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つらい・しんどい・限界|がん患者の家族が自分を守る3つの方法

このテーマの総論:あとどれくらい生きられるか知りたい|がんの余命5つの質問に回答

この記事の結論

家族のあなたが疲れきってしまうのは、おかしなことではありません。がん患者の家族は「第二の患者」ともいわれ、看病と自分の生活を同時に背負っています。限界のサインに早めに気づき、休む・頼る・話すの3つで自分を守ることが、本人を支え続ける力にもなります。

理由と根拠は、このあと本文でくわしくお伝えします。 主な出典:国立がん研究センター がん情報サービス「家族ががんになったとき」 https:/… ほか9件 参考・出典を見る 先に「次の一歩」を見る

がんの家族を支えていて「もう無理」と感じるのは、気持ちが弱いからではありません。それだけ長いあいだ、ひとりで多くを抱えてきたからです。付き添い、仕事、家のこと、きょうだいや親戚への連絡。どれも代わりがきかないように見えて、自分のことはいつも最後に回ってきたかもしれません。

限界がいつ来るかに、決まった目安はありません。病状や治療の段階、仕事や家族の事情によって、しんどさの中身も重さも一人ひとり違います。ただ、看病を終えた家族に聞いた国立がん研究センターの調査では、およそ4割の方が「介護の負担感が大きかった」と振り返っています。あなたが今感じている重さは、多くの家族が通ってきた道でもあります。

全部を今夜読みきらなくてかまいません。気になる見出しだけ拾い読みして、残りは明日に回してください。夜中に検索してここへたどり着いたこと自体が、自分を守ろうとする一歩です。

こんな夜に、このページを開いた方へ

  • 付き添いも仕事も家のことも休めない。本人がいちばんつらいと分かっているから、「しんどい」とは言えない。
  • 「もう無理」と思う瞬間が、少し前より確実に増えている。
  • 誰にも言えないまま、こうして夜中に検索している。

この記事で分かること

  • 家族が「第二の患者」ともいわれる理由と、調査で分かっている負担の大きさ
  • 限界が近いときに出やすいサイン(チェックリスト)
  • 休む・頼る・話すを、今週から小さく始める方法
  • 家族のあなた自身が使える相談先と、その選び方

がんの家族を支えるのがつらくて、もう限界です。家族の私がこんなに疲れていいのでしょうか?

疲れていいのです。家族は本人のつらさを思って気持ちを抑えがちなうえ、自分の生活も回し続けなければなりません。その疲れは、あなたがそれだけ多くを引き受けてきたことの表れです。

国立がん研究センターのがん情報サービス「家族ががんになったとき」は、家族は「本人はもっとつらいのだから」と気持ちを我慢しがちで、自分の日常生活も維持しなければならないと説明しています。そのうえで、「ご家族は、『第二の患者』ともいわれます」と書いています。病気を抱えているのは本人でも、心と体をすり減らしているのは家族も同じだ、という意味です。

たとえば、平日の夕方に会社を早めに出て病院へ寄り、面会時間の終わりまでそばにいる。帰りの電車では、明日の会議資料をスマホで開く。家に着けば洗濯物がたまっていて、きょうだいからは「今日はどうだった?」とメッセージが届いている。この一日のどこにも、あなたが休む時間は入っていません。疲れないほうが不思議なくらいです。

「疲れていいのか」と自分に問いかけてしまうのは、それでもまだ頑張ろうとしているからです。その問いには、まず「いい」と答えてかまいません。そのうえで、疲れが限界を越えないように、手を打つ順番を決めていきます。

ご本人が抱えやすいつらさ

  • 体の痛みや、治療の副作用
  • この先の見通しへの不安
  • 家族に負担をかけているという気がかり

ご家族が抱えやすいつらさ

  • そばで見ていることしかできない無力感
  • 看病と仕事・家事を同時に回す疲れ
  • 説明を聞く役、決める役、伝える役を背負う重さ
本人のつらさと家族のつらさは、重さ比べではなく種類の違うもの

家族の「しんどさ」は、どのくらい多くの人が感じているのですか?

