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家族には話せないがんの悩み|関係のない第三者に話すという選択

このテーマの総論:がんの不安で夜眠れない|朝まで自分を守る6つの方法

この記事の結論

話せない理由は相手ごとに違い、あなたの弱さでも相手の冷たさでもありません。家族の心配、友達の同情、医師の時間、職場の立場のどれも当てはまらない第三者なら、まとまらない話もそのまま話せます。職場に話すかどうかは、判断材料をそろえてからご本人が決めてかまいません。

理由と根拠は、このあと本文でくわしくお伝えします。 主な出典:国立がん研究センター がん情報サービス「『がん相談支援センター』とは」/同「相談… ほか7件 参考・出典を見る 先に「次の一歩」を見る

がんのことを家族にも友達にも医師にも職場にも話せないときは、その誰とも利害のつながらない「関係のない第三者」を、最初の話し相手に選ぶことができます。名前や勤め先を知られずに使える窓口なら、今夜のうちに一行送るところから始められます。

話せない理由の強さは人によって違い、同じ相手でも時期によって変わります。治療が進むうちに家族にだけは話せるようになる人もいれば、職場には伝えないまま働き続ける人もいます。どちらも、その人にとって筋の通った選び方です。

この記事では、相手ごとに違う4つの「話せない理由」の整理のしかた、理由を裏返すと見えてくる話し相手の条件、家族・友達・医師に一部だけ話す方法、そして職場に話すか話さないかを決めるための判断材料をまとめました。

話せる相手が、いつの間にかゼロになった方へ

  • 家族には心配をかけたくないし、友達には「かわいそう」と思われたくない。
  • 先生はいつも忙しそうで、職場には知られたくない。理由を数えたら、話せる人が一人も残らなかった。
  • こんなに誰にも話せないのは、自分がひねくれているからだろうかと思ってしまう。

がんのことを家族にも友達にも医師にも職場にも話せません。どこなら話せますか?

家族の心配、友達の同情、医師の時間、職場の立場。この4つの理由がどれも当てはまらない「関係のない第三者」のところなら話せます。がん相談支援センターや、名前を言わずに使える電話・LINEの窓口が、その役を担っています。

話せない相手が4人並ぶと、「自分には話せる人がいない」と一つにまとめて感じてしまいます。けれども、4人それぞれの前で言葉が止まる理由を一つずつ見ていくと、中身はばらばらです。家族の前では相手の心配が、友達の前では同情が、診察室では時間が、職場では立場が、あなたの言葉を止めています。

理由がばらばらだということは、裏を返せば、どの理由も持ち込まれない相手がいれば話せる、ということです。あなたと暮らしを分け合っておらず、病気になる前のあなたを知らず、話を聞くための時間をとっていて、仕事の評価とも関係がない人。それが、ここで言う「関係のない第三者」です。

夜中に「癌 家族には話せない」と検索している自分を、冷たい人間だと責めないでください。話せないのは、相手との関係をそれだけ大事にしてきたからです。家族の前でいつもどおりの顔をしている方も、このページを読んでいるあいだは泣いてかまいません。

相手ごとに「話せない理由」が違うのは、なぜですか?

理由が、話の中身ではなく相手との関係から生まれるからです。家族とは暮らしを、友達とは対等なつきあいを、医師とは診察の時間を、職場とは仕事の役割を分け合っています。守りたいものが相手ごとに違うので、言葉を止める理由も変わります。

同じ「怖い」という一言でも、誰に言うかで重さが変わります。家族に言えば、その夜から家族も眠れなくなるかもしれない。友達に言えば、次に会ったときの空気が変わるかもしれない。医師に言えば、待合にいるほかの患者さんの待ち時間が延びるかもしれない。職場で言えば、来月の仕事の割り振りが変わるかもしれない。どれも、話した中身ではなく、話した相手との関係の中で起きることです。

下の表は、4つの相手ごとに、言葉を止めている理由と、その奥であなたが守ろうとしているものを並べたものです。自分に当てはまる行を探しながら読んでみてください。

相手話せない理由奥で守っているもの
家族心配させたくない家族のいつもの暮らしと、眠れる夜
友達同情されたくない病気になる前と同じ、対等なつきあい
医師時間をとらせたくない診察の時間と、「手のかからない患者」でいる自分
職場知られたくない仕事の役割や評価、職場での居場所
相手ごとの「話せない理由」と、その奥で守っているもの

