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がんを子ども本人にどう伝える?年齢別の言葉ときょうだいへの対応

このテーマの総論:子どもががん、親は何をすればいい?診断から療養までにできる5つ

この記事では、お子さんのがんについてお伝えしています。読み進めるのがつらいときは、いったん閉じても大丈夫です。相談先は、記事の最後の「次の一歩」にまとめています。

この記事の結論

本人には、年齢に合った言葉で、嘘をつかずに少しずつ伝えるのが基本で、伝え方は主治医や看護師と相談してそろえられます。きょうだいには、あなたのせいではないこと、うつらないことを伝え、短くても決まった一対一の時間をつくってください。

理由と根拠は、このあと本文でくわしくお伝えします。 主な出典:国立がん研究センター がん情報サービス「未成年の子どもがいるがんと診断された方へ… ほか2件 参考・出典を見る 先に「次の一歩」を見る

病気の子ども本人には、年齢に合った言葉で、嘘をつかずに、少しずつ伝えていくのが基本です。何をどこまで話すかを、親だけで決める必要はありません。主治医や看護師と相談しながら、家族の大人で使う言葉をそろえていけます。

ただ、伝え方に一つの正解はなく、子どもの年齢や性格、病気の種類や治療の段階によって、ちょうどよい言葉は変わります。この記事では、幼児・小学生・中高生それぞれへの伝え方の目安、嘘をつかずに怖がらせすぎない伝え方、医療者と一緒に伝える方法、そしてきょうだいに起きやすい反応と関わり方、学校との連携のしかたを紹介します。

伝え方に迷って、このページを開いた方へ

  • 本人に「がん」という言葉を使っていいのか分からない。
  • 隠せば嘘をつくことになるし、話せば怖がらせてしまう気がする。
  • 下の子は最近わがままが増えて、どう接すればいいのか分からない。

がんの子ども本人に病気をどう伝えればいいですか?きょうだいにはどう対応すればいいですか?

本人には、年齢に合った言葉で本当のことを少しずつ伝え、伝え方は医療者と相談してそろえます。きょうだいには、あなたのせいではないこと、うつらないことを伝え、短くても決まった一対一の時間をつくります。

子どもは、大人の表情や声の調子、入院が長引いていることから、何か大きなことが起きていると感じとっていることがあります。そのとき何も知らされないと、子どもは自分なりの想像で空白を埋めようとして、実際よりも怖い話をつくってしまうことがあります。年齢に合った本当の説明は、子どもを怖がらせるためではなく、一人で想像の中に取り残さないためのものです。

国立がん研究センターのがん情報サービスには、親ががんになったときに子どもとどう話すかについての案内があります。話すかどうかに正解はなく、周りの大人が方針を共有しておくことが大切だとしたうえで、伝えるときは子どものせいではないこと、うつらないことを伝え、発達に合った言葉で段階的に話し、生活の中で「変わること」と「変わらないこと」を伝えるよう勧めています。病気になったのが子ども本人である場合とは場面が違いますが、きょうだいに話すときにはほぼそのまま、本人に話すときにも「発達に合った言葉で、段階的に」という点は、手がかりになる考え方です。

本人に「がん」という言葉を使ってもいいのですか?

使うかどうかに一つの正解はありません。病名そのものより、嘘をつかずに、子どもが分かる言葉で今起きていることを伝えることが土台です。病名を使うかどうかは、年齢や性格を踏まえて主治医と相談して決められます。

「がん」という言葉には、テレビや身近な大人の病気から、怖い印象がついていることがあります。小さな子にとっては、病名よりも「これから何が起きるか」のほうが大事なので、無理に病名を使わなくても、本当のことは伝えられます。

一方で、小学校の高学年より上になると、病棟での会話や書類、ネットなどから、子どもが自分で病名を知ることもあります。親が隠していたと分かったとき、子どもは「本当のことを聞いてはいけないんだ」と受けとり、不安を口にしなくなるかもしれません。病名を使う場合は、「がんにもいろいろな種類があって、子どもの病気は大人のがんとは違うところも多い」と添え、身近な大人の病気と結びつけて怖がりすぎないようにします。どの言葉を使うかは、親だけで抱えずに、主治医や看護師と相談してください。

年齢によって、伝える内容や言葉はどう変わりますか?

