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親のがん、これからどうなる?治療後の流れと家族が決めること

このテーマの総論:母が・父ががんになった|最初の1週間に子どもができること

この記事には、余命や生存率などの数字の話が出てきます。数字は多くの方をまとめた統計で、一人ひとりの予測ではありません。読むのがつらいときは、途中で閉じても大丈夫です。

この記事の結論

治療が終わったあとは、緩和ケアを中心に過ごす時期、体力が落ちて療養の場所を見直す時期、看取りの時期へと進むのが一般的な流れで、長さは人によって大きく違います。どの段階でも決める軸は親の希望です。今決めることと後でいいことを分け、きょうだいで役割を分けておくと、慌てずにすみます。

理由と根拠は、このあと本文でくわしくお伝えします。 主な出典:国立がん研究センター がん情報サービス「緩和ケア」(WHO定義は日本緩和医療学会… ほか11件 参考・出典を見る 先に「次の一歩」を見る

「これ以上の治療は難しい」と言われたあとは、緩和ケアを中心に過ごす時期、体力が落ちて療養の場所を見直す時期、看取りの時期、そしてお別れのあと、という順に進んでいくのが一般的な流れです。ただ、それぞれの時期の長さや移り変わり方は人によって大きく違い、行きつ戻りつすることもあります。

先が見えない不安の正体は、流れそのものよりも、「いつ、誰が、何を決めるのか」が分からないことにあるのかもしれません。何もかも今週中に決めなければならない気がして、調べるほど気持ちが追い詰められていく。同じような夜を過ごしている家族は、あなたのほかにもいます。

この記事では、流れの説明は短くとどめ、段階ごとに子どもやきょうだいが決めること・後でいいことを、親御さんの希望を軸にした判断表にまとめました。離れて住むきょうだいの関わり方や、休みをどの段階で使うかも、あわせて整理しています。

治療が終わったと聞いて、先が見えなくなっている方へ

  • 「これ以上の治療は難しい」と言われてから、この先どうなるのかが見えない。
  • 家に帰れるのか、このまま入院が続くのか、何をいつ決めればいいのか分からない。
  • きょうだいは遠くに住んでいて、結局、近くにいる自分が全部決めることになりそうで怖い。

父のがんの治療が終わりました。これから最期までどんな流れになりますか?

一般的には、緩和ケアを中心に過ごす時期、体力が落ちて療養の場所を見直す時期、看取りの時期、そしてお別れのあとの時期へと進みます。ただ、各時期の長さや移り方は人によって大きく違い、持ち直して前の時期に戻ったように見えることもあります。

「治療が終わる」は、医療が終わるという意味ではありません。国立がん研究センターのがん情報サービスは、緩和ケアは「がんと診断されたときから始まります」と説明していて、受ける場として、緩和ケアチーム、緩和ケア外来、緩和ケア病棟、在宅緩和ケアを挙げています。抗がん剤などの治療に区切りがついたあとも、痛みや息苦しさ、気持ちのつらさを和らげる医療は続きます。

段階ごとに起きやすい体の変化や、臨終の前後の流れは、がんの最期までの流れで詳しく説明しています。「末期」と告げられた直後に確かめておきたいことは、親が末期がんと言われたときの記事にまとめました。ここから先は、流れの中で子どもが「いつ、何を決めるか」に絞ってお伝えします。

治療が終わった今、子どもが最初に決めることは何ですか?

