営繕の外注費は、4つの料金の形に分かれます
介護施設の営繕を外に頼むと、費用は4つの形のどれかで示されます。1つめは職人の手間を日や時間で数える人工単価、2つめは直した数量で払う出来高です。3つめは毎月決まった額の定額、4つめは使った材料と手間をあとで精算する実費精算です。同じ修理でも、形が違えば見積の数字の並び方が変わります。
営繕の料金の4つの形| 形 | 払い方 | 向いている仕事 | 気をつけること |
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| 人工単価 | 職人1人1日(または半日)いくら×人数×日数 | 中身が読みにくい修理、調べながら直す仕事 | 何人で何日かかったかを、報告で確かめる |
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| 出来高 | 1か所・1台・1㎡いくら×数量 | 中身と数量がはっきりした修理(手すり、照明、建具) | 見積の数量と、実際に直した数が合っているか |
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| 定額 | 毎月や1回ごとに決まった額 | 回数が決まった巡回・点検・受付 | 修理まで含めると、上乗せや対象外が増える |
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| 実費精算 | 材料は伝票どおり、手間は時間×単価、経費は決めた率 | 開けてみないと中身が分からない修理 | 伝票を見せてもらえるか。経費の率を先に決める |
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図1 何に対して払うかで、料金の形は4つに分かれる。
どの形が得かは、仕事の中身で決まります。中身と数量がはっきりした修理は出来高、中身が読めない修理は人工単価か実費精算、回数の決まった仕事は定額が向いています。1つの会社が、仕事によって形を使い分けることもあります。
形が違う見積どうしは、金額をそのまま並べても比べられません。人工単価の見積に部品代が入っていない、出来高の見積に出張費が入っていない、ということがあるからです。比べ方は、このあとの節で順に書きます。
相場の目安は、工事の種類と規模で見ます
料金の形とは別に、工事の種類ごとの金額の幅を知っておくと、見積が大きく外れていないかの見当がつきます。介護施設で多い工事の目安は次のとおりです。金額は建物の規模・地域・時期・建物の状態で変わるので、幅で見ます。
介護施設で多い工事の費用の目安(当窓口の目安)| 工事 | 費用の目安 | 工期 | 見積の形の例 |
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| 建具の調整・照明の交換 | 5,000円〜3万円 | 即日〜3日 | 出来高、人工単価 |
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| 水漏れ・詰まりの修理 | 1万5,000円〜8万円 | 即日〜2日 | 出来高、人工単価 |
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| 手すりの設置・補修 | 1か所1万円〜5万円 | 1〜5日 | 出来高 |
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| 特殊浴槽の修理 | 3万〜80万円 | 即日〜3週間 | 実費精算、出来高 |
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| エアコンの交換(1台) | 20万〜60万円 | 半日〜3日 | 工事ごとの見積 |
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| 給湯器の交換(業務用1台) | 80万〜400万円 | 3日〜3週間 | 工事ごとの見積 |
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小さな修理の幅が広いのは、部品の値段と作業の時間が修理ごとに違うからです。たとえば水栓のパッキンの交換と、壁の中の配管からの水漏れでは、同じ「水漏れの修理」でも手間が何倍も違います。見積が幅のどこにあるかを見るときは、何を直すのかを1行ずつ確かめます。
入居者の方が暮らしている中の工事では、仮設・養生・時間帯の割増が、総額の2割〜4割になることがあります。同じ工事でも、人のいない建物より高くなるのはこのためです。この部分の中身と確かめ方は仮設・養生・割増の割合は、施設が渡す条件で変わりますにまとめています。
人工単価は、職人1人が1日働く手間の値段です
人工(にんく)は、職人1人が1日働く手間を1と数える単位です。人工単価は、その1日分の値段です。見積の人工単価が高いか安いかを判断するには、公共工事の積算に使われる国の単価が物差しになります。
国土交通省は令和8年2月、令和8年3月から使う公共工事設計労務単価を公表しました。全国・全職種の加重平均は2万5,834円です。この単価は職人に払う賃金にあたる額で、法定福利費の事業主の負担分や安全管理の費用などの必要経費は含みません。国は、必要経費を足した参考値もあわせて示しています。
