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相談できるところはある?|がんの家族の相談先、4つの疑問に回答

このテーマの総論:あとどれくらい生きられるか知りたい|がんの余命5つの質問に回答

この記事の結論

家族も相談できます。病気のことか気持ちのことか分からないうちは、がんに詳しい看護師やソーシャルワーカーなどが相談員を務めるがん相談支援センターを1本目にすると、行き先探しで迷う時間が減ります。余命の不安も話せますが、数字を言い当てる場ではなく、聞くか聞かないかを一緒に整理する場です。

理由と根拠は、このあと本文でくわしくお伝えします。 主な出典:国立がん研究センター がん情報サービス「『がん相談支援センター』とは」/同「相談… ほか8件 参考・出典を見る 先に「次の一歩」を見る

家族のがんのことは、家族の立場のままで相談できます。電話でも話せますし、余命が気になって怖いという気持ちを口にしてもかまいません。迷いやすいのは、聞きたいことが病気のことなのか、自分の気持ちのことなのか、自分でも区別がつかないときです。区別がつかないまま窓口を探すと、「それは主治医に」「それはこちらでは」と行き先を告げられるたびに一から説明し直すことになり、話す前に力が尽きてしまいます。

この記事では、家族の方がよく抱く4つの疑問(相談できる場所はあるか、電話で相談できるか、余命の不安も話せるか、誰に電話すればいいか)に、結論、窓口の名前、受付時間、最初の一言の順で短く答えます。そのうえで、病気か気持ちか分けられないまま1本目を選ぶ方法と、行き先を何度も変えずに済む電話のかけ方を紹介します。受付の曜日や時間は窓口ごとに違うため、確かめ方も添えました。

「どこにかければいいのか」で止まっている方へ

  • 聞きたいのが母の病気のことなのか、自分の気持ちのことなのか、自分でもよく分からない。
  • 余命の話なんて電話でしていいのかと、番号を押す手前で手が止まってしまう。
  • 何か所もかけて、そのたびに最初から説明するのかと思うと、それだけで疲れてしまう。

家族のがんについて相談できる場所や、電話で相談できる窓口はありますか?余命の不安も話せますか?

あります。家族だけでも使える代表的な窓口は、がん診療連携拠点病院などにある「がん相談支援センター」で、電話でも相談できます。余命の不安も話せますが、残りの時間を言い当ててもらう場ではなく、聞くか聞かないか、どう聞くかを一緒に整理する場です。

4つの疑問への短い答えを、先に一枚の表にしました。気になる疑問の節だけ読んで、今日かける先を決めてもらえれば十分です。全部を読み比べてから動く必要はありません。

疑問短い答え最初の向き先
相談できる場所はある?ある。家族だけでも、本人の通院先でなくても使えるがん相談支援センター
電話で相談できる?できる。名前を伏せたまま話せる窓口があるがん相談支援センター、がん情報サービスサポートセンター
余命の不安も話せる?話せる。数字を出す場ではなく、聞き方を整える場がん相談支援センター。見通しそのものは主治医へ
誰に電話すればいい?体の急な変化か、気持ちか、時間帯で分ける病棟・訪問看護・119番、24時間の電話、平日の窓口
家族がよく抱く4つの疑問と、短い答え・最初の向き先

家族のがんについて、相談できるところはありますか?

あります。最初に思い出してほしいのは、全国のがん診療連携拠点病院などに置かれた「がん相談支援センター」です。患者さん本人だけでなく家族も、その病院に通っていない人も、無料で、名前を伏せたまま使えます。

  • 窓口の名前:がん相談支援センター(病院によっては「医療相談室」などの名前で案内されています)
  • 受付時間:曜日と時間はセンターごとに決まっています。夜間や休日は閉まっているところもあるので、病院の案内か、がん情報サービスの「相談支援センターを探す」で確かめます。
  • 最初の一言(例):「家族の立場で相談したいのですが、こちらの窓口でよいでしょうか」

このセンターでは、がんに詳しい看護師や、暮らし全体の相談にのるソーシャルワーカーなどが相談員として話を聞きます。病気の情報と、暮らしや気持ちのことを同じ窓口で受け止めてもらえるのは、家族にとって大きな助けになります。家族が話した内容も、相談した人の同意なく、主治医や看護師、病院のほかの職員に知らされることはありません。

一方で、担当医に代わって治療を決める場所ではありません。「この治療を続けるべきか」の答えをもらうより、「次の面会で先生に何をどう聞くか」を一緒に組み立てる場所だと考えると、使いやすくなります。国立がん研究センターのがん情報サービスも、家族が自分のつらさや困りごとを担当医や看護師に相談してかまわないこと、相談しにくいときは看護師やがん相談支援センターを頼れることを紹介しています。家族が使える窓口をほかにも知りたいときは、本人向けの窓口との違いを並べた家族が相談できる窓口の比較が役に立ちます。

電話で相談できますか?名前を言わずに話せますか?