最初に決めるのは、医療者とのやりとりを受け持つ「窓口役」、次に医療者と話す日、そしてお父さんの希望を少しずつ聞き始めること、の3つで足ります。療養の場所や介護の手続きは、そのあと医療者と相談しながら順に考えていけます。

窓口役は、病院に通いやすいきょうだいが引き受けるのが自然ですが、「ひとりで決める人」ではありません。医療者の言葉を受け取り、きょうだいに同じ文面で運ぶ人です。決めるときの軸はお父さんの希望で、きょうだいはその希望が叶う段取りを一緒に考えます。この役割の線を最初に言葉にしておくと、近くに住む子どもに決定の重さが集まりにくくなります。

次に医療者と話す日は、外来の予約日でも、病棟での面談でもかまいません。「次の診察では、これからの過ごし方を相談したい」と前もって伝えておくと、医師や看護師も時間を取りやすくなります。それまでの数日にすることは、お父さんの言葉を集めておくことだけです。

各段階で、決めることと後でいいことは、どう分ければいいですか?

段階ごとに「親に聞いておきたいこと」「子どもが決めること」「後でいいこと」の3つの欄で考えます。決める軸はいつもお父さんの希望で、子どもの役目は、その希望が叶うように段取りを整えることです。

「後でいい」は「しなくていい」とは違います。今決めても、体調や気持ちが変われば決め直しになることを、無理に先取りしない、という意味です。たとえば、療養の場所を最後まで決めきることや、葬儀や相続の細かな中身は、その代表です。亡くなったあとの手続きにも期限はありますが、死亡届は死亡の事実を知った日から7日以内、相続放棄は相続の開始があったことを知った時から3か月以内と定められていて、今の時点で細部まで決めておく必要はありません。

反対に、早めに手をつけたほうがよいのは、時間がかかることと、お父さんにしか答えられないことです。介護保険の申請から結果の通知までは原則30日以内とされているので、使う見込みがあれば相談だけでも早めに始めておけます。お父さんの希望は、話せる力があるうちにしか聞けません。

段階父に聞いておきたいこと子どもが決めること後でいいこと
治療が終わった直後先生の話をどこまで聞きたいか、誰と聞きたいか医療者との窓口役、次に話す日、きょうだいへの伝え方葬儀や相続の細かい話、実家の片付け
緩和ケア中心の時期どこで過ごしたいか、会いたい人、続けたい楽しみ介護保険の相談を始めるか、訪問看護や在宅医の情報を集めるか療養の場所を最後まで決めきること
体力が落ちてきた時期家と病院のどちらが安心か(気持ちの変化も含めて)療養の場所を移すか、介護の分担、休みの取り方遠い先の手続きの段取り
看取りの時期そばにいてほしい人、してほしくないこと付き添いの交代、夜の連絡の順番、もしもの夜に最初に電話する先親戚への詳しい説明
お別れのあと生前に聞けた希望を手がかりにする最初の連絡先、期限のある届け出遺品の整理、相続の細かな分け方
治療が終わってからの段階別、子どもの判断表(父の希望を軸に)

家か、緩和ケア病棟か、今の病院か。療養の場所はどう決めればいいですか?

軸はお父さんがどこで過ごしたいかです。そのうえで、介護できる家族の人手と、医療や介護の支えが得られるかを重ねて考えます。一度決めた場所は、体調や家族の事情に合わせて変えてかまいません。

お父さんに聞くときは、「最期はどこがいい?」ではなく、「家と病院、今はどっちが落ち着く?」と、今の気持ちとして尋ねるほうが答えやすくなります。返ってきた答えが「家がいい。でも迷惑はかけたくない」なら、その「でも」の部分こそ、子どもが段取りで支えられるところです。

選べる場所は、地域や病院によって違います。入退院や療養の場が変わるときの相談には、病院の医療ソーシャルワーカーが応じてくれます(相談室の名前は病院ごとに違います)。自宅で過ごす場合の訪問看護や在宅医の仕組みは、医療ソーシャルワーカーや、お住まいの地域包括支援センターでも確かめられます。

家で過ごす場合に家族の側で確かめておきたいのは、気持ちより先に「手」の数です。夜にお父さんのそばで眠れる人は誰か。その人が体調を崩したら、誰が代われるか。日中に仕事で家を空ける時間を、誰が、何でつなぐか。ここが見えてくると、「家にいたい」という希望を叶えるために、どの支えを足せばいいかが具体的になります。