幼児には今起きることを具体的に、小学生には体の中で起きていることと治療の目的を、中高生には病名を含めた大人に近い情報と、自分の治療について考える機会を、というように、理解の段階に合わせて中身を変えます。

幼児(保育園・幼稚園のころ)

この時期の子どもにとって大事なのは、病気の名前より、「これから何が起きるか」と「パパやママはどこにいるか」です。「体の中に悪いところがあって、それをやっつけるために、しばらく病院にいるよ」のように、短く具体的に伝えます。痛い処置の前には「ちくっとするけど、終わったらママがぎゅっとするね」と、前もって正直に知らせてください。小さな子は、病気になったのを「悪い子だったから」と思い込むことがあるので、「あなたが悪いことをしたからじゃないよ」と、何度でも伝えます。人形や絵本を使ったごっこ遊びで、病院で起きることを一緒に練習するのも、この年齢には伝わりやすい方法です。

小学生

体のしくみに興味が出てくる年齢なので、体の中で起きていることを絵や図で説明すると理解しやすくなります。たとえば白血病なら、「血液をつくる工場の中で、悪い細胞が増えすぎている。その細胞を減らすための治療をするよ」という説明の仕方があります。病気によって説明は違うので、言い方は医療者と相談してください。学校や友だち、髪や見た目の変化への心配がふくらみやすい時期でもあります。「学校の先生には、何て伝えてほしい?」と本人の希望を聞きながら進めると、自分のことを自分で決められている感覚が残ります。

中学生・高校生

大人に近い情報を理解できる年齢で、自分の病気をネットで調べることもあります。親が知っていることを隠していると、本人は一人で検索して、一人で怖さを抱えることになりかねません。主治医からの説明に本人も同席し、聞きたいことを自分で聞ける場をつくってください。親のいない場で主治医と話したいという希望が出ることもあります。友だちや部活、受験、SNSで誰に何を伝えるかも、本人が決めたい大事なことです。国立がん研究センターのがん情報サービスには、主に思春期から30歳代までの「AYA世代」に向けた情報もまとめられています。

年齢伝えたい中心言葉の例気をつけたいこと
幼児これから起きることと、親がそばにいること「悪いところをやっつけるために、病院にいるよ」「悪い子だったから」と思い込まないように
小学生体の中で起きていることと、治療の目的「体の中の悪い細胞を減らす治療をするよ」学校や見た目の心配を、先回りして聞く
中学生・高校生病名を含めた、大人に近い情報「先生から、一緒に説明を聞こう」一人で検索して抱え込まないように
年齢ごとの伝え方の目安(性格や理解の度合いで変わります)

隠すと嘘になりますか?怖がらせずに伝えるには、どうすればいいですか?

全部を一度に話さないことと、嘘をつくことは違います。伝える順番や量は親が選べますが、「痛くないよ」「すぐ帰れるよ」のように、あとで違ったと分かる言葉は、子どもの信頼を損ねやすくなります。

今は話さないことがあっても、それは嘘ではありません。まだ決まっていない治療の先の話や、子どもが聞いてこない細かな数値は、子どもの準備ができたときに話せば十分です。気をつけたいのは、その場を収めるために事実と違うことを言ってしまうことです。「痛くない」と言われた処置が痛かった子は、次から親の「大丈夫」を信じにくくなります。

