本文へ メニューへ 相談窓口へ 相談窓口へ

親の最期のサインは?がんで家族を呼ぶ目安と医療者への聞き方

このテーマの総論:母が・父ががんになった|最初の1週間に子どもができること

この記事には、余命や生存率などの数字の話が出てきます。数字は多くの方をまとめた統計で、一人ひとりの予測ではありません。読むのがつらいときは、途中で閉じても大丈夫です。

この記事の結論

眠る時間が増えて食べる量が減り、やがて呼びかけへの反応や尿の量、手足の温かさ、呼吸のリズムが変わっていく流れが多く見られます。日数を測る目安ではないため、遠方の家族を呼ぶ時期は、医療者の見立てと移動にかかる時間を重ねて決めます。

理由と根拠は、このあと本文でくわしくお伝えします。 主な出典:Hui D, et al. Clinical signs of impendin… ほか7件 参考・出典を見る 先に「次の一歩」を見る

親御さんの最期が近づくと、まず眠っている時間と食べる量が変わり、少し遅れて呼びかけへの反応や尿の量、手足の温かさが変わり、最後に呼吸の形が変わっていく、という順で変化が重なることが多いとされています。

けれども、この順番のとおりに進む方ばかりではありません。ひとつの段階に長くとどまる方も、途中で目を開けて話せる日が戻ってくる方もいて、変化の数から残りの日数を割り出すことはできません。遠方のきょうだいを呼ぶかどうかは、サインをひとりで読み解くより、医療者の見立てを聞いて、それを家族の動きに置き換えるほうが確かです。

この記事では、時期ごとに多く見られる変化、「今はどの段階ですか」と尋ねる言い方、きょうだいへの連絡を段階に分ける考え方、呼んだあとに持ち直したときの動き方を、親を看ている子どもの立場からまとめました。

「呼ぶべきか」で迷って、このページを開いた方へ

  • 父が急に眠ってばかりになって、食事もほとんど口にしなくなった。これは最期のサインなのだろうか。
  • 看護師さんは「変化が出ていますね」と言うだけで、今がどの段階なのかが分からない。
  • 遠くに住む兄を今すぐ呼ぶべきか、まだ早いのか。間に合わなかったらと思うと、決められない。

がんの父の死期が近いとき、どんなサインが見られますか?

眠る時間が長くなる、食べる量や飲む量が減る、呼びかけへの反応が弱まる、尿が減る、手足が冷える、呼吸のリズムが変わる、といった変化が少しずつ重なっていくことが多いとされます。現れ方は一人ずつ違い、日数を数える目安にはなりません。

病気が進むと、お父さんの体にとって、食べたものを消化して力に変えることや、長い時間起きていることが、少しずつ大仕事になっていきます。眠りが増えて食事が減るのは、多くの場合、その変化がいちばん先に表に出たものです。さらに進むと、血の巡りや腎臓の働きが弱まって手足が冷たくなったり尿が減ったりし、最期が近いころには、呼吸の間があく、下あごを動かすように息をする、のどの奥でゴロゴロと音がする、といった呼吸の変化が見られることがあります。

医療者向けの研究も、サインがひとつ出たら時期が決まる、とは言っていません。米国とブラジルの緩和ケア病棟で進行がんの患者さん357人を観察した研究(Hui Dほか、Oncologist、2014年)では、意識が低下することや水分を飲み込みにくくなることは早めに現れるものの、時期を見分ける決め手としては弱いとされました。手首の脈が触れなくなる、下顎呼吸、尿の減少などは亡くなる直前の時期と強く結びついていましたが、すべての方に現れるわけではありません。医療者が見立てに使うための研究であって、家族がサインを数えて日にちを割り出すためのものではない、と知っておくだけでも、一覧と見比べる夜は少し減ります。体の変化の一つひとつの意味は、最期が近いサインと家族ができることで詳しく扱っています。

時期の目安面会で目にしやすい様子連絡の考え方
数週間前ごろ眠る時間が増える。食事や水分が減る。起き上がるのに手助けが要る遠方の家族に様子を知らせ、会いに来る日を相談しておく
数日前ごろ呼びかけへの反応が弱まる。飲み込みにくくなる。尿が減り、手足が冷える会いたい人には、来る日を早められるか聞いてみる
直前の数日〜数時間ごろ呼吸の間があく。下あごを動かす呼吸。のどの奥でゴロゴロと音がする近くの家族はそばへ。遠方の家族にもすぐ知らせ、間に合わない距離なら電話で声を届けてもらう
どの時期でも順番が入れ替わる、同じ状態が長く続く、一時的に持ち直すことがある迷ったら、その日のうちに医療者へ見立てを聞く
時期ごとに多く見られる変化と、そのころの連絡の考え方(日数の目安ではありません)

眠ってばかりで食べなくなったら、もう最期が近いのですか?

