本文へ メニューへ 相談窓口へ 相談窓口へ

がんで余命を告げられたらどうする?最初の1週間の過ごし方

このテーマの総論:末期がんはあとどれくらい?「末期」という言葉の意味と経過の幅

この記事では、最期が近いときの体の変化についてお伝えしています。いまは読みたくないときは、無理をせず、読める日まで閉じておいても大丈夫です。

この記事の結論

余命と治療の終了を告げられた最初の1週間は、何かを決める週ではなく、知らせを受け止める週です。仕事を辞めるか、どこで過ごすかといった大きなことは決めなくてよく、1日に一つだけ、休む・話す相手を選ぶ・職場に一言・制度の確認・質問を書く、と小さく進めれば十分です。

理由と根拠は、このあと本文でくわしくお伝えします。 主な出典:全国健康保険協会(協会けんぽ)「傷病手当金」/厚生労働省 事務連絡「新型コロナウ… ほか12件 参考・出典を見る 先に「次の一歩」を見る

余命を告げられ、同じ日に治療もここで終わりと言われてからの最初の1週間は、何かを決めるための時間ではなく、知らせを受け止めるための時間です。見通しの話と、治療の区切りの話。二つの重い知らせを一度に受け取ったのですから、頭が追いつかないのは当然です。揺れ方も、落ち着くまでにかかる時間も、人によって大きく違います。

それでも、「仕事をどうするか」「家族にいつ言うか」「身の回りをどう片づけるか」と、決めなければいけないことばかりが頭の中で列を作っているかもしれません。この記事では、告げられた翌日からの7日間を、「今週は決めなくていいこと」と「その日に一つだけすること」に分けて、日の順に並べました。告げられたその夜の過ごし方は余命を言われた夜にしてほしいことで取り上げているので、ここでは翌日からのことをお伝えします。

告げられてから、何も手につかない方へ

  • 余命を告げられて3日。何をしていても、そのことが頭から離れない。
  • 家族にはまだ言えていない。仕事に行くべきか、休むべきかも決められない。
  • 何か決めなければいけない気がするのに、何ひとつ決められない自分が情けない。

余命を告げられ、治療も終了と言われました。最初の1週間、何をどうすればいいですか?

この1週間は、大きなことを決めなくて構いません。1日に一つだけ、休む、話す相手を選ぶ、その人に話す、職場に一言伝える、お金の制度を確かめる、質問を書く、自分のための予定を入れる、と順に進めれば十分です。

告げられた直後は、診察室で聞いた説明の多くが頭に入っていません。言葉は耳に残っていても、意味をつなぎ合わせる余裕がないまま家に帰ってくるのが普通です。その状態で、仕事を辞める、家を片づける、延命治療について決める、といった大きな判断をすると、あとで「あのときは考えられる状態ではなかった」と感じることになりかねません。

だからこの1週間は、することを1日一つに絞ります。一つ済んだら、その日はそれで終わりです。下の表は告げられた翌日を1日目とした一例で、順番を入れ替えても、一つの日に二日かけても構いません。今日がすでに3日目や4日目でも、表の途中から始めて大丈夫です。仕事をしていない方は、4日目を休む日にしてください。

  1. 11日目体を休める。眠る、食べる、横になる。何も決めない
  2. 22日目最初に話す相手を1人だけ選ぶ(まだ話さなくてよい)
  3. 33日目選んだ1人に、話せるところまで話す
  4. 44日目職場に「体調のことで相談がある」とだけ伝える
  5. 55日目傷病手当金と医療費の上限を、加入先に一つずつ問い合わせる
  6. 66日目次の診察で聞きたいことを3つ書き、付き添いを頼むか決める
  7. 77日目自分のための予定を一つ入れる(会いたい人、食べたいもの、行きたい場所)
告げられた翌日からの7日間、その日に一つだけすること(一例)

この1週間に、決めなくていいことは何ですか?