親がいちばん怖いのは、本人から「ぼく、死んじゃうの?」と聞かれる場面かもしれません。すぐに答えを出そうとせず、まず「どうしてそう思ったの?」と聞き返してみてください。テレビで見た場面や、同じ病棟での出来事など、子どもなりのきっかけがあることもあります。そのうえで、主治医から聞いている内容に沿った今の本当のことと、「何があっても、ひとりにはしないよ」という約束を伝えます。答えに迷ったら、「大事な質問だから、先生と一緒に考えようね」と、その場で答えを出さなくてもかまいません。

今は言わなくてもいいこと

  • まだ決まっていない、治療の先のこと
  • 子どもが聞いてこない、細かな数値
  • 大人の間でも答えが出ていないこと

あとで信頼を損ねやすい言葉

  • 「痛くないよ」(痛みのある処置の前に)
  • 「すぐおうちに帰れるよ」
  • 「ただの風邪だよ」
  • 「このことは、誰にも言っちゃだめ」
今は言わなくてもいいことと、あとで信頼を損ねやすい言葉

医療者と一緒に本人へ伝えることはできますか?

できます。主治医から本人に説明してもらう場に親が同席する、伝える言葉を前もって看護師と相談する、といった方法があります。病院によっては、子どもの気持ちや遊びを支える専門のスタッフが関わってくれることもあります。

親が一人で伝えようとすると、子どもの質問にその場で全部答えなければと身構えてしまいます。主治医が病気と治療の説明をし、親は隣で手を握って聞く。そう役割を分けると、親は子どもの表情を見守ることに集中できます。説明のあとで、親子だけで「さっきの話で、分からなかったところある?」と話す時間をとると、子どもは聞きそびれたことを口にしやすくなります。

病院によっては、チャイルド・ライフ・スペシャリストや病棟の保育士など、遊びや説明を通して子どもの気持ちを支える専門のスタッフがいます。検査や処置の前に、人形や絵を使って何が起きるかを説明してもらえることもあるので、看護師に「子どもへの説明を手伝ってくれる方はいますか」と聞いてみてください。主治医への相談の切り出し方は、主治医への質問メモの作り方でも紹介しています。

院内で相談できる人が見つからないときや、病院の外の人に話したいときは、がん相談支援センターでも本人への伝え方の迷いを相談できます。家族だけで使え、名前を明かさなくてもかまいません。小児がん拠点病院にあるセンターは、通院先でなくても無料で、電話でも相談を受けています。

  1. 1家族で方針をそろえる両親や祖父母で、使う言葉と伝える範囲を決める
  2. 2医療者に相談する主治医や看護師に、伝える時期と言葉を相談する
  3. 3伝える場を決める誰が、どこで、どんな順番で話すかを決める
  4. 4伝える短く、本当のことを、子どもの目を見て話す
  5. 5質問を受け止めるその日も翌日も、聞きたいことを聞ける時間をつくる
医療者と一緒に、本人へ伝えるまでの流れ

きょうだいには、どんな反応が起きやすいですか?

赤ちゃん返り、怒りやわがまま、反対に聞き分けがよすぎる、といった反応が見られることがあります。どれも、寂しさや不安、「自分のせいかもしれない」という思いが、年齢なりの形で表に出たものです。

下の子が急に一人で着替えられなくなったり、夜中に泣いて起きたりするのは、親を求める気持ちが形を変えて出てきていることがあります。「わがままが増えた」と感じる行動も、病気の子に親の時間が集まる中で、自分のほうを向いてほしいという訴えかもしれません。反対に、何も言わずにお手伝いをし、聞き分けのよい子になりすぎるきょうだいもいます。親を困らせまいと気持ちを抑えている分、見逃されやすいので、静かな子ほど気にかけてください。

きょうだいの中には、「自分がけんかで意地悪をしたから、病気になったのかもしれない」「自分にもうつるかもしれない」と、口には出さずに思い込んでいる子もいます。病気はあなたのせいではないこと、そばにいてもうつらないことは、聞かれる前に、こちらから言葉にして伝えてください。

きょうだいに我慢させないために、何ができますか?