それだけで時期は決まりません。眠る時間と食事の量の変化は早い時期から現れやすい一方、残りの時間を見分ける手がかりとしては弱いとされています。薬の調整や体調の波で変わることもあるので、急に変わったと感じた日は医療者に伝えてください。

昨日までは新聞を広げていたお父さんが、今日は面会のあいだ一度も目を開けなかった。お昼のお粥が、ふた口で止まっていた。こうした変化を目の当たりにすると、「もう始まってしまった」と感じるのは自然なことです。ただ、眠気が強くなる理由は、病気の進み方だけではありません。痛み止めや睡眠の薬の量が変わったとき、熱が出たとき、夜に眠れていなかったときにも、日中の眠りは増えます。原因によっては、医療者が薬や過ごし方を調整できることもあります。

伝えるときは、「最近よく寝ています」よりも、「おとといから、面会の1時間で目を開けたのは1回だけでした」「食事は3日前から半分も食べていません」のように、いつから・どのくらいを添えると、医療者は見立てを話しやすくなります。看護師さんの「変化が出ていますね」という言葉の受け止め方は、看護師の「そろそろ」が意味することにまとめました。

「今はどの段階ですか」は、どう聞けば答えてもらえますか?

聞く目的をひとこと添え、「週の単位か、日の単位か」と幅で尋ねると答えてもらいやすくなります。「兄が着くまでに丸一日かかるので、呼ぶ時期を決めたい」と伝えれば、日数ではなく、家族が動くための見立てとして話してもらいやすくなります。

医療者がはっきりした日数を口にしないのは、隠しているからではありません。同じように見える変化でも、そこから先の時間は人によって大きく違い、言い切った数字が外れると、かえって家族の段取りを狂わせてしまうことがあるためです。反対に、「何のために知りたいのか」が分かると、医療者は答えの形を選びやすくなります。「兄を呼ぶ時期を決めたい」「今夜泊まるかを決めたい」「会社に休みの相談をしたい」。目的がひとつ添えられるだけで、質問は「あと何日ですか」から「家族はどう動けばいいですか」に変わります。

移動にかかる時間は、具体的に伝えるのがこつです。「兄は飛行機と電車を乗り継いで、病室に着くまで6時間ほどかかります」と言われれば、医療者もその時間を頭に入れて答えられます。聞く場所は、お父さんの耳に入らない面談室や廊下が向いています。その場で言葉に詰まりそうなら、質問をメモに書いて渡しても失礼にはあたりません。日々の様子は病棟の看護師さんが、病状全体の見通しは主治医が話すことが多いので、看護師さんに「先生から見通しを聞く時間を作っていただけますか」と頼む方法もあります。

  • きょうだいが家を出てから病室に着くまでにかかる時間
  • きょうだいの仕事や家庭の事情で、動きにくい曜日
  • 父が会いたいと口にしている人の名前
  • 自分が付き添える時間帯と、泊まれる日
  • 最近の変化を「いつから・どのくらい」で書いたメモ
「今はどの段階ですか」と聞く前に、手元にそろえておくこと

遠くに住むきょうだいは、いつ呼べばいいですか?

サインだけで決めず、医療者の見立て、父が会いたがっているかどうか、移動にかかる時間の3つを重ねて決めます。連絡を「知らせる」「来る日を決めてもらう」「すぐ来てもらう」の段階に分けておくと、早すぎるか遅すぎるかの迷いが小さくなります。

「呼ぶか、呼ばないか」の二択で考えると、どちらを選んでも外れたときの後悔が大きく見えて、決められなくなります。そこで、連絡そのものを段階に分けてしまいます。最初の段階は、来てもらうためではなく、状況を知ってもらうための連絡です。次の段階で、来る日を具体的に決めてもらいます。最後の段階が、今夜から明朝のうちに来てほしいという連絡です。段階を一つずつ上げていけば、きょうだいの側も仕事や家庭の段取りを前もって組めます。