右の列を見ると、並んでいるのは、どれもあなたが大切にしているものばかりです。話せないのは、性格がかたくなだからでも、相手が頼りないからでもありません。守りたいものがある分だけ、言葉が慎重になっているのです。

そう考えると、相手を責めることも、自分を責めることもいらなくなります。必要なのは、守りたいものを守ったまま話せる場所を、別に一つ用意することです。相手ごとの向き不向きを広く知りたい方は、話せる相手と最初の一言もあわせて読んでみてください。

4つの理由が当てはまらない相手は、どこにいますか?

病院のがん相談支援センター、国立がん研究センターのがん情報サービスサポートセンター、当相談室のような民間の窓口です。どこも、あなたの暮らしや職場とつながっておらず、話を聞くための時間を最初からとっています。

話せない理由を一つずつ裏返すと、話し相手の条件になります。心配の裏返しは「話しても、相手の暮らしが揺れない」。同情の裏返しは「病気になる前のあなたとのつきあいがない」。時間の裏返しは「聞くための時間が用意されている」。立場の裏返しは「仕事の評価とつながっていない」。窓口を選ぶときは、この4つがそろっているかを確かめてみてください。

  • 話しても、相手の暮らしや眠りが揺れない(心配の裏返し)
  • 病気になる前のあなたとの、つきあいがない(同情の裏返し)
  • 話を聞くための時間が、最初から用意されている(時間の裏返し)
  • 仕事の評価や人事と、つながっていない(立場の裏返し)
話し相手を選ぶときに確かめたい4つの条件(話せない理由の裏返し)

がん相談支援センターは、がん診療連携拠点病院などの中に設けられた、がんの相談窓口です。相談は主に面談か電話で、無料・匿名で受けられ、その病院にかかっていない人も利用できます。相談した中身が、相談した人の同意なく担当医などに伝わることはありません。医師には言いにくいことを医師のいる病院で話すのに抵抗があれば、通院先とは別の病院のセンターに電話する方法もあります。

国立がん研究センターのがん情報サービスサポートセンターは、0570-02-3410(ナビダイヤル)か03-6706-7797で、平日10時〜15時に匿名で相談を受けています。利用は無料で通話料は自己負担、相談は原則1日1回20分以内です。声を出しにくい日は、平日12時〜15時のチャット相談も選べます。

当相談室では、平日9時〜18時は担当が名前を名乗って電話を受け、それ以外の時間は自動音声で受け付けて、翌朝9時までに担当から折り返します。LINEは無料で名前も要らず、夜に届いたメッセージは翌朝いちばんに担当が読んで返事をします。名前を出さずに話せる場所の選び方は、匿名で本音を話せる場所でもくわしく取り上げています。

家族や友達に、心配や同情をふくらませずに話す方法はありますか?

家族には中身より先に「大事なことは自分から話す」という約束を、友達には「いつもどおりに接してほしい」という扱い方を伝えます。全部を打ち明けなくても、心配や同情がふくらむのを防ぐ一言はあります。

家族には──話す中身より先に、伝え方の約束を渡す

家族の心配は、聞かされた事実からだけでなく、聞かされていないことからも生まれます。通院の日が増え、夕食を残す日が続けば、家族は黙っていても気づき、知らされていない分だけ悪いほうへ想像を広げがちです。

そこで、中身を話す代わりに、伝え方の約束を先に渡しておく方法があります。「治療のことで大事なことが決まったら、必ず自分から話す。気持ちの話は外で聞いてもらっているから、心配しすぎないで」。この一言で、家族は「隠されているのでは」という不安から少し離れられ、あなたは怖さを食卓に持ち込まずにすみます。外に話す場所を持つことは、家族を遠ざけることではなく、家族を守る段取りの一つです。

友達には──同情されないための「扱い方」を先に頼む

同情されたくないという気持ちの奥には、つきあいの中で「かわいそうな人」の役を割り当てられる怖さがあります。相手の気持ちまでは選べませんが、どう接してほしいかは、先に伝えておけます。

「病気のことは、話したくなったらこっちから話すね。それまでは、いつもどおり誘ってほしい。断る日もあるけど、誘ってもらえるのはうれしいから」。病名や治療の細かいことは、言わなくてもかまいません。グループの友達には一度に伝えず、まず1人にだけ話し、ほかの人に広げるかどうかは自分で決めると添えておくと、話が知らないところで広がる心配も減らせます。

医師には時間がなくて話せません。気持ちはどこに持っていけばいいですか?

