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子どものがん、あとどれくらい?数字を見る前に知ってほしいこと

このテーマの総論:子どもががん、親は何をすればいい?診断から療養までにできる5つ

この記事では、お子さんのがんについてお伝えしています。読み進めるのがつらいときは、いったん閉じても大丈夫です。相談先は、記事の最後の「次の一歩」にまとめています。

この記事の結論

ネットの余命や生存率の数字は、過去に診断された大勢の人の統計で、お子さん一人の先を示すものではありません。小児がんは大人のがんと治療の目的も経過も違います。数字を聞く・今は聞かないは親が決めてよく、その気持ちのまま主治医に伝えられます。

理由と根拠は、このあと本文でくわしくお伝えします。 主な出典:国立がん研究センター がん情報サービス「用語集:生存率」;国立がん研究センター「… ほか7件 参考・出典を見る 先に「次の一歩」を見る

ネットで見つけた余命や生存率の数字は、何年も前に診断された大勢の人をまとめた統計です。目の前にいるお子さん一人の「あとどれくらい」を言い当てる数字ではありません。

子どものがんは、かかりやすい病気の種類も治療の組み立て方も大人のがんとは違い、同じ病名でも、病気の性質や治療への反応によって経過は一人ひとり大きく変わります。数字を聞くか、今は聞かずにおくかは、親が決めてよいことです。

こんな時間に検索してしまったことを、責める必要はありません。わが子を思うからこそ、指が止まらなかったのだと思います。

病名を聞いた夜に、検索してしまった方へ

  • 病名を聞いた夜、震える手で検索して、出てきた数字に息ができなくなった。
  • 先生に聞けば教えてくれるのかもしれないのに、聞いたら本当になってしまいそうで怖い。
  • 希望を持っていいのか、覚悟をしなければいけないのか、どちらの気持ちでいればいいのか分からない。

この記事で分かること

  • ネットの数字が、お子さんの先を示さない理由
  • 子どものがんが、大人のがんと違うところ
  • 「知りたい」「今は知りたくない」を主治医に伝える言い方
  • 息が苦しくなる夜に、つながれる先

子どもががんと言われました。あとどれくらいなのか、怖くて医師に聞けません。どうすればいいですか?

聞けないままで大丈夫です。まずは「今は数字を聞く心の準備ができていない」と、そのまま主治医に伝えてかまいません。数字の代わりに「治療の目的」と「次の予定」を聞くだけでも、見通しの手がかりは得られます。

「聞いたら、それが本当になってしまう気がする」。そう感じて言葉が出なくなるのは、心が自分を守ろうとしている自然な反応です。知りたい気持ちと知りたくない気持ちは、同じ人の中に同時にあってかまいません。どちらかに決めきれない自分を、弱いと思わないでください。

ひとつだけ、覚えておいてほしいことがあります。親が数字を聞いても聞かなくても、お子さんの体の中で起きていることは変わりません。変わるのは、親の心の準備の順番だけです。だから「聞かなかったせいで悪くなる」ことも、「聞いたせいで現実になる」こともありません。

聞けないとき、無理に数字を取りにいく必要はありません。代わりに主治医に聞けることが2つあります。ひとつは「今の治療は何を目指しているのか」、もうひとつは「次の区切りはいつで、そこで何が分かるのか」です。この2つが分かると、数字がなくても、これからしばらくの見通しが少しずつ形になっていきます。

診察の途中で数字の話になりそうなら、「今日は、数字の話は聞かずにおきたいです」と先に伝えてかまいません。聞く準備ができたら、次の診察でも、その次でも、改めてたずねることができます。

ネットで見た余命や生存率の数字は、うちの子に当てはまりますか?

そのまま当てはまるものではありません。生存率は、過去に診断された大勢の人を集団としてまとめた数字で、一人ひとりの余命を示すものではないからです。お子さんの病気の種類や状態とも、ずれていることがあります。

生存率は、診断から一定の期間がたったときに生存している人の割合です(国立がん研究センター がん情報サービス)。何年か後の割合を出すには、何年も前に診断された人たちの経過を待つ必要があるため、統計に使われるのは、どうしても過去の患者さんの記録になります。

国立がん研究センターの院内がん登録の生存率を公開しているシステムも、載せている数字は「過去の期間にがんと診断された方の生存率」で、これから治療を受ける人には当てはまらない可能性があると注意を添えています。統計をつくる側が、自らそう断っているのです。

