社会福祉法人の相見積は、原則3社以上。400万円以下の工事は2社以上です
社会福祉法人が修繕の工事を随意契約で頼むとき、見積を何社から取るかは、国の通知で決まっています。通知は、3社以上の業者から見積を取って比べるなどして、適正な価格を客観的に判断することを求めています。そのうえで、工事の請負で予定価格が400万円を超えない場合は、2社以上の見積で差し支えないとしています。
この400万円の線は、令和8年3月17日の改正で250万円から上がり、令和8年4月1日から適用されています。同じ改正で、食料品や物品などの買入れは160万円から300万円に上がりました。それ以外の契約は、100万円から200万円です。
社会福祉法人の契約の決まり(国の通知の要点)| 決まり | 中身 | 修繕で気をつけること |
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| 契約の方法 | 原則は一般競争入札。決められた場合に、指名競争入札や随意契約を使える | 修繕の多くは、金額の線の内側で随意契約になる |
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| 金額で随意契約にできる上限 | 予定価格1,000万円以下(会計監査を受けない法人)。会計監査を受ける法人は別の線 | 1,000万円を超える工事は、例外に当たらなければ入札で決める |
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| 随意契約のときの見積 | 3社以上から見積を取って比べるなどして、適正な価格を判断する | 比べるには、各社に同じ条件で頼む |
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| 2社で足りる上限 | 工事又は製造の請負400万円、食料品・物品等の買入れ300万円、それ以外200万円 | 令和8年3月までは、250万円・160万円・100万円だった |
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| 金額によらず随意契約にできる場合 | 設備の故障に伴う緊急の復旧工事、特殊な技術や設備が要る工事など | 1社で進めるときは、理由を決定書に残す |
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| 公平性と透明性 | 見積を取る業者と契約の金額を決めるとき、公平性と透明性に十分気を配る | 声をかける業者を、担当者の好みで決めない |
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| 決定と報告 | 決定書(伺書)などで決定の過程を明らかにする。重要な契約は理事会で決め、結果を報告する | 誰が、いつ、何を根拠に決めたかを残す |
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図1 会計監査を受けない法人が、工事を頼むときの線(令和8年4月から)。
通知は、一般競争入札を契約の方法の原則とし、決められた場合に指名競争入札や随意契約を使えるとしています。修繕の多くは金額の線の内側で随意契約になり、そのときに見積合わせの社数がかかります。会計監査を受けない法人で予定価格が1,000万円を超える工事は、例外に当たらなければ入札で決めます。
入札にする工事では、全社に同じ仕様書を渡し、現場の説明をそろえ、決めた日に開札します。入札の進め方は日常は工務店と年間で付き合い、大きな工事は入札などで比べて選びますにまとめています。会計監査を受ける大きな法人は、随意契約にできる上限が建築工事20億円などと別に示されています。法人の経理規程で線を確かめます。
修繕の費用の目安に当てはめると、社数の見当がつきます
社数の線を、修繕の費用の目安に当てはめてみます。費用の幅は当窓口の目安で、規模・地域・時期・建物の状態で変わります。工事の請負として契約する場合の見当です。
修繕の種類ごとの、社数の見当(社会福祉法人・工事の請負)| 修繕 | 費用の目安(当窓口) | 社数の見当 |
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| 手すりの設置・補修 | 1か所1万円〜5万円 | 2社以上。何か所かまとめるなら合計で見る |
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| 水漏れ・詰まりの修理 | 1万5,000円〜8万円 | 2社以上。止まった水回りの緊急の復旧は1社で進め、理由を残す |
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| エアコンの交換(1台) | 20万〜60万円 | 2社以上。何台かまとめるなら合計で見る |