できます。がん相談支援センターは面談のほかに電話でも相談を受けていて、名前を伏せたまま話せます。どのセンターにかければいいか迷うときは、国立がん研究センターの電話窓口で、一般的なことを先に聞く方法もあります。

  • 窓口の名前:がん情報サービスサポートセンター(国立がん研究センター)
  • 番号:0570-02-3410(ナビダイヤル)、または03-6706-7797(同じ窓口)
  • 受付時間:平日10時〜15時(土日祝日・年末年始を除く)。2026年5月からは平日12時〜15時に文字で相談できるチャットも加わり、声に出すのがつらいときにも使えます。
  • 決まり:相談は無料で、通話料はかけた人の負担。匿名で相談でき、原則として1日1回20分以内です。
  • 最初の一言(例):「父ががんで入院している娘です。どこに相談すればいいのかを聞きたくて、お電話しました」

サポートセンターで電話を受けるのは、がん相談の教育や研修を受けた看護師や心理士など、国家資格を持つ人です。医学的な判断が必要な質問には答えられず、個別の医師の紹介もしていません。そのため「父の治療は合っていますか」より、「家族として、どこに何を相談すればいいですか」と聞くほうが、20分を有効に使えます。ナビダイヤルは携帯電話のかけ放題の対象にならないことがあるので、かけ放題を使っている方は03で始まる番号を選ぶと通話料を抑えられる場合があります。

公的な窓口と民間の窓口の違いや、「無料」と書かれた電話で実際にかかるお金については、無料の電話相談の使い分けで詳しく比べています。

余命の不安も、電話で話していいのですか?

話していいのです。ただ、どの相談窓口も、ご家族に残された時間を言い当てることはしません。できるのは、余命を「聞く」「幅だけ聞く」「今は聞かない」のどれにするかを整理し、聞くならどんな言葉で主治医に尋ねるかを一緒に考えることです。

  • 窓口の名前:がん相談支援センター、がんと家族の相談室
  • 受付時間:センターは各センターの受付時間内。相談室は平日9時〜18時に担当が直接受けます。
  • 最初の一言(例):「余命のことが頭から離れません。聞いたほうがいいのかどうかも、決められていないんです」

余命や生存率は、同じ病気・同じ状態の多くの方の経過をまとめた集団の数字で、ご本人の余命を示すものではありません。国立がん研究センターの院内がん登録の閲覧システムも、表示している生存率は過去にがんと診断された方のもので、これから治療を受ける方には当てはまらない可能性があると注意しています。電話の向こうの相談員にも、ご家族の見通しは分かりません。見通しを話せるのは、ご本人を診ている主治医です。

そのかわり、余命の不安を話す電話では、数字の手前にある迷いを扱えます。「本人は知りたがっているのか」「きょうだいの中で、聞きたい人と聞きたくない人に分かれている」「聞いたあとの自分が持ちこたえられるか」。こうした迷いを一つずつ言葉にすると、次の面会で何を聞くか、あるいは聞かずに何をするかが見えてきます。余命の数字そのものの読み方は、あとどれくらい生きられるかの5つの質問で説明しています。

不安なとき、結局だれに電話すればいいのですか?

体に急な変化があるなら病棟や訪問看護、在宅医へ、命に関わると感じたら119番です。体は落ち着いていて今夜のうちに声を聞きたいなら24時間の無料電話、明日の日中に話せるならがん相談支援センター、と時間帯で分けると決まります。

