本文へ メニューへ 相談窓口へ 相談窓口へ

親のがん・子どものがんで夜に不安|立場別に電話で話していいこと

このテーマの総論:がんの無料電話相談はどこに?公的窓口と民間窓口の使い分け

この記事の結論

子どもの立場でも親の立場でも、夜の不安を電話で話してかまいません。話していい中身は、本人の様子や説明のこと、眠れない自分の気持ちのこと、家族の分担のことの3つです。最初に「父ががんの娘です」のように立場を一言添えると、話が早く進みます。

理由と根拠は、このあと本文でくわしくお伝えします。 主な出典:国立がん研究センター がん情報サービス「『がん相談支援センター』とは」/同「相談… ほか9件 参考・出典を見る 先に「次の一歩」を見る

親ががんになった子どもも、子どもががんになった親も、夜の不安をそのまま電話で話してかまいません。電話を使いやすくするこつは、「話していいかどうか」で迷うより先に、「何を話すか」を決めておくことです。立場を一言名乗り、本人のこと、自分のこと、家族の分担のどれから話したいかが見えていれば、限られた時間でも言いたいことにたどり着けます。

ただ、夜に押し寄せる不安の形は、立場によって違います。親の病気に向き合う子どもの不安と、子どもの病気を代わってやれない親の不安とでは、眠れなくなる理由も、話して楽になる中身も同じではありません。病気になった人の年齢や、家族の暮らし方によっても変わります。

こんな気持ちで、このページを開いた方へ

  • 父の検査結果を聞いた夜から、ベッドに入っても天井ばかり見ている。親の前で弱音は見せられない。
  • 電話相談は本人のためのものに思えて、子どもの立場で番号を押していいのか分からない。
  • 子どもががんと分かってから、夜中になると「気づくのが遅かったのでは」と自分を責めてしまう。

この記事で分かること

  • 立場ごとに、夜の不安がどんな形になりやすいか
  • 電話で話していい3つの中身と、立場別の具体例
  • 立場を名乗るときの、最初の一言の例
  • 子どものがんのときに頼れる、専門の相談先

親ががんで、夜になると心配で眠れません。子どもの立場でも電話で話していいですか?

はい、話してかまいません。子どもの立場のまま、「父ががんの治療を始める娘です」のように最初に一言添えてください。相手は誰のどんな不安なのかをつかみやすくなり、あなたの話したいことに早くたどり着けます。

がん相談支援センターは、患者さん本人だけでなく家族の相談も無料・匿名で受けていて、その病院に通っていない人も利用できます。家族が相談してよい理由や、かける前の準備については、家族が電話で相談してよい理由と、かける前の準備で詳しく紹介しています。

家族の立場からの電話は、珍しいものではありません。がんと家族の相談室の2026年9月の実績(運営者集計)を見ると、電話相談・問い合わせ全1,200件のうち、ご家族からが800件と、ご本人からの400件の倍でした。親のことで眠れずにいる夜は、あなただけのものではありません。

この記事では、話していいかどうかの先にある「何を、どう話すか」に絞ります。子どもの立場と親の立場、それぞれの夜に起きやすい不安の形と、電話で話していい中身を、具体的な例で見ていきます。

親ががんの子どもには、どんな夜の不安が起きやすいですか?

親の弱った姿を想像してしまう怖さに、親を支える側へ回る戸惑い、きょうだいとの温度差、離れて暮らす後ろめたさが重なりやすいのが、子どもの立場の夜です。どれも、親を大切に思うからこそ生まれる不安です。

一つ目は、想像が止まらなくなる怖さです。電話口の母の「大丈夫よ」を信じたいのに、声が少し細かったことが、夜になって気にかかる。昼間は打ち消せていた想像が、部屋が暗くなると戻ってきます。

二つ目は、役割が入れ替わる戸惑いです。ずっと頼る側だったのに、気づけば親と一緒に病院の説明を聞き、ほかの家族に伝え、治療の選び方まで考える側に回っている。頼りにされる責任感と、頼れる親が遠ざかっていくような心細さが、同時にやってきます。

三つ目は、きょうだいとの温度差です。弟は「先生に任せればいい」と言い、自分は夜中まで治療のことを調べている。どちらが正しいわけでもないのに、自分だけが心配しすぎているような孤独を感じることがあります。

四つ目は、離れて暮らす後ろめたさです。実家までは新幹線で2時間。近くに住む妹に付き添いを任せきりにしている申し訳なさが、眠る前になるとふくらみます。

子どもががんの親には、どんな夜の不安が起きやすいですか?