短くても決まった一対一の時間、変わらない毎日の約束、気持ちを口にしていい場の3つを用意することです。病気の子の話ではなく、きょうだい自身の学校や友だちの話を聞く時間が、「自分も大事にされている」という実感になります。

一対一の時間は、長さより「決まっていること」が大事です。週に一度の朝ごはんを二人で食べる、寝る前の10分だけは絵本を読む。病院の都合で崩れる日があっても、また戻ってくる約束があれば、きょうだいは待つことができます。生活の中で変わることと変わらないことも、具体的に伝えます。「ママは火曜と金曜は病院に泊まるけど、保育園のお迎えは毎日おばあちゃんが来るよ」のように、変わらないことを一つ示すと、見通しが持ちやすくなります。

怒りや寂しさを口にしたときは、叱る前に「寂しかったね」と気持ちを受け止めてください。「お兄ちゃんのほうが大変なんだから」と我慢を求めると、きょうだいは気持ちをしまい込むことを覚えてしまいます。きょうだいへの接し方に迷ったときは、公益財団法人がんの子どもを守る会の、小児がん専門のソーシャルワーカーにも相談できます(東京03-5825-6312/大阪06-6263-2666、平日10時〜17時、年末年始を除く)。家族の役割分担の中で、きょうだいと過ごす担当を決めておく方法は、家族の役割分担の決め方にまとめています。

  • 週に一度でも、きょうだいだけと過ごす時間を決める
  • 「あなたのせいじゃない」「うつらない」を言葉にして伝える
  • 寝る時間や朝ごはんなど、変わらない約束を一つ守る
  • お見舞いの品と同じように、きょうだいにも小さな楽しみを用意する
  • 怒りや寂しさを口にしたら、叱る前に受け止める
  • 病院の決まりの範囲で、手紙やビデオ通話で病気の子とつなぐ
きょうだいを我慢させないための工夫

学校には、何をどう伝えればいいですか?

本人の学校には、治療の予定と配慮してほしいこと、クラスにどこまで伝えるかを、本人の気持ちを聞いたうえで担任と相談します。きょうだいの学校や保育園にも事情を伝えておくと、様子の変化に気づいてもらいやすくなります。

本人の学校には、まず担任に、入院や通院の予定と、しばらく休むことを伝えます。クラスに病名まで伝えるのか、「病気の治療で入院している」までにするのかは、本人の気持ちをいちばんに考えて決めてください。友だちに知ってほしい子もいれば、知られたくない子もいます。入院先に院内学級がある場合は、もとの学校との連絡のとり方も相談できます。

学校に戻るときは、体力のこと、感染への配慮、見た目の変化への接し方など、主治医から聞いた注意を担任や保健室の先生と共有します。きょうだいの学校や保育園の先生には、家族の状況を短く伝え、「最近、家で甘えが強くなっています。園で気になる様子があれば教えてください」と頼んでおくと、家と学校の両方からきょうだいを見守れます。

本人ときょうだい

  • 担任の先生治療の予定、配慮してほしいこと、クラスへの伝え方
  • 保健室の先生体調の変化や、感染への配慮を一緒に見てもらう
  • 院内学級の先生入院中の学習と、もとの学校とのつなぎ
  • 主治医・看護師登校の条件や、学校に伝えてほしい注意を確かめる
  • きょうだいの担任や保育士家の事情を伝え、様子の変化に気づいてもらう
学校と連携するときに、話しておきたい相手

「ぼく、がんなの?」と聞かれたお父さんは、どう動いた?