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| 給湯器の交換(業務用1台) | 80万〜400万円 | 2社以上。400万円の前後なら初めから3社 |
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| 特殊浴槽の入替 | 350万〜1,100万円 | 3社以上が多い。1,000万円を超えれば入札が原則 |
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| 屋上防水の改修 | 500万〜3,000万円 | 3社以上。1,000万円を超えれば入札が原則 |
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| 外壁の塗装・補修 | 800万〜3,000万円 | 3社以上か入札 |
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費用の目安は当窓口の目安です。社数は、実際の予定価格と法人の経理規程で決めます。
社数は、届いた見積の金額ではなく、契約の前に法人が見込む予定価格で決めます。見込みが400万円の前後なら、初めから3社に頼んでおくと、見積が線を超えたときに頼み直さずに済みます。給湯器の交換や特殊浴槽の入替は、この前後に入りやすい工事です。
エアコンを何台か、手すりを何か所かまとめて頼むときは、1件の契約の合計で線を見ます。反対に、線を下回らせるために1つの工事を分けることは、公平性と透明性を求める通知の趣旨に合いません。分けるときは、場所や時期が別の工事だと説明できるようにしておきます。
機器の本体を物品の買入れとして、取り付けを工事として別に契約することもあります。そのときは、本体の側を物品の線(2社で足りるのは300万円まで)で見ます。どちらの形で契約するかは、見積を頼む前に経理の担当と決めます。1件の請負代金が500万円以上(建築一式は1,500万円以上)の工事は、その業種の建設業の許可を持つ会社に頼みます。
通知の次に、法人の経理規程で線を確かめます
国の通知は考え方の基準で、実際の決まりは各法人の経理規程に書かれています。規程が、通知より厳しい線を決めていることもあります。改正のあとに規程を改めていない法人では、2社で足りる線が250万円のままになっていることがあります。
経理規程で確かめる5つのこと| 確かめること | 見る条文や書類 | よくある食い違い |
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| 2社で足りる線 | 見積合わせの条文 | 改正前の250万円のまま |
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| 入札にする線 | 契約の方法の条文 | 1,000万円の線や、指名競争入札の扱いが古い |
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| 決める人の金額 | 専決の規程(理事長・施設長がいくらまで決めるか) | 決める人の線と、社数の線が合っていない |
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| 1社で進める場合 | 随意契約の理由の条文 | 緊急のときの手順が書かれていない |
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| 記録の形 | 決定書(伺書)と、見積の比べ方の様式 | 様式がなく、担当者ごとに残し方が違う |
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規程を改めるときは、法人の決まりに沿って理事会で決めます。改めるまでのあいだは、今の規程の線に従います。通知の線のほうが緩くても、規程の線が厳しければ規程に合わせます。
決めた過程も残します。通知は、決定書(伺書)などで、法人としての決定の過程を明らかにすることを求めています。重要な契約は理事会で決め、理事長などは契約の結果などを理事会に報告します(社会福祉法第45条の16第3項)。
決定書には、声をかけた業者、見積の金額、選んだ理由、決めた人と日付を書きます。比べた表も一緒に綴じておくと、あとで聞かれたときにそのまま見せられます。稟議書の組み立て方は修繕の稟議書は、承認者の4つの問いに答えて書きますにまとめています。
なぜ3社なのか。2社と3社では、見えるものが違います
3社という数には、比べる側の理由があります。2社の見積の金額が違うとき、どちらが外れているのかは、2社だけでは分かりません。3社あれば真ん中の金額ができ、1社だけ離れている行に気づけます。
図2 3社あれば、差のある行の理由を聞きやすくなる。
見積の社数ごとの、よい点と気をつける点| 社数 | よい点 | 気をつける点 |
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| 1社 | 早く決まる。業者との関係を保ちやすい | 比べる相手がない。金額を確かめた材料と理由が要る |