医師と最期の療養場所を話し合った割合は、国立がん研究センターが2025年7月に公表した遺族調査(2023年度調査、2021年にがんで亡くなった方のご遺族1,226名が回答)で53%となり、前回の36%から増えていました。ご遺族が振り返って答えた数字ですが、療養の場所を医師に相談すること自体は、特別なことではありません。

  • 夜にそばで眠れる人と、その人が休む日に代われる人
  • 日中に家族が家を空ける時間と、その時間をつなぐ手立て
  • 夜間や休日に、最初に電話する先
  • 介護保険を使う場合の、申請や相談の窓口
  • 家族が限界を感じたときに、療養の場所の見直しを相談する先
自宅で過ごすことを考えるときに、家族の側で確かめておくこと
観点自宅緩和ケア病棟今の病院
支えになる人在宅医、訪問看護、ケアマネジャー緩和ケアを専門にする医師や看護師主治医と病棟の看護師
家族に求められること介護の人手と、夜の対応面会の時間の使い方面会と、医療者との連絡
確かめておくこと夜間や休日の連絡先、介護保険の申請申し込みの方法、入院の条件、面会のきまり入院を続けられる見通し、転院の可能性
相談の入り口医療ソーシャルワーカー、地域包括支援センター主治医、医療ソーシャルワーカー病棟の看護師、医療ソーシャルワーカー
療養の場所ごとに、子どもが確かめておくこと

きょうだいで、段階ごとにどう役割を分ければいいですか?

住んでいる距離だけで分けず、段階ごとに増える役割を見て分けます。初めは調べものと手続き、体力が落ちてからは付き添いと介護、看取りの時期は交代での泊まりと連絡が中心になり、役割の重さは時期によって移っていきます。

距離で分けると、近くに住む子どもに「全部」が集まりがちです。けれど、治療が終わった直後の時期に必要なのは、療養場所の候補を調べる、制度の窓口を確かめる、親戚に近況を伝えるといった、離れていてもできる仕事です。遠方のきょうだいがこの時期に調べものを引き受けておけば、近くの子どもは面会とお父さんの話し相手に時間を使えます。

役割を頼むときの文面は、短く具体的にします。「緩和ケア病棟の申し込み方法を調べて、日曜までに送ってほしい」「毎週水曜の夜、父に電話してくれる?話すのは昔の話でいいから」。何を、いつまでに、が入っていれば、離れて暮らすきょうだいも動きやすくなり、近くの子どもが「頼みづらい」と抱え込むことも減ります。

体力が落ちてくると、付き添いや介護の手が要るようになり、役割の重心は近くの家族に移ります。この時期に遠方のきょうだいができる大きな仕事は、帰省の日を前もって決めて、近くの家族が休める日をつくることです。看取りの時期には、泊まりの交代と、夜の連絡の順番が中心になります。

  1. 1治療が終わった直後療養場所の候補や制度を調べ、窓口役に一覧で送る
  2. 2緩和ケア中心の時期決まった曜日に電話をかけ、父の話し相手になる
  3. 3体力が落ちてきた時期帰省の日を前もって決め、近くの家族が休める日をつくる
  4. 4看取りの時期休み方を勤め先と相談し、交代で泊まる日を引き受ける
  5. 5お別れのあと親戚への連絡や、期限のある手続きの確認を受け持つ
段階によって移り変わる、遠方のきょうだいが担いやすい役割

離れて住む子どもは、休みをどの段階で使えばいいですか?