医師には「話を聞いてくれる人につないでほしい」と一言だけ頼み、気持ちそのものは看護師や医療ソーシャルワーカー、がん相談支援センターに持っていく方法があります。診察室の時間が短いのは、あなたの話が軽いからではありません。

待合に人があふれ、名前を呼ばれてから数分で次の予約日が決まる。その流れの中で「実は眠れなくて」と切り出すのは、とても勇気が要ります。ただ、診察室は体と治療のことを決める場所で、気持ちに時間をかけて耳を傾ける役は、病院の中の別の人たちが担っていることがあります。

医師に頼むのは、話を聞いてもらうことではなく、つないでもらうことだと考えると、言う言葉が短くなります。「最近、気持ちが落ち込んで眠れない日があります。相談できる人を紹介してもらえますか」。この一言なら、診察の終わりぎわの数十秒で言えます。

がん情報サービスが紹介するWHOの緩和ケアの定義では、体の痛みだけでなく、心理社会的な問題も早くから見つけて和らげる対象とされ、緩和ケアはがんと診断されたときから始まります。療養中の不安や暮らしの困りごとは、医療ソーシャルワーカーが相談に乗っている病院もあります。窓口の名前が分からないときは、受付で「気持ちのことを相談できるところはありますか」と尋ねてみてください。看護師への声のかけ方は、看護師から小さく聞く方法にまとめています。

職場には、がんのことを話したほうがいいですか?

話すか話さないか、話すならどこまでかは、ご本人が決めてかまいません。決める前に「治療で仕事にどんな影響が出そうか」「職場に頼れる人がいるか」「何を守りたいか」の3つを並べると、判断の材料がそろいます。

職場で言葉が止まるのは、仕事の割り振りや評価、同僚の見る目が変わるかもしれないという心配があるからです。昇進や異動の時期と重なっていれば、なおさらでしょう。その心配はもっともなもので、話さないと決めるのも一つの選び方です。

一方で、国は「治療と就業の両立支援指針」を定め、2026年4月1日から適用しています。治療と仕事の両立支援は、2026年度から事業主の努力義務にもなりました。取り組みの進み具合は職場によって違いますが、病気を抱えて働く人を支える仕組みは、少しずつ整えられています。

話した場合に得やすいこと

  • 通院日の勤務や仕事量の調整を、相談しやすくなる
  • 体調の悪い日に、理由を取りつくろわずにすむ
  • 両立支援の仕組みを使う話を、始めやすくなる

話さない場合に守りやすいこと

  • 仕事の割り振りや評価への影響を、心配せずにすむ
  • 職場で病気の話題に触れられずにすむ
  • 伝える時期を、自分の体調と相談して選べる
職場に話した場合と、話さない場合に起こりやすいこと

どちらを重く見るかは、治療の予定と仕事の中身によって変わります。通院や副作用で休む日が出そうなら、話した場合の利点が大きくなります。治療の予定がまだ見えないなら、予定がはっきりしてから決めても遅くはありません。

決めきれないときは、ひとりで結論を出さずに、がん相談支援センターで仕事のことを相談できます。働き方に関係なく利用でき、治療と仕事の両立を支える両立支援コーディネーターという支援役もいます。長く休むことになった場合の収入については、勤め先の健康保険の被保険者(会社員など)が、業務外の病気の療養で仕事に就けず給与が出ないときは、傷病手当金を受けられることがあります。連続する3日間(待期)を含めて4日以上仕事に就けなかったことが条件で、支給は始まった日から通算して1年6か月です。国民健康保険には原則として傷病手当金がないため、加入先で確かめてください。

職場に伝えるなら、誰に、どこまで話せばいいですか?

