改修の前の石綿の事前調査は、介護施設でも要ります
介護施設の改修工事でも、石綿(アスベスト)の事前調査は要ります。建物の一部を壊す、削る、はがすといった工事では、工事の前に石綿が使われていないかを調べることが法令で決まっています。建物の用途や、工事の金額の大小は関係ありません。外壁の塗り替えで古い塗膜を削る、居室の床を張り替える、設備の更新で天井を開ける、といった大規模修繕の工事は、ほとんどが当てはまります。
工事の種類ごとの、事前調査と結果の報告| 工事の例 | 事前調査 | 結果の報告 |
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| 外壁の塗り替えと補修 | 要る | 請負金額が税込100万円以上なら要る |
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| 屋上や屋根の防水の改修 | 要る | 請負金額が税込100万円以上なら要る |
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| 居室や廊下の床の張り替え | 要る | 請負金額が税込100万円以上なら要る |
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| 設備の更新で、天井や壁を開ける | 要る | 請負金額が税込100万円以上なら要る |
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| 増築などで、建物の一部を解体する | 要る | 解体する部分の床面積が80㎡以上なら要る |
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| 建材を壊さない作業(電球の交換など) | 要らないものがある | 要らない |
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結果の報告は、調査とは別の決まりです。改修工事は請負金額が税込100万円以上、解体工事は解体する部分の床面積が80㎡以上のときに、国の報告システムで工事の前に報告します。調査そのものは、報告が要らない小さな工事でも省けません。どの作業が調査の対象から外れるかは、工事の業者に確かめます。
図1 着工の時期で、調べ方と日数が変わる。
2006年9月1日以降に着工した建物は、設計図書などで着工の日を確かめれば、目視などの調査を省けます。それより前に着工した建物は、石綿を含む建材が使われている可能性があります。築20年を超える介護施設は、こちらに当たります。築18〜19年の建物でも、着工が2006年9月より前なら同じです。書面と目視で調べ、分からない建材は分析に回すか、石綿が含まれているものとみなして対策をとります。
調べるのは元請業者で、施設は図面と記録を渡します
石綿の事前調査を行い、結果を報告するのは、工事を請け負う元請業者です。2023年10月からは、建物の事前調査は、一般建築物石綿含有建材調査者や特定建築物石綿含有建材調査者などの資格を持つ人が行うことになりました。施設は工事の発注者として、図面や過去の工事の記録を渡し、調査と対策に要る費用と工期に配慮します。
石綿の事前調査で、誰が何をするか| 担い手 | すること | 時期 |
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| 施設(発注者) | 図面・過去の工事の記録・以前の調査の結果を渡す。調査と対策の費用と工期に配慮する | 見積を頼むとき |
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| 元請業者 | 資格者に調べさせ、結果を書面で施設に説明する。調査の記録を3年残す | 工事の前 |
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| 資格者(調査者) | 書面と目視で調べ、分からない建材は試料を取る | 設計か工事の前 |
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| 分析の機関 | 取った試料に石綿が含まれるかを調べる | 分析を頼んでから結果まで |
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| 元請業者(報告と掲示) | 対象の工事は報告システムで報告し、結果の概要を現場に掲示する | 工事を始める前 |
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図2 分析調査まで進むかどうかで、日数と費用が変わる。
施設の側でそろえる材料が多いほど、調査は早く進みます。竣工図や仕上げの表、以前の改修の仕様書、建物の着工の日が分かる書類(確認済証など)を探しておきます。以前に石綿の調査をしたことがあれば、その報告書も渡します。調査の日には、写真の撮影や、天井の点検口を開けることを許しておきます。
法令で調査の責任を負うのは元請業者です。ただ、大規模修繕では、設計の段階で施設の側から資格者に調査を頼み、その結果を仕様書と見積の条件に入れておく進め方もあります。そうしておくと、着工の直前に石綿が見つかって工期と費用が変わる、ということを防げます。先に行った調査の結果をどう使うかは元請業者が確かめて決めるので、契約の前に話し合っておきます。
増える費用と日数は、分析に回る建材の数で決まります
石綿の事前調査で増える費用と日数は、分析に回る建材がいくつあるかで大きく変わります。書面と目視だけで判断できれば、頼んでから報告まで数日から2週間ほどが目安です。分析に回す建材があると、結果が出るまでにさらに1〜3週間ほどかかります。建物の大きさと調べる範囲で変わるので、日数と費用は調査を頼む前に見積で確かめます。