「もっと早く気づいていれば」と自分を責める気持ち、代わってやれない無力感、ほかのきょうだいや仕事への気がかりが、夜にまとめて押し寄せやすくなります。心配の中身は、子どもの年齢によっても変わります。

親の夜にいちばん浮かびやすいのは、自分を責める言葉かもしれません。あのとき様子を見てしまった、もっと早く病院に連れて行けば。責める言葉が出てくるのは、それだけ子どもを守ろうとしてきたからです。がん情報サービスも、子どものがんは「大人のがんとは異なり、生活習慣にがんの発生原因があると考えられるものは少なく」と説明しています。それでも気になるなら、主治医に「家庭での何かが原因だったのでしょうか」と尋ねてみることもできます。

子どもの年齢によって、心配の中身も変わります。幼い子なら、治療のつらさと、保育園や学校から離れる時間のこと。思春期の子なら、本人がどこまで知りたいか、親がどこまで口を出していいか。20代や30代の子なら、本人の仕事や家庭、孫の世話のこと。がん情報サービスは、主に思春期(15歳〜)から30歳代までを「AYA世代」として、この世代向けの情報をまとめています(厚生労働省は15歳〜39歳としています)。

もう一つ、親の夜に重くのしかかるのが、ほかのきょうだいのことです。入院の付き添いが続くと、家に残る子と過ごす時間が減り、「あの子にも寂しい思いをさせている」という、二重の申し訳なさを抱えることになります。

親ががんの子ども

  • 親の弱った姿を想像してしまう
  • 支えられる側から、支える側へ回る戸惑い
  • きょうだいとの温度差と孤独
  • 離れて暮らす後ろめたさ

子どもががんの親

  • 「もっと早く気づいていれば」という自責
  • 代わってやれない無力感
  • ほかのきょうだいへの申し訳なさ
  • 子どもの年齢ごとに変わる心配
夜に浮かびやすい不安の形を、立場で並べると

電話では、どんな中身を話していいのですか?

中身は大きく「本人のこと」「自分のこと」「家族の分担」の3つに分けられます。どれか一つだけでも、3つが混ざったままでもかまいません。どれを先に話すか決めておくと、電話を切ったあとに「言えなかった」が残りにくくなります。

夜の頭の中では、3つがからまり合っています。父の病状が心配で、眠れなくて、妹に負担をかけている気がする。からまったまま話し始めてもかまいませんが、電話の前に3つの見出しを紙に書き、思いつくことを振り分けておくと、何がいちばん重いのかが自分にも見えてきます。

下の表は、立場ごとの具体例です。自分に近い例に印をつけるだけでも、電話の最初の一言が決まります。

話していい中身親ががんの子どもの例子どもががんの親の例
本人のこと「次の検査の結果で考えましょう」の意味が分からない副作用でつらそうな息子に、どう声をかければいいか
自分のこと父の前では明るくしているが、帰りの車で毎回泣いている娘の病気は自分のせいではと、夜中に責めてしまう
家族の分担通院の付き添いを、近くに住む妹に任せきりにしている入院の付き添いと、家に残る子の世話をどう分けるか
電話で話していい3つの中身と、立場別の具体例

「本人のこと」は、電話でどこまで話していいですか?

医師の説明で分からなかった言葉、最近の様子の変化、声のかけ方の迷いなどは、そのまま話してかまいません。病名や検査の数値を正確に伝える必要はなく、覚えている範囲で十分です。

子どもの立場なら、たとえば「母の主治医に『様子を見ましょう』と言われたが、何を見ているのか分からない」「父が治療の話になると黙り込む。こちらから聞いていいのか」。親の立場なら、「娘の検査の説明が、知らない言葉ばかりだった」「中学生の息子が、病気のことを何も聞いてこない」。どれも、電話で話していい本人のことです。

がんと家族の相談室では、先生の言葉の一般的な意味をお伝えし、次の説明の場で聞く質問を3つにまとめてお送りします。ただし、診断や見通しの予測はしません。本人の今の状態をいちばんよく知っているのは、治療を担当している医療者だからです。

本人のいないところで本人の病気を話すことに、ためらいを感じる方もいます。がん相談支援センターに話したことが、相談したあなたの同意のないまま、担当医などに伝わることはありません。本人の気持ちをどう大事にすればいいかという迷いも、迷いのまま話してかまいません。

「自分のこと」も、電話で話していいのですか?