仕事を辞めるかどうか、どこで最期を過ごすか、延命治療をどこまで望むか、葬儀やお墓、財産の整理、誰にどこまで知らせるか。こうした大きなことは、この1週間には決めなくて構いません。決めずに時間をおくことも、立派な選択です。

なかでも、仕事を辞める判断は急がないでください。会社員などの健康保険に入っている方には、病気で働けない間の傷病手当金という給付がありますが、先に退職してしまうと扱いが変わることがあり、退職後も受け取り続けるには条件があります。辞めるかどうかは、5日目に制度を確かめてからでも遅くありません。

最期を過ごす場所や受けたい医療についても、今週決めきる必要はありません。厚生労働省が「人生会議」と呼ぶ考え方は、もしものときの医療やケアを、家族や医療・ケアチームと繰り返し話し合って共有していく取り組みです。一度で決めるものではなく、気持ちが変われば話し直してよいものです。葬儀や財産のことは、考えたくなったときに考えれば十分で、考えたくなければ、家族に任せてもいいのです。

今週は決めなくていいこと

  • 仕事を辞めるかどうか
  • 最期をどこで過ごすか
  • 延命治療についての細かな希望
  • 葬儀やお墓、財産の整理
  • 誰に、どこまで知らせるか(全員分)

今週しておくと少し楽になること

  • 眠る、食べる、休む
  • 家族か信頼できる1人に話す
  • 職場には「体調のことで相談がある」とだけ伝える
  • お金の制度を1つずつ確かめる
  • 次の診察で聞く質問を3つ書く
今週は決めなくていいことと、今週しておくと少し楽になること

1日目と2日目は、どう過ごせばいいですか?

1日目は、体を休めることだけを目標にします。2日目は、最初に話す相手を1人だけ選びます。選ぶだけで、まだ話さなくて構いません。この二日間に何も手につかなくても、それは自然な反応です。

告げられた翌日の朝、いつもどおりに起きて、何事もなかったように出勤する方もいれば、布団から出られない方もいます。どちらもおかしくありません。「何かの間違いではないか」と思い返す、医師や自分に腹が立つ、家族と笑って話した直後にひとりで涙が止まらなくなる。そうした気持ちが一日のうちに入れ替わることもあります。仕事を休めるなら、1日目は休んで構いません。食べられるものを少しだけ口にして、眠れるときに眠ってください。

夜中に目が覚めて、病名や余命を検索してしまうこともあるでしょう。それは弱さではなく、少しでも先を知って備えたいという気持ちの表れです。検索した自分を責める必要はありません。ただ、画面に並ぶ数字の多くはほかの人たちの集団の統計で、あなたの先行きを示すものではないことだけ、覚えておいてください。家族の前では平気な顔をしている方も、このページを読んでいるあいだは、平気なふりをしなくて大丈夫です。泣いていいのです。

2日目に選ぶ相手は、あとから知ったときにいちばん傷つきそうな人か、いちばん頼りにしたい人です。配偶者やパートナー、きょうだい、長年の友人。家族にはまだ言えないと感じるなら、相談窓口を「最初の1人」にしても構いません。全国のがん診療連携拠点病院などにあるがん相談支援センターは、無料・匿名で、その病院に通っていない人も利用でき、話した内容が相談した人の同意なく担当医に伝わることはありません。

3日目に家族へ話すときは、どう切り出せばいいですか?

全部を一度に話さなくて構いません。「この前の診察で、大事な話があった」とだけ切り出し、相手の様子を見ながら、話せるところまで話します。説明を自分で繰り返すのがつらければ、次の診察に同席してもらう約束だけでも十分です。

話す場所は、夕食の席や孫がいる場面を避け、二人きりで話せる静かな時間を選びます。余命の数字まで伝えるか、治療が終わったことだけを伝えるかは、自分で決めてよいことです。相手が泣き出したり、黙り込んだりしても、それはあなたの話し方が悪かったからではありません。大切な人の知らせを受け止めようとしている姿です。

相手最初のひとこと気をつけたいこと
配偶者・パートナー「大事な話があるから、今夜少し時間をちょうだい」一人で受け止めさせず、次の診察に一緒に来てもらう
大人の子ども「治療が一区切りになって、これからは体を楽にする治療が中心になるって」相手も動揺する。答えや約束を急がせない
きょうだい・親「心配かけると思うけど、知っておいてほしいことがある」誰から誰に伝えるかを決め、話が回りすぎないようにする
友人「答えはいらないから、少し話を聞いてほしい」助言ではなく、聞いてもらう相手として頼む
誰に、どう切り出すかの例

未成年のお子さんがいる場合は、がん情報サービスの考え方が参考になります。話すかどうかに正解はなく、周りの大人が方針をそろえておくこと、伝えるときは、子どものせいではないこと、うつらないことを伝え、発達に合った言葉で段階的に話し、生活で「変わること」と「変わらないこと」を伝えることが勧められています。お子さんへの話は、配偶者と方針をそろえてからで構わないので、3日目にすべてを話す必要はありません。

4日目に職場へ伝えるときは、何をどこまで話せばいいですか?