  1. 1知らせる様子と医療者の言葉を伝え、来られそうな日を考えておいてもらう
  2. 2来る日を決めてもらう見立てが「週の単位」などに変わったら、具体的な日を相談する
  3. 3すぐ来てもらう「会わせたい方がいれば」と言われたら、今夜から明朝に動けるか聞く
  4. 4声を届けてもらう間に合わない距離なら、電話やビデオ通話で声を聞かせてもらう
きょうだいへの連絡を、温度の違う4つの段階に分ける

文面は短く、聞いた言葉をそのまま入れます。たとえば最初の段階なら「お父さん、眠っている時間が長くなってきた。看護師さんは『変化が出ていますね』とのこと。すぐではないけれど、来られそうな日を考えておいてくれる?」。見立てが変わったら「今日、先生から『週の単位で考えてください』と言われた。今週末か来週の前半で、来られる日はある?」。最後の段階では「看護師さんから、会わせたい人がいれば今夜のうちに、と言われた。来られるなら来てほしい。無理なら電話で声を聞かせて」。

段階ごとの言葉の意味を、きょうだいと前もって決めておくのもひとつの方法です。「知らせる連絡には返事をしなくても大丈夫」「『来て』とだけ送ったら、すぐ来てほしいという意味」と決めておけば、夜中に長い説明を打つ必要がなくなり、受け取る側も温度を取り違えずにすみます。

呼んだのに持ち直したら、どうすればいいですか?

最期が近い時期にも、目を開けて話せたり、少し食べられたりする日が来ることがあります。呼んだことは無駄にはなりません。その時間は話す時間として使い、きょうだいがいったん帰るかどうかは、医療者に見立てを聞き直してから一緒に決めれば十分です。

「呼んで何日も変わらなかったら、兄に仕事を休ませた意味がなくなる」。この心配が、連絡を遅らせるいちばんの理由になりがちです。けれど、遠くから駆けつけた子どもの顔を見て、お父さんが目を開け、昔の話を始めることもあります。その時間は、予定がずれた結果ではなく、呼んだからこそ生まれた時間です。最初の連絡のときに「持ち直す日があるとも言われている」とひとこと添えておくと、来た側も肩の力を抜いて過ごせます。

きょうだいが会社に勤めている場合は、休み方の選択肢も一緒に確かめておくと、帰るか残るかを決めやすくなります。育児・介護休業法では、要介護状態(2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態)の家族のために、通算93日まで3回に分けて取れる介護休業と、1年に5日(対象の家族が2人以上なら10日)まで時間単位でも取れる介護休暇が定められています。2025年4月からは、介護に直面した社員に対して、会社が制度を個別に知らせ、意向を確かめることなども義務になりました。使えるかどうかは勤め先で確かめてもらい、「一度帰って、次は分けて取った休業で来る」といった組み立ても選べます。

  1. Q1帰る前に、医療者へ今の見立てを聞き直しましたか

    はいその言葉をきょうだいと共有し、いったん帰るか残るかを一緒に決める

    いいえ「この状態はしばらく続きそうですか」と、きょうだいと一緒に尋ねてから決める

  2. Q2きょうだいの休みに限りがありますか

    はい分けて取れる休業などを勤め先に確かめ、次に来るときの段取りを決めておく

    いいえ父が起きている時間帯に合わせて面会し、話せるうちに話しておく

持ち直したとき、来てくれたきょうだいの動きを決める分かれ道

兄が急に来たら、父に「そんなに悪いのか」と思わせてしまいませんか?

その心配はもっともです。ただ、言い訳を用意するより、「顔が見たくなって」という本当の気持ちを短く伝えるほうが、自然に受け取られやすいものです。お父さんが何かを感じ取っているようなら、打ち消さずに、話したいことがあるか静かに聞いてみてください。

遠くに住む子どもが平日に現れれば、お父さんが「何かあったのか」と身構えるのは当然です。そこで「たまたま近くに出張があって」と作り話をすると、話のつじつまを合わせることに気をとられ、せっかくの時間がぎこちなくなります。「会いたくなったから来たよ」「孫の写真を見せに来た」。理由はそれだけで足ります。

体の変化に、ご本人が先に気づいていることもあります。お父さんの方から「俺はもう長くないのか」と聞かれたら、すぐに答えを探さなくてかまいません。「何か気になることがある?」と聞き返すと、心配しているのが体のつらさなのか、残していく家族のことなのかが見えてくることがあります。知りたいことを知る権利と同じように、知りたくないことを知らずにいる権利も、お父さんにはあります。どこまで話すかは、お父さんの言葉に合わせて決めていけば足ります。

身構えさせやすい言い方

  • 「先生に呼ばれたから、急いで来た」
  • 「今のうちに会っておかないと」
  • 来た理由を何度も説明する

受け取りやすい言い方

  • 「顔が見たくなって来たよ」
  • 「孫の写真、見せに来た」
  • 理由は短く、あとはいつもの話をする
遠方のきょうだいが来たときの、父へのひとことの例

間に合わないかもしれない家族に、できることはありますか?