説明のための例(実在の方の体験談ではありません)

どなたの例か
40代・父親の立場(小学4年の息子が入院して治療中。妻と、年長の娘がいる)
相談のあとに変わったこと
「違うよ」と言ってしまった病名を、主治医の同席のもとで伝え直した。息子は治療について質問するようになり、娘とは日曜の朝に二人で過ごす時間ができた。

1. 相談のあとに変わったこと

相談から3週間後、主治医が病室で息子に病名と治療の目的を説明し、父親と母親が両側に座って一緒に聞いた。説明のあと、息子は「髪が抜けたら、学校の友だちに何て言えばいい?」と自分から聞いた。娘とは毎週日曜の朝、父親と二人でパン屋に行く時間を決め、園の先生とは連絡帳で娘の様子をやりとりするようになった。「嘘をついた日より、本当のことを話した日のほうが、息子との距離が近くなりました」

2. 相談を考えた背景

入院して1か月が過ぎたころ、息子が病棟の掲示を見て「ぼく、がんなの?」と聞いてきた。父親はとっさに「違うよ、ちょっと長い病気なだけ」と答えてしまった。それから息子は、治療について何も聞かなくなった。家では、年長の娘が夜中に泣いて起きるようになり、一人で着替えもしなくなった。

3. 相談する前に困っていたこと

夫婦で「本人に伝えるべきか」を話したが、母親は「まだ早い」、父親は「もう気づいている」と意見が分かれた。ネットで年齢別の伝え方を調べると、どれももっともらしく見えて、かえって決められなくなった。主治医に相談したかったが、何をどう切り出せばいいのか分からず、回診の数分では言い出せなかった。

4. ここを選んだ理由・決め手

病院の相談窓口も考えたが、夫婦の意見が割れていることを病院の人に話すのは気が引けた。相談室のフォームならニックネームで送れ、仕事の昼休みに電話を受けられる。医療機関ではないので診断や治療の判断はしない、と書かれていたことで、「伝え方の迷いだけを話していい場所なんだ」と思えた。

5. 相談で話したこと・その後

電話では、担当は名前を名乗り、まず父親の話をさえぎらずに聞いた。「違うと言ってしまった」ことへの後悔も、そのまま受け止めた。そのうえで、夫婦で決めること、主治医や看護師に相談することを分け、看護師に渡す質問を3つにまとめて送った。担当は、息子にどう伝えるのが正しいかを決めることはしなかった。翌週、父親が看護師に質問のメモを渡すと、主治医との相談の時間が設けられた。母親が「まだ早い」と感じていた理由も、その場で主治医に伝えられた。伝え直した夜、息子は「なんでうそついたの」と聞き、父親は「パパも怖かったんだ。ごめんね」と答えたという。

※よくある状況を組み合わせて作った例です。登場する方は実在しません。相談の進み方は、状況によって異なります。

医療者に聞く質問例

  • 本人には、病名を含めて、どこまでどんな言葉で伝えるのがよいと思われますか。
  • 説明は、先生から本人にしていただけますか。親も同席できますか。
  • 子どもへの説明や気持ちを支えてくれるスタッフは、この病院にいますか。
  • 見た目の変化など、前もって本人に伝えておいたほうがいいことはありますか。
  • きょうだいが面会するときの決まりと、気をつけることを教えてください。
  • 学校に戻るとき、先生に伝えておいてほしい注意はありますか。

とはいえ、伝え方に迷うお父さん・お母さんに伝えたい2つのこと

① 気持ちのこと──正しい言葉より、伝えたあともそばにいること

完璧な伝え方を探すほど、言葉は出てこなくなります。子どもの記憶に残るのは、説明の一字一句よりも、話のあとで親がそばにいてくれたこと、質問に向き合ってくれたことのほうかもしれません。うまく言えなかった日があっても、「あのときはうまく言えなくて、ごめんね」と言い直すことはできます。迷いながらこのページを読んでいるのは、それだけ子どもとの信頼を大事にしているからです。

② 実務のこと──家族の大人で「使う言葉」をそろえておく

本人やきょうだいに、親と祖父母とで違う説明をしてしまうと、子どもは誰の話を信じればいいのか分からなくなります。病気をどう呼ぶか、治療を何と説明するか、「いつ帰れるの?」と聞かれたら何と答えるか。家族で使う言葉を短いメモにして、祖父母や、きょうだいを預かってくれる人にも渡しておきます。主治医から新しい説明を受けたら、そのメモも書き換えます。言葉がそろっていると、子どもは安心して質問できます。