4日目に伝えるのは、「体調のことで相談がある」と「少し時間がほしい」の二つだけで十分です。病名や余命まで話すかどうかは自分で決めてよく、辞めるかどうかの話は、制度を確かめるまで持ち出さなくて構いません。

上司への最初の一言は、たとえば「体調のことで相談させてください。来週あたり、少し時間をいただけますか」。メールなら「体調のことでご相談したいことがあります。数日のうちにお時間をいただけますでしょうか」。この段階では、働き方を変えたいのか、しばらく休みたいのか、まだ自分でも分からなくて当然です。相談の場を予約しておく、というくらいの気持ちで送ってください。

働く人の病気については、厚生労働省が「治療と就業の両立支援指針」を定め、2026年4月1日から適用しています。2026年度からは、病気を抱えながら働く人への両立支援が、事業主の努力義務になりました。続けるか、休むか、働き方を変えるかの相談は、働き方に関係なく、がん相談支援センターでもできます。両立支援コーディネーターという支援役もいます。会社に話す前に一度、自分の気持ちを整理しておきたい方は、そちらを先に使うこともできます。

5日目に確かめるお金の制度は、何ですか?

会社員などの方は、働けない間の収入を支える傷病手当金を。どなたも、医療費の自己負担に上限を設ける高額療養費制度を。どちらも、加入している健康保険に問い合わせれば、自分の場合の条件を教えてもらえます。

傷病手当金は、会社員などの健康保険の被保険者が、仕事以外の病気やけがの療養のために働けず、給与が出ないときの給付です。連続する3日間(待期)を含めて4日以上仕事に就けなかったことが条件で、待期には有給休暇や土日祝日も含まれます。1日あたりの額は、標準報酬月額の平均額を30で割った額の3分の2で、支給を始めた日から通算して1年6か月まで受け取れます。自営業の方などが入る国民健康保険では、原則としてこの給付はありません。念のため、加入先で確かめておくと安心です。

医療費は、高額療養費制度によって、1か月(1日から月末まで)の自己負担に上限があります。2026年8月から上限額の見直しと年間上限の新設が行われたので、ご自身の上限額は加入先の健康保険で確かめます。マイナ保険証で受診すれば、限度額適用認定証がなくても窓口の支払いは月の上限額までになりますが、マイナ保険証に対応していない医療機関や、資格確認書で受診する場合、低所得の区分にあたる方などは、事前の申請が必要なことがあります。

制度どんなときの助けか問い合わせる先
傷病手当金会社員などが病気で働けず、給与が出ないときの給付勤務先の担当者、加入している健康保険
高額療養費1か月の医療費の自己負担に上限がある加入している健康保険
障害年金がんも対象になり得る。初診日や保険料の納付などの要件がある年金事務所、街角の年金相談センター
5日目に確かめておきたい、お金の制度

障害年金も、がんが対象になり得る制度です。初診日(その病気で初めて医師の診療を受けた日)と、原則として初診日から1年6か月後の障害認定日が重要で、保険料の納付要件もあります。対象になるかどうかは人によって違うので、今週は「そういう制度がある」と知っておくだけで構いません。電話で問い合わせるのがしんどい日は、家族に代わりに聞いてもらってください。

6日目に、次の診察の準備として何をすればいいですか?

聞きたいことを3つに絞って紙に書き、付き添いを頼むかどうかを決めます。治療が終わったあと、誰にどこで診てもらうのか、つらくなったときの連絡先はどこか、を最初の質問に入れておくと、これからの通い方の見通しが立ちます。

治療が終わっても、診療そのものが終わるわけではありません。国立がん研究センターのがん情報サービスは、「緩和ケアは、がんと診断されたときから始まります」と説明していて、痛みや息苦しさ、不安などを和らげるケアは、これからはそれが中心になって続いていきます。「治療ができない」と言われたことの意味や、続けられるケア、ほかの医師の意見を聞くセカンドオピニオンなどの選択肢は、治療できないと言われたあとの続くケアで詳しく取り上げています。

