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骨転移があるとあとどれくらい?|がんの痛みと骨折への備え

このテーマの総論:ステージ1〜ステージ4で余命は違う?|がんの生存率の読み方

この記事には、余命や生存率などの数字の話が出てきます。数字は多くの方をまとめた統計で、一人ひとりの予測ではありません。読むのがつらいときは、途中で閉じても大丈夫です。

この記事の結論

骨転移があるとあとどれくらいかは、元のがんの種類や骨以外への転移の有無、治療の効き方で大きく変わり、乳がんや前立腺がんなどでは年単位で付き合っていく方もいます。痛みは鎮痛薬や放射線、骨の薬を組み合わせて和らげられ、骨折やまひの前ぶれを知っておくことが備えになります。

理由と根拠は、このあと本文でくわしくお伝えします。 主な出典:日本緩和医療学会 編『がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン 2020年版』『が… ほか11件 参考・出典を見る 先に「次の一歩」を見る

骨に転移があると分かっても、それだけで残された時間が決まるわけではありません。骨転移とどのくらい長く付き合っていくかは、元のがんが何か、骨のほかに肺や肝臓などへの転移があるか、治療がどのくらい効くかによって大きく変わります。主治医の「長く付き合える人もいる」という言葉は、気休めではなく、こうした違いを踏まえた説明です。

その一方で、骨転移は痛みや骨折、背骨の中を通る神経の圧迫などを通して、毎日の暮らしに大きく響くことがあります。だからこそ今は、残りの時間の数字を探すより、痛みを和らげる手段と、急いで連絡すべき変化を先に知っておくほうが、確かな備えになります。

痛みと怖さを抱えて、このページを開いた方へ

  • 背中と腰の痛みが強くなり、検査をしたら骨に転移していると言われた。
  • 骨が折れるのが怖くて、歩くのも、寝返りを打つのも、こわごわになっている。
  • 「骨転移ならあと少し」と思い込んでいたのに、先生は「長く付き合える人もいる」と言う。どちらが本当なのか分からない。

この記事で分かること

  • 「あと少し」と「長く付き合える」の食い違いが生まれる理由
  • 鎮痛薬・放射線・骨の薬など、痛みを和らげる手段の重ね方
  • 骨折を防ぐ暮らしの工夫と、すぐに連絡したい変化(脊髄の圧迫・高カルシウム血症など)
  • 主治医に聞いておきたい質問

骨に転移があると言われました。骨転移があると、あとどれくらいで、痛みはどうなりますか?

あとどれくらいかは、元のがんの種類、骨以外への転移の有無、治療の効き方で大きく違い、骨転移という言葉だけでは決まりません。痛みは鎮痛薬・放射線・骨の薬などを組み合わせて和らげる手段があり、我慢するしかない痛みではありません。

骨転移は、それ自体がすぐに命に関わることは一般に多くない一方で、痛みや骨折、まひなどで暮らしに大きく響くことがある、という性質を持っています。見通しに大きく関わるのは、元のがんの性質と、骨のほかの臓器の状態です。乳がんや前立腺がんのように、ホルモン療法などで骨の転移を抑えながら年単位で暮らしを続けている方がいるがんもあれば、肺や肝臓の転移の状態が経過を左右しやすい場合もあります。元のがんから見通しを考える方法は、転移がんの余命の読み方で詳しく取り上げています。

ご自身は「あと少し」と感じ、主治医は「長く付き合える人もいる」と言う。この食い違いは、どちらかが間違っているというより、見ているものの違いから生まれています。毎日向き合っているのは痛みの強さで、主治医が見ているのは、元のがんの性質や薬の効き方です。そして、痛みの強さと残された時間の長さは比例しません。一か所の転移でも強く痛むことはあり、その痛みは放射線などで和らぐことがよくあります。痛みは残り時間の目盛りではなく、「手当てを見直してほしい」という体からの知らせだと受け止めてください。

骨転移で起こりうることは、主に下の表の四つです。どれも必ず起きるわけではなく、気づくきっかけを知っていれば、早めに手当てを受けられます。肝臓や肺など、ほかの場所への転移で起きやすいことは、転移先別の症状と和らげ方にまとめています。