話していいどころか、夜の電話でいちばん話してほしい中身です。眠れないこと、本人の前で泣けないこと、自分を責めてしまうこと。立場を名乗ったあとは、自分の気持ちを主役にして話してかまいません。

国立がん研究センターのがん情報サービスは、家族が「本人はもっとつらいのだから」と自分の気持ちを抑えがちなことにふれて、「ご家族は、『第二の患者』ともいわれます」と書いています。子どもの立場でも親の立場でも、家族の気持ちは、本人の話のついでに付け足すものではありません。

子どもの立場の例は、「父の前では普段どおりにしているけれど、帰りの車で毎回泣いてしまう」「親のことが頭から離れず、会議の内容が入ってこない」。親の立場の例は、「娘のそばでは笑っていられるのに、廊下に出ると足が震える」「夫には弱音を吐けない。二人とも倒れてしまいそうだから」。

こうした話に、解決策はいりません。相談室の「ただ聞く」電話では、評価も助言もせずに20分お聞きし、ご希望があれば記録も残しません。眠れない日や気持ちの落ち込みが続くときは、ご自身のかかりつけ医や、こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556。受付時間は地域ごとに違い、通話料がかかります)にもつないでください。

「家族の分担」は、電話でどう整理できますか?

誰が説明を聞くか、誰が付き添うか、離れて暮らす家族に何をどこまで伝えるか、きょうだいや孫の世話を誰が担うか。決めるのは家族ですが、電話の相手と一緒に書き出すと、ひとりに偏っていた役割が見えてきます。

子どもの立場では、きょうだいの間で役割がなんとなく決まっていき、その偏りが夜の不安を大きくしがちです。近くに住む人が付き添いを、長男や長女が説明を聞く役を、という具合です。電話では「今、誰が何を担っているか」を一つずつ口に出していくと、離れていてもできる役割が見つかります。病院の説明をまとめて家族に送る役、母の話を毎晩電話で聞く役も、りっぱな分担です。

親の立場では、配偶者との分担に、家に残る子の世話や学校との連絡、祖父母への伝え方が重なります。付き添いのために仕事を休む日が増えるなら、勤め先への伝え方も分担の一部です。要介護状態の家族のための介護休暇は、1年に5日(対象家族が2人以上なら10日)まで、時間単位でも取れます。お子さんの状態が対象になるかどうかも含めて、勤め先の就業規則で確かめてください。

相談室では、遠方の家族を呼ぶか、会社に何と伝えるかといった判断も、一緒に整理しています。決めるのはご家族ですが、材料を並べる相手がいるだけで、夜中にひとりで考え込む時間は減らせます。

  1. 1役割を書き出す説明を聞く・付き添う・連絡する・家のことを回す、など
  2. 2今の担当を書くそれぞれの役割を、今だれが担っているか
  3. 3偏りに印をつける一人に集まっている役割に丸をつける
  4. 4頼める人を探す離れていてもできる役割を、ほかの家族に割り振る
  5. 5一つだけ頼む今週は、丸のついた役割を一つだけ誰かに頼む
家族の分担を、電話で整理していく順番

立場を名乗る最初の一言は、どう言えばいいですか?

