照明の不具合は、3つに分けて考える
照明がつかないとき、原因は大きく3つに分かれます。ランプ(蛍光灯やLEDの管・電球)の寿命、照明の器具そのものの傷み、そして電気が来ていない回路の問題です。どれかで、職員でできることと、頼む先が変わります。
照明の不具合の見分け方| 症状 | 考えられること | 頼む先 |
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| 1本だけ消えた・暗い | ランプの寿命 | 職員で交換できることも(低い所に限る) |
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| ランプを替えても点かない | 器具の中の部品(安定器や点灯の部品)の傷み | 電気工事の業者 |
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| ちらつく・点くまで時間がかかる | ランプの寿命、器具の部品の傷み | ランプを替えて直らなければ業者 |
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| 部屋や廊下ごと消えた | ブレーカーが落ちた、回路の不具合 | 分電盤を見る。直らなければ業者 |
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| 焦げたにおい・煙・ジーという音 | 器具の部品の故障、発熱 | すぐにスイッチを切って業者へ(急ぎ) |
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図1 照明の不具合の3つの原因。
照明の不具合に気づいたら、どの部屋の、どの器具かを記録します。廊下のように同じ器具が並んでいる場所は、端から何番目かを書いておくと、業者が来たときにすぐ分かります。器具に番号のシールを貼っている施設もあります。
焦げたにおいがする、煙が出ている、ジーという音がする、器具の一部が変色している、といったときは、器具の中の部品が熱を持っていることがあります。古い蛍光灯の器具では、部品の故障から発煙や発火に至った例も報告されています。すぐにスイッチを切り、その照明は使わずに、電気工事の業者に連絡してください。夜間でも、その照明は朝まで切ったままにします。
職員でしてよいこと、しないこと
ランプの交換は、低い所の照明なら職員でもできることがあります。ただ、介護施設の廊下や共用部の照明は天井が高いことが多く、脚立に乗っての作業は転落の危険があります。職員がけがをすると、介護の現場が回らなくなります。
図2 照明の作業で、職員でもできることと業者に頼むこと。
器具の交換、スイッチやコンセントの交換、配線にかかわる作業は、電気工事士の資格を持つ人が行う決まりです。蛍光灯の器具にLEDの管だけを差し替える方法もありますが、器具の中の配線を変える工事が要る製品もあり、合わない組み合わせで使うと事故につながります。LEDに替えるときは、電気工事の業者に相談してください(電気設備の修理を頼む先は、受電の形と作業の中身で決まります)。
照明の作業を業者に頼むときは、入居者の方の生活の時間を避けてもらいます。居室の照明なら、入居者の方が食堂や活動の場所にいる時間に作業してもらい、脚立や工具を置いたままにしないよう頼みます。廊下の作業は、通る方のために片側を空けておいてもらいます。
ランプの交換を職員がするときは、スイッチを切り、器具が冷えてから行います。外したランプは割らないように扱い、蛍光管は自治体の決まりに沿って処分します。替えたランプの日付を器具の近くに書いておくと、次の交換の目安になります。
夜間に照明が消えたとき
夜間の照明は、入居者の方がトイレに行くとき、職員が見回るときの足元を照らしています。廊下や居室の照明が夜間に消えると、転倒の危険が一気に高まります。夜間に照明が消えたときは、まず懐中電灯や足元灯で明かりを確保し、入居者の方がひとりで歩かないよう声をかけます。
図3 夜間に照明が消えたときの手順。
部屋や廊下ごと消えたときは、分電盤のブレーカーを確かめます。ブレーカーが落ちていたら一度だけ上げてみて、すぐにまた落ちるときは触らずに朝を待ち、業者に伝えます。焦げたにおいがするときは、ブレーカーを上げず、その回路は切ったままにします。停電のときの全体の手順は、介護施設が停電。上げてはいけないブレーカーがありますにまとめています。
非常照明と誘導灯は、別の決まりがある
停電のときに点く非常用の照明と、出口を示す誘導灯は、ふつうの照明とは別の決まりで点検が求められています。誘導灯は消防用設備として、消防設備の点検の対象です。非常用の照明は、建物の定期の検査(建築設備の検査)の対象になります。どちらも、中に電池が入っていて、電池が古くなると停電のときに点かなくなります。
非常照明と誘導灯| 設備 | 役目 | 点検 |
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| 誘導灯 | 出口や避難の方向を示す | 消防設備の点検(6か月ごとの機器点検など) |
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| 非常用の照明 | 停電のときに避難の通り道を照らす | 建物の定期の検査(建築設備) |
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| どちらも | 中の電池で停電のあいだ点く | 電池の交換の時期を点検で確かめる |
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非常用の照明や誘導灯には、点検のためのボタンやひもが付いているものがあります。押すと電池で点くかを確かめられます。点検の日以外にも、職員が月に1回ほど押して確かめておくと、点かなくなったことに早く気づけます。
誘導灯が消えている、非常用の照明の点検のボタンを押しても点かない、といったときは、早めに直します。消防設備の点検の業者や、電気工事の業者に頼みます。点検の報告書で、電池の交換を勧められていたら、修繕の計画に入れておきます。
蛍光灯の製造終了と、LEDへの替え方
蛍光灯は、水銀に関する国際的な条約にもとづいて、種類ごとに製造と輸出入が禁止され、直管形も2027年末で終わります。禁止のあとも、今ある蛍光灯を使い続けることはできますが、交換のランプが手に入りにくくなっていきます。