  • 今夜、体の急な変化があるとき:入院中なら病棟、在宅なら訪問看護や在宅医の連絡先へ。命に関わると感じたら119番。救急車を呼ぶか迷うときに医師や看護師などに相談できる#7119は、実施していない地域もあります。
  • 今夜、誰かの声を聞きたいとき:よりそいホットライン(0120-279-338)。24時間、フリーダイヤルで話せます。がん専門の窓口ではありませんが、眠れないほどの不安をそのまま聞いてもらえます。
  • 心のつらさを地域の窓口で話したいとき:こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)。かけた地域の公的な相談機関につながり、曜日と時間は都道府県ごとに違います。通話料がかかります。
  • 明日の日中に話せるとき:がん相談支援センター、サポートセンター。
  • 整理してから公的な窓口へ進みたいとき:がんと家族の相談室(080-4178-5017)。担当が直接出るのは平日の9時から18時まで。ほかの時間は自動音声が用件を預かり、翌朝9時までに担当が折り返しのお電話をします。夜のうちにLINEへ届いた言葉は、翌朝いちばんに担当が読んで返事をします。
  • 最初の一言(例):「不安で、誰に電話すればいいのかも分からなくなっています」

病気のことか気持ちのことか分からないときは、どこから始めればいいですか?

分けないまま話せる窓口から始めてかまいません。病気の情報と、暮らしや気持ちの相談を同じ場所で受ける窓口なら、話しながら仕分けてもらえます。電話の最初に「病気のことか気持ちのことか、分けられていません」と伝えるのが近道です。

家族の困りごとが分けにくいのは、ひとつの出来事が病気と気持ちと暮らしの3つにまたがっているからです。たとえば「母がこの1週間、ほとんど食べない」という出来事には、体の変化として看護師に聞きたいこと、見ているのがつらいという自分の気持ち、仕事を休んで実家に泊まるかという暮らしの判断が、全部一緒に入っています。どれか1つに絞ってから電話しようとすると、絞れないまま夜が更けていきます。

だから1本目は、絞る作業そのものを手伝ってもらえる先を選びます。がん相談支援センターなら、看護師やソーシャルワーカーなどの相談員が、体のことは主治医や病棟へ、お金のことは制度の窓口へ、と話の行き先を一緒に考えてくれます。がんと家族の相談室も、評価も助言もせずにただ聞く20分や、今夜泊まるか・会社に何と言うかといった判断の整理から始められます。

  1. Q1今夜、息苦しさや強い痛みなど、体の急な変化がありますか

    はい相談窓口ではなく、病棟・訪問看護・在宅医へ。命に関わると感じたら119番

    いいえ次の質問へ

  2. Q2聞きたいことが「本人の今の体の状態」だけで、はっきりしていますか

    はい主治医か病棟の看護師へ。聞くことを質問の形にメモしてから

    いいえ次の質問へ

  3. Q3平日の日中に、落ち着いて電話できる時間がとれますか

    はいがん相談支援センターへ。「分けられていません」と最初に伝える

    いいえ夜はLINEに一言か24時間の電話へ。話す時間はフォームで翌日以降に予約する

病気のことか気持ちのことか分けられないときの、1本目の選び方

たらい回しにされないためには、最初の電話で何を伝えればいいですか?

「家族の立場であること」「いちばん困っている場面を1つ」「どこに相談すべきかも分からないこと」の3つを最初に伝えます。そして電話を切る前に、次に相談するとよい先の名前・番号・受付時間を聞いてメモします。行き先が変わっても、説明がゼロからにならずに済みます。

窓口にはそれぞれの役割があり、役割の外にある話を先に持ち込むと、別の窓口を案内されます。それは断られたのではなく、道案内をされているということです。ただ、病名や治療の経過を長く説明したあとで「それはこちらでは」と言われると、家族は疲れ切ってしまいます。最初に「どこに相談すべきかも含めて相談したい」と添えると、相手は答える役から、道案内の役に切り替えて聞いてくれます。

行き先が変わりやすい話し方

  • いきなり「余命はどのくらいですか」と数字だけを尋ねる
  • 病名や経過の説明から始めて、困りごとが最後になる
  • 別の窓口を案内されたら、すぐに電話を切ってしまう

1本目で道筋がつきやすい話し方

  • 「家族の立場です」と最初に名乗る
  • いちばん困っている場面を1つだけ話す
  • 「どこに相談すべきかも分かりません」と添える
  • 切る前に、次の行き先の名前と受付時間を聞く
行き先が何度も変わりやすい話し方と、1本目で道筋がつきやすい話し方

案内された先にかけるときは、「さきほど○○の窓口で、こちらを勧められました」と言えば、話の前提が一言で伝わります。きょうだいや親戚と看病を分け合っているなら、聞いた内容を1か所にまとめておくと、次に誰がかけても続きから話せます。

  • 話した窓口の名前と、話した日
  • 次に相談するとよい先の名前と電話番号
  • その先の受付の曜日と時間
  • 次の電話の最初に言うとよい一言
  • 主治医や看護師に聞くとよいと言われたこと
1本目の電話を切る前に、メモしておくこと

民間の相談窓口は、公的な窓口とどう組み合わせればいいですか?

