考えると、言い訳が長くなったり、きつくなったりします。場面ごとに型を作っておき、名前と日付と理由を入れ替えて使います。次の文面は、施設が業者に送るメールの例です。
断りの文面の例(施設が送るメール)| 場面 | 文面の例 |
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| 相見積の結果 | このたびは浴室の改修のお見積をありがとうございました。検討の結果、今回は工期を2週間で終えられる会社にお願いすることにしました。現地まで見ていただき、ありがとうございました。給湯の設備のご相談は、引き続きお願いいたします。 |
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| 長い付き合いの業者 | 長年ありがとうございます。屋根の改修は、法人の決まりで3社のお見積を比べ、今回は別の会社にお願いすることになりました。理由は工期です。日ごろの修理は、これまでどおりお願いしたいと考えています。 |
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| 提案の見送り | 給湯器の交換のご提案をありがとうございます。今年度は見送り、来年度の予算で検討いたします。いただいたお見積は、修繕の計画の資料として保管いたします。 |
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| 飛び込みの営業(後日) | 先日はご来訪ありがとうございました。修繕と点検は決まった業者にお願いしているため、今回はご依頼いたしません。資料は保管いたします。 |
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| 保守の契約の解約 | 〇年〇月〇日付の保守の契約を、契約書の第〇条により、〇年〇月末をもって解約したく、お申し入れいたします。鍵と記録の返却の日程をご相談させてください。 |
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文面は例です。施設の名前や日付、理由に合わせて書き換えてお使いください。
どの文面も、結果、理由、お礼、次の機会の4つで組み立てています。理由は1つに絞り、ほかの会社の名前と金額は書きません。法人の決まりで比べたときは、「法人の決まりで」と書くと、担当者の好みで決めたのではないことが伝わります。
職員が受けたときは、預かって担当に回します
営業の電話や飛び込みを受けるのは、事務長や施設長だけではありません。夜勤明けの介護職員や、受付の職員が受けることもあります。職員が困らないよう、受けたときの言い方を3つに決めておきます。
職員が営業を受けたときの言い方| 場面 | 言い方の例 | そのあとにすること |
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| 電話の営業 | 担当の者が不在です。ご用件とお名前を伺い、担当から必要があればご連絡します | 受けた日時、会社名、用件をメモして担当に渡す |
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| 玄関への飛び込み | その場ではお答えできない決まりです。資料だけお預かりします | 建物の中や屋根に案内しない |
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| 工事中の職人からの提案 | ありがとうございます。担当に伝えますので、担当とお話しください | 担当に伝え、職人とその場で約束しない |
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3つに共通するのは、「預かって、担当に回す」ことです。職員がその場で断る必要はなく、決める必要もありません。決める人が決まっていれば、職員は「担当に伝えます」と言うだけで済み、営業の相手にも失礼になりません。
受けた営業のメモは、事務所の決まった場所に集めます。同じ会社から何度も来ていないか、施設長の名前を出していないかが、メモを並べると分かります。業者の連絡先や頼んだ記録をまとめる台帳があれば、断った記録も書き加えます。台帳の作り方は修理業者を毎回探す手間は、業者台帳で消せますにまとめています。
モデルケース:断る基準と文面の型を決めたグループホーム
モデルケース:2ユニット(定員18名)のグループホーム
営業の対応にかかる時間が、月5時間ほどから1時間ほどに
変わったこと(結果)
施設長が、業者を断る基準と文面の型を1枚にまとめ、事務所と職員の休憩室に貼りました。飛び込みや電話の営業への対応にかかる時間は、月5時間ほどから1時間ほどに減りました。相見積で選ばなかった2社も、その後の見積の依頼に返事をくれています。屋根の改修は別の会社に頼みましたが、20年来の工務店には、日ごろの修理を続けて頼んでいます。
背景と、困っていたこと
このグループホームでは、施設長が営繕を兼ねていました。「屋根の板金が浮いている、無料で点検します」という飛び込みの営業が、月に3〜4回ありました。夜勤明けの職員が、屋根に上がってもらう約束をしてしまったこともあります。前の年には、相見積で選ばなかった会社に連絡をしないままにしていて、半年後に雨どいの修理を頼むと、返事がありませんでした。そこへ、約500万円の屋根の改修で、長い付き合いの工務店とほかの2社を比べることになりました。
決めたこと
施設長は、基準を5つに決めました。予約のない営業は、玄関で名刺と資料を預かるだけにし、屋根や機械室には案内しない。その場では契約も約束もしない。相見積の結果は、決めてから3日以内に全社へメールする。長い付き合いの工務店には、相見積の前に施設長が会って伝える。追加の費用は、作業を進める前に施設長へ電話してもらう。文面は、場面ごとに4つの型を作りました。
進めてみて分かったこと
施設長がいちばん迷ったのは、工務店の社長に、比べることを伝える場面でした。相見積の前に会って、「法人の決まりで3社を比べます。今回は工期を重く見ます」と伝えると、社長は工期の内訳を細かく書いた見積を出してきました。結果は別の会社になりましたが、理由を工期と伝えると、次の見積から工期の書き方を変えてくれました。