国立がん研究センターが2022年に公表した遺族調査では、がんで家族を亡くした方の38.9%が「介護の負担感が大きかった」と答えています。家族のしんどさは、決して珍しいものではありません。

この調査(2018〜2019年度調査の統合報告)は、2017年と2018年にがんで亡くなった方のご遺族を対象に行われ、有効回答は54,167人でした。同じ調査では、死別から1〜2年たった時点で抑うつ症状がみられた方が19.3%、強い悲嘆がみられた方が30.9%という結果も出ています。抑うつや悲嘆の数字は、質問票によるスクリーニングでの推計で、医師の診断ではありません。

これは看病を終えたあとの家族に聞いた数字なので、看病の真っ最中のあなたに、そのまま当てはまるわけではありません。それでも、多くの家族が「負担が大きかった」と振り返り、その後も心の不調を抱える人が少なくないことは、家族のつらさが一時の気の迷いではないことを示しています。

負担を重く感じるのは、看病がうまくできていない証拠ではありません。真剣に向き合っているからこそ、重く感じるのです。

なぜ家族は「しんどい」と言えなくなるのですか?

「本人のほうがつらい」と比べてしまうからです。比べる相手が病気の家族である限り、自分のつらさはいつも「まだ言うほどではない」に分類され、口に出す順番が回ってきません。

比べる気持ちは、優しさから生まれています。痛みに耐えている人の横で、自分の疲れを話すのは申し訳ない。だから飲み込む。けれど、飲み込んだつらさは消えてなくなるわけではなく、眠りの浅さや、ふとした瞬間の涙、家族へのいら立ちといった別の形で出てきます。

ここで一度、つながりを確かめてみてください。「本人がいちばんつらい」は正しくても、そこから「だから自分は我慢する」へは、本当はつながっていません。間に挟まっているのは、「自分が倒れたら困る」という責任感と、「弱音を吐いたら申し訳ない」という遠慮です。この2つは、我慢を続けるほど重くなり、休んだり頼ったりしたときにだけ軽くなります。

つらさは、比べて順位をつけるものではありません。本人のつらさが大きいことと、あなたがつらいことは、同時に本当です。どちらか一方を小さく見積もる必要はありません。

  1. 1比べる「本人のほうがつらいのだから」と、自分の疲れを後回しにする
  2. 2飲み込む誰にも話さず、予定も減らさずに続ける
  3. 3体に出る眠りが浅くなる、食欲が落ちる、涙もろくなる
  4. 4責める「こんなことで弱っている自分はだめだ」と考える
  5. 5限界に近づく休み方も頼り方も分からないまま、もう無理だと感じる
「本人のほうがつらい」と我慢が積み重なっていく流れ

限界が近いとき、心と体にはどんなサインが出ますか?

眠れない、食べられない、急に涙が出る、小さなことにいら立つ、何をしても楽しくない。こうした変化が重なって続くときは、心と体が休みの不足を知らせているサインです。

家族のサインは、本人の病状の変化と違って、周りから気づかれにくいものです。家族自身も「みんな大変なのだから」と見過ごしがちです。下のチェックリストで、いくつ当てはまるかを数えてみてください。診断のためのものではなく、自分の状態を少し離れたところから眺めるための目安です。

  • 寝つけない、夜中に何度も目が覚める日が続いている
  • 食事を抜いても気づかない、食べても味がしない
  • 本人の前以外の場所で、急に涙が出る
  • 物音や家族のひと言に、以前より強くいら立つ
  • 好きだったことに、まったく気持ちが向かない
  • 仕事や家事で、いつもならしないミスが増えた
  • 朝、起き上がるまでに時間がかかる
  • 「自分さえいなければ」「消えてしまいたい」と考えることがある
家族の限界が近いときに出やすいサイン

いくつ以上なら危ない、という線はありません。数よりも、「前の自分と比べて変わったか」「その状態が続いているか」「仕事や家事に差し支えているか」の3つで見てください。続いていて生活に響いているなら、かかりつけ医や、こころの相談窓口に話してよい段階です。落ち込みが長引くときの見分け方は、家族のうつ状態のサインと受診の目安で詳しく取り上げています。

最後の項目に当てはまるときは、ほかの項目の数にかかわらず、今日のうちに誰かとつながってください。夜中も含めて24時間、無料でかけられる電話として、よりそいホットライン(0120-279-338)があります。今まさに自分を傷つけてしまいそうなときは、119番に電話してください。

  1. Q1「消えてしまいたい」という気持ちが浮かぶことがありますか

    はい今日のうちに、よりそいホットラインや、かかりつけ医、こころの相談窓口に連絡する

    いいえ次の問いへ進む

  2. Q2サインが続いていて、仕事や家事に差し支えていますか

    はいかかりつけ医や、こころの相談窓口に今週中に相談する

    いいえ休む・頼る・話すのうち、今週ひとつだけ始める

サインに気づいたときの分かれ道

自分を守る「休む・頼る・話す」は、何から始めればいいですか?