一度に使い切らず、段階の節目に分けて使う考え方があります。介護休業は対象の家族1人につき通算93日まで、3回まで分けて取れるので、療養の場所を移すとき、介護の体制を整えるとき、看取りの時期、というように節目に合わせて計画できます。

介護休業は、要介護状態(2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態)の家族のための休みです。お父さんが自分で身の回りのことをできている時期には当てはまらないこともあるので、使えるかどうかは勤め先に確かめてください。雇用保険の介護休業給付金は、原則として「休業開始時賃金日額×支給日数×67%」です。2025年4月からは、介護に直面した社員に会社が制度を個別に知らせ、意向を確かめることも義務になっています。

面談の日や通院の付き添いのように、一日や数時間で足りる用事には、1年に5日(対象の家族が2人以上なら10日)まで、時間単位でも取れる介護休暇が向いています。お別れのあとの忌引き(慶弔休暇)は、法律で決まった休みではなく、会社が任意に設けている特別休暇なので、日数は就業規則で確かめておくと安心です。

父の希望が分からないときは、どう決めればいいですか?

「父なら、どう言いそうか」をきょうだいで出し合い、医療者と一緒に考えます。これまでの口ぐせや暮らし方が手がかりになります。話せる力が残っているうちは、選択肢を二つに絞って尋ねると、お父さんも答えやすくなります。

国の指針である「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」(厚生労働省、平成30年3月改訂)も、医療やケアを決めるときの出発点を、本人による意思決定に置いています。そして「人生会議」と呼ばれるACP(アドバンス・ケア・プランニング)は、望む医療やケアについて家族や医療・ケアチームと繰り返し話し合い、共有していく取り組みです。一度の話し合いで全部を決めるものではありません。

お父さんが多くを語らない人なら、これまでの言葉を拾い集めます。「入院はもうこりごりだ」「庭の手入れだけは人に任せたくない」「子どもに下の世話はさせたくない」。きょうだいで思い出せる言葉を書き出すと、意外なほど一貫した願いが見えてくることがあります。話せる日には、「家と病院、今はどっちがいい?」「お見舞いは、大勢で来てほしい?それとも少しの人数がいい?」のように、二つのうちから選んでもらう聞き方が向いています。

  1. Q1父は今、自分の希望を言葉にできますか

    はい選択肢を二つに絞って尋ね、答えをそのまま書きとめる

    いいえこれまでの父の言葉や暮らし方を、きょうだいで書き出す

  2. Q2書き出した希望が、きょうだいの間で食い違っていますか

    はい医療者に父の様子を聞き、「父ならどう考えるか」を一緒に話し合う

    いいえその希望を医療者に伝え、叶えるための段取りを相談する

父の希望をもとに決めるときの分かれ道

「全部を今決めなきゃ」と焦っていた息子さんは、どう動いた?

説明のための例(実在の方の体験談ではありません)

どなたの例か
50代・息子の立場(70代の父が抗がん剤治療を終え、緩和ケア外来に通いながら自宅で暮らしている。妹は県外に住む)
相談のあとに変わったこと
段階ごとに「決めること・後でいいこと」の表を作り、妹と役割を分けた。父が「家にいたい」と話していたことを軸に、在宅での支えの相談を始め、体力が落ちたときに見直す目安も家族で決めた。

1. 相談のあとに変わったこと

相談から2週間後、Fさんは妹と電話で1時間ほど話し、一枚の表を作りました。縦に段階、横に「父に聞くこと」「決めること」「後でいいこと」。妹の欄には「療養場所の候補を調べる」「毎週日曜の夜に父へ電話」と書き込みました。週末のたびに続いていた「これからどうなるの」という長いやりとりは、表を見ながらの短い確認に変わりました。「後でいい、と書けたことで、夜に眠れるようになった」とFさんは話します。

2. 相談を考えた背景

お父さんは70代。半年ほど続けた抗がん剤の治療を終え、主治医から「これからは緩和ケアを中心に」と言われました。通院を続けながら自宅で過ごす形になり、実家の近くに住む子どもはFさんだけでした。