起こりうること気づくきっかけになる変化主な手当て
痛み動いたときや夜に強まる痛み、しびれるような痛み鎮痛薬、放射線治療、骨の薬
病的骨折体重をかけると強まる痛み、転んだあとの急な痛み、動かせない骨を補強する手術、放射線治療、装具
脊髄圧迫背中の痛みの悪化、脚のしびれ・力の入りにくさ、尿や便の出にくさすぐに病院へ連絡。放射線治療、手術、むくみを抑える薬
高カルシウム血症のどの渇き、尿が増える、吐き気、便秘、ぼんやりする血液検査で確かめ、点滴などで治療する
骨転移で起こりうる四つのことと、気づくきっかけになる変化、主な手当てを並べた表(現れ方は人によって違う)

骨転移の痛みは、どんな方法で和らげるのですか?

鎮痛薬、放射線治療、骨の薬(骨修飾薬)が主な柱で、必要に応じて骨を補強する手術やコルセットなどの装具も組み合わせます。一つで足りなければ、組み合わせを変えながら和らげていきます。

鎮痛薬は、痛みの強さに合わせて選ばれます。比較的軽い痛みにはアセトアミノフェンや炎症を抑えるタイプの痛み止めが、強い痛みにはモルヒネなどの医療用麻薬(オピオイド)が使われます。骨転移の痛みには、神経が刺激されて起きる、しびれるような、電気が走るような痛みが混じることもあり、その場合は神経の痛みに使う薬を加えることがあります。骨転移の強い痛みにも使われる医療用麻薬について、日本緩和医療学会の『がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン 2020年版』は「オピオイドの使用が生命予後を短縮するという根拠はない」と述べています。

放射線治療は、痛む場所の転移に向けて行い、痛みの元をねらう治療です。一回で終える方法と、何回かに分けて当てる方法があり、どちらにするかは転移の場所や体の状態で決まります。効果が出てくるまでには時間がかかることが多いので、その間は鎮痛薬で支えます。

骨の薬(骨修飾薬)は、骨が壊れるのを抑え、骨折などのトラブルを起こりにくくする薬です。折れる危険が高い骨には、金属で補強する手術や、背骨を固定する手術が検討されることもあります。コルセットで背骨の負担を減らす、杖で体重を分散させるといった装具の工夫も、痛みの軽減につながります。

  1. 1鎮痛薬痛みの強さに合わせて選び、医療用麻薬も含めて量を調整する
  2. 2放射線治療痛む場所の転移に当てて、痛みの元をねらう
  3. 3骨の薬骨が壊れるのを抑え、骨折などを起こりにくくする
  4. 4手術・装具折れそうな骨の補強や背骨の固定、コルセットや杖で負担を減らす
  5. 5体の使い方ひねる・重い物を持つ動きを避け、楽な動き方をリハビリで身につける
骨転移の痛みを和らげる手段の重ね方(どれか一つに決めず、組み合わせる)

痛みは、どう伝えれば医療者に届きますか?

「どこが」「いつ」「どんな動きで」「どのくらい」痛むかを、0から10の数字や暮らしの場面に置き換えて伝えると、薬や治療の調整につながりやすくなります。痛みを小さめに言う必要はありません。

骨転移の痛みには、じっとしていても続く痛みと、立ち上がる・寝返りを打つなど、体を動かしたときに強くなる痛みがあります。どちらが中心かで、薬の使い方が変わります。ふだんの痛みを抑える薬に加えて、急に強くなったときに追加で使う薬(レスキュー)を組み合わせることが多く、動くと痛む場合には「動く前に使っておく」という使い方を提案されることもあります。

診察室で「痛みはどうですか」と聞かれると、つい「まあまあです」と答えてしまいがちです。けれど「まあまあ」からは、薬を増やすべきか、放射線を考えるべきかは読み取れません。「朝、起き上がるときに腰が8くらい。じっとしていれば3くらい」「夜中に痛みで2回目が覚める」「トイレまで歩く途中で一度休む」。こうした言い方なら、医療者は暮らしの中の痛みを思い浮かべられます。

前の診察から変わったことも、短く添えてください。痛む場所が増えた、痛み止めが効いている時間が短くなった、新しくしびれが出てきた。変化の向きが分かると、調べるべきことや、急ぐべきかどうかの判断がしやすくなります。

骨が折れるのが怖いとき、暮らしの中で何に気をつければいいですか?