「誰ががんか」「自分はどんな立場か」「今夜いちばんつらいことは何か」の3つを一文にします。「父ががんの治療を始めたばかりの娘です。夜になると心配で眠れません」で十分です。

立場がはっきりすると、相手は最初の質問を選びやすくなります。立場ごとの例を挙げます。

  • 実家を離れて暮らす息子として:「母ががんで入院しています。県外に住む息子です。何もできていない気がして、夜に眠れません」
  • 学生として:「父ががんだと聞きました。大学生の娘です。家族に心配をかけたくなくて、誰にも話せていません」
  • 幼い子の親として:「5歳の息子が入院して治療中の母です。付き添いと、家にいる上の子のことで頭がいっぱいです」
  • 大人になった子の親として:「30代の娘ががんと分かった父親です。本人の暮らしに、どこまで口を出していいのか分かりません」

名前は言わなくても、話は始められます。がん相談支援センターは匿名で利用でき、相談室もLINEは匿名でかまわず、フォームのお名前はニックネームで受け付けています。

  • 誰が、どんながんの治療中か(分かる範囲で)
  • 自分の立場(娘・息子・母・父など)
  • いつ分かったか(今日・先週・数か月前など)
  • 今夜いちばんつらいこと
  • 今日は聞いてほしいのか、整理したいのか
立場を名乗るときに添えると、話が早く進むこと

子どものがんのことは、どこに電話すればいいですか?

治療を受けている病院とは別でもかまわないので、小児がん拠点病院のがん相談支援センターに無料で電話相談ができます。小児がん専門のソーシャルワーカーと話したいときは、公益財団法人がんの子どもを守る会という先もあります。

小児がん拠点病院とは、厚生労働大臣の指定を受けて、地域の小児がんの医療と支援の中心を担っている病院のことです。お子さんが別の病院で治療を受けていても、そこのがん相談支援センターに電話できます。治療のことだけでなく、学校のこと、きょうだいのこと、親自身の不安も相談の中身に入ります。

がんの子どもを守る会の電話の受付は平日10時〜17時(年末年始を除く)で、番号は東京が03-5825-6312、大阪が06-6263-2666です。相談にかかる費用などの条件は、会に直接確かめてください。

夜にお子さんの体調が変わったときは、まず治療を受けている病院から伝えられている連絡先へ電話してください。子どもの症状について、休日や夜間に小児科医や看護師へ相談できる「子ども医療電話相談(#8000)」もあり、住んでいる都道府県の窓口につながります(受付時間は都道府県ごと)。命に関わると感じたら、迷わず119番です。見通しの数字が気になって検索してしまう夜は、子どものがんで数字を見る前に知ってほしいことも読んでみてください。

子どもががんの親

  • 小児がん拠点病院のがん相談支援センターかかっていなくても無料。電話でも相談できる
  • がんの子どもを守る会小児がん専門のソーシャルワーカーが相談に応じる
  • 治療を受けている病院夜の体調の変化は、伝えられている連絡先へ
  • 子ども医療電話相談(#8000)休日・夜間の子どもの症状。時間は都道府県ごと
  • よりそいホットライン24時間・フリーダイヤル。眠れない親自身の夜に
  • がんと家族の相談室親自身の気持ち、今夜の判断、家族の分担の整理
子どもががんのとき、親が電話できる先

「息子として話していい」と思えた人は、どう変わった?

説明のための例(実在の方の体験談ではありません)

どなたの例か
30代・息子の立場(父が検査でがんと分かり、治療を始めるところ。自分は県外で会社勤め、実家の近くに妹が住む)
相談のあとに変わったこと
寝つくまでに2時間近くかかっていた夜が、30分ほどに。話す中身を3つに分けたことで、妹との分担と、父への電話の内容が決まった。

1. 相談のあとに変わったこと

相談のあと、いちばん変わったのは寝る前の時間でした。布団に入ってから2時間近く天井を見ていた夜が、30分ほどで眠れる日が増えたといいます。電話で話した中身を「父のこと」「自分のこと」「妹との分担」の3行に分けてスマホのメモに残し、眠れないときはそれを読み返すようにしました。月に2回の通院の付き添いのうち1回は、有給休暇を使って自分が担当することを、妹と決められました。

2. 相談を考えた背景

母からの電話で、父の検査結果ががんだったと知りました。治療はこれから始まるところで、母は「心配しなくていいから」と繰り返すばかり。その夜から、仕事中は平気でも、布団に入ると父の顔と、ひとりで付き添う妹の姿が交互に浮かぶようになりました。