3. 相談する前に困っていたこと

Fさんはインターネットで「末期がん 流れ」を調べ、看取りや葬儀、相続のことまで一晩で読みました。介護保険、訪問看護、緩和ケア病棟と、知らない言葉が並ぶたびに、全部を今週中に決めなければならない気がしていました。妹からの電話は週に3回になり、そのたびに同じ説明をくり返しては、「で、何をすればいい?」と聞かれて答えに詰まりました。「近くにいるのは自分だけだから」と、仕事の昼休みにも病院の資料を読んでいたそうです。

4. ここを選んだ理由・決め手

病院の医療ソーシャルワーカーとの面談は予約してありましたが、その前に自分の頭を整理したいと思ったそうです。平日の夜でも申し込めて、希望の時間帯に電話をもらえるフォームを選び、「何から決めればいいのか分からない」とだけ書いて送りました。

5. 相談で話したこと・その後

担当は、お父さんの病状や残りの時間について推測を口にせず、主治医の言葉と、お父さんがふだん口にしていることを一緒に書き出していきました。「入院はもうこりごりだ」という口ぐせが、表の軸になりました。つまずきもありました。介護保険の申請を急いだFさんに、お父さんが「まだ世話になるほどじゃない」と渋ったのです。表を見返し、申請は医療ソーシャルワーカーに相談してから、父と一緒に決める欄へ移しました。見直しの目安は「夜にひとりで起き上がれなくなったら、家族で話し合う」とし、次の外来で主治医にも伝えるつもりだといいます。

※よくある状況を組み合わせて作った例です。登場する方は実在しません。相談の進み方は、状況によって異なります。

医師・看護師に聞く質問例

  • 父の今の状態で、家族がこの先に向けて決めておいたほうがよいことは何でしょうか。
  • 父が家で過ごしたいと言ったら、訪問看護や在宅医の相談はどこから始めればよいですか。
  • 緩和ケア病棟を考える場合、申し込みの方法や入院の条件を教えていただけますか。
  • 体力が落ちてきたとき、療養の場所を見直す目安になる変化はありますか。
  • 夜間や休日に父の具合が変わったら、家族はどこに連絡すればよいですか。

とはいえ、先が見えない毎日の中で伝えたい2つのこと

① 気持ちのこと──「後でいい」と決めることにも、勇気がいります

決めることを後に回すと、怠けているような、親のことを真剣に考えていないような気がして、落ち着かなくなるかもしれません。けれど、「今は決めない」と決めることも、立派な判断です。先回りして全部を決めてしまうと、お父さんの気持ちが変わったときに、かえって身動きがとれなくなります。がん情報サービスは、家族は「本人はもっとつらいのだから」と自分の気持ちをこらえがちで、「第二の患者」ともいわれると説明しています。決めきれない焦りも、ひとりで抱えずに話してよいものです。がん診療連携拠点病院などにあるがん相談支援センターは、家族だけで相談しても無料・匿名で、話したことが相談した人の同意なく担当医に伝わることもありません。

② 実務のこと──家族会議は、決めるためでなく確かめるために短く開く

きょうだいが集まる家族会議を、何かを決めきる場にすると、毎回重くなり、開くこと自体が負担になります。月に一度ほど、電話で30分と時間を区切り、確かめることを三つに絞ります。お父さんの言葉に新しいものはあったか。今はどの段階にいると医療者は見ているか。役割の重さに偏りが出ていないか。決めることが出てきたら、その場で決めずに、お父さんに聞くか医療者に相談するかを振り分けるだけにします。会議の記録は一枚の表に書き足していけば、遠方のきょうだいも同じ地図を見ながら動けます。

今日できること

治療が終わったと聞いた今夜から明日に、家族でできる3つのこと

  1. 表の枠だけ作る

    紙かスマホのメモに「父に聞くこと」「決めること」「後でいいこと」の3つの欄を作り、今の段階の行だけを埋めます。埋まらない欄があっても、そのままでかまいません。

  2. 父の口ぐせを3つ書く

    「家がいちばん」「人の世話にはなりたくない」など、お父さんがふだん口にしている言葉を3つ書き出します。療養の場所を考えるときの軸になります。

  3. きょうだいに表を送る

    できた表を写真に撮って送り、「後でいい」の欄にも目を通してもらいます。決める順番に迷ったら、相談室のLINEに表を送ってください。夜に届いたものは、翌朝いちばんに読んでお返事します。

よくある質問

一度決めた療養の場所を、あとから変えてもいいのですか?