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| 2社 | 手間が少ない。差があるかは分かる | どちらが外れているかが分かりにくい |
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| 3社 | 真ん中ができ、離れた行に気づける | 現地の立ち会いと比べる手間が、1社の3回分になる |
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| 4社以上 | 辞退が出ても、要る社数が残る | 施設の手間が増える。選ばれる見込みが低いと感じた業者の見積が粗くなることがある |
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3社の見積を比べるときは、合計より行ごとに見ます。合計が近くても、ある行は高く、別の行は抜けている、ということがあるからです。1社の見積の中身の読み方(一式の分け方や数量の割り戻し)は「一式」を分けてもらえば、1社の見積でも判断できますにまとめています。
見積は無料のことが多いものの、業者にとっては手間のかかる仕事です。現地を見て寸法や数量を拾い、材料の値段を調べて見積書を作ります。大きな工事では、見積が届くまでに2週間以上かかることもあります。施設の側も、現地の立ち会いに1社1〜2時間かかり、質問への答えはすべての社に同じ内容で返します。
選ぶつもりのない会社に、数を合わせるためだけに見積を頼むと、業者にもそれが伝わります。手間をかけても選ばれないと分かれば、次からは見積を断られるようになります。大規模修繕のように辞退が出やすい工事では、4〜5社に声をかけることもあります。それでも多くの工事では、決まりで要る数に1社足した程度が扱いやすい数です。
1社で進めてよいのは、緊急の復旧や専用の機器の工事などです
通知は、金額にかかわらず随意契約にできる場合を挙げています。修繕で当てはまりやすいのは、電気や機械設備などの故障に伴う緊急の復旧工事と、特殊な技術や機器・設備が要る工事です。既にある設備と切り離せない工事も挙げられています。
こうした場合は、見積を比べる相手がいないこともあり、1社と話を進めることがあります。そのときも、金額が適正かを確かめた材料と、1社にした理由を書面に残します。
図3 1社で進めるときは、当たる理由を書面に残す。
1社で進めることがある場面と、残す記録| 場面 | 例 | 残す記録 |
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| 緊急の復旧 | 給湯器や空調が止まり、入浴や室温に関わる | 止まった日時、入居者の方への影響、急いだ理由 |
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| 専用の機器 | 特殊浴槽、ナースコール、昇降機の部品の交換 | メーカーや代理店しか部品を扱えないことを確かめた記録 |
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| 既設の設備と切り離せない | 今ある機器の系統に、同じ仕様で足す | ほかの会社では合わない理由 |
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| 災害のあとの応急 | 雨漏りの応急の手当て、割れたガラスの仮の処置 | 被害の写真と、応急に絞った範囲 |
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| 規程で決めた少額の修理 | 経理規程に、1社でよいとする金額がある場合 | 規程の条文と、その金額 |
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緊急のときは、止まった設備を動かす応急の工事だけを1社に頼みます。本格的な修理や交換は改めて見積を比べる、と分けると説明がしやすくなります。至急で交換するとき、納期を左右する在庫・日程・決裁の3つは至急で交換したいとき、納期を決めているのは3つですで書いています。
専用の機器も、本当に1社しかないかを確かめます。ナースコールのように、本体は代理店に頼む機器でも、ほかの会社が直せる部分があることもあります。代理店以外に頼めるかの見分け方はナースコールの修理、代理店以外に頼めるかにあります。
株式会社や医療法人は、社内の規程で社数を決めます
株式会社や医療法人、NPO法人などには、社会福祉法人のような国の通知はありません。何社から見積を取るかは、会社の稟議や購買の規程で決めます。規程がないと、担当者ごとに社数がばらばらになり、本部への説明のたびに聞き直されます。
図4 金額だけでなく、比べる材料と急ぎも合わせて社数を決める。
社内の規程で社数を決めるときの例| 金額の帯 | 社数の例 | 添えるもの |