電話のスピーカーやビデオ通話で声を届ける、伝えたい言葉を代わりに読み上げる、といった方法があります。反応が薄れても耳は聞こえている可能性があるといわれ、離れた場所からかける声も無駄にはなりません。

ホスピスで過ごす患者さんの脳波を調べたカナダの研究(ブリティッシュコロンビア大学、Blundonほか、Scientific Reports、2020年)では、呼びかけに応えなくなったあとでも、一部の方の脳が音に反応していました。反応のない状態で記録できたのは5人で、言葉の意味まで受け取っているかは分かっていません。それでも、聞き慣れた声が届いているかもしれないという見方は、そばにいられない家族にとっての手がかりになります。

具体的には、スマートフォンをスピーカーにして枕元に置き、きょうだいに名前を呼んでもらう。ビデオ通話で顔を見せてもらう。病室で使ってよいかは、ほかの患者さんへの配慮もあるので、看護師さんに先に確かめてください。通話が難しい時間帯なら、きょうだいに短い声のメッセージを録って送ってもらい、そばにいる人が再生する方法もあります。「お父さん、来週行くからね」「釣りの話、また聞かせて」。何を話すか迷うきょうだいには、そんな短い一言で十分だと伝えてください。反応がなくなってからの話しかけ方は、反応がなくても声は届くのかでも紹介しています。

間に合わなかったとしても、それを呼ぶ時期を誤ったせいだと考えなくてかまいません。最期の瞬間は、そばに何人いても、誰にも選べない形で訪れることがあります。そばにいた人が、その日のお父さんの様子や、話しかけたときの表情をあとで伝えるだけでも、遠くにいた家族の中で、お父さんとの時間はつながっていきます。

兄を呼ぶ時期に迷っていた娘さんは、どう動いた?

説明のための例(実在の方の体験談ではありません)

どなたの例か
40代・娘の立場(父が一般病棟に入院中。兄は海外に単身赴任していて、病室に着くまで丸一日かかる)
相談のあとに変わったこと
兄の移動時間を伝えたうえで、医療者に見立てを聞けるようになった。兄と連絡の段階を決めたことで、1日に何十通も続いていたやりとりが落ち着き、兄は父と話せるうちに帰国できた。

1. 相談のあとに変わったこと

相談から4日後、Cさんは病棟の看護師さんに「兄は海外にいて、着くまでに丸一日かかります。声をかけるなら、いつごろがよいでしょうか」と尋ねました。看護師さんは主治医と話す時間を設けてくれ、主治医からは「週の単位で考えて、早めに声をかけてよい時期だと思います」と言われました。Cさんはその言葉をそのまま兄に送り、兄は次の週末に一時帰国しました。お父さんが目を開けていた2時間ほどのあいだに、3人で昔の釣りの話をしたそうです。「あの2時間がなかったら、兄はずっと自分を責めていたと思う」とCさんは話します。

2. 相談を考えた背景

お父さんは70代。入院して3週目に入ったころから、面会のあいだほとんど眠るようになり、食事も数口で止まるようになりました。看護師さんに様子を尋ねても、返ってくるのは「変化が出ていますね」という言葉だけでした。

3. 相談する前に困っていたこと

Cさんは毎晩のように「父 癌 死期が近いサイン」と検索し、出てきた一覧とお父さんの様子を見比べていました。兄とのメッセージは1日に何十通にもなり、「まだ早いかな」「でも間に合わなかったら」と同じやりとりをくり返していました。兄の勤め先では、一時帰国に上司の許可が要ります。「来て」と送って何も変わらなかったら、と思うと、その一言が送れずにいました。