いちばん足りないものから一つだけ始めれば十分です。眠れていないなら休む、手が回らないなら頼る、気持ちが詰まっているなら話す。3つを同時に完璧にこなす必要はありません。

休む・頼る・話すは、それぞれ守るものが違います。休むは体力と睡眠を、頼るは時間と手間を、話すは気持ちの置き場所を守ります。どれか一つが動き出すと、ほかの2つも少しずつ楽になっていきます。

観点休む頼る話す
守るもの体力と睡眠時間と手間気持ちの置き場所
今週の小さな一歩面会に行かない日を1日決める用事を一つ、人に渡す「つらい」と一度だけ口にする
使える先病棟の看護師、交代できる家族きょうだい、地域包括支援センター、医療ソーシャルワーカーがん相談支援センター、こころの相談窓口
休む・頼る・話すが守るものと、今週の始め方

休む──「行かない日」を、先に予定に書き込む

休みは、空いた時間にとるものだと思っていると、いつまでも回ってきません。カレンダーに先に「面会なし」「今日は早く寝る」と書き込み、ほかの予定と同じように扱ってください。病棟の看護師に「明日は家族が来られないのですが、様子を見ていただけますか」と伝えておけば、行かない日の後ろめたさも少し軽くなります。休むことは本人を置いていくことではなく、来週もそばにいるための準備です。休み方と頼み方をもっと具体的に知りたい方は、休んでいい、頼っていいもあわせて読んでみてください。

頼る──用事に「日付」と「中身」をつけて渡す

「何かあったら手伝って」では、相手も動きようがありません。「木曜日の通院の送り迎えをお願いできる?」「土曜の午後だけ、病院にいてもらえる?」と、日付と中身を決めて渡すと、頼まれた側も引き受けやすくなります。家族の外にも頼れる先はあります。高齢の家族の介護なら、市町村が設置する地域包括支援センターが、家族介護者の相談を早い段階から受け、必要なサービスにつないでいます。本人が40〜64歳なら、市区町村の介護保険の窓口でも相談できます。入院中の生活やお金、退院後の療養の場のことは、医療ソーシャルワーカーという専門職が相談に応じています。窓口の名前は病院ごとに違うので、病棟の看護師に「ソーシャルワーカーさんと話せますか」と聞いてみてください。

話す──評価しない相手を、一人だけ決めておく

話す相手は、解決策をくれる人でなくてかまいません。むしろ「もっとこうしたら」と言わずに聞いてくれる人のほうが、気持ちは軽くなります。身近にそういう人がいなければ、がん相談支援センターがあります。全国のがん診療連携拠点病院などにある相談窓口で、家族だけでも、その病院にかかっていなくても、無料・匿名で使えます。話した中身が、あなたの同意なしに担当医などへ伝えられることもありません。

家族自身のつらさは、どこに相談すればいいですか?

がんのことも含めて話したいなら、がん相談支援センター。気持ちの落ち込みが中心なら、かかりつけ医や、こころの健康相談統一ダイヤル。夜中に誰かと話したいなら、24時間受け付けているよりそいホットラインがあります。

相談先は、話したい中身と時間帯で選ぶと迷いにくくなります。家族の不調を医療者に打ち明けるのは、筋違いではありません。本人の主治医や病棟の看護師に「家族の私も、少し参っています」と伝えるのも、立派な相談の一つです。病院の中にある相談の窓口を、そこから教えてもらえることもあります。

家族のあなた

  • がん相談支援センター家族だけでも無料・匿名。その病院にかかっていなくてもよい
  • がん情報サービスサポートセンター0570-02-3410(ナビダイヤル)。平日10時〜15時、原則1日1回20分以内
  • こころの健康相談統一ダイヤル0570-064-556。かけた地域の公的な相談窓口につながる。時間は地域で異なる
  • よりそいホットライン0120-279-338。24時間、無料
  • 地域包括支援センター高齢の家族の介護の相談。必要なサービスにつなぐ
  • がんと家族の相談室評価も助言もしない20分の電話と、今夜の判断の整理
家族のあなたが使える相談先の地図

こころの健康相談統一ダイヤルは、かけた場所の都道府県や政令指定都市が行う「こころの健康電話相談」などにつながる仕組みです。かけた側が通話料を負担し、050で始まるIP電話からはつながらない点に気をつけてください。がん情報サービスサポートセンターも通話料は自己負担で、混み合う時間はつながりにくいことがあります。一つがつながらなくても、あなたが拒まれたわけではありません。別の窓口を試してください。

がんと家族の相談室も、その選択肢の一つです。医療機関でも葬儀社でもない無料の窓口で、2026年9月の実績(運営者集計)では、電話相談・問い合わせ1,200件のうち800件がご家族からでした。家族の立場で電話をかけるのは、特別なことではありません。

「もう無理」と思った夜は、何をすればいいですか?