3. 相談する前に困っていたこと

夜中に「親 がん 子ども 何をすれば」と検索しては、同じような記事を何本も読んでいました。電話相談の窓口も見つけましたが、どこも本人が相談する場所に見え、「息子が電話するのは筋違いではないか」と番号を押せませんでした。妹には負担をかけたくなく、友人に話すほどのことでもない気がしていたといいます。

4. ここを選んだ理由・決め手

相談室を選んだのは、サイトに家族からの相談が多いと書かれていたことと、時間帯を指定して折り返してもらえたからでした。フォームに「父ががんの息子です。夜に眠れません」とだけ書き、平日の夕方5時台を指定しました。名前はニックネームで送ったそうです。

5. 相談で話したこと・その後

電話の最初に、担当から「お父さまのこと、ご自身のこと、ご家族の分担、どこからでも大丈夫です」と言われ、少し迷ってから自分のことを話し始めました。途中で何度か言葉に詰まりながら、「妹に申し訳ない」という気持ちが一番重いと気づいたといいます。担当は病状の見通しには触れず、父の次の説明の日に聞く質問を3つにまとめ、分担の書き出し方を一緒に考えました。電話の終わりに出た言葉は「息子として話していいんだと、初めて思えました」。その週末、妹に電話して、付き添いの交代を自分から申し出たそうです。

※よくある状況を組み合わせて作った例です。登場する方は実在しません。相談の進み方は、状況によって異なります。

医療者に聞く質問例

  • 説明の場に、離れて暮らす家族が電話などで加わることはできますか。
  • 本人の様子で、家族がすぐ病院に連絡したほうがよい変化を教えてください。
  • 家族の連絡の窓口を一人に決めておきたいのですが、どう伝えておけばよいですか。
  • (子どもが治療中の場合)夜に体調が変わったときの連絡先と、連絡の目安を教えてください。
  • (子どもが治療中の場合)きょうだいへの説明や学校とのやりとりについて、相談できる方はいますか。
  • 家族自身の気持ちのつらさを相談できる窓口は、院内にありますか。

とはいえ、立場を背負って眠れない夜に伝えたい2つのこと

① 気持ちのこと──電話のあいだは「子どもなのに」「親なのに」を下ろしていい

子どもの立場の人は「親に心配をかけてはいけない」、親の立場の人は「自分がしっかりしなければ」と、役割の言葉で自分を縛りがちです。その言葉は昼間の自分を支えてくれる一方で、夜になると眠りを奪っていきます。

電話の向こうでは、娘でも息子でも、母でも父でもない、ただ不安を抱えた一人として話してかまいません。役割を下ろす時間が少しでもあると、翌朝また役割に戻りやすくなることがあります。泣きながら話しても、途中で言葉が止まっても、それで電話が台無しになることはありません。

② 実務のこと──家族の中に「情報の通り道」を一本つくる

夜の不安を大きくするものの一つが、家族の中の情報のばらつきです。病院の説明を聞いた人と聞いていない人とで受け止め方が違い、それぞれが別々に検索して、別々に心配する。これを防ぐには、病院からの説明を受け取る人を一人決め、そこから家族全員に同じ内容を同じ言葉で伝える通り道をつくっておくことです。

たとえば、家族のグループのメッセージに、説明を受けた日付と、医師の言葉をできるだけそのまま書く。分からない言葉は「次に聞くこと」として書き添える。この形にしておくと、離れて暮らす家族も同じ情報から心配でき、本人が同じ話を何度も繰り返さずにすみます。窓口役が疲れたら交代できるよう、二番手も決めておくと安心です。

今日できること

立場を名乗って話すための、今夜の3つの準備

  1. 立場を一文にする

    「父ががんの治療中で、娘の立場です」のように、誰の、どんな立場かを一文で書いておきます。

  2. 3つの見出しで書き分ける

    紙に「本人のこと」「自分のこと」「家族の分担」と書き、今夜浮かぶことを一行ずつ振り分けます。いちばん重い行に丸をつけます。

  3. 立場を添えてLINEで送る

    書いた一文と丸をつけた一行を、相談室のLINEに送ります。夜に届いたものは翌朝いちばんに読んでお返事します。電話で話したいときは、フォームで時間帯を指定します。

よくある質問

高校生ですが、親のがんのことで電話してもいいですか?