変えてかまいません。家で過ごすと決めたあとで、夜の不安が強くなって入院に切り替えるのも、病院から自宅へ外泊や退院を考えるのも、体調や気持ちの変化に合わせた選び直しです。変えたくなったときは、医療ソーシャルワーカーや病棟の看護師に早めに相談すると、手続きや受け入れ先の確認を順に進められます。

緩和ケアを中心にすると、もう何もしてもらえないのですか?

そうではありません。緩和ケアは、痛みや息苦しさ、気持ちのつらさなどを早く見つけて和らげ、本人と家族の生活の質を高めるための医療です。医療用麻薬について、日本緩和医療学会の『がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン 2020年版』は、使うことで命が縮むという根拠はないとしています。つらさがあるときは、遠慮なく医療者に伝えてください。

介護保険は、いつ申請すればいいですか?

使う見込みが出てきたら、早めに相談を始めておくと安心です。65歳以上の方は原因を問わず使えます。医療保険に加入している40〜64歳の方は、特定疾病が原因の場合に限られ、がん(医師が回復の見込みがない状態に至ったと判断したもの)はその一つです。どちらも要介護認定が必要で、申請は市区町村の窓口です。申請の前の相談なら、地域包括支援センターや、市区町村の介護保険の担当窓口でも受けてもらえます。

きょうだいが「まだ早い」と言って、話し合いに乗ってくれません。どうすればいいですか?

「決める話」ではなく「確かめる話」として持ちかけてみてください。「今すぐ何かを決めたいわけじゃない。父が言っていたことを、きょうだいで同じように知っておきたい」と伝えると、受け止めやすくなります。主治医の言葉を、言い換えずにそのまま文面で共有することも、温度差を縮める助けになります。

父の前で、これからのことを話題にしてもいいのでしょうか?

お父さんがどこまで知りたいかによります。病状や見通しを聞きたくないと言っている場合でも、「家と病院、今はどっちが落ち着く?」「近いうちに会いたい人はいる?」のように、今の気持ちとして尋ねることはできます。話をそらされたら無理に続けず、別の日にまた一つだけ尋ねれば十分です。

夜中や休日に父の具合が変わったら、どこに連絡すればいいですか?

入院中なら病棟へ、自宅で過ごしているなら、前もって聞いておいた訪問看護や在宅医の夜間の連絡先へ電話します。在宅療養支援診療所には、24時間連絡を受ける体制などが施設の基準として求められていますが、実際の対応は医療機関ごとに違うので、最初の訪問のときに確かめておいてください。命に関わると感じたら、ためらわず119番へ。

今の段階で決めることを、一緒に3つに絞りませんか

お父さん(お母さん)が今どの段階にいるかと主治医に言われた言葉、きょうだいの住んでいる場所をひとことお書きください。送っていただくとすぐに受付確認のメールが届き、そのあと書いていただいた時間帯に担当が電話をおかけします。親御さんの希望を軸に、今決めることと後でいいことを一緒に仕分けます。

  1. 入力は1分ほどお名前はニックネームで構いません。ご相談の内容は、ひとことでも大丈夫です。
  2. すぐに受付メール送信すると、受け付けたことをお知らせするメールが届きます。
  3. ご希望の時間にお電話電話番号は、折り返しのお電話にだけ使います。スタッフが名前を名乗っておかけします。