交換のランプの在庫は、今使っている蛍光灯の種類ごとに確かめておきます。種類が多いと、在庫の管理が手間になります。器具をLEDに替えるときは、施設の中で使う器具の種類をなるべくそろえると、あとの交換が楽になります。
照明の器具そのものにも寿命があります。業界団体は、照明の器具の交換の目安を、使い始めて8〜10年、使える限度を15年としています。器具が古い場合は、ランプだけでなく器具ごとLEDに替えることを考えます。点灯する時間の長い廊下や共用部から替えると、電気代の削減で早く元が取れます(同じLEDでも、点灯時間で回収の年数は4倍以上違います、低濃度PCBは、期限の前に建てた年と銘板から調べます)。
図4 照明をLEDに替える順番の考え方。点灯の時間が長い場所からです。
エアコンの修理と点検は、まとめて頼む
エアコンは、1台が壊れるたびに業者を呼ぶと、そのたびに出張の費用がかかります。効きが悪い、音がする、水が垂れる、といった急がない不具合は、記録しておき、まとめて見てもらいます。止まった、室温が上がっている、といった急ぎのときの手順は、空調が止まった。業者より先に、室温を測ってくださいにまとめています。
エアコンの不具合と、急ぎの度合い| 症状 | 急ぎの度合い | すること |
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| 止まった・冷えない(夏)・暖まらない(冬) | 急ぐ | 室温を測り、その日のうちに連絡 |
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| 効きが悪い・風が弱い | ためてよいことも | フィルターを掃除し、記録する |
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| 音がする・においがする | 早めに | 音の様子を記録し、点検で伝える |
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| 室内機から水が垂れる | 早めに | 水を受け、電気の部分にかからないようにする |
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エアコンの効きが悪いときは、業者を呼ぶ前に、フィルターの汚れ、室外機のまわりの物、設定の温度と運転の切替を確かめます。フィルターの掃除だけで効きが戻ることも少なくありません。室外機の吹き出し口の前に物が置かれていると、熱がこもって効きが落ちます。
業務用のエアコンは、すべての機器で3か月に1回以上の簡易点検が法律で求められています。冷房と暖房を本格的に使う前、つまり初夏と晩秋に、全台の試運転と点検をまとめて頼むと、使い始めの故障を防げます。同じ系統・同じ年式の台を更新するときも、まとめて頼むと工事費が下がることがあります(R22のエアコンは、冷媒に関わる故障なら更新を考えます)。
照明とエアコンを、一度に頼む2つの形
照明は電気工事、エアコンは空調の設備工事と、分野は違います。ただ、まとめ方を工夫すれば、一度に頼めます。形は大きく2つです。
図5 照明とエアコンをまとめて頼む2つの形。
どちらの形でも、まとめて頼むときは、場所と症状の一覧を前もって渡しておくことが大切です。業者は一覧を見て、要る部品や道具、作業の人数を決められます。一覧がないと、来てから調べることになり、1日に回れる件数が減ります。
1つ目は、時期をそろえる形です。照明とエアコンの急がない不具合をためておき、月に1回などの巡回の日に、まとめて見てもらいます。2つ目は、分野をまたいで頼める業者や窓口を使う形です。電気工事と空調の両方を扱う業者もあり、窓口に頼めば、分野ごとの業者の手配をまとめて引き受けます。巡回の1日でどれくらいの件数を回れるかは、小さな修繕は、月1回の巡回で1日7〜10件を直せますにまとめています。
費用の目安
照明のランプの交換や小さな調整は、5,000円から3万円ほどで済むことが多くあります。器具の交換やLEDへの付け替えは、器具の数と種類、天井の高さで変わります。エアコンの交換は、1台で20万円から60万円ほどが目安です。業務用の大きな機種は、さらに高くなります。
照明とエアコンの費用の目安| 工事 | 費用の目安 |
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| 照明の小さな修理・建具の調整 | 5,000円〜3万円 |
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| エアコンの交換(1台) | 20万〜60万円 |
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機器、数、設置の場所、地域で変わります。正確な金額は現地を確かめた見積で確かめてください。
見積を受け取ったら、部品の代金、作業の代金、出張の費用、古い器具や機器の処分の費用が、行を分けて書かれているかを確かめます。エアコンの交換の見積は、機器の型番と能力、撤去と冷媒の回収、配管を再利用するか、時間帯の割増の4つの行で比べます(業務用エアコンの交換費用は、見積の4つの行で確かめます)。
まとめて頼むと、出張の費用が一度で済み、業者も部品をまとめて用意できます。一方、急ぐ不具合までためてしまうと、入居者の方の安全や体調にかかわります。急ぐものとためてよいものの線を、施設で決めておくことが大切です。線を決めたら、各階の書き込みの紙の上にも書いておき、夜勤の職員にも分かるようにします。
相談した施設の話:小さな修繕でも相談してよいのか
埼玉県内・介護老人保健施設/事務長 相談した内容:小さな修繕
「こんな小さな修繕でも」と思ったが、内容を伝えるだけで話が進んだ
変わったこと
この事務長のお話で変わったのは、小さな修繕をひとりで抱えなくてよくなったことです。修繕のことまで、事務長が全部を抱えずに済むようになりました。
背景と、迷ったこと
照明や建具のような小さな修繕は、一つひとつは急がなくても、たまっていくと事務長の頭の中を占めていきます。最初は、こんな小さな修繕でも相談していいのかと迷ったといいます。
相談してみて
実際に相談してみると、内容を伝えるだけで話が進み、非常に助かったと振り返っています。
「こんな小さな修繕でも相談していいのかな」と最初は思いましたが、実際に相談してみると、内容を伝えるだけで話が進むので非常に助かりました。
ご利用者の声 埼玉県内・介護老人保健施設/事務長