最初は直属の上司か人事担当のどちらか1人に、仕事への影響と頼みたい配慮から伝える方法があります。病名を言うかどうか、ほかの誰まで伝えてよいかも、話し始める前に自分で決めておけます。

職場に話すと決めても、全員に同じことを話す必要はありません。最初の1人を誰にするかで、そのあとの話の広がり方が変わります。日ごろの仕事を割り振る直属の上司か、制度に詳しい人事の担当者か。会社によっては、産業医や保健師など、社員の健康管理を担う人がいることもあります。

伝える中身は、病名よりも「仕事への影響」と「頼みたいこと」を中心にすると、相手も何をすればいいかが分かります。たとえば、「治療のため、来月から通院で休みをいただく日が出てきます。体調に波がある時期は、出張を外していただけると助かります。病気のことは、今は課長と人事の方までにとどめていただけますか」という言い方です。

言い終えたら、その場で答えを求めず、「今日はお伝えだけで、具体的なことは改めてご相談させてください」と区切ってかまいません。当相談室でも、会社に何と言うかを、今の状況に合わせて一緒に整理できます。

  1. Q1治療のために、休みや勤務の調整が必要になりそうですか

    はい伝える範囲を決め、上司か人事の1人に、影響と頼みたい配慮から伝える

    いいえ今は伝えない選択もある。予定が変わったときの伝え方だけ考えておく

  2. Q2職場に、話を広げずに聞いてくれそうな人はいますか

    はいその人に、誰まで伝えてよいかも一緒に伝える

    いいえ先にがん相談支援センターで、伝える順番と言い方を整理する

職場に伝えるかどうか迷ったときの分かれ道

誰にも話せなかったご本人は、4つの理由をどうほどいた?

説明のための例(実在の方の体験談ではありません)

どなたの例か
30代・ご本人(入社9年目の会社員。妻と2歳の娘との3人暮らし。治療を始めたばかり)
相談のあとに変わったこと
4つの「話せない理由」を書き出し、相手ごとに話す中身を決めた。月2回の電話で気持ちを話し、職場には上司と人事担当の2人にだけ、通院の予定と頼みたい配慮を伝えられた。

1. 相談のあとに変わったこと

相談から2か月。この男性は、月に2回、昼休みに20分の電話で、治療のことや怖さを話しています。妻とは「大事なことが決まったら必ず話す」と約束し、通院の予定は台所のカレンダーに書き込むだけにしました。職場では上司と人事担当の2人にだけ病気を伝え、通院の日は午後から休む形で働いています。同期のグループでは1人にだけ打ち明け、「いつもどおり飲みに誘って」と頼みました。「話せる人がゼロだと思っていたけど、理由の違う4人がいただけだった」と話します。

2. 相談を考えた背景

健康診断の再検査で病気が分かったのは、ちょうど係長への昇進の話が出ていた時期でした。手術のあとは通院での治療が続く予定で、妻は育児休業から職場に戻ったばかりでした。

3. 相談する前に困っていたこと

困っていたのは、話そうとする相手ごとに、別の理由で言葉が止まることでした。妻には、寝かしつけのあとの疲れた顔を見ると言えない。同期には、飲み会で気をつかわれるのが怖い。主治医の診察は数分で終わり、気持ちのことを持ち出す隙がない。職場で話せば、昇進の話が消える気がする。夜中に「癌 職場 言うべきか」と検索しても、言うべきだという記事と言わないほうがいいという記事が並び、かえって決められなくなりました。

4. ここを選んだ理由・決め手

相談室を選んだのは、会社とも病院とも関係のない場所だったからです。がん相談支援センターのことも知っていましたが、通院先の病院で話すと主治医に筒抜けになる気がして、足が向きませんでした(相談した人の同意なく担当医に伝わることはないと知ったのは、あとのことです)。フォームならニックネームのまま、昼休みの時間を選んで申し込める。決め手は「会社に何と言うかも一緒に整理できる」という一文でした。

5. 相談で話したこと・その後

最初の電話で、担当は20分間、助言をせずに聞きました。男性が「全員に、言えない理由がある」とこぼすと、担当は、相手ごとの理由を紙に書き出してみるかどうかを尋ね、二人で「心配・同情・時間・立場」の4つに分けました。担当は病状や治療の見通しには触れず、職場のことは、がん相談支援センターで両立支援の相談ができると伝えました。男性は次の通院日にセンターを訪ね、上司に伝える言葉を整えました。話す前の晩はほとんど眠れず、当日も声が震えましたが、上司は「人事にだけ共有していいか」と確かめてから、通院の日の仕事を一緒に組み直してくれました。