そのうえ、検索で出てくる数字には、大人のがんの数字、名前が似ているだけの別の病気の数字、海外の古い数字などが、出典の説明なしに混ざっていることがあります。「何人のうち何人」という数字は集団全体の話で、その中の一人がどちら側に入るのかは、数字からは分かりません。

  1. 1何年も前に診断された人を集める今とは治療の方法が違う時期の人も含まれる
  2. 2病気や年齢ごとにまとめる大人のがんや別の病気の数字が混ざることもある
  3. 3集団としての割合を出す一人ひとりの先は、ここで見えなくなる
  4. 4検索結果に並ぶ出典や対象の説明が省かれていることもある
ネットの数字が、お子さんから遠くなっていく道すじ

子どものがんは、大人のがんと何が違うのですか?

かかりやすい病気の種類も、治療の組み立て方も違います。子どもの治療の多くは治すことを目指して計画されていて、大人のがんの数字や体験談をそのまま重ねることはできません。

大人に多いのは胃がんや肺がん、大腸がんなどですが、子どもに多いのは白血病や脳腫瘍、神経芽腫など、別の種類の病気です。治療も、病気の種類や広がり、治療への反応を見ながら組み立てていくものが多く、病名が同じでも、子ども一人ひとりで進み方が違います。

思春期から30代にかけての「AYA世代」のがんも、子どもとも大人とも違う面を持っています。AYA世代は、がん情報サービスでは主に思春期(15歳〜)から30歳代まで、厚生労働省では15歳〜39歳とされています。高校生や大学生のお子さんでも、大人向けの情報だけで先を決めつけないことが、親の心を守ることにつながります。

ネットの数字より確かな情報は、目の前の主治医が、お子さんの検査の結果と今の状態を見て話す説明です。「この子の治療は何を目指しているか」を聞くことが、数字を調べるよりも先にある一歩です。

観点ネットで見かけやすい情報お子さんについて確かめたいこと
病気の種類大人に多いがんの話が中心になりやすい正式な病名と、その病気の特徴
治療の目的治療の段階が違う人の話が混ざる今の治療が何を目指しているか
数字過去の大勢の人をまとめた割合主治医が今の状態をどう見ているか
体験談年齢も病気も違う人の経過担当の医療者や専門の窓口の説明
ネットの情報と、お子さんについて確かめたいことを分ける表

数字を聞かないままでいるのは、親として逃げていることになりますか?

なりません。いつ、どこまで知るかを選ぶのは、家族の正当な権利です。準備が整ってから聞いても治療の内容が変わるわけではなく、親としての務めを怠ったことにもなりません。

医療の場では、病気について知る権利と同じように、知らずにいることを選ぶ権利も大切に扱われています。今は治療を始めることに気持ちを向けたい、まず子どもの前で笑っていられる自分でいたい。そう考えて数字から距離を置くのは、逃げではなく、親としての立派な選び方です。

夫婦や家族の中で、知りたい気持ちの強さが違うこともよくあります。一方は「全部知って準備したい」、もう一方は「今は治療のことだけを考えたい」。どちらが正しいということはありません。片方だけが主治医から詳しく話を聞き、もう片方には治療の予定だけを伝える、という分け方もできます。大事なのは、何をどこまで共有するかを、先に二人で決めておくことです。

  1. Q1数字を知ることで、決めたいことや準備したいことがありますか

    はい主治医に「この子の場合の見通しを、幅をもって教えてください」と頼む

    いいえ「今は数字を聞かずに、治療の目的と予定を教えてください」と伝える

  2. Q2夫婦や家族の中で、知りたい気持ちに差がありますか

    はい聞く人と聞かない人を分け、何を共有するかを先に決める

    いいえ同じ場で聞き、帰り道に感じたことを一言ずつ話す

  3. Q3数字のことで、眠れない・食べられない日が続いていますか

    はい主治医やがん相談支援センターに、親自身の不調として相談する

    いいえ今夜は数字から離れ、次の診察で聞くことを1つだけ書いておく

数字を聞くかどうか迷ったときの分かれ道

主治医に「知りたい」「今は知りたくない」は、どう伝えればいいですか?