公的な窓口を1本目にしにくいときの「整理の場所」として使い、整理できたら公的な窓口や主治医へ進む、という順番が使いやすい組み合わせです。民間の窓口だけで完結させる必要はありません。

がんと家族の相談室は、医療機関でも葬儀社でもない、無料の民間窓口です。できることは4つあります。評価も助言もせずにただ聞くこと(ご希望なら記録を残しません)。医師の説明に出てきた言葉を一般的な意味に置き換え、次の診察で尋ねる質問を3つに絞ってお送りすること。遠方の家族を呼ぶか、今夜は泊まるか、会社に何と言うか、お金の見通しはどうかといった判断を一緒に整理すること。そして、ご希望とご同意のある分だけ、その先の相談先へおつなぎすることです。診断や予測はしません。

2026年9月の実績(運営者集計)を見ると、相談室が受けた電話相談・問い合わせ1,200件のうち、800件がご家族からの連絡でした。病気のことか気持ちのことか分からないまま連絡をくださる家族の方にも、まず話を聞くところからお応えしています。

2026年9月の相談実績
サイト訪問120,000人
相談ページ訪問18,000人
電話相談・問い合わせ1,200件
うち、ご本人からのご相談400件
うち、ご家族からのご相談800件

2026年9月実績(運営者集計:スキマグループ合同会社)

相談室が受けた電話相談・問い合わせと、そのうちご家族からの件数(2026年9月の実績・運営者集計)

病気か気持ちか分けられずにいた家族は、どう1本目を選んだ?

説明のための例(実在の方の体験談ではありません)

どなたの例か
50代・妹の立場(独身の姉が自宅で療養中。両親はすでに亡く、身近な家族は自分ひとり)
相談のあとに変わったこと
何を相談したいのか分けられないまま1本だけ電話し、その日のうちに行き先が2つに絞れた。電話のたびに書き足した1枚のメモのおかげで、3か所目の窓口でも説明は5分ほどで済んだ。

1. 相談のあとに変わったこと

相談の翌日の昼休み、彼女は姉が通院している病院のがん相談支援センターに電話をかけました。最初の一言は「妹です。病気のことか自分の気持ちのことか、分けられていません」。相談員は話を聞きながら、食事が減ったことは訪問看護師に、姉が口にした「これからのこと」は次の外来で主治医に、と行き先を2つ示しました。彼女はその2つを、通話のたびに書き足す1枚のメモに加えました。3か所目にあたる訪問看護師への相談では、そのメモを読み上げるだけで、説明は5分ほどで済みました。「前は電話を切るたびに何も残らなかった。今はメモが一行ずつ増えていく」と話します。

2. 相談を考えた背景

姉は通院で治療を続けていましたが、ここ1か月は横になっている時間が長くなっていました。彼女は週に3回、仕事帰りに姉の部屋に寄っています。ある夜、姉が「先生に、これからのことを考えておいてと言われた」とつぶやき、それきり黙ってしまいました。

3. 相談する前に困っていたこと

調べると相談窓口はいくつも出てきましたが、どれも「患者さんのご相談」と書いてあるように見えました。一度、市役所の代表番号にかけると病院に聞くよう言われ、病院の代表番号では外来の日に主治医へ、と言われました。2回とも、姉の病名から説明し直しました。「もう、同じ説明をする気力が残っていなかった」。

4. ここを選んだ理由・決め手

相談室を選んだのは、フォームに「何を相談したいのか自分でも分からない」と書いてよいと読んだからでした。お名前はニックネームでよく、医療の判断はしない窓口だと書かれていたので、姉の病状をうまく説明できなくても話を続けてもらえる、と思えたといいます。病院にもう一度かけることも考えましたが、その前に、何を聞けばいいのかを誰かと整理したかったそうです。

5. 相談で話したこと・その後

翌日、指定した時間に担当から電話がありました。担当は姉の病状や見通しには触れず、彼女の話を「姉の体のこと」「姉のこれからのこと」「自分の疲れ」の3つに分け、1本目はがん相談支援センターにして、最初の一言を一緒に決めました。余命のことを聞きたい気持ちもありましたが、姉の気持ちを確かめないまま聞くことには迷いが残り、今は「聞かない」を選んでいます。自分の疲れについては、かかりつけ医に眠れないことを話すと決めました。