今日できること

今夜から明日にかけて、伝える準備のためにできる3つのこと

  1. 本人が今知っていることを書き出す

    本人に話したこと、本人が見聞きしていそうなこと、本人が口にした質問を、夫婦で一枚のメモに書き出します。

  2. 医療者への一言を用意する

    「本人への伝え方を相談したいので、少しお時間をいただけますか」と看護師に伝える一言を、メモに書いておきます。

  3. きょうだいとの約束を一つ決める

    今週のどこかで、きょうだいと二人だけで過ごす時間を一つ決め、その約束をきょうだいにも伝えておきます。

よくある質問

最初に「ただの風邪」と言ってしまいました。今からでも伝え直せますか?

伝え直せます。「あのときは、パパもママもうまく言えなかった。ごめんね」と、最初の説明が違っていたことを認めてから、本当のことを年齢に合った言葉で伝えます。どう切り出すか迷うときは、主治医や看護師に相談し、説明の場に同席してもらうと、親だけで抱えずにすみます。

祖父母から「本人には言わないで」と強く言われています。

祖父母がそう言うのは、孫を怖がらせたくない気持ちからかもしれません。ただ、本人にどう伝えるかは、親と医療者が相談して決めることです。決めた方針と、その理由を祖父母に伝え、同じ言葉を使ってもらえるよう頼んでください。大人の説明がばらばらだと、子どもが混乱するからです。

本人が、友だちに病気のことを知られたくないと言います。

その気持ちを、まず大事にしてください。担任には事情を伝えたうえで、クラスには「病気の治療で休んでいる」までにとどめてもらうなど、本人が選べる形を一緒に考えます。治療が進むにつれて気持ちが変わることもあるので、ときどき「今はどうしたい?」と聞き直してください。

きょうだいを、病院に面会に連れて行ってもいいですか?

きょうだいの面会の決まりは、病院や病棟によって違います。感染を防ぐための決まりが設けられていることもあるので、まず看護師に確かめてください。面会が難しい時期は、手紙や絵、ビデオ通話でつなぐ方法もあります。病気の子にとっても、きょうだいの声は大きな励みになることがあります。

髪が抜けるなど、見た目の変化は前もって伝えたほうがいいですか?

治療によって見た目が変わることがあるなら、前もって伝えておくほうが、本人の心の準備になります。いつごろ、どんな変化が起こりうるかを主治医や看護師に確かめ、帽子やバンダナを一緒に選ぶなど、変化に備える楽しみも用意してみてください。学校に戻る前には、友だちにどう伝えるかも本人と相談しておきます。

本人が、病気のことを何も聞いてこなくなりました。

聞いてこないのは、何も感じていないからとは限りません。親を困らせまいとして、質問をしまい込んでいることもあります。「聞きたいことがあったら、いつでも聞いていいんだよ。先生に一緒に聞いてもいいよ」と、質問していい合図を出しておいてください。絵を描く、日記をつけるなど、言葉以外で気持ちを出せる方法が合う子もいます。

伝える前の迷いを、お電話で一緒にほどきませんか

お子さんの年齢ときょうだいの有無をひとことと、ご希望の時間帯を書いて送ると、受付確認のメールがすぐに届き、その時間帯に担当からお電話します。誰が、いつ、どんな言葉で伝えるかを一緒に整理し、医療者に相談するときの質問を3つにまとめてお送りします。

  1. 入力は1分ほどお名前はニックネームで構いません。ご相談の内容は、ひとことでも大丈夫です。
  2. すぐに受付メール送信すると、受け付けたことをお知らせするメールが届きます。
  3. ご希望の時間にお電話電話番号は、折り返しのお電話にだけ使います。スタッフが名前を名乗っておかけします。