※よくある状況を組み合わせて作った例です。登場する方は実在しません。相談の進み方は、状況によって異なります。

医師・看護師に聞いてみたい質問例

  • これからの治療で、仕事を休む必要がありそうなのは、どんな日ですか。
  • 副作用で体調が崩れやすい時期は、いつごろですか。
  • 気持ちのことを相談できる人は、この病院にいますか。
  • 職場への説明のしかたを相談できる窓口は、この病院にありますか。
  • がん相談支援センターで仕事の相談をするには、どう申し込めばいいですか。

とはいえ、話さないと決めるのも一つの選び方です

① 気持ちのこと──話さない相手がいても、冷たいわけではない

この記事では話せる場所を探してきましたが、家族にも職場にも話さないと決めることは、逃げでも裏切りでもありません。話さない相手がいるのは、その関係を今のまま守りたいという、あなたなりの判断です。決めたことは、体調や治療の予定に合わせて変えてかまいません。今月は誰にも話さず、来月一つだけ話す、というように少しずつ動かしていけば十分です。

② 実務のこと──話す相手は分けても、緊急時の連絡の線は一本つないでおく

話す相手を分けたときに困りやすいのは、体調が急に変わった場面です。病院に届けている緊急連絡先が誰になっているかを確かめ、その人には最低限のことだけでも伝えておくと、もしものときに連絡が行き違いません。職場に話していないなら、急に休む場合に誰へどう連絡するかを、就業規則とあわせて確かめておきます。気持ちを話す相手、暮らしを分け合う相手、緊急時に動いてもらう相手は、同じ人でなくてかまいません。役目ごとに一本ずつ線を引いておけば、どこかが途切れても、ひとりきりにはなりません。

今日できること

話せない理由をほどき、話せる場所を一つ持つための3つのこと

  1. 4人の理由を書き出す

    家族・友達・医師・職場の横に、「心配」「同情」「時間」「立場」のどれが言葉を止めているかを書く。

  2. 理由の当てはまらない窓口を1つ選ぶ

    がん相談支援センター、サポートセンター、相談室のLINEの中から、明日までに使えそうなものを1つだけ選ぶ。

  3. 職場のことは「確かめること」だけメモする

    話すかどうかは決めずに、次の診察で聞きたい通院の予定と、就業規則で調べたい休みの取り方を書いておく。

よくある質問

家族に病気のことを黙っているのは、悪いことですか?

悪いことではありません。いつ、どこまで話すかを選ぶのはご本人です。ただ、入院や手術のように家族の暮らしにも関わる予定が出てきたら、伝える時期を先に考えておくと、あとで家族が「知らされていなかった」と戸惑うのを減らせます。話す中身に迷うときは、先に第三者の窓口で言い方を試しておく方法もあります。

友達に話すとき、病名まで言わないといけませんか?

言わなくてかまいません。「治療中で、疲れやすい日がある」「しばらく夜の集まりは控えたい」など、つきあいに関わることだけを伝える方法もあります。どう接してほしいかを一緒に伝えると、相手も迷わずにすみます。病名を伝えるかどうかは、関係が落ち着いてから決め直せます。

がん相談支援センターで話したことは、主治医に伝わりますか?

がん相談支援センターは、相談の中身を相談した人の同意なしに担当医などへ伝えない窓口です。通院先の病院のセンターを使うのに抵抗があれば、ほかの病院のセンターに電話で相談することもできます。通院先以外のセンターは、国立がん研究センターのがん情報サービスにある「相談支援センターを探す」のページから見つけられます。

職場に話したら、仕事から外されないか不安です。

その不安は自然なものです。国は「治療と就業の両立支援指針」を2026年4月1日から適用し、両立支援は2026年度から事業主の努力義務になりました。伝えるときは、仕事への影響と頼みたい配慮を自分から示すと、話が具体的になります。伝える前に、がん相談支援センターで両立支援の相談をしておくこともできます。

夜中に誰とも話せず、苦しくなったらどうすればいいですか?