4. ここを選んだ理由・決め手

病院のがん相談支援センターに相談できることは知っていましたが、仕事の昼休みしか時間が取れず、電話をかけそびれていました。がんと家族の相談室のフォームならニックネームで送れて、折り返しの時間帯を自分で選べると知り、ここなら続けられると思ったそうです。送信してすぐに受付確認のメールが届き、翌日の電話までに、聞きたいことを3行だけ書き出しました。

5. 相談で話したこと・その後

電話の担当は、「変化が出ていますね」という言葉が一般にどんな場面で使われやすいかを伝えましたが、お父さんの残りの時間を予測することはしませんでした。一緒に作ったのは、兄の移動時間を添えた医療者への質問と、「知らせる」「来る日を決める」「すぐ来て」という兄との3つの合言葉です。つまずきもありました。ある晩、お父さんが熱を出し、Cさんは慌てて「すぐ来て」と送りましたが、翌朝には熱が下がりました。落ち込むCさんに、兄は「言ってくれてよかった」と返したそうです。それからは、「すぐ来て」は看護師さんに見立てを聞いてから送る、と2人で決めています。

※よくある状況を組み合わせて作った例です。登場する方は実在しません。相談の進み方は、状況によって異なります。

医療者に聞く質問例

  • 父の今の状態は、週の単位で考えておけばよいのか、日の単位に近いのか、見立てを教えていただけますか。
  • 兄は病室に着くまで丸一日かかります。声をかけるなら、いつごろがよいとお考えですか。
  • 見立てが変わったときは、家族のどの番号に、どの時間帯でも連絡をいただけますか。
  • 眠っている時間が長いのは、本人にとってつらいことではないのでしょうか。
  • 今夜、家族が付き添ったほうがよい状態かどうか、教えていただけますか。

とはいえ、「間に合うかどうか」で頭がいっぱいの夜に伝えたい2つのこと

① 気持ちのこと──呼ぶ時期の正解を、ひとりで背負わなくていい

親の近くに住む子どもは、いつのまにか「呼ぶ時期を決める係」になりがちです。早く呼べばきょうだいに無理をさせ、遅れれば責められる気がして、決める前から疲れてしまいます。けれど、呼ぶ時期にひとつの正解はなく、医療者の見立てときょうだいの事情を聞いたうえで決めたことなら、それは家族で選んだ時期です。親を看る子どもは、本人の前で自分のつらさを飲み込みがちです。国立がん研究センターのがん情報サービスも、そうした家族の立場を「第二の患者」ともいわれるものとして紹介しています。迷って眠れない夜が続くことも、病棟の看護師さんや相談窓口に話してかまいません。

② 実務のこと──医療者との窓口と、連絡の順番を一本にする

付き添いが長くなると、医療者からの説明を誰が聞き、誰に伝えるかがあいまいになりがちです。病棟とのやりとりは近くに住む一人が窓口になり、聞いた言葉をきょうだいへ同じ文面で流す。病棟には「夜間はまずこの番号へ、つながらなければこちらへ」と連絡の順番を書いて渡しておく。遠方のきょうだいには、親戚への連絡や、仕事の合間にできる電話での見守りなど、離れていても持てる役割を分ける。自宅で看ている場合は、在宅療養支援診療所に24時間連絡を受ける体制が求められていますが、実際の動き方は医療機関ごとに違います。「夜中に様子が変わったら、最初にどこへ電話するか」を訪問看護や在宅医と決めておけば、きょうだいへの連絡もその流れに組み込めます。

今日できること

きょうだいを呼ぶか迷っている今夜から明日にできる3つのこと

  1. 移動にかかる時間を聞いておく

    きょうだいに、家を出てから病室に着くまで何時間かかるかを聞き、平日と週末それぞれの目安をメモします。明日、医療者に見立てを聞くときの材料になります。

  2. 段階ごとの言葉を決める

    「知らせる」「来る日を決めて」「すぐ来て」をどんな意味で使うか、今夜のうちに短いメッセージで共有しておきます。夜中に長い説明を書かずにすみます。

  3. 明日聞く一文を書いておく

    「兄が着くまでに半日かかります。声をかけるなら、いつごろがよいでしょうか」とスマホのメモに書いておきます。言い回しに迷うときは、がんと家族の相談室にそのまま送っていただければ、一緒に整えます。

よくある質問

サインがいくつ重なったら、遠くのきょうだいを呼ぶべきですか?