かまいません。家族の一人として、不安を話していいのです。今夜のうちに誰かと話したいときは、24時間対応のよりそいホットライン(0120-279-338、フリーダイヤル)があります。親ががんになった家庭での子どもとのかかわり方などは、NPO法人ホープツリーのサイト「Hope Tree~パパやママががんになったら~」にもまとめられています。学校の先生や保健室など、身近な大人に「親が病気で眠れない」と伝えることも、りっぱな相談です。

子どもの病気の見通しを、電話で聞いてもいいですか?

電話で話すこと自体はかまいませんが、相談室を含め、お子さんを診ていない相手が見通しを言い当てることはできません。見通しをいちばん確かに話せるのは、治療を担当しているチームです。聞くか聞かないか、どんな言葉で聞くかを決めるところから、電話で一緒に整理できます。小児がん拠点病院のがん相談支援センターでも相談できます。

きょうだいとの温度差がつらく、夜になると考え込んでしまいます。

心配の大きさがそろわないのは、珍しいことではありません。不安の強い人ほど調べ、別の人は普段どおりに過ごすことで自分を保とうとします。どちらも、親を思う気持ちの表れです。電話では、温度差そのものを話してかまいません。分担を書き出してみると、温度差の正体が情報の差や役割の偏りだったと気づくこともあります。

夫が、子どもの病気の話をしたがりません。

同じ親でも、不安の受け止め方は違います。話さないことで自分を保っている人もいます。無理に話し合おうとするより、「付き添いの日の分担だけ決めよう」のように話題を小さくすると、話しやすくなることがあります。夫婦で話しにくいこと自体を、電話で相談してもかまいません。

親に内緒で相談しても大丈夫ですか?

自分の不安を話すのに、親の許可はいりません。がん相談支援センターの場合、話した中身は、相談した人が同意しない限り担当医などに知らされません。ただ、親の病状を詳しく確かめたいときは、本人の気持ちを大事にすることが基本です。どこまで話すか迷う気持ちも、そのまま相談してください。

夜中の今、すぐに誰かと話せる電話はありますか?

よりそいホットライン(0120-279-338)は、24時間対応のフリーダイヤルです。がんと家族の相談室の電話は、夜は自動音声で受け付けて、翌朝9時までに担当からお電話します。深夜の窓口の仕組みは、深夜の電話相談の記事で詳しく紹介しています。

立場を名乗るところから、一緒に話し始めませんか

フォームに「父ががんの娘です」「息子ががんの母です」のような立場の一言と、ご希望の時間帯をお書きください。送信するとすぐに受付確認のメールが届き、その時間帯に担当からお電話して、本人のこと・ご自身のこと・家族の分担のどこから話すかを一緒に決めます。

  1. 入力は1分ほどお名前はニックネームで構いません。ご相談の内容は、ひとことでも大丈夫です。
  2. すぐに受付メール送信すると、受け付けたことをお知らせするメールが届きます。
  3. ご希望の時間にお電話電話番号は、折り返しのお電話にだけ使います。スタッフが名前を名乗っておかけします。

    必須は4項目(お困りの内容・施設名・お名前・メールアドレス)です。分かる範囲でご記入ください。写真があると、状況の確認が早くなります。

    1. 1営業日以内にご連絡(お急ぎの場合は当日中)

    2. 現地の確認は無料です(所要30分〜2時間)

    3. お見積りの後にお断りいただいても構いません

    1ご相談の内容
    ご相談の種類任意

    今まさに設備が止まっている・水が漏れているときは、いちばん上を選んでください。すぐにできることを表示します。

    水が漏れている場合は、先に止水栓か元栓を閉めてください。電気設備に水がかかっている場合は、ブレーカーを落としてください。写真はLINEから送っていただくのが最短です(24時間受付)。

    対象の設備・箇所任意・複数可

    写真任意・3枚まで

    全体が分かる引きの写真、症状が分かる寄りの写真、銘板(メーカー・型式のシール)の3枚があると、機種と範囲がその場で分かります。入居者の方が写らないようにお撮りください。1枚2MBまで(JPG・PNG・GIF・WebP・PDF)。スマートフォンの写真はそのまま選べます。大きい写真は送信前に自動で縮小します。