職人1人1日の物差し(公共工事設計労務単価・東京都・令和8年3月から)| 職種 | 単価 | 必要経費を足した参考値 |
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| 大工 | 3万600円 | 4万5,200円 |
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| 配管工 | 3万100円 | 4万4,500円 |
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| 電工 | 3万4,300円 | 5万700円 |
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| 内装工 | 3万3,400円 | 4万9,300円 |
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| 塗装工 | 3万6,500円 | 5万3,900円 |
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| 普通作業員 | 2万7,000円 | 3万9,900円 |
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出典:国土交通省「令和8年3月から適用する公共工事設計労務単価について」。1日8時間あたりの額です。大工の単価は神奈川県が3万400円(参考値4万4,900円)、大阪府が2万9,300円(参考値4万3,300円)です。地域によって差があります。
民間の修繕の見積に出てくる人工単価には、これに会社の経費と利益が加わります。反対に、小さな修理を受ける会社では、移動や材料の手配を別の行に分けて、人工単価を低く見せていることもあります。人工単価の数字だけで比べず、1回の訪問で払う合計で比べます。
図2 物差しと大きく違うときは、ほかの行に何が回っているかを聞く。
時間外・休日・深夜の作業は、労働基準法で賃金の割増が決まっているため、業者の見積でも割増になります。割増が何割かは会社で違うので、平日の日中、夜間、休日に分けて先に聞いておきます。人工という単位のせいで小さな工事が断られやすい理由は小さい工事が断られるのは、1人工という単位のせいですで書いています。
出来高は、数量と単価がそろっているかを見ます
出来高は、「手すり1か所いくら」「照明1台いくら」「床1㎡いくら」のように、直した数量に単価を掛けて払う形です。中身がはっきりしている修理では、いちばん比べやすい形です。
出来高で頼むことが多い仕事と、数量の単位| 仕事 | 数量の単位 | 確かめること |
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| 手すりの設置・補修 | 1か所、1m | 壁の下地の補強が入るか。入るなら別の行か |
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| 照明の交換 | 1台 | 器具ごとか、ランプだけか。古い器具の処分は入るか |
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| 建具の調整 | 1枚、1か所 | 戸車やドアクローザーの部品代が入るか |
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| 床の張り替え | 1㎡ | 家具の移動、古い床の撤去、段差の調整が入るか |
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| 壁紙の張り替え | 1㎡、1m | 下地の補修が入るか。天井まで含むか |
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出来高の見積で気をつけたいのは、数量です。単価が安くても、見積の数量が実際より多ければ、払う額は増えます。工事のあとに、直した数を写真と一覧で受け取り、見積の数量と合っているかを確かめます。
「一式」とだけ書かれた見積は、数量も単価も分かりません。数量と単価に分けてもらう頼み方は「一式」を分けてもらえば、1社の見積でも判断できますにまとめています。
定額と実費精算は、払う対象が違います
定額は、毎月や1回ごとに決まった額を払う形です。払っているのは、決まった日に来てもらう枠と、巡回・点検・受付の手間です。予算が平らになるのが利点です。ただ、修理そのものまで定額に含めると、業者は読めない分を上乗せするか、対象を狭く書くことになります。
実費精算は、使った材料を仕入れの伝票どおりに払い、手間は時間×単価で払い、そこに決めた率の経費を足す形です。開けてみないと中身が分からない修理に向いています。仕入れの伝票を見せてもらえるか、経費の率をいくらにするかを、仕事の前に決めておきます。
図3 定額は「枠と手間」に、実費精算は「使った分」に払う。