余命の数字を聞き直すかどうかも、自分で決めてよいことです。余命として伝えられる期間は、多くの場合、過去に同じ病気と診断された人たちの統計をもとにしています。生存期間中央値は、その集団の半数がまだ生存している期間のことで、一人ひとりの先行きを言い当てる数字ではありません。数字があったほうが予定を立てやすい人もいれば、聞かないほうが穏やかに過ごせる人もいます。

  1. Q1数字を知ると、これからの予定を立てやすくなりそうですか

    はい「幅をもった目安で教えてください」と頼み、個人差が大きいことも一緒に聞く

    いいえ「数字ではなく、これから起きやすい変化を教えてください」と頼んでよい

  2. Q2ひとりで説明を聞くのが不安ですか

    はい家族か信頼できる人に同席を頼み、答えのメモを任せる

    いいえ質問を書いた紙を持って行き、答えをその場で書き留める

次の診察で、余命の数字を聞き直すか迷ったとき

7日目と、その先の週はどう過ごせばいいですか?

7日目は、自分のための予定を一つ入れる日にします。会いたい人に連絡する、食べたいものを食べに行く、好きな場所を歩く。翌週からも、決めごとや手続きは1日一つまでにして、空いた時間を自分のために残します。

1週間たっても、気持ちが落ち着いたとは感じられないかもしれません。それで構いません。この1週間で目指していたのは、受け止めきることではなく、一人きりで抱えない形をつくることでした。話せる相手が一人いて、職場との相談の場があり、お金の制度の当てがつき、次の診察で聞くことが紙に書いてある。そこまで来ていれば、十分すぎるほどです。表のうち、できなかった日があっても、翌週に回せば済みます。

気持ちが沈んだまま戻らないときは、どこに相談すればいいですか?

眠れない日や、何をしても気持ちが動かない日が続くときは、ひとりで抱えずに主治医やがん相談支援センターに伝えてください。夜中に気持ちが追い詰められたときにかけられる、24時間の電話相談もあります。

主治医に「気持ちのつらさで眠れない」と伝えることは、甘えではありません。体のつらさと同じように、心のつらさも医療者が一緒に考える対象で、心のケアの専門家につないでもらえることもあります。どこに相談すればいいか分からないときは、国立がん研究センターのがん情報サービスサポートセンターに電話で聞くことができます。番号は0570-02-3410(ナビダイヤル)か03-6706-7797で、平日10時〜15時、原則1日1回20分以内、利用は無料で通話料のみ自己負担です。声に出すのがつらいときは、2026年5月に始まったチャット相談(平日12時〜15時)を使う方法もあります。

告げられたあとの気持ちと暮らし

  • 主治医・看護師体のつらさ、眠れなさ、これからの通い方
  • がん相談支援センター無料・匿名。療養、仕事、お金、気持ちの相談
  • がん情報サービスサポートセンター0570-02-3410。平日10時〜15時、相談先に迷ったとき
  • こころの健康相談統一ダイヤル0570-064-556。電話をかけた地域の公的な心の相談窓口につながる
  • よりそいホットライン0120-279-338。24時間・無料、夜中に誰かと話したいとき
  • がんと家族の相談室評価も助言もせずに聞く20分、先生の言葉の整理、相談先への橋渡し
告げられたあとの1週間に頼れる相談先(どこから話し始めてもよい)

こころの健康相談統一ダイヤルは、かけた場所の都道府県や政令指定都市が行う公的な相談窓口につながる番号で、受け付けの曜日や時間は地域によって違い、通話料がかかります。よりそいホットラインは、24時間、無料でかけられる電話相談です(がん専門の窓口ではありません)。消えてしまいたい気持ちが浮かぶときも、どうかそのまま、これらの窓口に打ち明けてください。今まさに命の危険を感じるときは、ためらわずに119番に電話してください。

誰にも言えずにいた人は、最初の1週間をどう過ごした?