事前調査と対策で増える日数と費用(目安)| 段階 | 日数の目安 | 費用の出方 |
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| 書面調査 | 図面がそろっていれば数日 | 建物の大きさと、図面の量で変わる |
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| 目視調査 | 1日〜数日(部屋と部位の数による) | 調べる部屋と部位の数で変わる |
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| 分析調査 | 結果まで1〜3週間ほど(急ぎは割増のことがある) | 1検体ごとに数万円ほど。検体の数で増える |
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| 石綿が見つかったときの対策 | 建材の種類で、数日〜数週間 | 建材の種類・量・場所で大きく変わる |
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書面と目視で判断できない建材は、分析して確かめるか、石綿が含まれているものとみなして対策をとるかを選べます。みなす場合は分析の日数がかからない代わりに、除去や囲い込みの対策の費用がかかります。対象の建材の量が多いときは、分析して確かめたほうが、総額は抑えやすくなります。
図3 建材の量と工期の余裕で、どちらにするかを決める。
吹付けの石綿や、配管の保温材・断熱材、鉄骨の耐火被覆に石綿が見つかることもあります。この場合は、除去の作業を始める14日前までに、自治体や労働基準監督署への届出が要ります。自治体への届出には発注者(施設)が出すものもあるので、どちらが何を出すかを元請業者と確かめます。作業の場所を囲い、粉じんを外に出さない設備も要るので、工期は数週間延びることがあります。
大規模修繕で触れる建材に、石綿が含まれていることがあります
2006年9月より前に着工した介護施設では、大規模修繕で手を入れる部位の多くに、石綿を含む建材が使われていることがあります。どの建材に含まれるかは、製品と作られた時期で違います。次の表は「調べる候補」で、含まれているかどうかは調査で決まります。
大規模修繕で触れる部位と、石綿を含むことがある建材| 工事 | 石綿を含むことがある建材 | 介護施設で気をつけること |
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| 外壁の改修 | 仕上塗材・下地調整材 | 下地を削る日は、窓を閉める時間と区画を決める |
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| 屋根・軒の改修 | スレートの屋根材・軒天の板 | 足場の上の作業。建物のまわりの通路を閉じる |
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| 床の張り替え | ビニル床タイル・床の接着剤 | 入居者の方が暮らす階は、部屋ごとに区切る |
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| 天井の張り替え | 天井のボード・吸音板 | 天井を開ける範囲を、1日に終わる広さにする |
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| 給湯や暖房の更新 | 配管やボイラーの保温材 | 機械室の作業でも、換気で粉じんが広がらないよう囲う |
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| 鉄骨の建物の改修 | 柱やはりの耐火被覆 | 見つかると届出と囲いで、工期が数週間延びる |
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外壁の改修では、塗り替えの前の洗浄や、下地を削る作業で、古い仕上塗材の粉じんが出ます。仕上塗材に石綿が含まれていると、湿らせながら作業する、囲うなどの対策が要ります。入居者の方の居室の窓の外で行う工事なので、窓を閉めてもらう時間帯と、換気の止め方も先に決めておきます。
石綿のほかにも、改修の前に確かめることがあります。受変電設備の古い変圧器やコンデンサーには、低濃度のPCBが入っていることがあります。外して保管しているものの処分の期限は2027年3月31日で、使っている機器の扱いは2027年4月から変わります。1977年3月以前に作られた業務用の照明の安定器には、高濃度のPCBが使われたものがあり、見つかったらすぐに自治体に連絡します。照明や電気の設備を更新する工事を含むときは、あわせて調べます。調べ方と処分までの段取りは低濃度PCBは、期限の前に建てた年と銘板から調べますにまとめています。
大規模修繕は、着工の1年半〜2年前から7つの段階で進めます
介護施設の大規模修繕は、着工の1年半〜2年前から、調査、計画、予算と補助、頼み方を決める、発注、工事、記録の7つの段階で進めます。2年前から動くのは、法人の予算と補助がどちらも年度の単位で動き、設計と石綿の調査、見積合わせにも、それぞれ数か月かかるからです。着工の時期を先に置き、そこから逆算して段階ごとの期限を決めます。
大規模修繕の時系列(着工を0か月として)| 時期の目安 | 段階 | 施設がすること |
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| 24〜18か月前 | 1. 調査 | 劣化の調査を頼み、法定点検の結果、修繕の履歴、図面をそろえる |