    必須は4項目(お困りの内容・施設名・お名前・メールアドレス)です。分かる範囲でご記入ください。写真があると、状況の確認が早くなります。

    1. 1営業日以内にご連絡(お急ぎの場合は当日中)

    2. 現地の確認は無料です(所要30分〜2時間)

    3. お見積りの後にお断りいただいても構いません

    1ご相談の内容
    ご相談の種類任意

    今まさに設備が止まっている・水が漏れているときは、いちばん上を選んでください。すぐにできることを表示します。

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    全体が分かる引きの写真、症状が分かる寄りの写真、銘板(メーカー・型式のシール)の3枚があると、機種と範囲がその場で分かります。入居者の方が写らないようにお撮りください。1枚2MBまで(JPG・PNG・GIF・WebP・PDF)。スマートフォンの写真はそのまま選べます。大きい写真は送信前に自動で縮小します。

    2施設について

    3ご連絡先

    ご希望の連絡方法任意

    連絡のつきやすい時間帯任意・複数可

    4詳しく書ける方へ任意いつから・何回目か・何か所か・何名の施設か。分かるとお見積りまでの日数が短くなります

    同じ症状は

    補助金の利用

    他社のお見積り

    他社の金額をお伺いすることはありません。相見積の場合は、各社に同じ条件をお伝えします。

    送信すると、受付番号を記した受付完了メールが自動で届きます(ご入力の内容は記載しません)。受付とご連絡は、運営会社のスキマグループ合同会社が行います。ご相談・現地の確認・お見積りまで費用はかかりません。

    お急ぎのときは、お電話で:080-4178-5017(平日9:00〜18:00は担当が直接お受けします。それ以外は自動音声で受け付け、翌朝9時までに折り返します)/文字で相談したいときはLINEで

    私たちは医療機関ではないため、診断・治療・余命の判断はできません。体調の急な変化は、まず主治医や病棟・訪問看護へ。命に関わる緊急時は、迷わず119番へ。

    次の一歩

    「あとどれくらい」の答えを待つより、会える時間の使い方を決める

    親御さんの病状の見通しは、主治医や病棟の看護師がいちばんよく知っています。ご家族として尋ねてよいことです。はっきりした数字が出なくても、「会っておいてほしい人を呼ぶ目安」を聞いておくと、動くタイミングを決める手がかりになります。

    主治医や看護師に聞いてみる一言

    「遠方の家族を呼ぶなら、いつごろが目安になりますか。」

    1. 誰が誰に知らせるか、連絡の順番をきょうだいで決めておく
    2. 泊まるか帰るか迷う夜のために、家族へ連絡をもらう基準を看護師に聞いておく
    3. 仕事の休み方(介護休暇・介護休業など)を、職場に早めに確かめておく

    手元にあると話しやすいもの

    • 家族・親族の連絡先の一覧
    • 勤務先の休みの制度が分かるもの(就業規則など)

    公的な相談先

    がん相談支援センター
    全国のがん診療連携拠点病院などにある相談窓口です。どなたでも無料で、その病院にかかっていなくても相談できます。
    勤務先の人事・総務の窓口
    介護休業・介護休暇や、治療と仕事の両立の制度を確かめられます。