説明のための例(実在の方の体験談ではありません)

どなたの例か
50代・本人(会社員。妻と大学生の娘と3人暮らし。外来で余命の見通しと、抗がん剤の治療を終えることを同じ日に告げられた)
相談のあとに変わったこと
告げられて5日目に妻に打ち明け、次の診察に一緒に行く約束ができた。辞表を書きかけていた手を止め、会社の担当に傷病手当金の扱いを確かめるところから始められた。

1. 相談のあとに変わったこと

相談した翌日の夜、彼は妻に「この前の診察で、大事な話があった」と切り出した。全部は話せなかったが、残りは次の診察で先生から一緒に聞くことにした。書きかけていた辞表は引き出しにしまい、翌日、人事の担当に傷病手当金の条件を尋ねるメールを送った。次の診察には、質問を3つ書いた紙と妻を連れて行った。「1日一つでいいと言われて、やっと息ができた気がした」と、彼は振り返る。

2. 相談を考えた背景

告げられた日、彼は会社に戻り、何事もなかったように夕方まで働いた。家では、妻にも娘にも何も言えなかった。娘の就職活動の話を、笑ってうなずきながら聞いた。

3. 相談する前に困っていたこと

それから毎晩、午前3時ごろに目が覚めた。余命、緩和ケア、退職の手続き。検索するたびに決めることが増えていき、3日目の夜には、辞表の書き方を調べている自分がいた。妻に言えば泣かせてしまう、と思うと、言葉がのどで止まった。

4. ここを選んだ理由・決め手

病院の相談窓口は平日の昼間しか開いておらず、会社を抜けて行く気力もなかった。夜中に、匿名で、ひとことだけ送れる場所を探してLINEに「何も決められません」と打った。翌朝いちばんに返事が届き、電話で話すこともできると書かれていたので、フォームから昼休みの時間帯を選んで折り返しを頼んだ。電話では、記録を残さないでほしいと伝えた。

5. 相談で話したこと・その後

担当は、最初の20分ほど、評価も助言もせずに彼の話を聞いた。余命の長さや治療の選択については「それは主治医の先生と話すことなので」と言い、予測も判断もしなかった。そのうえで、今週は決めなくていいことを一緒に書き出すと、辞表、家の片づけ、延命治療の希望がその側に並んだ。残りの日に一つずつ割り振ったのは、妻に話すこと、人事に聞くこと、質問を3つ書くことだった。担当は、傷病手当金の条件は加入している健康保険や会社の担当者が教えてくれること、がん相談支援センターでも仕事の相談ができることを伝え、電話は30分ほどで終わった。それでも、妻に話すと決めた晩、彼は1時間ほど迷ってから切り出した。娘には、妻と相談して週末に話すことにした。

※よくある状況を組み合わせて作った例です。登場する方は実在しません。相談の進み方は、状況によって異なります。

医療者に聞く質問例

  • 治療が終わったあとは、どの先生に、どこで診てもらうことになりますか。
  • 痛みや息苦しさが出たとき、夜や休日はどこに連絡すればいいですか。
  • これから、どんな変化が起きやすいですか。
  • 仕事や外出など、これからの暮らしで続けられることを教えてください。
  • 気持ちのつらさで眠れないとき、相談できる人はいますか。

とはいえ、ひとりで受け止めているあなたに伝えたい2つのこと

① 気持ちのこと──受け止めきれないまま、日々を送っていい

告げられたことを、この1週間で受け止めきる必要はありません。朝は少し落ち着いていたのに、夕方にはまた崩れる。そんな日をくり返しながら、少しずつ形が変わっていくものです。受け止めきれないまま食事をして、眠って、次の朝を迎える。それができていれば、この1週間は十分に過ごせています。泣くのも、怒るのも、何も感じないのも、あなたが弱いからではありません。家族の前では言えない本音を置いていく場所として、主治医や看護師、がん相談支援センター、そして夜でも言葉を受け取れる窓口を、ひとつ覚えておいてください。

② 実務のこと──手続きの「窓口役」を、家族から一人頼む

これからの数週間は、問い合わせや手続きが少しずつ増えていきます。健康保険や会社とのやりとり、相談窓口への連絡、書類の取り寄せ。体力も気力も落ちているときに、それを全部自分で抱えると、一日がそれだけで終わってしまいます。3日目に話した相手が家族なら、手続きの「窓口役」を頼めないか相談してみてください。何を誰に聞いたか、どこまで進んだかをその人が一冊のノートにまとめてくれれば、ご自身は体を休めることと、話したい人と過ごすことに時間を使えます。頼れる家族がいないときは、がん相談支援センターで、手続きをどこから進めればよいかを一緒に整理してもらえます。