避けたい動きは、転移している骨の場所によって違います。まず主治医に「どの動きを避ければいいか」を聞き、ひねる・重い物を持つ・転ぶといった負担を減らしながら、動くこと自体は続けるのが基本です。

骨転移で骨が弱くなると、ふつうなら折れないような力でも骨折することがあり、「病的骨折」と呼ばれます。特に体重を支える骨、たとえば背骨や骨盤、太ももの骨に転移がある場合は、体をひねる、勢いよく立ち上がる、前かがみで重い物を持ち上げるといった動きが負担になりやすくなります。

かといって、怖さから一日中横になっていると、筋力が落ちて、かえって転びやすくなることがあります。どこまで動いてよいかは転移の場所と骨の状態で変わるので、主治医やリハビリの担当者に「歩いてよい距離」「杖や歩行器を使うか」「コルセットは必要か」を具体的に聞いてください。がんのリハビリテーションに取り組んでいる病院では、骨に負担をかけにくい起き上がり方や、床の物の拾い方を一緒に練習できます。

起き上がるときは、仰向けからいきなり体を起こさず、いったん横向きになってから、腕で体を押し上げるようにすると、背骨をひねらずに済みます。靴下をはく、足の爪を切るといった前かがみの動作は、道具を使うか、家族に頼んでください。頼むことは甘えではなく、骨を守るための段取りです。

  • 床の上のコードや敷物、積んだ新聞などを片づける
  • 夜中にトイレへ行く道に、足元の明かりをつける
  • よく使う物を、腰から胸の高さの棚に移す
  • 起き上がるときは、横向きになってから腕で押し上げる
  • 重い買い物袋や布団の上げ下ろしは、家族やサービスに頼む
  • 滑りにくく、かかとを包む履き物を選ぶ
家の中で転びにくく、骨に負担をかけにくくするためのチェックリスト

次の診察を待たずに連絡したほうがいいのは、どんな変化ですか?

脚のしびれや力の入りにくさ、尿や便の出にくさが出てきたとき、転んだあとや何もしていないのに急に強い痛みが出たとき、強いのどの渇きや吐き気、ぼんやりする様子があるときは、夜間や休日でもすぐに病院へ連絡してください。

背骨の転移が大きくなると、骨の中を通る脊髄(せきずい)という神経の束を圧迫することがあり、「脊髄圧迫」と呼ばれます。背中の痛みが急に強まる、脚がしびれる、力が入りにくい、つまずきやすくなる、尿や便が出にくい・漏れる、といった変化が前ぶれです。時間がたつほど、まひが残りやすくなることがあるため、気づいたら朝まで待たず、その時点で病院に電話してください。早く見つかれば、放射線治療や手術、むくみを抑える薬などで、まひを防いだり軽くしたりできる場合があります。

高カルシウム血症は、骨が壊れるときなどに、血液の中のカルシウムが多くなりすぎる状態です。のどが渇く、尿の量が増える、吐き気や便秘、だるさ、眠気やぼんやりした様子などが出ます。年のせいや薬のせいと見過ごされやすい症状ですが、点滴などの治療で改善することがあります。

転んだあとや、特に何もしていないのに急に強い痛みが出て、腕や脚を動かせないときは、骨折しているかもしれません。無理に動かさず、病院に連絡してください。入院中ならナースコール、自宅で訪問看護を使っているなら訪問看護、それ以外は主治医の病院の連絡先が窓口です。命に関わると感じたときは119番に電話してください。

  1. Q1脚のしびれや力の入りにくさ、尿や便の出にくさがありますか

    はい夜間や休日でも、すぐに病院へ電話する。つながらないときは119番

    いいえ痛みの場所・強さ・時刻をメモし、変化が続くなら早めに外来へ伝える

  2. Q2転んだあとや急に、動かせないほどの痛みが出ましたか

    はい無理に動かさず病院へ連絡する。救急車を呼ぶか迷うときは、地域に#7119があれば相談できる

    いいえ痛み止めの効き方を記録し、次の診察で伝える

体の変化に気づいたとき、どこまで急ぐかを決めるための分かれ道

「骨の薬」をすすめられました。どんな薬で、何に気をつけるのですか?