気持ちをそのまま言葉にして大丈夫です。「今日は数字は聞かずにおきたい」「言葉で教えてほしい」「夫に先に話してほしい」など、聞き方の希望は医療者に伝えてかまいません。

伝えるタイミングは、診察が始まってすぐがいちばん言いやすいかもしれません。口に出すのが難しければ、メモに書いて最初に渡す方法もあります。次のような言い方を、そのまま使ってください。

  • 今は聞きたくないとき:「今日は数字の話は聞かずにおきたいです。治療の目的と、次の予定を教えてください」
  • 言葉でなら聞けそうなとき:「数字ではなく、言葉で教えていただけますか。今いちばん気をつけることは何ですか」
  • 準備のために知りたいとき:「覚悟のためではなく、準備のために知りたいです。この子の場合の見通しを、幅をもって教えてください」
  • 夫婦で違うとき:「夫は詳しく聞きたいと言っています。私は今は治療の予定だけ知りたいので、別々に説明していただけますか」
  • 自分では言えそうにないとき:看護師に「先生に、今は数字を聞きたくないと伝えてもらえますか」と頼む

一度伝えたあとで、気持ちが変わってもかまいません。「先日は聞かないと言いましたが、今は知りたいです」と言い直すことは、何度でもできます。聞く前に決めておくとよいことは、見通しを医師に聞く前に決めることの記事も参考になります。

希望を持っていいのですか?それとも覚悟をするべきですか?

希望を持ってかまいません。子どもの治療の多くは治すことを目指して行われていて、希望を持つことと、主治医の説明に耳を傾けることは両立します。どちらか一方を選ぶ必要はありません。

「覚悟しておいたほうがいい」と周りから言われると、希望を持つことが甘えのように感じられるかもしれません。けれど希望は、現実から目をそらすことではなく、毎日の治療に付き添い続けるための力です。

希望の中身は、時期によって形を変えることがあります。「治ってほしい」という大きな希望の横に、「次の外泊で家のお風呂に入れたらいい」「今日はゼリーを一口食べられたらいい」という小さな希望を並べておくと、どんな日にも手の届く目標が残ります。

大きな希望

  • 治療がうまく進んでほしい
  • また学校に通って、友だちと遊んでほしい

今週の小さな希望

  • 外泊の日に、家の布団でぐっすり眠る
  • 好きなおやつを一口でも味わう
  • 病室で一緒に好きな動画を見て笑う
大きな希望と、今週の小さな希望を並べておく

数字を見て息が苦しくなった夜は、どうすればいいですか?

まず画面を閉じて、吐く息を長くすることから始めてください。そのうえで、ひとりで抱えずに、つながれる先にひとことだけ届けます。数字の意味を考えるのは、明日の昼間でも間に合います。

夜は、同じ数字でも昼間より何倍も重く感じられます。検索を続けるほど、より悪い数字や知らない人の体験談に行き当たり、眠れないまま朝を迎えることになりがちです。今夜は、数字を「解決」しようとしなくてかまいません。主治医に聞きたいことを1行だけノートに書いて、いったん閉じる。それだけで、頭の中の置き場所が少し決まります。

  • スマホを伏せて、画面から目を離す
  • 吐く息を、吸う息より長くする
  • 水を一杯飲み、温かいものに手を当てる
  • 主治医に聞きたいことを1行だけ書いて、ノートを閉じる
  • 誰かにひとことだけ送る
息が苦しくなった夜に、5分でできること

夜中でもつながる窓口として、よりそいホットライン(0120-279-338)があります。無料で24時間対応している電話相談で、がん専門の窓口ではありませんが、眠れない夜のつらさを話すことができます。こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)は、かけた地域の公的な相談窓口につながり、受付の曜日や時間は地域ごとに違い、通話料がかかります。胸の痛みや息苦しさが治まらないなど、親自身の体が心配なときは、救急安心センター事業(#7119。実施していない地域もあります)に相談するか、ためらわず119番に電話してください。

同じように、子どもの病名を前に眠れない夜を過ごしている親御さんは、あなたひとりではありません。

ひとりで抱えないために、どこに相談できますか?

小児がん拠点病院のがん相談支援センター、がんの子どもを守る会のソーシャルワーカー、国立がん研究センターのサポートセンターなど、親が話せる専門の窓口があります。数字の受け止め方そのものを相談してかまいません。

厚生労働大臣が指定した小児がん拠点病院のがん相談支援センターは、その病院に通っていなくても無料で、電話でも相談できます。公益財団法人がんの子どもを守る会では、小児がんを専門とするソーシャルワーカーが相談を受けています(東京03-5825-6312、大阪06-6263-2666。平日10時〜17時、年末年始を除く)。