修理まで定額にしにくい理由と、定額の範囲の決め方は営繕の定額契約は、読める仕事だけを定額にしますにまとめています。定期の巡回の頻度と範囲の決め方は定期の営繕契約は、頻度・範囲・費用の順に決めますで書いています。
出張費と最低料金は、訪問1回ごとにかかります
営繕の費用で見落としやすいのが、出張費と最低料金です。どちらも作業の中身とは別に、業者が施設に来るたびにかかる費用です。小さな修理を1件ずつ頼むほど、この部分の割合が大きくなります。
出張費と最低料金の書かれ方| 書かれ方 | 中身 | 確かめること |
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| 出張費が別の行 | 訪問1回ごとに決まった額 | 同じ日に何件直しても1回分か |
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| 距離で変わる出張費 | 会社からの距離、有料道路や駐車場の代金 | 施設の敷地に車を止められるか |
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| 人工に含む | 移動の時間も手間に入れて数える | 移動を何時間分で数えているか |
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| 最低料金 | 半日分・1日分・1件いくらを下限にする | 10分の作業でも下限の額になるか |
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| 出張費なし | 見積や下見の訪問は無料 | 作業をしたときの下限はいくらか |
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出張費と最低料金を小さくするいちばんの方法は、急がない修理をためて、同じ日にまとめて直してもらうことです。たとえば出張費が1回5,000円なら、3件を別々の日に頼むと1万5,000円です。同じ日にまとめれば5,000円で済みます(数字は計算のための例です)。
駐車場も費用に響きます。施設の敷地に作業の車を止められないと、近くの駐車場の代金が見積に乗ることがあります。業者に来てもらう前に、車を止める場所と入館の手順を伝えておきます。
同じ修理でも、7つの条件で金額が変わります
同じ修理でも、条件が違えば金額が変わります。見積を比べる前に、次の7つの条件が各社でそろっているかを確かめます。
金額が変わる7つの条件| 条件 | 金額が上がる場面 | 確かめ方 |
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| 時間帯 | 夜間・早朝・休日の作業 | 作業の時間帯を、見積の条件に書く |
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| 入居者がいる中の工事 | 養生・仮設・作業の中断 | 居室か共用部か、使いながらの工事か |
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| 建物の状態 | 下地の傷み、古い部品の入手 | 現地を見てから見積を出してもらう |
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| 部品の取り寄せ | メーカーの専用部品、製造の終わった部品 | 型番と、取り寄せにかかる日数 |
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| 数量 | 1件だけの小さな仕事 | 同じ日にまとめられる修理がないか |
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| 地域と距離 | 業者の拠点から遠い施設 | 近くに頼める業者がいるか |
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| 時期 | 夏の空調、冬の給湯、年度末の混み合い | 急がない工事は時期をずらす |
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7つのうち、施設が動かせるのは時間帯・数量・時期の3つです。急がない修理を平日の日中にまとめ、混み合う時期を外して頼むと、同じ修理でも金額が下がることがあります。
もう1つ、金額の桁を大きく変えるのが、修理で済むか交換になるかの分かれ目です。エアコンなら、交換は1台20万〜60万円になります(当窓口の目安)。施設だけでは判断しにくいので、修理と交換の両方の見積と説明を受けてから決めます。
施設側としては、修理で済むのか、交換したほうがいいのか判断しづらかったのですが、必要な対応について説明してもらえたので、施設長とも相談しながら進めることができました。
ご利用者の声 東京都内・介護施設/事務長
取材にもとづき掲載しています(施設名は非公開)。内容はご本人の申告によるもので、個人の感想です。
見積は、形ごとに見る行が違います
見積を受け取ったら、まず4つの形のどれで書かれているかを見分けます。形によって、確かめる行が違います。
形ごとに、見積で見る行| 形 | 見る行 | 聞き方の例 |