今夜決めることは、「明日の朝、誰に連絡するか」の一つだけで大丈夫です。横になって体を休め、頭の中の心配は紙に書き出し、危ないと感じたら24時間の電話につながってください。

限界を感じた夜は、考えれば考えるほど、すべてが悪い方向に見えてきます。仕事を辞めるか、看病の形を変えるかといった大きなことは、夜の頭で決めなくてかまいません。明日の朝に連絡する先を一つだけ決め、メモに書いて枕元に置いてください。がん相談支援センターの番号でも、きょうだいの名前でも、かかりつけ医でもかまいません。

眠れないときは、目を閉じて横になるだけでも体は少し休まります。スマホでの検索は、今夜はここまでにしてください。夜に強くなる不安との付き合い方は、精神的に限界の夜にで、今夜を一人で耐えないための手順としてまとめています。

「もう無理」と感じていた娘は、どう動いた?

説明のための例(実在の方の体験談ではありません)

どなたの例か
40代・娘の立場(父が通院で抗がん剤治療中。母は高齢で、弟は県外に住んでいる)
相談のあとに変わったこと
週4日だった病院通いが週2日になり、県外の弟が月2回の付き添いを引き受けるようになった。夜中の検索が減り、自分の疲れを看護師に話せるようになった。

1. 相談のあとに変わったこと

相談から1か月ほどたったころ、この方の手帳には、初めて「面会なし」と書かれた日が並ぶようになりました。週に4日通っていた病院は2日に減り、残りは県外に住む弟が、月に2回の週末にまとめて引き受けています。「休んだ次の日に、父から『顔色がよくなったな』と言われたんです」。それまで夜中の2時、3時まで続いていた検索も、ほとんどしなくなったといいます。

2. 相談を考えた背景

父親が抗がん剤治療を始めて半年。通院の付き添い、高齢の母親の買い物、フルタイムの仕事。この方は、どれも自分がやるしかないと思っていました。ある夜、病院の駐車場で、エンジンをかけたまま20分ほど動けなくなったことがあり、「このままだと、自分が先に倒れる」と怖くなったのが、相談を考えたきっかけでした。

3. 相談する前に困っていたこと

それまでは「がん 家族 限界」と検索しては、看病を続ける人の文章を読み、「みんなもっと頑張っている」と落ち込む繰り返しでした。弟に頼むことも考えましたが、「仕事が忙しいのに悪い」と、メッセージを書いては消していました。何をやめていいのか、誰に何を頼めばいいのかが、分からなかったのです。

4. ここを選んだ理由・決め手

父親が通う病院のがん相談支援センターのことは知っていました。ただ、父の担当の先生がいる建物で自分の弱音を話すことに、ためらいがありました。病院とは関係のない場所で、まず話だけ聞いてほしい。フォームならニックネームで送れて、夜中でも申し込めることが決め手になりました。「送るまでに、3回は画面を閉じました」と振り返ります。

5. 相談で話したこと・その後

折り返しの電話では、担当が名前を名乗り、最初の20分は評価も助言もせずに聞きました。そのあと、1週間の予定を一緒に書き出し、「この方がやらなくても回ること」に印をつけていきました。弟への頼み方は、「手伝って」ではなく「第2・第4土曜の付き添いをお願いしたい」と、日付を入れた一文にしました。担当は、父親の病状の見通しや、この方の心の状態について判断することはせず、気持ちの相談はがん相談支援センターや、かかりつけ医でもできることを伝えています。この方はその後、病棟の看護師にも「娘の私も、少し参っています」と話せるようになりました。

※よくある状況を組み合わせて作った例です。登場する方は実在しません。相談の進み方は、状況によって異なります。

医療者に聞く質問例

  • 家族が毎日面会に来られなくても、本人の療養に差し支えはないでしょうか。
  • 家族が来られない日に、本人の様子を知る方法はありますか。
  • 家族の疲れや気持ちのことも、こちらで相談してよいでしょうか。
  • 介護や生活のことを相談できる、医療ソーシャルワーカーなどの窓口はありますか。
  • 付き添いを交代するとき、ほかの家族に伝えておくべきことはありますか。