どこに聞けばいいか分からないときは、国立がん研究センターの「がん情報サービスサポートセンター」も使えます。電話は0570-02-3410(ナビダイヤル)または03-6706-7797で、平日10時〜15時。相談は無料で通話料だけがかかり、匿名で、原則1日1回20分以内です。声に出すのがつらい人には、2026年5月から加わった平日12時〜15時のチャット相談という方法もあります。

電話をかけるときは、最初の一言を決めておくと話し出しやすくなります。たとえば「子どもががんと診断された親です。ネットで数字を見てしまって、どう受け止めればいいか分からなくて電話しました」。病名や治療の経過を全部うまく説明できなくても、相談員とやりとりしながら、少しずつ整理していけます。

がんと家族の相談室は医療機関ではないため、余命の予測や診断はしません。そのかわり、評価も助言もせずに話を聞く20分や、主治医の言葉の一般的な意味をお伝えして、次の診察で聞く質問を3つにまとめるお手伝いができます。親が電話で相談できる先と、話し始めの一言の例は、電話で相談できる先の記事にもまとめています。

数字を見て眠れなくなったお父さんは、どう動いた?

説明のための例(実在の方の体験談ではありません)

どなたの例か
30代・父親の立場(5歳の娘が入院し、病名を告げられたばかり)
相談のあとに変わったこと
毎晩続いていた夜中の検索をやめ、夫婦で「誰が何を聞くか」を決めた。主治医には自分から、治療の目的と最初の区切りの時期をたずねられた。

1. 相談のあとに変わったこと

相談から10日ほどで、夜中に病名を検索することはほとんどなくなった。それまでは、娘の病室から帰った夜、毎晩2時間近く画面を見続けていた。妻とは「数字は夫だけが聞き、妻には治療の予定だけを伝える」と決め、次の診察では、主治医に今の治療が何を目指しているのか、最初の区切りはいつなのかを自分から聞けた。「聞けたのは数字じゃなかったけど、来月まで何をすればいいかは分かりました」

2. 相談を考えた背景

娘の病名を告げられた日の夜、父親は帰りの電車の中で検索を始めた。出てきたのは、大人のがんの記事と、どこの国のものか分からない数字だった。自宅に着いても画面から目が離せず、気づくと午前3時を過ぎていた。翌日、妻に数字の話をすると「今は聞きたくない」と泣かれ、それ以上は何も言えなくなった。

3. 相談する前に困っていたこと

主治医の説明は丁寧だったが、初めて聞く言葉が多く、メモも取れなかった。数字のことを聞きたい気持ちはあったが、娘の前で聞くわけにもいかず、妻が同席している場では切り出せない。会社では普段どおりにふるまい、夜はひとりで検索する日が続いた。「知りたいのか、知りたくないのか、自分でも分からなくなっていた」という。

4. ここを選んだ理由・決め手

病院の相談支援センターのことは知っていたが、仕事中は電話できず、夜はもう閉まっている。フォームに「数字を見てから眠れません」とだけ書き、昼休みの時間を指定して送った。すぐに受付確認のメールが届き、翌日の昼に電話がかかってきた。決め手は、余命の予測はしないと、はっきり書かれていたことだった。「予測されたら、また夜に検索してしまうと思った」

5. 相談で話したこと・その後

電話では、担当がまず父親の話を聞き、そのあとで、主治医の説明に出てきた言葉の一般的な意味を伝えた。担当は娘さんの見通しについては何も言わず、主治医に聞く質問を3つにまとめてメールで送った。夫婦で知りたいことが違う場合の分け方も一緒に考え、病気そのものの相談は、小児がん拠点病院のがん相談支援センターにもできることを伝えた。一度は妻に話すのをためらったが、次の週末に二人で質問メモを見ながら話し合った。「同じ紙を見ていると、言い争いにならなかったんです」

※よくある状況を組み合わせて作った例です。登場する方は実在しません。相談の進み方は、状況によって異なります。

主治医に聞く質問例(数字を聞く前に)

  • 今の治療は、何を目指して行うものですか。
  • 治療がうまくいっているかどうかは、いつ、どんな検査で分かりますか。
  • 見通しについて、今日は数字ではなく言葉で教えていただけますか。
  • ネットで見た数字があります。この子の病気や状態に当てはめて考えてよいものですか。
  • 夫婦で聞きたいことが違うのですが、別々に説明していただくことはできますか。