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| 人工単価 | 人数・日数・単価、移動の時間の扱い | 「何人で何日の見込みですか。移動は人工に入っていますか」 |
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| 出来高 | 数量・単位・単価、下地や処分の行 | 「数量は現地で数えましたか。処分は入っていますか」 |
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| 定額 | 含まれる回数・時間・作業、対象外の一覧 | 「月額に含まれない作業は何ですか」 |
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| 実費精算 | 材料の伝票、時間の記録、経費の率 | 「仕入れの伝票を見せてもらえますか」 |
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図4 「一式」の見積も、5つの行に分けてもらうと比べられる。
5つの行がそろうと、形の違う見積どうしでも比べられるようになります。たとえば人工単価が高く見えた会社が、出張費と部品代を含めた合計では安い、ということが分かります。
比べるときは、同じ条件で見積を頼むことが前提です。時間帯や範囲が会社ごとに違う見積は、金額だけを並べても比べられません。見積の条件のそろえ方は見積の比較表は、条件書で6つをそろえてから作りますにまとめています。
年間の費用は、件数×1件あたりで見積もります
「営繕を外注すると年にいくらかかるか」は、前の年の件数をもとに見積もれます。小さな修理、設備の修理、定額の分、大きな工事の4つに分けて足し合わせます。大きな工事は年によって大きく動くので、ほかの3つとは別の枠で見ます。
図5 前の年の件数に1件あたりの額を掛け、定額の分と足す。大きな工事は別の枠にする。
年間の外注費の見積もり(例)| 区分 | 数え方 | 計算の例 |
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| 小さな修理 | 件数×1件あたり | 年96件×1件平均1万5,000円=144万円 |
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| 設備の修理 | 件数×1件あたり | 年8件×1件平均15万円=120万円 |
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| 定額の分 | 1回の額×回数 | 月1回の巡回×12回×1回5万円=60万円 |
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| 大きな工事 | 計画と見積から | 別の枠で見る(年によって0円から数千万円まで動く) |
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数字は計算の例です。1件あたりの額は、自分の施設の前の年の請求書から出します。
1件あたりの額は、前の年の請求書の合計を件数で割ると出ます。請求書が「修繕一式」とまとめられていて件数が分からないときは、修理の記録や申し送りのノートから件数を数え直します。
定額の巡回を入れると、小さな修理の1件あたりの額が下がることがあります。出張費と最低料金が、巡回の額の中にまとまるからです。定額を入れる前と後の両方で年間の額を出し、差を見て決めます。
前の年より修繕費が増えたときの読み方は介護施設の修繕費は、相場より5年分の実績で読みますにまとめています。翌年度の予算に入れる手順は修繕の予算は、前の年の秋から3つの区分で組みますで書いています。
モデルケース:形のばらばらな見積を、年間の額に直したサ高住
モデルケース:48戸のサービス付き高齢者向け住宅(デイサービス併設)
3社の見積を、1枚の比較表で説明できた
変わったこと(結果)
形のばらばらな3社の見積を、前の年の件数で年間の額に直して1枚に並べました。2週間迷っていた比較が半日で終わり、法人本部への説明も1回の会議で済みました。月々の額がいちばん小さく見えた会社が、年間の額では2番目だったことも分かりました。
背景と、困っていたこと
この住宅では、営繕の担当者が退職し、修理を外に頼むことになりました。3社に見積を頼むと、答えの形がばらばらでした。A社は職人1人1日いくらの人工単価、B社は月1回の巡回の月額、C社は修理1件ごとの単価表です。施設長は、どれがいちばん安いのか分からず、本部に出す資料も作れずにいました。
決めたこと
施設長は、前の年の請求書と申し送りのノートから修理を数えました。小さな修理が年に70件ほど、設備の修理が6件でした。この件数を3社の見積に当てはめ、出張費と部品代を行に分けて年間の額を出しました。B社の月額には部品が含まれず、C社の単価には出張費が別にかかることも、行に分けて初めて分かりました。最後は、年間の額と、急ぎのときに来られるまでの時間の2つで決めました。
進めてみて分かったこと
1年後に実際の件数と比べると、見込みとの差は1割ほどでした。翌年からは、同じ表に前の年の実績を入れて、見積を取り直すかどうかを決めています。