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| 18〜12か月前 | 2. 計画 | 工事の範囲と優先順位、概算の費用、着工の時期を決める |
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| 15〜9か月前 | 3. 予算と補助 | 法人の予算と積立金を確かめ、補助を使うなら都道府県の調査に名乗り出る |
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| 12〜4か月前 | 4. 頼み方を決める | 発注の方式を決めて設計を進める。設計の段階で石綿の事前調査を済ませる |
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| 4〜1か月前 | 5. 発注 | 見積合わせや入札で施工会社を決め、理事会などの承認を経て契約する |
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| 着工〜完了 | 6. 工事 | 石綿の報告と掲示を確かめて着工し、週ごとの打合せで進み具合を見る |
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| 完了後1〜3か月 | 7. 記録 | 図面・保証書・石綿の調査の記録を受け取り、修繕の履歴と計画を直す |
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図4 段階は重なりながら進む。とくに3と4は並べて進める。
期限がいちばん動かしにくいのは、3の補助です。補助は交付の決定より前に契約や着工をすると対象から外れるので、補助を使う工事は、交付の決定の時期で着工の日が決まります。申請から完了の報告までの流れと月数は補助を使う工事は、交付決定の通知が届くまで契約しませんにまとめています。理事会に出す資料の作り方は理事会が見るのは見積ではなく、傷み・30年の総額・資金・先送りの4つですで説明しています。
2年前と聞くと長く感じますが、7つの段階のうち施設の手が多くかかるのは、1の調査の材料集めと、5の発注の前後です。そのほかの時期は、設計者や業者からの確かめごとに答える形で進みます。
最初の調査では、劣化と法定点検と履歴をそろえます
最初の段階の調査では、建物の傷みを調べるだけでなく、法定点検の報告書と修繕の履歴、図面をそろえます。この4つがそろうと、どこを、いつ、どこまで直すかを計画にできます。調査は着工の2年前ごろに始めると、計画と予算に間に合います。
最初の調査でそろえるもの| そろえるもの | 中身 | ありかの例 |
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| 劣化の調査の結果 | 外壁・屋上・設備の傷みの場所と度合い、写真 | 設計事務所や調査会社に頼んでつくる |
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| 法定点検の報告書 | 建物の定期報告、消防設備の点検、昇降機の検査の指摘 | 施設で保管している書類、点検の会社 |
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| 修繕の履歴 | いつ、どこを、いくらで直したか | 過去の請求書と稟議の書類 |
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| 図面と仕上げの表 | 竣工図、設備の図面、使われた建材 | 施設の保管庫、建てたときの設計事務所 |
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| 着工の日が分かる書類 | 確認済証や工事の契約書 | 法人本部の書類 |
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劣化の調査を、施工会社に無料で頼める場合もあります。手軽ですが、調査をした会社の工事の提案につながりやすい点は知っておきます。工事の範囲を決める調査は、工事を請け負わない設計事務所などに頼むか、2社の見方を比べると、範囲の偏りを防げます。
法定点検で指摘を受けている所は、大規模修繕で一緒に直すと二度手間を防げます。建物の定期報告の種類と、受け忘れやすい検査は12条点検は4つに分かれ、防火設備の検査は別に受けますにまとめています。
予算と補助は、工事の前の年から動かします
予算と補助は、どちらも年度で動くため、工事の前の年から準備します。法人の予算は前の年の秋から冬に組み、補助は前の年の夏から秋に都道府県が行う調査に名乗り出ておかないと、使えないことが多いからです。調査の時期は都道府県で違うので、所管の窓口に確かめます。
工事を翌年度に行う場合の、予算と補助の動き| 時期 | 法人の予算 | 補助 |
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| 前の年の夏〜秋 | 計画と概算の費用で、翌年度の予算の枠を相談する | 都道府県の翌年度分の調査に、概算の見積をつけて名乗り出る |
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| 前の年の冬 | 予算の案に、工事費と予備の費用を入れる | 対象の工事と補助の上限を確かめ、申請の書類を準備する |
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| 年度のはじめ | 予算が決まり、設計と発注の準備に入る | 申請を出し、交付の決定を待つ |
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| 交付の決定のあと | 契約と着工 | 交付の決定より前には、契約も着工もしない |