骨の薬(骨修飾薬)は、骨が壊れるのを抑えて骨折などを起こりにくくする薬で、点滴のゾレドロン酸や皮下注射のデノスマブなどがあります。始める前の歯の点検と、使っている間の口の中のケアが欠かせません。

骨転移があると、骨を壊す細胞の働きが強まり、骨がもろくなります。骨修飾薬はこの働きを抑え、病的骨折や脊髄圧迫、高カルシウム血症といった骨のトラブルを起こりにくくする目的で使われます。がんそのものを治す薬ではありませんが、骨転移と長く付き合うための土台になる薬です。

気をつけたい副作用の一つが、あごの骨の一部が壊死する「顎骨壊死(がっこつえし)」です。起きる頻度は高くないものの、抜歯などの歯の治療がきっかけになることがあるため、使い始める前に歯科で口の中を点検し、必要な治療を済ませておくことがすすめられています。使っている間に歯科にかかるときは、骨の薬を使っていることを伝えてください。デノスマブでは血液中のカルシウムが下がりやすくなるため、カルシウムやビタミンDの飲み薬を一緒に使うことがよくあります。腎臓の働きによって、薬の種類や量が調整されることもあります。

骨転移があると、最期は痛みで苦しむのですか?

痛みが強くなる時期があっても、和らげる手段は最後まであります。体を動かすのが難しくなってきたら、薬の量や入れ方、寝る姿勢、マットレスなどを見直し、痛みの少ない過ごし方を医療者と一緒に整えていきます。

骨転移がある方の最期の時期の様子は、骨そのものより、ほかの臓器の状態や体力全体の変化に左右されることがよくあります。眠る時間が増える、食べる量が減るといった変化は、骨転移のある方に限らず見られるものです。最期が近い時期の体の変化は、最期が近いサインの記事で取り上げています。

その時期に骨転移のある方で気をつけたいのは、体の向きを変えるときや、おむつを替えるときの痛みです。動かす前に痛み止めを追加で使う、二人で体を支えて一度に動かす、床ずれを防ぐマットレスを使うなど、痛みを減らす介護の工夫があります。飲み薬が難しくなっても、貼り薬や注射など、薬の入れ方を変える方法があります。

緩和ケアは、がんと診断されたときから受けられるもので、最期の時期のためだけのものではありません。今の痛みのうちから緩和ケアチームや緩和ケア外来に相談しておくと、先の不安も一緒に話せます。

「骨転移ならあと少し」と思い込んでいた方は、どう動いた?

説明のための例(実在の方の体験談ではありません)

どなたの例か
50代・女性・ご本人(乳がんの手術から数年後、背骨と骨盤に転移が見つかった。夫と二人暮らしで、事務のパートを続けている)
相談のあとに変わったこと
見通しは元のがんの性質や治療の効き方で違うと知り、痛みを数字で伝えられるようになった。放射線と骨の薬を始め、すぐ連絡する変化を夫と共有して、杖を使って駅まで歩けるようになった。

1. 相談のあとに変わったこと

相談から1か月後、女性は杖をついて最寄りの駅まで歩いていました。腰の痛みは放射線治療のあとに和らぎ、追加の痛み止めを使う回数は、1日4回ほどから1回ほどに減ったそうです。冷蔵庫には「脚のしびれ・力が入らない・おしっこが出にくい→すぐ病院へ」と書いた紙を貼りました。骨折が怖くて夜中に何度も目が覚めていたのが、週に1、2回になったといいます。「怖さが消えたわけじゃない。でも、何が起きたら電話すればいいかは分かっている」。

2. 相談を考えた背景

乳がんの手術から数年たったころ、腰と背中の痛みが続き、検査で骨への転移が分かりました。主治医は「ホルモンの治療が効く可能性があるし、骨の転移と長く付き合っている人もいる」と話しましたが、頭に残ったのは「転移」という言葉だけでした。

3. 相談する前に困っていたこと

家で「骨転移 あとどれくらい」と検索すると、強い言葉ばかりが目に入りました。寝返りが怖くて、夜は仰向けのまま体を固くして眠る日が続きます。夫には「大丈夫」と言い続け、診察室で痛みを聞かれても「まあまあです」と答えてしまう。聞きたいことは山ほどあるのに、何から聞けばいいのか分からなかったそうです。