今日できること

今夜から明日にかけて、自分を少し楽にする3つのこと

  1. 寝る前に一行だけ書く

    今いちばん気がかりなことを一行だけ紙に書いて、スマホを伏せます。書いたことは、明日の自分か、話せる誰かに渡せば十分です。

  2. 7日間の表を写す

    この記事の表を紙に写し、今日が何日目にあたるかに丸をつけます。できた日には印をつけ、できなかった日は翌日に回します。

  3. 話す相手の名前を書く

    最初に話す1人の名前を、表の3日目の横に書いておきます。家族でも友人でも、相談窓口でも構いません。

よくある質問

表のとおりに進められず、1週間たっても何もできていません。

それでまったく構いません。表は締め切りではなく、迷ったときに「今日はこれ一つでいい」と思い出すための目安です。何もできなかった1週間も、知らせを受け止めるために体と心が使った時間です。翌週に、1日目からもう一度始めてください。眠れない日や食べられない日が続いているなら、それだけは主治医やがん相談支援センターに伝えてください。

家族のほうが先に動揺してしまい、自分が支える側になっています。

告げられた本人のほうが、家族を気づかって落ち着いて見せることはよくあります。けれど、支える役をずっと続ける必要はありません。「今は自分のことで精いっぱいだから、少しだけそっとしておいてほしい」と伝えてよいのです。ご家族にも、がん相談支援センターのような、家族が使える相談先があることを伝えてください。家族の気持ちの受け止め先が別にあれば、あなたが一人で支えずにすみます。

職場には、病名や余命まで話さなければいけませんか?

話さなければいけない決まりはありません。働き方の調整に必要なこと、たとえば通院の日に休みが要ることや、体調によって仕事の量を減らしたいことを伝えれば、相談は始められます。どこまで話すかは、ご自身で決めてよいことです。伝え方に迷うときは、がん相談支援センターで就労の相談もできます。

何もしたくない日があっても、いいのでしょうか?

いいのです。告げられたあとの体と心は、思っている以上に疲れています。何もせずに横になって過ごした一日も、知らせを受け止めるために必要な時間です。夜中にひとりでつらくなったら、よりそいホットライン(0120-279-338)は24時間、無料でかけられます。がんと家族の相談室のLINEも無料・匿名で使え、夜に届いたものは翌朝いちばんに読んで返事をします。

家族に話したら、泣かれてしまいそうで言い出せません。

泣かれることは、話してはいけない理由にはなりません。家族が泣くのは、あなたを大切に思っているからです。どうしても自分の口から伝えるのがつらければ、次の診察に同席してもらい、医師から説明してもらう方法があります。話すのは全部でなくて構いません。「大事な話があった。少しずつ話させてほしい」と伝えるだけでも、ひとりで抱える重さは変わります。

決められない今のままで、話してみませんか

今の気持ちをひとことと、折り返しのお電話番号をお書きください。送信のあと受付確認のメールがすぐ届き、ご希望の時間帯に担当からお電話します。最初は評価も助言もせずにお話を伺い、ご希望があれば、7日間の表をあなたの事情に合わせて一緒に組み直します。

  1. 入力は1分ほどお名前はニックネームで構いません。ご相談の内容は、ひとことでも大丈夫です。
  2. すぐに受付メール送信すると、受け付けたことをお知らせするメールが届きます。
  3. ご希望の時間にお電話電話番号は、折り返しのお電話にだけ使います。スタッフが名前を名乗っておかけします。

    必須は4項目(お困りの内容・施設名・お名前・メールアドレス)です。分かる範囲でご記入ください。写真があると、状況の確認が早くなります。

    1. 1営業日以内にご連絡(お急ぎの場合は当日中)

    2. 現地の確認は無料です(所要30分〜2時間)

    3. お見積りの後にお断りいただいても構いません

    1ご相談の内容
    ご相談の種類任意

    今まさに設備が止まっている・水が漏れているときは、いちばん上を選んでください。すぐにできることを表示します。

    水が漏れている場合は、先に止水栓か元栓を閉めてください。電気設備に水がかかっている場合は、ブレーカーを落としてください。写真はLINEから送っていただくのが最短です(24時間受付)。

    対象の設備・箇所任意・複数可

    写真任意・3枚まで

    全体が分かる引きの写真、症状が分かる寄りの写真、銘板(メーカー・型式のシール)の3枚があると、機種と範囲がその場で分かります。入居者の方が写らないようにお撮りください。1枚2MBまで(JPG・PNG・GIF・WebP・PDF)。スマートフォンの写真はそのまま選べます。大きい写真は送信前に自動で縮小します。