※よくある状況を組み合わせて作った例です。登場する方は実在しません。相談の進み方は、状況によって異なります。

医療者に聞く質問例

  • この病院のがん相談支援センター(または医療相談室)は、家族だけでも相談できますか。
  • 本人の体の変化で、夜間に病棟や訪問看護へ連絡したほうがよいのは、どんなときですか。
  • 家族として今の状態の説明を聞きたいとき、どなたに、いつお願いすればよいですか。
  • 本人が見通しを知りたいかどうか分からないとき、家族はどう確かめればよいですか。
  • 看病している家族自身が眠れない日が続いているとき、院内で相談できる人はいますか。

とはいえ、1本目を選ぶ前に伝えたい2つのこと

① 気持ちのこと──区別がつかないのは、それだけ深く関わっているから

病気のことか気持ちのことか分けられないのは、整理が下手だからではありません。看病する家族は、本人の体の変化を見守りながら、自分の仕事や暮らしも回し、そのうえで自分の気持ちを後回しにしています。がん情報サービスの家族向けのページには、家族は「本人はもっとつらいのだから」と自分の気持ちを抑えこみやすく、そのうえ自分の暮らしも保たなければならない、という説明があります。そのため「ご家族は、『第二の患者』ともいわれます」とも書かれています。絡まったまま話していい、というのは甘えではなく、家族の相談のごく自然な形です。

② 実務のこと──相談の記録を1か所にまとめ、家族の中で共有しておく

相談先が2つ、3つと増えていくと、どこで何を聞いたのかが分からなくなります。スマホのメモでもノートでもかまわないので、「窓口の名前・話した日・聞いたこと・次の行き先」を1か所に書きためておくと、それ自体が次の電話の台本になります。きょうだいや親戚と看病を分け合っているなら、そのメモを共有し、主治医と話す役、窓口に電話する役、本人のそばにいる役を分けておくと、同じ説明を家族の中で何度も繰り返さずに済みます。

今日できること

明日の1本目を、今の自分がかけやすくしておく3つのこと

  1. いちばん困っている場面を1つ書く

    「この1週間で食事が半分になった」「夜に何度も電話がかかってくる」など、最近の場面を1つだけ、スマホのメモに書きます。これが最初の一言の材料になります。

  2. 近くのがん相談支援センターを1つ登録する

    がん情報サービスの「相談支援センターを探す」で、本人の通院先か自宅の近くのセンターを選び、受付の曜日と時間と一緒に連絡先へ入れます。

  3. 話す時間を予約しておく

    自分からかける余裕がない日は、フォームで話せる時間帯を指定します。受付確認のメールが届いたら、今夜はそれで十分です。

よくある質問

本人に内緒で、家族だけで相談してもいいですか?

かまいません。がん相談支援センターで話した内容は、相談した人の同意なく、担当医や病院のスタッフを含めたほかの人に知られることはありません。本人にどう伝えるか、あるいは伝えないかも、相談の中で一緒に考えられます。

本人が通っていない病院のがん相談支援センターでも相談できますか?

できます。がん相談支援センターは、その病院に通っていない人や、そのご家族も利用できます。本人の入院先が遠くても、ご自宅や職場の近くのセンターに電話でかまいません。受付時間はセンターごとに違うので、かける前に確かめてください。

余命を聞いたら、相談員は答えてくれますか?

数字で答えることはありません。余命や生存率は集団の統計で、ご本人の余命を示すものではないからです。相談の場では、聞くか聞かないか、聞くならどの言葉で主治医に尋ねるかを一緒に整理できます。見通しそのものは、ご本人を診ている主治医に確かめてください。

夜にしか電話できません。どこにかければいいですか?

今夜のうちに人と話したいときは、24時間・フリーダイヤルのよりそいホットライン(0120-279-338)があります。がんと家族の相談室は夜は自動音声で受け付け、翌朝9時までに担当から折り返します。体の急な変化は相談窓口ではなく、病棟や訪問看護、命に関わるときは119番へ連絡してください。

電話の途中で泣いてしまったら、相手を困らせませんか?

泣いてしまっても、相談として成り立ちます。言葉が出なくなったら「少し待ってください」と言えば十分です。声を出すのがつらい日は、LINEに一言だけ送る方法もあり、夜に届いたものは翌朝いちばんに読んでお返事します。

がんと家族の相談室に相談すると、何かを勧められませんか?