4. ここを選んだ理由・決め手

病院でがん相談支援センターの案内も受け取っていましたが、「何を相談したいのか分からないまま行っていいのか」と迷っていました。夜にこのサイトの記事を読み、LINEなら言葉にならないまま送れると思えたことが決め手でした。送ったのは「骨転移と言われて、怖い」の一文だけです。翌朝いちばんに返事が届き、電話の時間を決めました。

5. 相談で話したこと・その後

電話で担当は、まず女性の話を聞きました。そのうえで、骨転移の見通しは元のがんの性質や治療の効き方で大きく違うという一般的な考え方を伝えましたが、女性の見通しについては予測も診断もしていません。一緒に考えたのは痛みの伝え方で、「起き上がるときに8、じっとしていると3」と言えるように練習しました。次の診察で聞く質問は、①避けたほうがいい動き、②すぐ連絡すべき変化、③放射線と骨の薬のこと、の3つです。骨の薬を始める前には、近所の歯科で口の中を点検してもらいました。冷蔵庫の紙は、夫が自分で書き写して職場の机にも貼ったそうです。

※よくある状況を組み合わせて作った例です。登場する方は実在しません。相談の進み方は、状況によって異なります。

主治医・看護師に聞く質問例

  • 転移しているのはどの骨のどのあたりで、折れやすさはどう見ていますか。
  • 避けたほうがいい動きと、続けてよいこと(歩く距離、家事、仕事)を教えてください。
  • 今の痛みに、放射線治療は使えますか。骨の薬は始めたほうがいいですか。
  • 動く前に痛み止めを使ってもいいですか。追加で使える薬はありますか。
  • すぐに連絡すべき症状と、夜間・休日の連絡先を教えてください。

とはいえ、痛みと一緒に暮らしていくあなたに伝えたい2つのこと

① 気持ちのこと──痛みも怖さも、「大丈夫」で隠さなくていい

家族の前では平気な顔をして、診察室でも「まあまあです」と答えてしまう。そうやって周りを気づかう力は、あなたの優しさです。けれど痛みと怖さを一人で抱え続けると、体も気持ちも休まりません。ここでは泣いてかまいません。夜中に「骨転移 あとどれくらい」と検索してしまう自分を、責めなくていいのです。気持ちの沈みや眠れない日が続くときは、主治医やがん相談支援センターに伝えてください。電話をかけた場所の都道府県や政令指定都市の相談機関につながる「こころの健康相談統一ダイヤル」(0570-064-556)も使えます。受付の曜日や時間は地域ごとに違い、通話料がかかります。

② 実務のこと──動きやすい住まいと、使える制度を先に整える

骨転移と長く付き合うなら、住まいと仕事、お金の三つを少しずつ整えておくと、痛みの強い時期にも慌てずに済みます。住まいについては、手すりや介護用ベッドなどの用具を使える場合があり、病院の医療ソーシャルワーカーに、使えるサービスや療養の場の相談ができます。介護保険は、65歳以上の方なら要介護・要支援の認定を受ければ原因を問わず使えます。40〜64歳の方は、がんについては厚生労働省が「医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限る」としているため、対象になるかを市区町村の介護保険の窓口か地域包括支援センターで確かめてください。

仕事は、国の「治療と就業の両立支援指針」が2026年4月から適用され、両立支援は事業主の努力義務になっています。重い物を運ぶ作業を外してもらうなど、骨を守る働き方の相談は、がん相談支援センターでもできます。お金の面では、高額療養費制度が2026年8月から見直され、月の上限額の見直しと年間上限の新設が行われました。上限額は年齢や所得で違うので、治療を受けるご本人が加入している健康保険に確かめてください。がんも障害年金の対象になり得ます。手続きでは、初診日と、原則として初診日から1年6か月後の障害認定日が大事な日付になります。相談先は年金事務所や街角の年金相談センターです。

今日できること

骨転移と言われた今夜から、明日にかけてできる3つのこと

  1. すぐ連絡する変化を一枚に書く

    「脚のしびれ」「力が入らない」「尿や便が出にくい」「急な強い痛み」と、病院の夜間の連絡先を一枚の紙に書き、電話のそばか冷蔵庫に貼ります。

  2. 寝室からトイレまでの道を片づける

    今夜通る道から、つまずきそうな物をどけて、足元の明かりをつけておきます。

  3. 痛みを数字で一行残す

    寝る前に「じっとしているとき」と「起き上がるとき」の痛みを0から10で書き、次の診察で見せます。質問の絞り方に迷ったら、相談室のLINEに一言送ってください。

よくある質問

骨転移があると、骨はすぐに折れてしまうのですか?