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| 30万円未満 | 1社 | 前回の見積や、1か所・1台あたりの単価との比べ |
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| 30万〜400万円 | 2社 | 同じ条件で頼んだ見積の比較表 |
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| 400万円を超える | 3社 | 比較表と、選んだ理由 |
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| 数千万円の大規模修繕 | 3〜5社か、設計者を入れた入札 | 仕様書と、決め方の基準 |
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金額の線は例です。法人の規模と、年間の修繕の件数に合わせて決めます。
3つの物差しのうち、比べる材料は見落とされがちです。同じ工事の前回の見積や、1か所・1台あたりの単価の記録があれば、少ない社数でも金額を確かめられます。記録がない工事ほど、社数を増やします。急ぎの故障は、応急の手当てを1社に頼み、本格的な修理で比べる、という分け方が使えます。
法人の形にかかわらず、補助金を使う工事では、補助の要綱で見積の社数や入札が決まっていることがあります。その場合は、補助の決まりが先です。補助を使うときの業者の選び方は補助を使う工事では、相見積か入札かを交付の条件で確かめますにまとめています。
グループの中に社会福祉法人と株式会社の両方があるなら、株式会社の線も400万円にそろえておきます。担当者が1つの表で動けます。施設ごとに線が違うと、異動した担当者が迷いやすくなります。
3社がそろわないとき、急ぐとき、同じ業者に頼み続けているとき
地方の施設では、その分野の業者が少なく、3社がそろわないことがあります。そのときは、声をかけた業者と辞退の理由、金額を確かめた材料を残します。過去の記録や単価で判断する方法と、1社しかない業者との関係の保ち方は相見積が3社取れない地域でも、判断の材料はそろえられますで書いています。
候補を急いでそろえるときは、同じ依頼文を一度に送り、現地確認の日を早めに決めます。3日で3社の候補をそろえる段取りは3日でそろえるのは、見積ではなく候補と日程ですにまとめています。候補を探す手間について、窓口をお使いの方からは次のような声をいただいています。
何より助かったのは、私自身が一から業者を探して何社にも電話をする必要がなかったことです。
ご利用者の声 東京都内・介護施設/事務長
取材にもとづき掲載しています(施設名は非公開)。内容はご本人の申告によるもので、個人の感想です。
長く付き合いのある業者は、建物の癖をよく知っています。ただ、ずっと1社に頼むと、単価が適正かを確かめる機会がなくなります。社会福祉法人なら、付き合いの長さにかかわらず、規程どおりの社数が要ります。株式会社などでも、次のように比べる機会を決めておくと、関係を保ちながら単価を確かめられます。
- 比べる時期を決める年に1回、または同じ種類の工事の3回に1回は、相見積で比べます。
- 前もって伝える「法人の決まりで、今回はほかの会社にも見積を頼みます」と、頼む前に伝えます。
- 同じ条件で頼む付き合いの長い業者にも、ほかの会社と同じ条件の文で頼みます。
- 結果を伝える選んだときも選ばなかったときも、理由を短く伝えます。
依頼から決定までは、6つの段で進めます
相見積は、見積を頼む前の段取りで、ほとんどが決まります。金額の見込みと決まりを先に確かめ、候補を選び、同じ条件で頼みます。6つの段に分けると、次のようになります。
図5 社数は、見積を頼む前の2つ目の段で決める。
6つの段ですることと、日数の目安| 段 | すること | 日数の目安 |
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| 1. 金額を見込む | 前回の記録や当窓口の目安から、予定価格を見込む | 1〜3日 |
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| 2. 決まりで社数を確かめる | 経理規程と通知の線で、社数と契約の方法を決める | 1日 |
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| 3. 候補を選ぶ | 許可と保険を確かめ、要る数に1社足して選ぶ | 1〜3日 |
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| 4. 同じ条件で見積を頼む | 同じ条件書と同じ文で頼み、現地調査の日を決める | 見積が届くまで1〜3週間 |
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| 5. 比べて決め、記録する | 行ごとに比べ、決定書に選んだ理由を書く | 1〜2週間(理事会の日程による) |