いくつ重なったら、という決まりはありません。研究で亡くなる直前の時期と結びつきが強いとされた変化もありますが、医療者が見立てに使うためのもので、家族が数を数えるためのチェックリストではありません。変化に気づいたら、その様子を医療者に伝えて今の見立てを聞き、きょうだいの移動時間と重ねて、連絡の段階を一つ上げるかどうかを決めてください。

眠ってばかりの父は、苦しくないのでしょうか?

眠っている時間が長いこと自体が、苦しさのしるしとは限りません。一方で、顔をしかめる、うめく、何度も体を動かして落ち着かない、といった様子は、痛みや息苦しさのサインかもしれません。気づいたら遠慮なく看護師さんに伝えてください。和らげる手段があり、日本緩和医療学会の『がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン 2020年版』は、医療用麻薬の使用で命が縮むという根拠はないとしています。

今夜は、病院に泊まったほうがいいですか?

看護師さんに「今夜は家族が付き添ったほうがよい状態ですか」と聞いて決めるのが確かです。泊まらないと決めた夜は、どんな変化のときに何番へ電話をもらえるかを確かめ、着信音を大きくして枕元に置いておきます。何日も泊まり続けると付き添う人が先に倒れてしまうので、交代できる家族がいれば、泊まる日を分けてください。

自宅で看ています。夜中の急な変化は、どこに知らせればいいですか?

まずは、前もって聞いておいた訪問看護ステーションや在宅医の夜間の連絡先へ電話します。自宅での看取りを考えているなら、「この様子なら訪問看護へ」「この場合は119番へ」という線引きを、落ち着いているうちにチームと話しておくと、夜中に迷う時間が短くなります。ほかに連絡がつかず、命に関わると感じたときは、ためらわずに119番へ電話してください。

きょうだいで「まだ早い」「もう呼ぶべき」と意見が分かれています。どうすればいいですか?

医療者から聞いた言葉を、言い換えずに同じ文面で共有するところから始めてください。「もうすぐらしい」と「週の単位で考えて、と言われた」とでは、受け取る重さが変わります。それでも分かれるときは、遠方のきょうだいも電話で一緒に説明を聞けないか、病棟に相談する方法もあります。

夜中にひとりで迷って眠れないときは、どこに相談できますか?

お父さんの体の変化については、病棟や訪問看護へ。迷いや不安を誰かに聞いてほしいときは、24時間・無料のよりそいホットライン(0120-279-338。がん専門の窓口ではありません)があります。日中なら、がん相談支援センターで、その病院にかかっていない家族も無料・匿名で相談できます。がんと家族の相談室のLINEは匿名でも使え、夜に届いたものは翌朝いちばんに読んでお返事します。

きょうだいへの連絡の段取りを、一緒に決めておきませんか

お父さん(お母さん)の今の様子と、遠方のご家族が着くまでにかかる時間、電話に出やすい時間帯をフォームに書いてください。受付確認のメールは送信の直後に届きます。そのあと、書いていただいた時間帯に担当がお電話し、医療者に聞く一言と、きょうだいへ送る連絡の段階を一緒に決めていきます。

  1. 入力は1分ほどお名前はニックネームで構いません。ご相談の内容は、ひとことでも大丈夫です。
  2. すぐに受付メール送信すると、受け付けたことをお知らせするメールが届きます。
  3. ご希望の時間にお電話電話番号は、折り返しのお電話にだけ使います。スタッフが名前を名乗っておかけします。

    必須は4項目(お困りの内容・施設名・お名前・メールアドレス)です。分かる範囲でご記入ください。写真があると、状況の確認が早くなります。

    1. 1営業日以内にご連絡(お急ぎの場合は当日中)

    2. 現地の確認は無料です(所要30分〜2時間)

    3. お見積りの後にお断りいただいても構いません

    1ご相談の内容
    ご相談の種類任意

    今まさに設備が止まっている・水が漏れているときは、いちばん上を選んでください。すぐにできることを表示します。

    水が漏れている場合は、先に止水栓か元栓を閉めてください。電気設備に水がかかっている場合は、ブレーカーを落としてください。写真はLINEから送っていただくのが最短です(24時間受付)。

    対象の設備・箇所任意・複数可

    写真任意・3枚まで

    全体が分かる引きの写真、症状が分かる寄りの写真、銘板(メーカー・型式のシール)の3枚があると、機種と範囲がその場で分かります。入居者の方が写らないようにお撮りください。1枚2MBまで(JPG・PNG・GIF・WebP・PDF)。スマートフォンの写真はそのまま選べます。大きい写真は送信前に自動で縮小します。