とはいえ、限界の一歩手前で踏ん張るあなたに伝えたい2つのこと

① 気持ちのこと──「つらい」と言っても、看病から降りることにはならない

しんどいと口にしたら、本人を見捨てるような気がするかもしれません。けれど、つらさを言葉にすることと、看病をやめることは別のことです。言葉にした分だけ、誰かが一緒に持てるようになり、あなたは明日も病院へ向かえます。本人のつらさを大事に思う気持ちと、自分のつらさを認めることは、同時にできます。泣いてしまう夜や、本人にきつく当たってしまった日があっても、それで今までの看病が台無しになるわけではありません。

② 実務のこと──倒れたときの「代わりの人」を、元気なうちに一人決めておく

あなたが急に寝込んだとき、病院からの連絡を受ける人、本人の着替えを届ける人は誰でしょうか。その人の名前と連絡先を、病棟にも伝えておくと、もしものときに本人の支えが途切れません。代わりの人がいるだけで、休むことへの怖さはずいぶん小さくなります。親族に頼めないときは、地域包括支援センターや病院の医療ソーシャルワーカーに、使える介護サービスや支援を相談できます。

今日できること

限界を感じた日に、今夜から明日までにできる3つのこと

  1. サインを数えて残す

    チェックリストで当てはまった数を、日付と一緒にスマホのメモに書いておく。数日後に見比べると、変化に気づきやすくなります。

  2. 明日の用事を一つ手放す

    明日の予定から一つ選び、誰かに頼むか、思いきってやめる。頼むときは、日付と中身を入れた一文で送ります。

  3. 「つらい」と一回だけ伝える

    信頼できる人、がん相談支援センター、相談室のLINEのどれか一か所に、今の気持ちをひとことだけ伝える。

よくある質問

本人の前で、疲れた顔やいら立ちを見せてしまいました。看病する資格がないのでしょうか?

そんなことはありません。疲れが積み重なると気持ちの余裕がなくなり、普段なら流せることにも反応しやすくなります。きつく当たってしまったと感じたら、落ち着いたときに「昨日はごめんね、ちょっと疲れていた」と伝えれば十分です。それよりも、いら立ちが増えていること自体を「休みが足りない」というサインとして受け取り、休む日を一日つくってください。

本人から「迷惑をかけてごめん」と言われると、何と返せばいいか分かりません。

「迷惑なんかじゃない」と打ち消すだけだと、本人は気をつかい続けてしまうことがあります。「一緒にいたいから来ているんだよ。たまに休むけど、それも長くそばにいるためだからね」と、本音を少しだけ混ぜて返すと、お互いに力が抜けます。家族が休むことを本人と共有しておくと、休んだ日の後ろめたさも軽くなります。

きょうだいが手伝ってくれず、自分ばかりが負担しています。どう話せばいいですか?

離れて住んでいたり、病状を詳しく知らなかったりすると、手伝いたくても何をすればいいか分からないことがあります。「もっと手伝って」と気持ちをぶつけるより、「第1土曜の付き添い」「通院の日の夕食」のように、日付と用事を具体的にして頼むほうが動いてもらいやすくなります。話し合いがこじれそうなときは、病院の医療ソーシャルワーカーなど第三者に入ってもらい、分担を整理する方法もあります。

相談したことが、本人や主治医に伝わることはありますか?

がん相談支援センターでは、相談した人の同意がないまま、その内容が担当医などに伝わることはありません。がんと家族の相談室の「ただ聞く」電話も、ご希望があれば記録を残さずにお話を聞きます。本人に知られたくない気持ちを外で話すことは裏切りではなく、明日も穏やかにそばにいるための準備です。

夜中しか自分の時間がありません。夜でも相談できる場所はありますか?

夜中でも、よりそいホットライン(0120-279-338)なら24時間、無料で話を聞いてもらえます。がん専門の窓口ではありませんが、誰かの声を聞きたい夜に使えます。がんと家族の相談室のLINEなら、夜中に打った一行も、翌朝いちばんに読んでお返事します。電話(080-4178-5017)は平日9時〜18時は担当が直接受け、それ以外の時間は自動音声で受け付けて、翌朝9時までに担当から折り返します。夜のうちに文字にしておくだけでも、気持ちは少し整理されます。

看病のために仕事を休みたいのですが、使える制度はありますか?