今夜のうちに声で話したいなら、よりそいホットライン(0120-279-338)が24時間・無料で電話を受けています。がん専門の窓口ではありませんが、どんな悩みでも話せます。こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)からは、かけた地域の公的な相談窓口につながります(曜日や時間は地域ごとに違い、通話料がかかります)。声を出せない夜は、当相談室のLINEに一行だけ送っておけば、翌朝いちばんに読んでお返事します。体に急な変化があるときは通院先の病院へ、命に関わると感じたら迷わず119番に電話してください。

相談室に話すと、費用がかかったり、何かを勧められたりしませんか?

ご相談は無料です。ほかの相談先や専門サービスのご紹介は、ご希望とご同意がある分だけで、断っても費用はかかりません。提携する事業者をご紹介した場合は、その事業者から紹介手数料を受け取ることがあり、このことは運営者情報に記載しています。医療機関や士業からは紹介料を受け取らず、事業者を1社だけ勧めることもしません。

心配も同情も気にしなくていい20分を、予約できます

話しやすい時間帯と、折り返し先の電話番号を書いて送信してください。お名前はニックネームで構いません。送信後すぐに受付確認のメールが届き、その時間帯に担当が名前を名乗ってお電話します。まずはお話を聞き、ご希望があれば、職場に何と言うかの整理もご一緒します。

  1. 入力は1分ほどお名前はニックネームで構いません。ご相談の内容は、ひとことでも大丈夫です。
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    次の一歩

    怖さを、ひとりで抱えたまま夜を越さない

    怖い、眠れない。その気持ちは、おかしなことではありません。怖さに名前をつけて誰かに話すだけで、少し息がしやすくなることがあります。眠れない日や気持ちの落ち込みが続くときは、主治医や看護師に伝えてください。心のつらさも、緩和ケアで向き合う大切なことの一つです。

    主治医や看護師に聞いてみる一言

    「気持ちのつらさや眠れないことも、相談してよいですか。」

    1. 怖いことを「最期のこと」「痛み・苦しさ」「先の見えなさ」「ひとりになること」に分けて書き出す
    2. 眠れない日が続くときは、主治医や看護師に伝える
    3. 今夜誰かと話したいときは、電話やLINEでひとことだけでも送ってみる

    手元にあると話しやすいもの

    • 怖いことを書き出したメモ
    • 眠れなかった日の記録

    公的な相談先

    緩和ケアチーム・緩和ケア外来
    痛みや息苦しさ、気持ちのつらさを和らげる専門のチームです。主治医や看護師を通じて相談できます。
    よりそいホットライン
    24時間・通話料無料でつながる電話相談です。

    このサイトでできること

    体調の急な変化は、まず主治医・病棟・訪問看護へ。命に関わる緊急時は119番へ。

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    参考・出典

    監修者 木内 由香

    緩和ケア・がん患者と家族の
    支援に関する監修者

    木内 由香

    緩和ケア・がん患者と家族の支援に関する監修者

    県立がんセンターでの勤務経験を経て、がん患者さんとそのご家族が直面する療養上の悩みや意思決定の葛藤に向き合ってきました。

    がんと診断されたご本人を支えるご家族には、「一日でも長く生きていてほしい」という切実な願いがあります。一方で、緩和ケアでは、痛みや苦痛を和らげること、その人らしい生活を大切にすること、ご本人の希望を尊重することなど、さまざまな視点から療養の方向性を考える必要があります。

    こうしたご家族の願いと医療・療養方針との間に生まれる葛藤を理解し、年間約200名のがん患者さんとそのご家族に関わる中で、それぞれの状況に応じた支援のあり方や、その先に進むための選択肢をともに考えてきました。

    「がんと家族の相談室」では、がん患者さんご本人だけでなく、支えるご家族も孤立せず、必要な情報や相談先につながれることを大切にしています。医療情報を伝える際には、医学的な正確性に配慮するとともに、ご家族が抱える不安や迷いにも目を向け、療養生活の中で次の一歩を考えるための情報発信を目指しています。

    監修は医療情報の正確性と表現の妥当性に関するものであり、個別の診断・治療・余命の判断を行うものではありません。ご本人の症状や治療については、担当の医師・看護師にご確認ください。

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