すぐに折れるとは限りません。折れやすさは、転移している骨の場所や、骨が壊れている範囲によって違います。主治医は画像検査で骨の状態を確かめ、折れる危険が高いと判断すれば、放射線治療や骨を補強する手術、装具などを早めに検討します。「この骨の折れやすさは、どう見ていますか」と聞いてみてください。

放射線治療をすれば、痛みはすぐに消えますか?

効果が出てくるまでには時間がかかることが多く、その間は鎮痛薬で痛みを支えます。照射のあと、一時的に痛みが強まることもあります。どのくらいで効果を判断するのか、痛みが続いたらどうするのかを、放射線治療の担当医に前もって聞いておくと、途中で不安になりにくくなります。

医療用麻薬を使うと、やめられなくなりませんか?

医療用麻薬は、医師が痛みに合わせて量を調整しながら使う薬です。放射線などで痛みの元が小さくなれば、医師と相談しながら減らしていくこともできます(自己判断で急にやめるのは避けてください)。命が縮むのではという心配についても、日本緩和医療学会の痛みのガイドライン(2020年版)が、オピオイドの使用で生命予後が短くなるという根拠はないとまとめています。気になる点は、そのまま主治医や薬剤師に尋ねてかまいません。

骨転移があっても、仕事や家事を続けていいですか?

続けられるかどうかは、転移している骨の場所と痛みの強さ、仕事や家事の中身によって変わります。重い物を持つ、体をひねる、高い所に手を伸ばすといった動きを減らせば、続けられる場合もあります。主治医に「この仕事のこの作業は大丈夫ですか」と具体的に聞き、勤め先との調整に迷うときは、がん相談支援センターで仕事の相談もできます。

骨転移があると、もう治療法がないということですか?

そうではありません。骨転移があっても、元のがんに対する薬やホルモン療法などの全身の治療が続けられ、それに加えて、放射線や骨の薬で骨のトラブルを防ぐ治療が行われます。どの治療を軸にするかはがんの種類と体の状態で変わるので、「今の治療の目標は何ですか」と主治医に確かめてみてください。

夜中に痛みで目が覚めたら、どうすればいいですか?

追加で使ってよい痛み止めが処方されていれば、指示どおりに使い、時刻と痛みの強さをメモしておきます。脚のしびれや力の入りにくさ、尿や便の出にくさなど新しい変化があるときは、朝を待たずに病院へ連絡してください。痛みより怖さで眠れない夜は、24時間・無料のよりそいホットライン(0120-279-338)に電話することもできます。

痛みと骨折への備えを、次の診察までに一枚にまとめます

今いちばん怖い動きや、気になっている痛みをひとことお書きください。お名前はニックネームでかまいません。受付確認のメールは送信の直後に届き、ご希望の時間帯に担当がお電話して、痛みの伝え方と、次の診察で聞く3つの質問を一緒に整理します。

  1. 入力は1分ほどお名前はニックネームで構いません。ご相談の内容は、ひとことでも大丈夫です。
  2. すぐに受付メール送信すると、受け付けたことをお知らせするメールが届きます。
  3. ご希望の時間にお電話電話番号は、折り返しのお電話にだけ使います。スタッフが名前を名乗っておかけします。

    必須は4項目(お困りの内容・施設名・お名前・メールアドレス)です。分かる範囲でご記入ください。写真があると、状況の確認が早くなります。

    1. 1営業日以内にご連絡(お急ぎの場合は当日中)

    2. 現地の確認は無料です(所要30分〜2時間)

    3. お見積りの後にお断りいただいても構いません

    1ご相談の内容
    ご相談の種類任意

    今まさに設備が止まっている・水が漏れているときは、いちばん上を選んでください。すぐにできることを表示します。

    水が漏れている場合は、先に止水栓か元栓を閉めてください。電気設備に水がかかっている場合は、ブレーカーを落としてください。写真はLINEから送っていただくのが最短です(24時間受付)。