介護休業と介護休暇があります。介護休業は、要介護状態(2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態)の対象家族1人につき通算93日まで、3回まで分けて取れます。介護休暇は1年に5日(対象家族が2人以上なら10日)まで、時間単位でも取れるため、通院の付き添いにも使いやすい制度です。対象になるかどうかは、勤務先の人事に確認してください。

心療内科に行くほどではない気がします。それでも相談していいのですか?

いいのです。相談は、病気かどうかがはっきりしてから使うものではありません。「受診するほどか分からない」という迷いそのものを、がん相談支援センターや、こころの健康相談統一ダイヤルで話してかまいません。話しているうちに、休めば戻る疲れなのか、手当てが必要な状態なのかが見えてくることもあります。

「もう無理」の中身を、一緒にほどいていきませんか

お名前はニックネームで大丈夫です。ご希望の時間帯を書いて送ると受付確認のメールがすぐに届き、その時間帯に担当が名前を名乗ってお電話します。最初は評価も助言もせずにお話を聞き、そのあとで、手放せる用事と頼れる先を一緒に書き出します。

  1. 入力は1分ほどお名前はニックネームで構いません。ご相談の内容は、ひとことでも大丈夫です。
  2. すぐに受付メール送信すると、受け付けたことをお知らせするメールが届きます。
  3. ご希望の時間にお電話電話番号は、折り返しのお電話にだけ使います。スタッフが名前を名乗っておかけします。

    必須は4項目(お困りの内容・施設名・お名前・メールアドレス)です。分かる範囲でご記入ください。写真があると、状況の確認が早くなります。

    1. 1営業日以内にご連絡(お急ぎの場合は当日中)

    2. 現地の確認は無料です(所要30分〜2時間)

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    私たちは医療機関ではないため、診断・治療・余命の判断はできません。体調の急な変化は、まず主治医や病棟・訪問看護へ。命に関わる緊急時は、迷わず119番へ。

    次の一歩

    言葉にできた問いを、そのまま人にも聞いてみる

    「あとどれくらいですか」「これからどうなりますか」。言葉にできたその問いは、主治医や看護師に聞いてよい問いです。検索やAIの答えは一般論です。ご本人に当てはまるかどうかは、ご本人を診ている医療者に確かめてください。

    主治医や看護師に聞いてみる一言

    「調べて不安になったことがあるので、確かめさせてください。」

    1. 調べて気になったことを、そのままメモして診察に持っていく
    2. 答えを聞くのがつらい問いは、看護師やがん相談支援センターに「聞き方」から相談する
    3. 気持ちを整理したいときは、この相談室の電話やLINEへ

    手元にあると話しやすいもの

    • 調べて気になったことのメモ
    • 質問メモ

    公的な相談先

    がん情報サービス(国立がん研究センター)
    出典のはっきりしたがんの情報と、お近くのがん相談支援センターの探し方がまとまっています。
    がん相談支援センター
    全国のがん診療連携拠点病院などにある相談窓口です。どなたでも無料で、その病院にかかっていなくても相談できます。

    このサイトでできること

    体調の急な変化は、まず主治医・病棟・訪問看護へ。命に関わる緊急時は119番へ。

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    参考・出典

    監修者 木内 由香

    緩和ケア・がん患者と家族の
    支援に関する監修者

    木内 由香

    緩和ケア・がん患者と家族の支援に関する監修者

    県立がんセンターでの勤務経験を経て、がん患者さんとそのご家族が直面する療養上の悩みや意思決定の葛藤に向き合ってきました。

    がんと診断されたご本人を支えるご家族には、「一日でも長く生きていてほしい」という切実な願いがあります。一方で、緩和ケアでは、痛みや苦痛を和らげること、その人らしい生活を大切にすること、ご本人の希望を尊重することなど、さまざまな視点から療養の方向性を考える必要があります。

    こうしたご家族の願いと医療・療養方針との間に生まれる葛藤を理解し、年間約200名のがん患者さんとそのご家族に関わる中で、それぞれの状況に応じた支援のあり方や、その先に進むための選択肢をともに考えてきました。

    「がんと家族の相談室」では、がん患者さんご本人だけでなく、支えるご家族も孤立せず、必要な情報や相談先につながれることを大切にしています。医療情報を伝える際には、医学的な正確性に配慮するとともに、ご家族が抱える不安や迷いにも目を向け、療養生活の中で次の一歩を考えるための情報発信を目指しています。

    監修は医療情報の正確性と表現の妥当性に関するものであり、個別の診断・治療・余命の判断を行うものではありません。ご本人の症状や治療については、担当の医師・看護師にご確認ください。

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