    このサイトでできること

    体調の急な変化は、まず主治医・病棟・訪問看護へ。命に関わる緊急時は119番へ。

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    参考・出典

    • 国立がん研究センター がん情報サービス「緩和ケア」(WHO定義は日本緩和医療学会の定訳);厚生労働省「がん対策推進基本計画(令和5年3月28日閣議決定)」 https://ganjoho.jp/public/dia_tre/treatment/relaxation/index.html
    • 厚生労働省「『人生会議』してみませんか」/厚生労働省「ACP(アドバンス・ケア・プランニング)の愛称を『人生会議』に決定しました」/厚生労働省「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_02783.html
    • 国立がん研究センター「遺族調査(H29予備調査)結果」2018年;国立がん研究センター がん対策研究所「患者さまが受けられた医療に関するご遺族の方への調査報告書(2018-2019年度調査)」2022年;国立がん研究センター「遺族調査報告書 2023年度調査」2025年 https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2018/1226/index.html
    • 公益社団法人日本医療ソーシャルワーカー協会「医療ソーシャルワーカーの業務内容」 https://www.jaswhs.or.jp/about/sw_gyoumu.php
    • 厚生労働省「特定疾病の選定基準の考え方」/厚生労働省「介護保険制度の概要」/厚生労働省 介護サービス情報公表システム「サービス利用までの流れ」 https://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/nintei/gaiyo3.html
    • 厚生労働省「地域包括支援センターについて」/厚生労働省 介護サービス情報公表システム「介護予防・日常生活支援総合事業のサービス利用の流れ」 https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001671185.pdf
    • 厚生労働省「育児・介護休業法 令和6年(2024年)改正内容の解説」/厚生労働省「介護休業給付の内容及び支給申請手続について」/厚生労働省 働き方・休み方改善ポータルサイト「特別な休暇制度とは」 https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001407488.pdf
    • 厚生労働省 中央社会保険医療協議会資料「(参考)在支診・在支病の施設基準」/同 総会資料「在宅(その3)」(令和7年11月12日) https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001479603.pdf
    • 法務省「死亡届」/衆議院「墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年法律第48号)」/裁判所「相続の放棄の申述」「相続の承認又は放棄の期間の伸長」/法務省 日本法令外国語訳データベース「民法(第四編・第五編)」 https://www.moj.go.jp/ONLINE/FAMILYREGISTER/5-4.html
    • 日本緩和医療学会 編『がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン 2020年版』『がん患者の治療抵抗性の苦痛と鎮静に関する基本的な考え方の手引き 2023年版』『終末期がん患者の輸液療法に関するガイドライン 2013年版』『進行性疾患患者の呼吸困難の緩和に関する診療ガイドライン 2023年版』(金原出版) https://www.jspm.ne.jp/publication/guidelines/index.html
    • 国立がん研究センター がん情報サービス「家族ががんになったとき」 https://ganjoho.jp/public/support/family/fam/index.html
    • 国立がん研究センター がん情報サービス「『がん相談支援センター』とは」/同「相談支援センターを探す」 https://ganjoho.jp/public/institution/consultation/cisc/cisc.html
    監修者 木内 由香

    緩和ケア・がん患者と家族の
    支援に関する監修者

    木内 由香

    緩和ケア・がん患者と家族の支援に関する監修者

    県立がんセンターでの勤務経験を経て、がん患者さんとそのご家族が直面する療養上の悩みや意思決定の葛藤に向き合ってきました。

    がんと診断されたご本人を支えるご家族には、「一日でも長く生きていてほしい」という切実な願いがあります。一方で、緩和ケアでは、痛みや苦痛を和らげること、その人らしい生活を大切にすること、ご本人の希望を尊重することなど、さまざまな視点から療養の方向性を考える必要があります。

    こうしたご家族の願いと医療・療養方針との間に生まれる葛藤を理解し、年間約200名のがん患者さんとそのご家族に関わる中で、それぞれの状況に応じた支援のあり方や、その先に進むための選択肢をともに考えてきました。

    「がんと家族の相談室」では、がん患者さんご本人だけでなく、支えるご家族も孤立せず、必要な情報や相談先につながれることを大切にしています。医療情報を伝える際には、医学的な正確性に配慮するとともに、ご家族が抱える不安や迷いにも目を向け、療養生活の中で次の一歩を考えるための情報発信を目指しています。

    監修は医療情報の正確性と表現の妥当性に関するものであり、個別の診断・治療・余命の判断を行うものではありません。ご本人の症状や治療については、担当の医師・看護師にご確認ください。

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