勧めることを目的にした窓口ではありません。介護や葬儀などの専門サービスをご紹介するのは、ご希望とご同意がある分だけです。ご紹介した場合、相談室は提携する事業者から紹介手数料を受け取ることがあり、そのことを運営者情報に載せています。医療機関と士業からは紹介料をいただいていません。紹介を断っても費用は一切かからず、1社だけを推すこともしません。

最初の1本を、一緒に決めませんか

「病気のことか気持ちのことか分からない」とだけ書いて送っていただいてもかまいません。送ったあとすぐに受付確認のメールが届き、書いていただいた時間帯に担当から電話をかけます。困りごとを一緒に仕分けて、がん相談支援センターなど公的な窓口も含めた最初の1本と、そこで言う一言を決めます。

  1. 入力は1分ほどお名前はニックネームで構いません。ご相談の内容は、ひとことでも大丈夫です。
  2. すぐに受付メール送信すると、受け付けたことをお知らせするメールが届きます。
  3. ご希望の時間にお電話電話番号は、折り返しのお電話にだけ使います。スタッフが名前を名乗っておかけします。

    必須は4項目(お困りの内容・施設名・お名前・メールアドレス)です。分かる範囲でご記入ください。写真があると、状況の確認が早くなります。

    1. 1営業日以内にご連絡(お急ぎの場合は当日中)

    2. 現地の確認は無料です(所要30分〜2時間)

    3. お見積りの後にお断りいただいても構いません

    1ご相談の内容
    ご相談の種類任意

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    私たちは医療機関ではないため、診断・治療・余命の判断はできません。体調の急な変化は、まず主治医や病棟・訪問看護へ。命に関わる緊急時は、迷わず119番へ。

    次の一歩

    言葉にできた問いを、そのまま人にも聞いてみる

    「あとどれくらいですか」「これからどうなりますか」。言葉にできたその問いは、主治医や看護師に聞いてよい問いです。検索やAIの答えは一般論です。ご本人に当てはまるかどうかは、ご本人を診ている医療者に確かめてください。

    主治医や看護師に聞いてみる一言

    「調べて不安になったことがあるので、確かめさせてください。」

    1. 調べて気になったことを、そのままメモして診察に持っていく
    2. 答えを聞くのがつらい問いは、看護師やがん相談支援センターに「聞き方」から相談する
    3. 気持ちを整理したいときは、この相談室の電話やLINEへ

    手元にあると話しやすいもの

    • 調べて気になったことのメモ
    • 質問メモ

    公的な相談先

    がん情報サービス(国立がん研究センター)
    出典のはっきりしたがんの情報と、お近くのがん相談支援センターの探し方がまとまっています。
    がん相談支援センター
    全国のがん診療連携拠点病院などにある相談窓口です。どなたでも無料で、その病院にかかっていなくても相談できます。

    このサイトでできること

    体調の急な変化は、まず主治医・病棟・訪問看護へ。命に関わる緊急時は119番へ。

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    参考・出典

    監修者 木内 由香

    緩和ケア・がん患者と家族の
    支援に関する監修者

    木内 由香

    緩和ケア・がん患者と家族の支援に関する監修者

    県立がんセンターでの勤務経験を経て、がん患者さんとそのご家族が直面する療養上の悩みや意思決定の葛藤に向き合ってきました。

    がんと診断されたご本人を支えるご家族には、「一日でも長く生きていてほしい」という切実な願いがあります。一方で、緩和ケアでは、痛みや苦痛を和らげること、その人らしい生活を大切にすること、ご本人の希望を尊重することなど、さまざまな視点から療養の方向性を考える必要があります。

    こうしたご家族の願いと医療・療養方針との間に生まれる葛藤を理解し、年間約200名のがん患者さんとそのご家族に関わる中で、それぞれの状況に応じた支援のあり方や、その先に進むための選択肢をともに考えてきました。

    「がんと家族の相談室」では、がん患者さんご本人だけでなく、支えるご家族も孤立せず、必要な情報や相談先につながれることを大切にしています。医療情報を伝える際には、医学的な正確性に配慮するとともに、ご家族が抱える不安や迷いにも目を向け、療養生活の中で次の一歩を考えるための情報発信を目指しています。

    監修は医療情報の正確性と表現の妥当性に関するものであり、個別の診断・治療・余命の判断を行うものではありません。ご本人の症状や治療については、担当の医師・看護師にご確認ください。

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