とはいえ、数字より先に覚えておいてほしい2つのこと

① 気持ちのこと──怖くて聞けないのは、弱さではありません

わが子のことだからこそ、怖くて聞けない。それは親として当たり前の心の動きです。わが子の前では笑顔を保ち、自分の気持ちは後回しにする。国立がん研究センターのがん情報サービスは、そうして気持ちを我慢しがちな家族のことを、「ご家族は、『第二の患者』ともいわれます」と紹介しています。子どもの前で笑い、夜はひとりで泣いている親は、自分の心配も誰かに話してかまわない立場にいます。

② 実務のこと──家族の中で、情報の入り口を決めておく

数字に振り回されやすいのは、情報がいくつもの入り口から一度に流れ込んでくるときです。ネットの検索、親戚からの電話、知り合いが聞いてきた体験談、病院の説明。家族の中で「病気のことは、主治医やがん相談支援センターなど出どころのはっきりした窓口から聞く」「ネットで調べるのは一人だけにして、ほかの家族には確かめた内容だけを伝える」と入り口を決めておくと、毎日の暮らしの中で数字に触れる場面そのものが減っていきます。お子さんのそばにいる親が、情報の整理まで一人で背負わずにすむ形にしておくことが、長い治療を支える土台になります。

今日できること

数字が頭から離れない夜から、明日にかけてできる3つのこと

  1. 検索を閉じる合図を決める

    「この記事を読み終えたらスマホを置く」と決め、置いたら水を一杯飲んで、吐く息を長くします。

  2. 主治医への一言を書いておく

    「今日は数字は聞かずに、治療の目的と次の予定を教えてください」のように、伝えたい一文をノートに書いておきます。

  3. ひとことだけ誰かに届ける

    パートナーや信頼できる人、または相談室のLINEに「眠れません」とひとこと送ります。夜に届いたLINEは、翌朝いちばんに読んでお返事します。

よくある質問

子どものがんの余命は、どこで調べればいいですか?

お子さん一人の余命を示してくれる公的な数字はありません。公開されている生存率は、過去に診断された大勢の人の統計です。どうしても知りたいときは、主治医に「この子の場合の見通しを、幅をもって教えてください」と頼むのがいちばん確かです。数字の読み方に迷うときは、小児がん拠点病院のがん相談支援センターで一緒に考えてもらうこともできます。

主治医から、すでに数字を聞いてしまいました。どう受け止めればいいですか?

その数字は、同じような状態の人たちの統計から出された目安で、お子さん個人の予測ではありません。動揺するのは当然のことです。次の診察で「その数字は、どんな人たちのデータをもとにしたものですか」「この子の場合、何によって変わりますか」と聞くと、数字の意味が少し具体的になります。

夫婦で、数字を知りたい気持ちが違います。どうすればいいですか?

どちらの気持ちも正しく、無理に合わせる必要はありません。知りたい人だけが主治医から詳しく聞き、もう一人には治療の予定だけを伝える分け方があります。何をどこまで共有するかを先に二人で決めておくと、知らない間に数字を聞かされる不安が減ります。

子ども本人に「ぼく、治るの?」と聞かれたら、どう答えればいいですか?

すぐに正しい答えを出そうとしなくて大丈夫です。もっと直接的な言葉で聞かれることもありますが、まず「どうしてそう思ったの?」と、本人の気持ちを聞いてみてください。同じ病棟の子の様子やテレビで不安になっていることもあります。答え方は年齢によって変わるので、主治医や看護師と相談しながら決めていけます。幼児・小学生・中高生に分けた言葉の例は、本人への伝え方の記事で紹介しています。

同じ病気の子の体験談ブログを読んで、落ち込んでしまいます。

体験談は、その子と家族の大切な記録ですが、年齢も病気の性質も治療を受けた時期も、お子さんとは違います。励まされる話もつらくなる話も、どちらもお子さんの先を決めるものではありません。読むなら昼間に時間を区切り、苦しくなったら閉じてかまいません。病気の情報は、主治医の説明や国立がん研究センターのがん情報サービスなど、出どころのはっきりしたものを軸にしておくと安心です。

数字を気にしないように言われても、頭から離れません。

離れなくて当然です。追い払おうとするほど、かえって浮かんでくるものです。気になる数字を紙に書き、「次の診察で聞く」と横に書いて閉じてみてください。考える時間を明日の昼間に移すだけでも、夜の重さは変わります。眠れない日が続くときは、親自身の不調として主治医やがん相談支援センターに相談してかまいません。

夜中でも話を聞いてもらえる先はありますか?