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図5 補助を使うなら、着工の日は交付の決定から逆算する。
令和9年度(2027年度)に補助を使って工事をしたい場合は、都道府県の調査の時期が来ているか、すでに過ぎていないかを今すぐ確かめます。今からそろえる見積と書類は令和9年度の修繕の補助は、まず県の調査が済んだかを確かめますにまとめています。
予算の大きさは、工事の範囲と建物の大きさで決まります。費用の相場は、公開されている㎡あたりの単価で桁をつかめます。相場のつかみ方と修繕費を抑える方法は大規模修繕の費用は㎡単価で桁をつかみ、量・単価・時期の3つで抑えますで説明しています。
頼み方は3通りあり、設計に入る前に決めます
大規模修繕の頼み方は、設計と施工を分ける、施工会社に設計も任せる、発注を支える専門家を付ける、の3通りです。どれにするかで、誰が建物を調べ、誰が仕様書をつくるかが変わるので、設計に入る前、着工のおよそ1年前までに決めます。
- 設計と施工を分ける(設計監理方式)設計事務所などが調査と設計、工事の監理を担い、工事は別の施工会社に頼みます。
- 施工会社に設計も任せる(責任施工方式)1社が調査から設計、工事までをまとめて請け負います。
- 発注を支える専門家を付ける(CM方式)施設の側に立つ専門家が、発注のやり方と、工程・費用の管理を支えます。
選ぶときは、工事が何種類あるか、法人の決まりで見積合わせや入札が要るか、施設に工事に立ち会う人と時間があるか、の3つを先に答えておきます。工事の種類が多く、見積合わせが要る施設ほど、全社に同じ仕様書を渡せる「設計と施工を分ける」形が合います。
社会福祉法人の工事の請負では、法人の経理規程と国の通知で見積合わせの社数が決まります。令和8年4月から、2社の見積で足りるのは400万円以下の工事で、それを超えると3社以上です。大規模修繕は、ほとんどがこの線を超えます。社数の決まりと金額ごとの頼み方は社会福祉法人の相見積は、400万円を境に2社と3社に分かれますに、2つの方式の違いと選び方は設計監理か責任施工かは、工事の大きさと施設の人手で選びますにまとめています。
居ながら工事の段取りは、着工の2か月前までに決めます
介護施設の大規模修繕の多くは、入居者の方が暮らしたまま進める「居ながら工事」です。工事の音やにおい、粉じん、居室の移動が、暮らしに直接ひびきます。着工の2か月前までに、工事をしない時間帯と、居室を移る方と移り先を決めておきます。石綿の対策が要る工事では、作業の区画と期間もこの段階で決めます。
居ながら工事で、着工の前に決めておくこと| 決めること | 決める相手 | 期限の目安 |
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| 工事をしない時間帯(食事・入浴・お昼寝) | 施工会社・介護の責任者 | 着工の1か月前 |
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| 居室を移る方と移り先 | 介護の責任者・ご家族 | 着工の2か月前 |
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| 石綿の対策をする区画と期間 | 元請業者 | 着工の1か月前 |
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| 避難の経路と、工事中の防火の決まり | 施工会社・防火管理者 | 着工の前 |
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| ご家族へのお知らせ | 施設長 | 着工の1か月前 |
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工程表は、工事の順番と施設の生活の予定を重ねてつくります。工程表の組み方と、入居者の方の移動の回し方、予定と実際の差が出る所は居ながら工事の工程表は、工事と暮らしの予定を重ねて作りますにまとめています。
モデルケース:外壁と屋上の改修を2年前から準備した老健
モデルケース:定員96名の介護老人保健施設
着工のあとに、石綿のことで工事が止まらなかった
変わったこと(結果)
外壁と屋上の改修を決めてから21か月で着工し、予定どおり4か月で終えました。設計の段階で行った石綿の事前調査で、外壁の一部の仕上塗材に石綿が見つかりました。対策の費用と2週間分の工期を最初の見積と工程表に入れられたので、着工のあとに工事が止まった日はありませんでした。補助の申請と理事会の承認も、それぞれの期限の1か月以上前に終えています。
背景と、困っていたこと
この施設は鉄筋コンクリート造の4階建てで、築33年です。屋上の防水は18年前に直したきりで、前の冬には4階の居室2か所で雨のしみが出ました。営繕を兼ねる事務長は、何から始め、いつまでに何を決めればよいのかが分からず、半年ほど動けずにいました。着工のあとに石綿が見つかると工事が止まることがある、と聞き、調査をいつ頼めばよいのかも迷っていました。
決めたこと
事務長は、着工を2年後の秋に置き、7つの段階の期限を1枚の表にしました。劣化の調査と石綿の事前調査は、設計を頼んだ設計事務所を通して資格者に頼み、設計の段階で済ませることにしました。外壁の仕上塗材は対象の面積が広かったので、みなすのではなく分析を選びました。補助は、都道府県の調査に概算の見積をつけて名乗り出ました。
進めてみて分かったこと
図面が一部しか残っておらず、書面の調査に2週間かかりました。分析は12検体で、結果が出るまで10日でした。調査の費用はかかりましたが、着工の直前に工期と費用を組み直す打合せは、一度も要りませんでした。