    対象の設備・箇所任意・複数可

    写真任意・3枚まで

    全体が分かる引きの写真、症状が分かる寄りの写真、銘板(メーカー・型式のシール)の3枚があると、機種と範囲がその場で分かります。入居者の方が写らないようにお撮りください。1枚2MBまで(JPG・PNG・GIF・WebP・PDF)。スマートフォンの写真はそのまま選べます。大きい写真は送信前に自動で縮小します。

    2施設について

    3ご連絡先

    ご希望の連絡方法任意

    連絡のつきやすい時間帯任意・複数可

    4詳しく書ける方へ任意いつから・何回目か・何か所か・何名の施設か。分かるとお見積りまでの日数が短くなります

    同じ症状は

    補助金の利用

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    他社の金額をお伺いすることはありません。相見積の場合は、各社に同じ条件をお伝えします。

    送信すると、受付番号を記した受付完了メールが自動で届きます(ご入力の内容は記載しません)。受付とご連絡は、運営会社のスキマグループ合同会社が行います。ご相談・現地の確認・お見積りまで費用はかかりません。

    お急ぎのときは、お電話で:080-4178-5017(平日9:00〜18:00は担当が直接お受けします。それ以外は自動音声で受け付け、翌朝9時までに折り返します)/文字で相談したいときはLINEで

    私たちは医療機関ではないため、診断・治療・余命の判断はできません。体調の急な変化は、まず主治医や病棟・訪問看護へ。命に関わる緊急時は、迷わず119番へ。

    次の一歩

    がんの種類ごとの数字は、主治医と一緒に読む

    がんの種類ごとの生存率などの数字は、多くの方をまとめた統計です。同じ種類でも、進み方や治療の効き方は一人ひとり違います。数字を見て不安になったら、その数字が今のご本人にどう当てはまるのかを、主治医に尋ねてみてください。

    主治医や看護師に聞いてみる一言

    「調べた数字が、本人の場合にどう当てはまるのか教えてください。」

    1. 読んだ数字の出どころ(いつの、どのような方々の統計か)を確かめる
    2. 気になった数字はメモして、診察のときに見せる
    3. 調べものには、出典のはっきりした公的な情報を使う

    手元にあると話しやすいもの

    • 読んだ数字の出典(サイト名と日付)
    • 質問メモ

    公的な相談先

    がん情報サービス(国立がん研究センター)
    出典のはっきりしたがんの情報と、お近くのがん相談支援センターの探し方がまとまっています。
    がん相談支援センター
    全国のがん診療連携拠点病院などにある相談窓口です。どなたでも無料で、その病院にかかっていなくても相談できます。

    このサイトでできること

    体調の急な変化は、まず主治医・病棟・訪問看護へ。命に関わる緊急時は119番へ。

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    参考・出典

    監修者 木内 由香

    緩和ケア・がん患者と家族の
    支援に関する監修者

    木内 由香

    緩和ケア・がん患者と家族の支援に関する監修者

    県立がんセンターでの勤務経験を経て、がん患者さんとそのご家族が直面する療養上の悩みや意思決定の葛藤に向き合ってきました。

    がんと診断されたご本人を支えるご家族には、「一日でも長く生きていてほしい」という切実な願いがあります。一方で、緩和ケアでは、痛みや苦痛を和らげること、その人らしい生活を大切にすること、ご本人の希望を尊重することなど、さまざまな視点から療養の方向性を考える必要があります。

    こうしたご家族の願いと医療・療養方針との間に生まれる葛藤を理解し、年間約200名のがん患者さんとそのご家族に関わる中で、それぞれの状況に応じた支援のあり方や、その先に進むための選択肢をともに考えてきました。

    「がんと家族の相談室」では、がん患者さんご本人だけでなく、支えるご家族も孤立せず、必要な情報や相談先につながれることを大切にしています。医療情報を伝える際には、医学的な正確性に配慮するとともに、ご家族が抱える不安や迷いにも目を向け、療養生活の中で次の一歩を考えるための情報発信を目指しています。

    監修は医療情報の正確性と表現の妥当性に関するものであり、個別の診断・治療・余命の判断を行うものではありません。ご本人の症状や治療については、担当の医師・看護師にご確認ください。

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