    必須は4項目(お困りの内容・施設名・お名前・メールアドレス)です。分かる範囲でご記入ください。写真があると、状況の確認が早くなります。

    1. 1営業日以内にご連絡(お急ぎの場合は当日中)

    2. 現地の確認は無料です(所要30分〜2時間)

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    次の一歩

    ひとりで抱えず、小児がんに詳しい相談先につながる

    お子さんの病気のことを、親御さんだけで背負う必要はありません。全国の小児がん拠点病院や、がん診療連携拠点病院などにある相談支援センターでは、治療や暮らし、きょうだいのこと、親御さん自身の気持ちについても相談できます。

    主治医や看護師に聞いてみる一言

    「治療のこと以外に、きょうだいや学校のことを相談できる窓口はありますか。」

    1. 主治医や担当の看護師に、病院の相談窓口(医療ソーシャルワーカーなど)を教えてもらう
    2. きょうだいへの伝え方も、ひとりで決めずに相談先と一緒に考える
    3. 親御さん自身が眠れない・食べられない日が続くときは、それも相談先に伝える

    手元にあると話しやすいもの

    • 治療の予定が分かるもの
    • きょうだいの学校・園の連絡先

    公的な相談先

    小児がん拠点病院の相談支援センター
    小児がんの治療や療養のこと、きょうだいや学校のことまで相談できます。
    医療ソーシャルワーカー(病院の相談室など)
    医療費や制度、退院後の暮らし、在宅療養の準備を一緒に考える専門職です。

    このサイトでできること

    体調の急な変化は、まず主治医・病棟・訪問看護へ。命に関わる緊急時は119番へ。

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    参考・出典

    • 国立がん研究センター がん情報サービス「未成年の子どもがいるがんと診断された方へ:子どもとのかかわりを考えるときに」「病気について子どもに伝える」;特定非営利活動法人ホープツリー「Hope Tree~パパやママががんになったら~」 https://ganjoho.jp/public/support/communication/children/index.html
    • 国立がん研究センター がん情報サービス「小児がんの相談・病院」/同「AYA世代の方へ(15歳から30歳代)」/公益財団法人がんの子どもを守る会「相談事業」/厚生労働省「AYA世代(思春期・若年成人)のページ」 https://ganjoho.jp/public/life_stage/child/reference.html
    • 国立がん研究センター がん情報サービス「『がん相談支援センター』とは」/同「相談支援センターを探す」 https://ganjoho.jp/public/institution/consultation/cisc/cisc.html
    監修者 木内 由香

    緩和ケア・がん患者と家族の
    支援に関する監修者

    木内 由香

    緩和ケア・がん患者と家族の支援に関する監修者

    県立がんセンターでの勤務経験を経て、がん患者さんとそのご家族が直面する療養上の悩みや意思決定の葛藤に向き合ってきました。

    がんと診断されたご本人を支えるご家族には、「一日でも長く生きていてほしい」という切実な願いがあります。一方で、緩和ケアでは、痛みや苦痛を和らげること、その人らしい生活を大切にすること、ご本人の希望を尊重することなど、さまざまな視点から療養の方向性を考える必要があります。

    こうしたご家族の願いと医療・療養方針との間に生まれる葛藤を理解し、年間約200名のがん患者さんとそのご家族に関わる中で、それぞれの状況に応じた支援のあり方や、その先に進むための選択肢をともに考えてきました。

    「がんと家族の相談室」では、がん患者さんご本人だけでなく、支えるご家族も孤立せず、必要な情報や相談先につながれることを大切にしています。医療情報を伝える際には、医学的な正確性に配慮するとともに、ご家族が抱える不安や迷いにも目を向け、療養生活の中で次の一歩を考えるための情報発信を目指しています。

    監修は医療情報の正確性と表現の妥当性に関するものであり、個別の診断・治療・余命の判断を行うものではありません。ご本人の症状や治療については、担当の医師・看護師にご確認ください。

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