    2施設について

    3ご連絡先

    ご希望の連絡方法任意

    連絡のつきやすい時間帯任意・複数可

    4詳しく書ける方へ任意いつから・何回目か・何か所か・何名の施設か。分かるとお見積りまでの日数が短くなります

    同じ症状は

    補助金の利用

    他社のお見積り

    他社の金額をお伺いすることはありません。相見積の場合は、各社に同じ条件をお伝えします。

    送信すると、受付番号を記した受付完了メールが自動で届きます(ご入力の内容は記載しません)。受付とご連絡は、運営会社のスキマグループ合同会社が行います。ご相談・現地の確認・お見積りまで費用はかかりません。

    お急ぎのときは、お電話で:080-4178-5017(平日9:00〜18:00は担当が直接お受けします。それ以外は自動音声で受け付け、翌朝9時までに折り返します)/文字で相談したいときはLINEで

    私たちは医療機関ではないため、診断・治療・余命の判断はできません。体調の急な変化は、まず主治医や病棟・訪問看護へ。命に関わる緊急時は、迷わず119番へ。

    次の一歩

    「あとどれくらい」の答えを待つより、会える時間の使い方を決める

    親御さんの病状の見通しは、主治医や病棟の看護師がいちばんよく知っています。ご家族として尋ねてよいことです。はっきりした数字が出なくても、「会っておいてほしい人を呼ぶ目安」を聞いておくと、動くタイミングを決める手がかりになります。

    主治医や看護師に聞いてみる一言

    「遠方の家族を呼ぶなら、いつごろが目安になりますか。」

    1. 誰が誰に知らせるか、連絡の順番をきょうだいで決めておく
    2. 泊まるか帰るか迷う夜のために、家族へ連絡をもらう基準を看護師に聞いておく
    3. 仕事の休み方(介護休暇・介護休業など)を、職場に早めに確かめておく

    手元にあると話しやすいもの

    • 家族・親族の連絡先の一覧
    • 勤務先の休みの制度が分かるもの(就業規則など)

    公的な相談先

    がん相談支援センター
    全国のがん診療連携拠点病院などにある相談窓口です。どなたでも無料で、その病院にかかっていなくても相談できます。
    勤務先の人事・総務の窓口
    介護休業・介護休暇や、治療と仕事の両立の制度を確かめられます。

    このサイトでできること

    体調の急な変化は、まず主治医・病棟・訪問看護へ。命に関わる緊急時は119番へ。

    このテーマの記事をもっと読む(ご家族が本当に知りたいこと)

    参考・出典

    監修者 木内 由香

    緩和ケア・がん患者と家族の
    支援に関する監修者

    木内 由香

    緩和ケア・がん患者と家族の支援に関する監修者

    県立がんセンターでの勤務経験を経て、がん患者さんとそのご家族が直面する療養上の悩みや意思決定の葛藤に向き合ってきました。

    がんと診断されたご本人を支えるご家族には、「一日でも長く生きていてほしい」という切実な願いがあります。一方で、緩和ケアでは、痛みや苦痛を和らげること、その人らしい生活を大切にすること、ご本人の希望を尊重することなど、さまざまな視点から療養の方向性を考える必要があります。

    こうしたご家族の願いと医療・療養方針との間に生まれる葛藤を理解し、年間約200名のがん患者さんとそのご家族に関わる中で、それぞれの状況に応じた支援のあり方や、その先に進むための選択肢をともに考えてきました。

    「がんと家族の相談室」では、がん患者さんご本人だけでなく、支えるご家族も孤立せず、必要な情報や相談先につながれることを大切にしています。医療情報を伝える際には、医学的な正確性に配慮するとともに、ご家族が抱える不安や迷いにも目を向け、療養生活の中で次の一歩を考えるための情報発信を目指しています。

    監修は医療情報の正確性と表現の妥当性に関するものであり、個別の診断・治療・余命の判断を行うものではありません。ご本人の症状や治療については、担当の医師・看護師にご確認ください。

    今の気持ちを、LINEでひとこと

    「怖い」「眠れない」「先生の説明が分からなかった」。ひとことで構いません。評価も助言もせず、お返事します。

    夜に書いたLINEは、翌朝いちばんに読みます。匿名で、スタンプひとつでも。

    話してみる相談料0円
    ページの先頭へ戻る