    2施設について

    3ご連絡先

    ご希望の連絡方法任意

    連絡のつきやすい時間帯任意・複数可

    4詳しく書ける方へ任意いつから・何回目か・何か所か・何名の施設か。分かるとお見積りまでの日数が短くなります

    同じ症状は

    補助金の利用

    他社のお見積り

    他社の金額をお伺いすることはありません。相見積の場合は、各社に同じ条件をお伝えします。

    送信すると、受付番号を記した受付完了メールが自動で届きます(ご入力の内容は記載しません)。受付とご連絡は、運営会社のスキマグループ合同会社が行います。ご相談・現地の確認・お見積りまで費用はかかりません。

    お急ぎのときは、お電話で:080-4178-5017(平日9:00〜18:00は担当が直接お受けします。それ以外は自動音声で受け付け、翌朝9時までに折り返します)/文字で相談したいときはLINEで

    私たちは医療機関ではないため、診断・治療・余命の判断はできません。体調の急な変化は、まず主治医や病棟・訪問看護へ。命に関わる緊急時は、迷わず119番へ。

    次の一歩

    これからの流れは、大きな分かれ道だけ先に話しておく

    これから先のことを、一度にすべて決める必要はありません。どこで過ごしたいか、急な変化のときに誰へ連絡するか。大きな分かれ道だけでも話しておくと、そのときの迷いが小さくなります。

    主治医や看護師に聞いてみる一言

    「これから起こりうる変化と、そのとき家族が連絡する先を教えてください。」

    1. 過ごしたい場所(自宅・病院・緩和ケア病棟など)の希望を、ご本人と少しずつ話す
    2. 在宅療養や介護保険のことは、病院の医療ソーシャルワーカーや地域包括支援センターに相談する
    3. 決めたことはメモにして、家族のあいだで共有しておく

    手元にあると話しやすいもの

    • ご本人の希望(過ごしたい場所など)のメモ
    • 介護保険の被保険者証(お持ちの場合)

    公的な相談先

    医療ソーシャルワーカー(病院の相談室など)
    医療費や制度、退院後の暮らし、在宅療養の準備を一緒に考える専門職です。
    地域包括支援センター・市区町村の介護保険の窓口
    介護保険の申請や、介護サービスの使い方を相談できます。

    このサイトでできること

    体調の急な変化は、まず主治医・病棟・訪問看護へ。命に関わる緊急時は119番へ。

    このテーマの記事をもっと読む(これから何が起こる?)

    参考・出典

    監修者 木内 由香

    緩和ケア・がん患者と家族の
    支援に関する監修者

    木内 由香

    緩和ケア・がん患者と家族の支援に関する監修者

    県立がんセンターでの勤務経験を経て、がん患者さんとそのご家族が直面する療養上の悩みや意思決定の葛藤に向き合ってきました。

    がんと診断されたご本人を支えるご家族には、「一日でも長く生きていてほしい」という切実な願いがあります。一方で、緩和ケアでは、痛みや苦痛を和らげること、その人らしい生活を大切にすること、ご本人の希望を尊重することなど、さまざまな視点から療養の方向性を考える必要があります。

    こうしたご家族の願いと医療・療養方針との間に生まれる葛藤を理解し、年間約200名のがん患者さんとそのご家族に関わる中で、それぞれの状況に応じた支援のあり方や、その先に進むための選択肢をともに考えてきました。

    「がんと家族の相談室」では、がん患者さんご本人だけでなく、支えるご家族も孤立せず、必要な情報や相談先につながれることを大切にしています。医療情報を伝える際には、医学的な正確性に配慮するとともに、ご家族が抱える不安や迷いにも目を向け、療養生活の中で次の一歩を考えるための情報発信を目指しています。

    監修は医療情報の正確性と表現の妥当性に関するものであり、個別の診断・治療・余命の判断を行うものではありません。ご本人の症状や治療については、担当の医師・看護師にご確認ください。

    今の気持ちを、LINEでひとこと

    「怖い」「眠れない」「先生の説明が分からなかった」。ひとことで構いません。評価も助言もせず、お返事します。

    夜に書いたLINEは、翌朝いちばんに読みます。匿名で、スタンプひとつでも。

    話してみる相談料0円
    ページの先頭へ戻る