    2施設について

    3ご連絡先

    ご希望の連絡方法任意

    連絡のつきやすい時間帯任意・複数可

    4詳しく書ける方へ任意いつから・何回目か・何か所か・何名の施設か。分かるとお見積りまでの日数が短くなります

    同じ症状は

    補助金の利用

    他社のお見積り

    他社の金額をお伺いすることはありません。相見積の場合は、各社に同じ条件をお伝えします。

    送信すると、受付番号を記した受付完了メールが自動で届きます(ご入力の内容は記載しません)。受付とご連絡は、運営会社のスキマグループ合同会社が行います。ご相談・現地の確認・お見積りまで費用はかかりません。

    お急ぎのときは、お電話で:080-4178-5017(平日9:00〜18:00は担当が直接お受けします。それ以外は自動音声で受け付け、翌朝9時までに折り返します)/文字で相談したいときはLINEで

    私たちは医療機関ではないため、診断・治療・余命の判断はできません。体調の急な変化は、まず主治医や病棟・訪問看護へ。命に関わる緊急時は、迷わず119番へ。

    次の一歩

    公的な窓口と、この相談室の電話を使い分ける

    治療や制度のことは、全国のがん診療連携拠点病院などにある「がん相談支援センター」で、無料で相談できます。その病院にかかっていなくても利用できます。気持ちを話したいとき、何から聞けばよいか分からないときは、この相談室の電話やLINEもお使いください。

    電話の最初に使えるひとこと

    「何から話せばいいか分からないのですが、聞いてもらえますか。」

    1. 治療・制度・お金の相談は、がん相談支援センターへ(お近くのセンターは「がん情報サービス」で探せます)
    2. 夜や休日に話したいときは、この相談室の電話(自動音声で受け付け、翌朝9時までに折り返し)やLINEへ
    3. 気持ちがつらく、今すぐ誰かと話したいときは、24時間つながる電話相談も使えることを覚えておく

    手元にあると話しやすいもの

    • いちばん話したいことを一言で
    • 電話しやすい時間帯

    公的な相談先

    がん相談支援センター
    全国のがん診療連携拠点病院などにある相談窓口です。どなたでも無料で、その病院にかかっていなくても相談できます。
    よりそいホットライン
    24時間・通話料無料でつながる電話相談です。

    このサイトでできること

    体調の急な変化は、まず主治医・病棟・訪問看護へ。命に関わる緊急時は119番へ。

    このテーマの記事をもっと読む(電話で相談したい)

    参考・出典

    監修者 木内 由香

    緩和ケア・がん患者と家族の
    支援に関する監修者

    木内 由香

    緩和ケア・がん患者と家族の支援に関する監修者

    県立がんセンターでの勤務経験を経て、がん患者さんとそのご家族が直面する療養上の悩みや意思決定の葛藤に向き合ってきました。

    がんと診断されたご本人を支えるご家族には、「一日でも長く生きていてほしい」という切実な願いがあります。一方で、緩和ケアでは、痛みや苦痛を和らげること、その人らしい生活を大切にすること、ご本人の希望を尊重することなど、さまざまな視点から療養の方向性を考える必要があります。

    こうしたご家族の願いと医療・療養方針との間に生まれる葛藤を理解し、年間約200名のがん患者さんとそのご家族に関わる中で、それぞれの状況に応じた支援のあり方や、その先に進むための選択肢をともに考えてきました。

    「がんと家族の相談室」では、がん患者さんご本人だけでなく、支えるご家族も孤立せず、必要な情報や相談先につながれることを大切にしています。医療情報を伝える際には、医学的な正確性に配慮するとともに、ご家族が抱える不安や迷いにも目を向け、療養生活の中で次の一歩を考えるための情報発信を目指しています。

    監修は医療情報の正確性と表現の妥当性に関するものであり、個別の診断・治療・余命の判断を行うものではありません。ご本人の症状や治療については、担当の医師・看護師にご確認ください。

    今の気持ちを、LINEでひとこと

    「怖い」「眠れない」「先生の説明が分からなかった」。ひとことで構いません。評価も助言もせず、お返事します。

    夜に書いたLINEは、翌朝いちばんに読みます。匿名で、スタンプひとつでも。

    話してみる相談料0円
    ページの先頭へ戻る