よりそいホットライン(0120-279-338)は無料で24時間受け付けている電話相談です。がんと家族の相談室の電話(080-4178-5017)は、夜間は自動音声で受け付けて翌朝9時までに担当から折り返します。LINEは匿名で使え、スタンプひとつでもかまいません。

数字の前に、今の気持ちを話してみませんか

ニックネームと折り返しのお電話番号、話しやすい時間帯をお書きください。送っていただくと受付確認のメールがすぐに届き、ご指定の時間帯に、担当が名前を名乗ってお電話します。数字には触れずに話を聞くことも、主治医への伝え方を一緒に考えることもできます。

  1. 入力は1分ほどお名前はニックネームで構いません。ご相談の内容は、ひとことでも大丈夫です。
  2. すぐに受付メール送信すると、受け付けたことをお知らせするメールが届きます。
  3. ご希望の時間にお電話電話番号は、折り返しのお電話にだけ使います。スタッフが名前を名乗っておかけします。

    必須は4項目(お困りの内容・施設名・お名前・メールアドレス)です。分かる範囲でご記入ください。写真があると、状況の確認が早くなります。

    1. 1営業日以内にご連絡(お急ぎの場合は当日中)

    2. 現地の確認は無料です(所要30分〜2時間)

    3. お見積りの後にお断りいただいても構いません

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    私たちは医療機関ではないため、診断・治療・余命の判断はできません。体調の急な変化は、まず主治医や病棟・訪問看護へ。命に関わる緊急時は、迷わず119番へ。

    次の一歩

    ひとりで抱えず、小児がんに詳しい相談先につながる

    お子さんの病気のことを、親御さんだけで背負う必要はありません。全国の小児がん拠点病院や、がん診療連携拠点病院などにある相談支援センターでは、治療や暮らし、きょうだいのこと、親御さん自身の気持ちについても相談できます。

    主治医や看護師に聞いてみる一言

    「治療のこと以外に、きょうだいや学校のことを相談できる窓口はありますか。」

    1. 主治医や担当の看護師に、病院の相談窓口(医療ソーシャルワーカーなど)を教えてもらう
    2. きょうだいへの伝え方も、ひとりで決めずに相談先と一緒に考える
    3. 親御さん自身が眠れない・食べられない日が続くときは、それも相談先に伝える

    手元にあると話しやすいもの

    • 治療の予定が分かるもの
    • きょうだいの学校・園の連絡先

    公的な相談先

    小児がん拠点病院の相談支援センター
    小児がんの治療や療養のこと、きょうだいや学校のことまで相談できます。
    医療ソーシャルワーカー(病院の相談室など)
    医療費や制度、退院後の暮らし、在宅療養の準備を一緒に考える専門職です。

    このサイトでできること

    体調の急な変化は、まず主治医・病棟・訪問看護へ。命に関わる緊急時は119番へ。

    このテーマの記事をもっと読む(子どものがん(親の立場))

    参考・出典

    監修者 木内 由香

    緩和ケア・がん患者と家族の
    支援に関する監修者

    木内 由香

    緩和ケア・がん患者と家族の支援に関する監修者

    県立がんセンターでの勤務経験を経て、がん患者さんとそのご家族が直面する療養上の悩みや意思決定の葛藤に向き合ってきました。

    がんと診断されたご本人を支えるご家族には、「一日でも長く生きていてほしい」という切実な願いがあります。一方で、緩和ケアでは、痛みや苦痛を和らげること、その人らしい生活を大切にすること、ご本人の希望を尊重することなど、さまざまな視点から療養の方向性を考える必要があります。

    こうしたご家族の願いと医療・療養方針との間に生まれる葛藤を理解し、年間約200名のがん患者さんとそのご家族に関わる中で、それぞれの状況に応じた支援のあり方や、その先に進むための選択肢をともに考えてきました。

    「がんと家族の相談室」では、がん患者さんご本人だけでなく、支えるご家族も孤立せず、必要な情報や相談先につながれることを大切にしています。医療情報を伝える際には、医学的な正確性に配慮するとともに、ご家族が抱える不安や迷いにも目を向け、療養生活の中で次の一歩を考えるための情報発信を目指しています。

    監修は医療情報の正確性と表現の妥当性に関するものであり、個別の診断・治療・余命の判断を行うものではありません。ご本人の症状や治療については、担当の医師・看護師にご確認ください。

    今の気持ちを、LINEでひとこと

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    夜に書いたLINEは、翌朝いちばんに読みます。匿名で、スタンプひとつでも。

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