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| 6. 選ばなかった会社に伝える | お礼と結果と短い理由を伝える | 決めた日か翌日 |
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日数は目安です。工事の大きさと、法人の決裁の流れで変わります。
4つ目の段で条件がそろっていないと、5つ目の段で比べられません。範囲・工法・時間帯・養生・処分・保証をそろえる条件書と、見積の比較表の作り方は見積の比較表は、条件書で6つをそろえてから作りますにまとめています。
3つ目の段では、候補の会社が頼む工事の業種の許可を持っているかも確かめます。500万円以上(建築一式は1,500万円以上)の工事では、許可のない会社は比べたあとに外すことになります。そうなると、社数が足りなくなります。
選ばなかった会社には、結果と短い理由を早めに伝えます
見積を出してくれた会社には、選ばなかった場合も結果を伝えます。連絡のないまま工事が始まると、業者は次の見積を引き受けにくくなります。決めた日のうちか、翌日までに伝えます。
伝えることは4つです。見積の手間へのお礼、今回は見送るという結果、短い理由、次の機会への一言です。理由は、金額で決めたのか、工事の時間帯などの条件で決めたのかを、事実で短く書きます。
断りの連絡の文面の例| 場面 | 文面の例 |
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| 金額で決めたとき | 「このたびはお見積をありがとうございました。法人の決まりに沿って3社のお見積を比べ、今回は別の会社にお願いすることになりました。金額の差によるものです。次の工事の際も、ご相談させてください。」 |
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| 条件で決めたとき | 「お見積をありがとうございました。今回は、入浴の時間を避けた作業の日程が合った会社にお願いすることになりました。丁寧なご提案に感謝しております。また別の工事でご相談させてください。」 |
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| 工事を見送るとき | 「お見積をありがとうございました。予算の都合で、今回の工事は来年度に見送ることになりました。改めて計画が決まりましたら、こちらからご連絡します。」 |
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選んだ会社の金額や、ほかの会社の見積書は渡しません。次の見積から、その金額に寄せた見積が出るようになり、比べる意味が薄れるからです。理由を聞かれたら、自社の見積のどこを見直すとよいか(工法や時間帯の考え方など)を伝える程度にとどめます。
断る場面は、相見積で選ばなかったときのほかにも、飛び込みの営業や、長い付き合いの業者からの提案などがあります。6つの場面ごとの伝え方と文面は断り方で、次に頼める関係が残るかが決まりますにまとめています。
モデルケース:経理規程の線が改正前のままだった特別養護老人ホーム
モデルケース:定員50名の特別養護老人ホーム(社会福祉法人)
金額の帯ごとの社数を1枚にまとめ、見積の頼み直しがなくなった
変わったこと(結果)
金額の帯ごとの社数を1枚の表にまとめてから、見積の頼み直しがなくなりました。前の年度は、見積が届いてから社数が足りないと分かる頼み直しが3件あり、そのたびに決まるまでが3週間ほど延びていました。今年度は4月から9月までの修繕12件で、頼み直しは0件です。見積を頼んだ延べの社数も、前の年度の同じ時期の31社から24社に減りました。
背景と、困っていたこと
この特養では、事務長が修繕の手配を一人で担っていました。経理規程の2社で足りる線は、改正前の250万円のままでした。数万円の修理でも念のためと3社に声をかけ、辞退されることもありました。いっぽう、給湯器の交換(見込みは約320万円)では2社の見積で稟議を出し、法人の本部から、規程では3社が要ると差し戻されました。3社目を探すのに3週間かかり、その間は仮設の給湯器を借りていました。
決めたこと
事務長は、通知の改正と経理規程を並べた資料を作り、理事会で規程の線を400万円に改めました。あわせて、金額の帯ごとの社数を1枚の表にまとめ、予定価格の見込みが350万円を超えたら初めから3社に頼む、と決めました。緊急の復旧は応急の工事だけを1社に頼み、その日のうちに決定書に理由を書くことにしました。
進めてみて分かったこと
初めにためらったのは、2社に減らすと、比べ方が甘くなったと見られないかという点でした。比較表と選んだ理由を毎回決定書に綴じるようにすると、理事会でも聞き返されなくなりました。業者にも「今回は2社で比べます」と初めに伝えるようにして、辞退が減りました。